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    らい。

    おかわり

    DOODLE[ハジ→トシ] アプローチ開始1ヶ月後くらい。
    トシさんとシンパチくんの雑談。
    個人サイト全盛期のSSみたいな軽やか仕上げ。
    ごちそうさん「最近、斎藤はおかしくねぇか」
    「おかしい……と申しますと?」
    はて、という表情を作りながら蕎麦を啜る。一緒に昼飯でも食いにいかねぇかと誘われた時点でおおよそ予想していたが、直球であることが多い土方が遠回しに話題を切り出したので確信に変わった。
    「……うまく言えねぇんだが、前ほど荒々しくないというか、大人しいというか。身体の調子でも悪いのか?」
    「そうですかね?相変わらず馬鹿で騒がしくて元気ですよ、ハジメちゃんは」
    「いや馬鹿は馬鹿だしうるせぇときもあるんだが……妙に落ち着いた表情してる時、あるじゃねぇか。身体の不調ってわけじゃねぇなら悩み事とか、なにか聞いてねぇか永倉」
    ようやく土方が蕎麦とセットの天ぷらに箸をつけて、さくさくと咀嚼し始めた。土方としては僕に探りを入れるのが目的で、食事は外へ誘う口実に過ぎなかったろうからあまり腹を空かせていないのかもしれない。けれど揚げたての天ぷらが冷めてしまうのを見るのは心苦しかったから、促す前に食べ始めてくれてよかった。気が散っていたが、ようやくこの話を面白がれる。
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    かべうちのかべ

    MENU『冬から春へ』
    の書き下ろし2作の冒頭部分抜粋しました。( )内の計は全文の長さ。サンプルはその三分の一くらい。

    『お気に入りは』←オエちゃんとネの出会いと、その数ヶ月後。(計3200字くらい)
    『宴の夜に』←ブ様とおシャイがお話するところ。(計1600字くらい)
    頒布先→ https://mahokabeuchiaka.booth.pm/items/3914349(BOOTH店舗)
    『冬から春へ』書き下ろし文サンプル『お気に入りは』

     ブラッドリーの城の近くの森で動物たちから面白い噂を聞いた。
    『俺たちの言葉がわかるやつがいる』
    『ちょっと聞かないなまりのあることばを話す』
    『近くにいると穏やかな気持ちになる』
    『食べたことのないような、甘くておいしいものをくれる』 等々。
     
     最近何もなくて退屈だし、オーエン以外で動物と話せる存在はそう多くない。それになにより、『甘くておいしいもの』が気になった。オーエンは甘いものに目がないのだ。
     巻き起こる吹雪の中を歩いているとは思えないほどに悠々と進み、しばらく行けば視界が開ける。ブラッドリーの治める領域の中へとたどり着いたのだ。今は昼前で太陽が真上に上り、先ほどとは打って変ってかなりの晴天になっている。そのおかげか、遠くの街の煙突の煙まできれいに見えているが、そちらには目もくれず、その北側へと広がる森へと歩を進めた。
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    菜の花みかん

    DONEたいみつ。21歳×20歳くらい。
    社長とデザイナーの軸。三ツ谷一人称。
    久しぶりに会うぎこちないふたり。大寿君からのアプローチ。恋の駆け引き。
    特別な日(たいみつワンウィーク作品)今、目の前に柴大寿がいる。
    青筋は浮き出てないものの、眉間には軽く皺が寄り、仏頂面で明らかに不機嫌そうだ。無言な彼の威圧感に気圧されはしないが、オレ、何か怒らせるようなことした?と心が騒めいてしまう。大寿くんは大富豪の家の長男。彼の弟の八戒とは兄弟のような仲とはいえ、抗争後仲良くなった大寿くんに気安く接しすぎて、知らず知らずに失礼な態度を取ってしまっていたかもしれない。オレの家庭は裕福ではなく、住む世界が違うから、度々苛つかせてしまってるのかもしれない。
    今日は初めて大寿君に誘われてとても嬉しくて浮かれてたけど、オレの想像と違った。専門学校の課題とバイトで忙しくて、最近大寿君に連絡できなかった。いつも連絡するのも誘うのもオレからで、大寿くんは応じてくれるし、会えば楽しく過ごせてると思っていたものの、大寿くんから積極的に誘ってくれることはなく、オレが連絡しなければ疎遠になってしまう仲なのかなと寂しかった。大寿くんは会社を経営して、仕事が凄く忙しそうで、迷惑かなと連絡し辛くなってしまったのもある。だけど、大寿くんから連絡が来て、オレに会いたいのかな?と嬉しくて、なんとしても会いたいと、バイトのシフトを代わってもらい、今対面で座ってるのだけど…。
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