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    ロマンス

    EIGOnon

    DOODLE「ロマンスなんて知らない」の二人が過ごすバレンタインの話です。今度は間に合ったぞ!!
    ターナーくんが作っていたのはザッハトルテです。

    蛇足
    海外では贈られる側(女性)は赤い下着で相手を迎えるそうなんですけど、ボスの趣味じゃなさそうなので省きました(ネロくんはやりそうですが)
    これ以上ない程の愛を込めて〈月曜日、空いてるか?〉

     穏やかな昼下がり、使い慣れない携帯端末に表示されたのは、そんな短い単語だった。
     ネロは「月曜日」と単語を繰り返し、アプリコットを焚く手を止めてカレンダーを見やる。
     二月十四日。はて、と首を傾げる。ええと、何かあったよなぁ、この日。何だっけ。
     安物のカレンダーをじっと見つめるも、最低限の祭事しか書かれておらず、答えはない。
     兎角、月曜日は麦穂も休みである。
     土曜の夜から日曜にかけてはブラッドリーの家で過ごしてはいるものの、月曜はネロにとっては空いた休暇に過ぎない。
     掃除か苦手な帳簿付けくらいしかやることもなかった。あまり深く考えずに返答を寄越すことにする。
     〈空いてるよ〉と、爺かよと揶揄されるレベルで遅い打ち込みを以て送ったメッセージには、〈じゃあ夜に行くから、そのまま予定空けとけ〉と即座に返って来た。
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    4_haru100

    DONEシャ白さんとの共同企画🍽
    5話目!

    ⚠︎ストレスに狂った七海がストレス発散のために五条に料理を食べさせる話です
    ⚠︎付き合ってないしロマンスの兆しはすごく微かです
    ⚠︎なんでも許せる方向け
    ■とびうお / クークー普通の先輩後輩みたいな、七海がそういう感じで思ってくれてたら良いな、なんて、つい先日思ったばかりのことが頭をよぎる。確かに思った、思ったけれど、じゃあ今この息苦しさはなんだろう。

    「え?五条さん?」
    いつも通り、七海の部屋に玄関からちゃんと来た。いつも通りじゃなかったのは、ドアを開けたのが家主じゃあなかったってところだ。
    「猪野くん、じゃあまた今度……」
    部屋の奥から言いかけた家主が、あと気が付いた様子で顔を上げた。入り口で立つ五条と、玄関を開ける猪野と、廊下から二人を見る七海。一同少し固まって、そうして一番最初に口を開いたのは自分だった。
    「帰った方がいい?」
    「は?」
    「えっなんでですか!」
    この部屋で誰かと出くわすことを考えていなくて、動揺する。頭が上手く回らない。いや、そうだよな別に誰かがいたって、帰ることないよなとようやく脳細胞が動き出した頃、猪野がドアを開けたままなことに気が付く。
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    4_haru100

    DONEシャ白さんとの共同企画🍽
    1話目

    ⚠︎ストレスに狂った七海がストレス発散のために五条にトンデモ料理を食べさせる話です
    ⚠︎付き合ってないしロマンスの兆しはすごく微かです
    ⚠︎なんでも許せる方向け
    ■パトゥルジャン・サラタスしくじったかもしれない、と珍しくも五条は自分の行いを振り返る。部屋に響き渡るのは斬撃の音で、それはキッチンからして良い音とはどうしても思えない。ソファで寛いていてください、と有無を言わせぬ微笑みでキッチンから追い出されて早二十分。
    「ね、なにしてるの……?」
    「料理です」
    大人しく身を置いていたリビングのソファからキッチンを振り返って恐々尋ねるが、斬撃の音が大きくて微かにしか聞こえない。調理中の音とはどうしても思えないし、右手の動きが速すぎて、五条なら追えるが普通の人が見たらどうだろう。
    七海の部屋は、己の体格に合わせて天井や扉や、浴室まで大きいものを選んでいたが、キッチンも例外ではなかった。
    使用頻度には見合わない広々としたアイランドキッチンが、真面目に使用されているところを五条は見たことがない。先日侵入した時など、キッチンで立ったままハイボール片手に魚を焼いていた。あんまりだと思ったし、それはそのまま口に出ていた。盛大に煽った。
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    DR_yuu0202

    DONEドラマチックロマンスナンバー4!展示①
    しがふたりをわかつとも ――ロナルド君が、VRCに搬送されたとの報を受けた私は、矢も盾もたまらず、新横浜署を飛び出していた。
     一昨日の晩から「サテツたちと遊んでくる」と言って家を出たっきり、連絡がなかったことを気にはしていたが、まさかこんな連絡を受けることになるとは思わず、内心の焦燥を抑えられない。署からVRCまでは、車でたったの五分の距離だが、それでもその時間すら惜しい。
     何をしたんだ、死にたがりの君は。
     車に乗り込み、エンジンをかける。一度落ち着こうと、ハンドルに額をつけて、はあ、と肺の中から息を搾り出して、動揺で上がった拍動を落ち着ける。
     ロナルド君自身、この新横浜に馴染んで、こうして一人で出掛けることが最近増えていた。連絡手段を持たないが、新横浜市内にいればロナルド君は時々念話を送って来ることがある。私からそれに応えることは出来ない一方通行のもので、そろそろ通信機器を持たせようかと思っているのだが、十中八九どこかに落としてくるのでどうしたものかと考えあぐねていた。因みにロナルド君がそんなとんでもない能力を、事もなげに使って私に伝えてくることは大概その日の夕飯のリクエストだ。
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