三百
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。オロ&赤鬼。成敗と書いてケンカと読む。「おかえり。陸はどうだった?」
「別に変わんねぇぞ。成敗と成敗と……それから成敗してたくらいだ」
いつもの受け答えをして、魔王が苦笑を浮かべる。お決まりとなった流れはしかし、かしげた小赤鬼の首にせき止められた。
「俺はここのモンじゃねぇのに、おかえりって言ってもいいのか?」
形式上は配下となったが、常に指示を受けているわけではない。それでも顔一つで竜宮を歩き回れるのは、彼の計らいに他ならなかった。
「根城がもうひとつ欲しくなったら、いくらでも居るといい。オレはいつでも歓迎するよ」
変わらず玉座に掛けている彼は、そう望んだことはあるのだろうか。もし叶えられるなら、と思う。自分の根城で出迎えてやれればいいと。
309「別に変わんねぇぞ。成敗と成敗と……それから成敗してたくらいだ」
いつもの受け答えをして、魔王が苦笑を浮かべる。お決まりとなった流れはしかし、かしげた小赤鬼の首にせき止められた。
「俺はここのモンじゃねぇのに、おかえりって言ってもいいのか?」
形式上は配下となったが、常に指示を受けているわけではない。それでも顔一つで竜宮を歩き回れるのは、彼の計らいに他ならなかった。
「根城がもうひとつ欲しくなったら、いくらでも居るといい。オレはいつでも歓迎するよ」
変わらず玉座に掛けている彼は、そう望んだことはあるのだろうか。もし叶えられるなら、と思う。自分の根城で出迎えてやれればいいと。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。オロ&赤鬼。 佇む影は魔王のものだった。この時間に展望で見掛けるのは珍しい。なにかあったかと赤鬼が尋ねると、夢見が悪いだけだと静かに笑う。
怖い夢を見たという妹のそばで、よく一晩を明かしていた。記憶をつづった独り言は、遠くで瞬く鱗のように消えていく。
ならば彼が悪夢を湛えた時は、誰がそばに居たのだろう。浮かんだ疑問はおぼろげなまま、夜の海に溶け込んだ。
「そういうおまえは、どうしてここに?」
「酒があったから飲んでただけだ」
まだ重い酒瓶に目をやれば、視線が後を追ってくる。すかさず出されたぐい呑みが、フチを鋭く光らせた。
「ご馳走になっても?」
「最初っからそのつもりだろ」
もちろんと答えた目はどこか、嬉しそうに弧を描く。
313怖い夢を見たという妹のそばで、よく一晩を明かしていた。記憶をつづった独り言は、遠くで瞬く鱗のように消えていく。
ならば彼が悪夢を湛えた時は、誰がそばに居たのだろう。浮かんだ疑問はおぼろげなまま、夜の海に溶け込んだ。
「そういうおまえは、どうしてここに?」
「酒があったから飲んでただけだ」
まだ重い酒瓶に目をやれば、視線が後を追ってくる。すかさず出されたぐい呑みが、フチを鋭く光らせた。
「ご馳走になっても?」
「最初っからそのつもりだろ」
もちろんと答えた目はどこか、嬉しそうに弧を描く。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。オロ&赤鬼。痛いの飛んでいけ。 手え出すな。
啖呵を切った赤鬼の、鮮やかな勝利の姿は、しかし肩を落としてうな垂れる、敗者のものとなった。
彼をこらしめに来たという者たちは、当然の、しかしなんの意味もない理想を説いた。そんなものに付き合わされ、それでも向き合ったのは、彼が正しくあろうとするからに他ならない。
「俺が悪者みてえな言い方しやがって……」
怒りというには、ずいぶん力が抜けていた。落ちていく言葉も声の調子も、魔王でさえ十分なほど知っている。
隣に並んでもまだ、頭は上がる気配がない。ここぞとばかりに手を置き、ひと撫で、ふた撫で。まだ反発がない時は、こうやって腕に包む。
それは次こそ上手くいくようにという、繰り返したおまじないだった。
312啖呵を切った赤鬼の、鮮やかな勝利の姿は、しかし肩を落としてうな垂れる、敗者のものとなった。
彼をこらしめに来たという者たちは、当然の、しかしなんの意味もない理想を説いた。そんなものに付き合わされ、それでも向き合ったのは、彼が正しくあろうとするからに他ならない。
「俺が悪者みてえな言い方しやがって……」
怒りというには、ずいぶん力が抜けていた。落ちていく言葉も声の調子も、魔王でさえ十分なほど知っている。
隣に並んでもまだ、頭は上がる気配がない。ここぞとばかりに手を置き、ひと撫で、ふた撫で。まだ反発がない時は、こうやって腕に包む。
それは次こそ上手くいくようにという、繰り返したおまじないだった。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。オロ&赤鬼。手持ちでは似た者同士のイメージです。 魔王が落ちていた。
目が真っ赤だとのぞき込めば、これは元からだと答える。
そんな出会いからした話を、今も覚えているだろうか、と彼は言った。こうして佇んでいる時は、決まって隣に座り込み、足元の欠片を拾い上げる。
くたくたになるまで得物を振るった、一面の衝動の中にはまだ。勇者を語った者どもの、壊れた証明が残っている。欠片を握る彼は、いつも決まってこう言うのだ。「顔を赤くしているのは誰かな?」
正義は今も見つからない。それでも探すのをやめられないのは、山のような欠片を背負った彼がまだ、同じ方向を向いているからだと。
そうしてまた、赤鬼は決まりきった答えを返す。
「これは元から赤ぇんだよ」
「フフ、それは良かった」
313目が真っ赤だとのぞき込めば、これは元からだと答える。
そんな出会いからした話を、今も覚えているだろうか、と彼は言った。こうして佇んでいる時は、決まって隣に座り込み、足元の欠片を拾い上げる。
くたくたになるまで得物を振るった、一面の衝動の中にはまだ。勇者を語った者どもの、壊れた証明が残っている。欠片を握る彼は、いつも決まってこう言うのだ。「顔を赤くしているのは誰かな?」
正義は今も見つからない。それでも探すのをやめられないのは、山のような欠片を背負った彼がまだ、同じ方向を向いているからだと。
そうしてまた、赤鬼は決まりきった答えを返す。
「これは元から赤ぇんだよ」
「フフ、それは良かった」
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。マヨ&オロ。カットインだと魔王としか呼んでいなかったのは、そういうことだったのかなと。 名を呼んだ声は力なく、それでも同じ響きのまま、マヨリの脳裏と目頭をなでる。
身を彩った禁忌の力は、すでに彩度を失っていた。まだ身を起こすこともままならないのだろう。倒れたままの影に寄り添い、首を支える。
ずっと下を向いているせいだろうか。溜まっていた心がふと、こぼれた。
「兄上はずるいお人だ。わらわもずっと、名前でお呼びしたかった……」
「おまえが願うならいくらでも。オレはここにいるじゃないか」
声が詰まる。言いたいことはたくさんあるのに、波に混ざって溶けてしまう。
もう一度名前で呼んでくれるだろうか。瞬いたそんな願いごとは、ほおを流れて伝い落ちる。
それはこの世界にたった一人の。誰でもない兄の名を呼んだ。
313身を彩った禁忌の力は、すでに彩度を失っていた。まだ身を起こすこともままならないのだろう。倒れたままの影に寄り添い、首を支える。
ずっと下を向いているせいだろうか。溜まっていた心がふと、こぼれた。
「兄上はずるいお人だ。わらわもずっと、名前でお呼びしたかった……」
「おまえが願うならいくらでも。オレはここにいるじゃないか」
声が詰まる。言いたいことはたくさんあるのに、波に混ざって溶けてしまう。
もう一度名前で呼んでくれるだろうか。瞬いたそんな願いごとは、ほおを流れて伝い落ちる。
それはこの世界にたった一人の。誰でもない兄の名を呼んだ。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。オロ&赤鬼。 散っていく後ろ姿に漏らした感嘆を、赤鬼は自慢げに受け取った。
「悪ぃヤツは懲らしめて当然だからな!」
出会ったばかりの頃に、そんな話をしたことがある。鬼の中でも力自慢だったという彼は、思い立って国を出た。世界には良いヤツと悪いヤツがいて、自分の力が役立つはずだと。
――彼は恐らく……。
正義を知ってはいるが、どんな形かは知らないのだろう。この魔王もまた変わらないのかもしれないと、置かれたままの得物をつかむ。手渡そうとしてふと、その重みに気付いた。
「似ているのかもしれないね、オレとおまえは」
「おっそうか! だったら俺がどんどん倒してやるからよ!」
頼もしいその言葉もどうか。彼のためだけにあれば良い、と思う。
312「悪ぃヤツは懲らしめて当然だからな!」
出会ったばかりの頃に、そんな話をしたことがある。鬼の中でも力自慢だったという彼は、思い立って国を出た。世界には良いヤツと悪いヤツがいて、自分の力が役立つはずだと。
――彼は恐らく……。
正義を知ってはいるが、どんな形かは知らないのだろう。この魔王もまた変わらないのかもしれないと、置かれたままの得物をつかむ。手渡そうとしてふと、その重みに気付いた。
「似ているのかもしれないね、オレとおまえは」
「おっそうか! だったら俺がどんどん倒してやるからよ!」
頼もしいその言葉もどうか。彼のためだけにあれば良い、と思う。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。マヨ&アズ。 恐る恐る重みを掛けてきた肩は、手の平を添えたところで、石のように固まった。
「そう縮こまるでない。前はよくこうしてやったではないか」
「み、みどもはそのようなことは……!」
膝の上のアズミはまだ、寄り掛かる心地にどぎまぎしている。これではまるで、背伸びを覚えた子供のようだ。あるいは自分も同じかもしれないと、ほほ笑みで自嘲に蓋をする。
マヨリは禁忌の力に手を触れた。だが、こうして守りたいものがある限り、決して力には呑まれない。守られていた自分はもう、守る側に立っていたのだと、乱れてしまった髪をすく。
沈む呼吸と共に、またたきが重さを増した。そっとのぞき込んだ目に、思い描いた平穏と、まだ見えない水底を見る。
309「そう縮こまるでない。前はよくこうしてやったではないか」
「み、みどもはそのようなことは……!」
膝の上のアズミはまだ、寄り掛かる心地にどぎまぎしている。これではまるで、背伸びを覚えた子供のようだ。あるいは自分も同じかもしれないと、ほほ笑みで自嘲に蓋をする。
マヨリは禁忌の力に手を触れた。だが、こうして守りたいものがある限り、決して力には呑まれない。守られていた自分はもう、守る側に立っていたのだと、乱れてしまった髪をすく。
沈む呼吸と共に、またたきが重さを増した。そっとのぞき込んだ目に、思い描いた平穏と、まだ見えない水底を見る。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。オロ&赤鬼。どこかで知られることにはなるんかなと。「オロロソさまって兄貴なのか?」
抵抗軍への対策、その会話を聞かれていたのだろう。顔を見るなり聞いてきた赤鬼に、「それがどうかした?」と逆に問う。
「魔王で兄貴って……鬼かっけェなあ!」
「意味がよく分からないんだが……」
目を輝かせている彼曰く、年長者とは指導者であり、ゆえに強いものらしい。だからこの魔王は強いのだと、そう褒めているのだろうか。
あるいはそんな風に、と思う。なにもかもが絡んでしまったならば、いっそ一まとめにして、ただ沈めてしまえば良いのだと。
「鬼かっけェから、鬼兄貴って呼んでもいいか?」
「それはやめてほしいかな」
うな垂れた顔に苦笑で答えながら、ふと、覚えのあるくすぐったさを思い出した。
312抵抗軍への対策、その会話を聞かれていたのだろう。顔を見るなり聞いてきた赤鬼に、「それがどうかした?」と逆に問う。
「魔王で兄貴って……鬼かっけェなあ!」
「意味がよく分からないんだが……」
目を輝かせている彼曰く、年長者とは指導者であり、ゆえに強いものらしい。だからこの魔王は強いのだと、そう褒めているのだろうか。
あるいはそんな風に、と思う。なにもかもが絡んでしまったならば、いっそ一まとめにして、ただ沈めてしまえば良いのだと。
「鬼かっけェから、鬼兄貴って呼んでもいいか?」
「それはやめてほしいかな」
うな垂れた顔に苦笑で答えながら、ふと、覚えのあるくすぐったさを思い出した。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。オロ&赤鬼。お兄ちゃん節を発揮。 後ろに大きく跳んだ赤鬼は、なにやら考えているようだった。
しもべとしてのお手並み拝見。早々に追い詰めてはいたが、彼はまだ諦めていないようだ。考え事が口から出るのか、もうこの手しかないなどと、筒抜けになっているのも構わない。ここからどうあがくのか、楽しみではあったのだが。
だからこそ、同じ一撃だったことに、どうにも拍子抜けしてしまった。一連の大仰な構えは、どうやら気合いを入れただけらしい。確かに重さは増していたが、それにしてももう少し……。
かつて渦に足を浸した誰か。よく似た純粋なその赤も、ひとたび混ざれば、すぐに淀んでしまうかもしれない。
だからこそ、と思う。魔王の一撃に倒れた体を、両腕で引き上げた。
309しもべとしてのお手並み拝見。早々に追い詰めてはいたが、彼はまだ諦めていないようだ。考え事が口から出るのか、もうこの手しかないなどと、筒抜けになっているのも構わない。ここからどうあがくのか、楽しみではあったのだが。
だからこそ、同じ一撃だったことに、どうにも拍子抜けしてしまった。一連の大仰な構えは、どうやら気合いを入れただけらしい。確かに重さは増していたが、それにしてももう少し……。
かつて渦に足を浸した誰か。よく似た純粋なその赤も、ひとたび混ざれば、すぐに淀んでしまうかもしれない。
だからこそ、と思う。魔王の一撃に倒れた体を、両腕で引き上げた。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。オロ&赤鬼。 しもべにするか見定める。言われた赤鬼が招かれたのは、並んだ食事の席だった。
なぜ食事なのかとは思ったが、取り取りの料理を前にすると、すぐにどうでも良くなった。相性の良い酒に、見たこともないような珍味まで。口にするたび、思わず感動の声が漏れてしまう。そんな様を見ている魔王は、時折小さく笑いながら、ていねいに箸を進めている。
平らげた夢見心地に浸っていれば、合格だ、の一言に引き上げられた。
今のどこがどう合格だったのか。かねてからの疑問を口にすると、彼は箸先から上げた目を細める。
「膳を残さない。それだけで十分だよ」
食べ方はあまりよろしくはなかったが。付け加えられた指摘は、酒の甘味で誤魔化した。
305なぜ食事なのかとは思ったが、取り取りの料理を前にすると、すぐにどうでも良くなった。相性の良い酒に、見たこともないような珍味まで。口にするたび、思わず感動の声が漏れてしまう。そんな様を見ている魔王は、時折小さく笑いながら、ていねいに箸を進めている。
平らげた夢見心地に浸っていれば、合格だ、の一言に引き上げられた。
今のどこがどう合格だったのか。かねてからの疑問を口にすると、彼は箸先から上げた目を細める。
「膳を残さない。それだけで十分だよ」
食べ方はあまりよろしくはなかったが。付け加えられた指摘は、酒の甘味で誤魔化した。
百瀬.
DONE『つつえり(百瀬)』さんは【ついばむようなキス】をテーマに物語を作ってください。あなただけの素敵な物語(https://shindanmaker.com/1236236)さんのお題をお借りしました。
まだ数回しか身体重ねていないふたり。
まあそれだけじゃ終わんないよね。
(三百〜のふたりです) 3
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。ラフ&ガー&アスモ。ラフ様が単独行動をとっていた? 理由はもうずっと考えています。 なぜこんな時期にと続かなかったのは、横から一べつが飛んだからだろう。しばらく休暇を取る。伝えた途端に深くなった、ガープの眉間のシワは、事前にアスモデウスに任せていた。
魔皇軍は今、侵攻の真っ只中にある。大将の不在によって、ようやく点いた火が弱まるという、彼の懸念はもっともだ。
「そのための貴様たちではないか」
こうして言外に賞賛を滲ませれば、合いの手と共にシワは消える。自負しているからこそ、追及が無いことも分かっていた。
「それで……どちらまで?」
「こもるだけだ。少々考えたいことがあってな」
――独りで征くのかどうか。
土産でも欲しかったか。冗談とともに笑いながら、まだ形にならないままの言葉は呑み込んだ。
312魔皇軍は今、侵攻の真っ只中にある。大将の不在によって、ようやく点いた火が弱まるという、彼の懸念はもっともだ。
「そのための貴様たちではないか」
こうして言外に賞賛を滲ませれば、合いの手と共にシワは消える。自負しているからこそ、追及が無いことも分かっていた。
「それで……どちらまで?」
「こもるだけだ。少々考えたいことがあってな」
――独りで征くのかどうか。
土産でも欲しかったか。冗談とともに笑いながら、まだ形にならないままの言葉は呑み込んだ。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。アレス&ラフロイグ。皆のためから皆の理由へ。 盾を持たない手はずいぶん軽い。元より盾など必要ない――というのは、魔皇の言い分ではあった。盾は駒であり、駒は消耗品である。替えのきく駒など、惜しまれるべきではないのだと。
だがそれは、王の駒でさえ例外ではなかった。アレス自ら証明したのは、魔皇という駒を打ち取るために、自身も盤上に上がった時だ。
ならば自分は、一体なにを惜しめばいいのだろう。守るべきものを手放して、代わりになにを握れば良いのだろう。
途切れた独り言をつかみ損ね、さ迷っていた指先に声が触れる。
――これからは貴様自身が理由となるのだ。
高く掲げた武器の先に、居並ぶ配下たちが見える。答えた言葉を反すうするように、あいたままだった片手を添えた。
310だがそれは、王の駒でさえ例外ではなかった。アレス自ら証明したのは、魔皇という駒を打ち取るために、自身も盤上に上がった時だ。
ならば自分は、一体なにを惜しめばいいのだろう。守るべきものを手放して、代わりになにを握れば良いのだろう。
途切れた独り言をつかみ損ね、さ迷っていた指先に声が触れる。
――これからは貴様自身が理由となるのだ。
高く掲げた武器の先に、居並ぶ配下たちが見える。答えた言葉を反すうするように、あいたままだった片手を添えた。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。ガープ&ラフロイグ。大体いつもこんなノリ。 茶や豆に興味がおありでしたか?
締めくくりとして添えた質問に、魔皇は首をかしげて答えた。
一段落を見計らって、茶を用意するのはガープの役目だ。このところは茶菓子の代わりに、ひとくさりの知識を注文されている。また事業でも始めるのかとたずねてみれば、どうやらそうでもないらしい。ただ聞いていただけだと、あくびが理由に手を添える。
「貴様に喋らせておけば、余計なことを考えずに済むからな」
持ち込まれた判断の束は、主の返答を待つために、今も列をなしたままだ。
一つ生返事をして、ソファに埋もれていく背を見届ける。食器を下げようと伸ばした手が、不意に起き上がる肩にさえぎられた。
「それも良いかもしれんな」
「ええ……?」
312締めくくりとして添えた質問に、魔皇は首をかしげて答えた。
一段落を見計らって、茶を用意するのはガープの役目だ。このところは茶菓子の代わりに、ひとくさりの知識を注文されている。また事業でも始めるのかとたずねてみれば、どうやらそうでもないらしい。ただ聞いていただけだと、あくびが理由に手を添える。
「貴様に喋らせておけば、余計なことを考えずに済むからな」
持ち込まれた判断の束は、主の返答を待つために、今も列をなしたままだ。
一つ生返事をして、ソファに埋もれていく背を見届ける。食器を下げようと伸ばした手が、不意に起き上がる肩にさえぎられた。
「それも良いかもしれんな」
「ええ……?」
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。エー&カマ&クレイ。アザ&シェムもエー様に近かった、だといろいろ捗りそうなのですが!(…) 白と空色の神殿に、鮮やかな赤と黄が咲いた。
かつて見た色彩に、どこか似ているのは気のせいだろう。宝石のような緑と青。すでにあせている色を、エーリュシオンは意識の外に追いやった。
ピシリと並んで立っている二人は、新たに使いとなる者たちだ。それらしい宣警をしようとして、しかし用意した言葉を見失ったようだった。
「……私たちが、その……」
「エーリュシオン様のお力になります!」
「そうだ、私もお力になりたいです!」
勢い余ったのか、前のめりになった二対の翼が、花のように咲き誇る。思わずこぼれてしまった笑みは、その誠意への答えになるだろうか。
クレイ。カマエル。
名前を呼び、「よろしく頼む」と二つの小さな手を取った。
314かつて見た色彩に、どこか似ているのは気のせいだろう。宝石のような緑と青。すでにあせている色を、エーリュシオンは意識の外に追いやった。
ピシリと並んで立っている二人は、新たに使いとなる者たちだ。それらしい宣警をしようとして、しかし用意した言葉を見失ったようだった。
「……私たちが、その……」
「エーリュシオン様のお力になります!」
「そうだ、私もお力になりたいです!」
勢い余ったのか、前のめりになった二対の翼が、花のように咲き誇る。思わずこぼれてしまった笑みは、その誠意への答えになるだろうか。
クレイ。カマエル。
名前を呼び、「よろしく頼む」と二つの小さな手を取った。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。アスモ&ガー&アレ&ラフ。主の部屋の温度で揉める、両腕の二人。 薪くらい惜しまず使ってはどうだ。
ただ暖めれば良いというものでもないだろう。
そんな些事から始まった口論は、思いがけず白熱してしまった。いつも見解の相違に始まり、互いを一通り罵ったあとは、無言とため息だけが残る。新たな主君の両腕となった今も、その習慣は変わらず、アスモデウスはガープと共に額を押さえた。
思ったよりも響いていたのだろうか。現れた主君は、気遣いへの感謝を告げて微笑んだ。こちらが気遣っているつもりで、逆に気遣われてしまうのは、これが初めてではない。
だからこうして呆けた顔のまま、二人でその背を見送ることになるのだ。
なにも変わらないな。どこか懐かしむような言葉と、魔皇の笑い声が確かに聞こえた。
311ただ暖めれば良いというものでもないだろう。
そんな些事から始まった口論は、思いがけず白熱してしまった。いつも見解の相違に始まり、互いを一通り罵ったあとは、無言とため息だけが残る。新たな主君の両腕となった今も、その習慣は変わらず、アスモデウスはガープと共に額を押さえた。
思ったよりも響いていたのだろうか。現れた主君は、気遣いへの感謝を告げて微笑んだ。こちらが気遣っているつもりで、逆に気遣われてしまうのは、これが初めてではない。
だからこうして呆けた顔のまま、二人でその背を見送ることになるのだ。
なにも変わらないな。どこか懐かしむような言葉と、魔皇の笑い声が確かに聞こえた。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。ラフロイグ&ガープ。合戦の準備中。 「藪から棒になんだ」。言いながらガープを見れば、彼は当然のように言い放つ。
「お疲れのご様子でしたので」
はてと頬杖をつきながら、テーブルの上を探す。書類の束に書きかけの賞状。からになった茶器と菓子。雑多な導線はそのまま、頭の雑事に繋がっていく。一つ咳をして、のどに触れていたことに、魔皇は気付いた。
目ざとい奴だな、とそこで苦笑する。指摘をした当人はと言えば、選んだ茶の銘柄が違っていたなどと、いつもの調子で並べ立てている。
「では副将として申し上げますが」
降参のポーズを取りながら、ソファの座面に横になると、追撃はようやく止んだ。
またここで寝てしまわれた。そんな独り言が聞こえたのは、寝入り端の中だった。
311「お疲れのご様子でしたので」
はてと頬杖をつきながら、テーブルの上を探す。書類の束に書きかけの賞状。からになった茶器と菓子。雑多な導線はそのまま、頭の雑事に繋がっていく。一つ咳をして、のどに触れていたことに、魔皇は気付いた。
目ざとい奴だな、とそこで苦笑する。指摘をした当人はと言えば、選んだ茶の銘柄が違っていたなどと、いつもの調子で並べ立てている。
「では副将として申し上げますが」
降参のポーズを取りながら、ソファの座面に横になると、追撃はようやく止んだ。
またここで寝てしまわれた。そんな独り言が聞こえたのは、寝入り端の中だった。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。エー&カマ。三つ編みにしてるの良いですよねという話。 呼ばれて振り返った時、髪はもうほどけていた。
毛先をまとめただけでは、いつの間にかばらけてしまう。こうしてやり直すのも、中々どうして手間がかかる。そんな色が顔に出ていたのか、カマエルがのぞき込んできた。
「……そうだ、いい方法を知ってますよ」
背中に回った彼は、両手でなにかをやっている。分けた髪の束を、紐を編むようにまとめているらしい。受け取った鏡をのぞき込めば、長い編み込みがつながっている。
この方法は地上の少女に教わった。一通りを語った彼は、礼を言われた顔のまま、楽しそうに振り返っている。
地上とは案外、興味深いものかもしれない。髪の先を辿りながら、エーリュシオンはまだ、日の昇りきらない大地を見る。
310毛先をまとめただけでは、いつの間にかばらけてしまう。こうしてやり直すのも、中々どうして手間がかかる。そんな色が顔に出ていたのか、カマエルがのぞき込んできた。
「……そうだ、いい方法を知ってますよ」
背中に回った彼は、両手でなにかをやっている。分けた髪の束を、紐を編むようにまとめているらしい。受け取った鏡をのぞき込めば、長い編み込みがつながっている。
この方法は地上の少女に教わった。一通りを語った彼は、礼を言われた顔のまま、楽しそうに振り返っている。
地上とは案外、興味深いものかもしれない。髪の先を辿りながら、エーリュシオンはまだ、日の昇りきらない大地を見る。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。ラフロイグ&アレス。最強が最強である理由。 眠れないのか。
独り言のようにかけた声に、寝返りを打つ音が答えた。寝台に広がるアレスの髪は、わずかな光の下でなお、鮮明に灯っている。だいぶ伸びたなと思いながら、辿った先の顔はまだ、苦悶の跡を残していた。
一体なにを悩んでいるのか。そう問うたところで、自身にさえ分からないのだろう。まるでかつての自分だと、浮かんだ記憶が今もまた、渡された言葉をなぞる。
「人を頼れ。貴様の両腕は、今は二本ではないだろう?」
かぶった魔皇の冠は、伸びていく髪と共に重さを増した。重荷ばかりが伸しかかる背を、支えてくれたものはまだ、忘れ形見のそばにいる。
少し話してくる。そう言って起き上がった背を、夜の向こうに見送った。
305独り言のようにかけた声に、寝返りを打つ音が答えた。寝台に広がるアレスの髪は、わずかな光の下でなお、鮮明に灯っている。だいぶ伸びたなと思いながら、辿った先の顔はまだ、苦悶の跡を残していた。
一体なにを悩んでいるのか。そう問うたところで、自身にさえ分からないのだろう。まるでかつての自分だと、浮かんだ記憶が今もまた、渡された言葉をなぞる。
「人を頼れ。貴様の両腕は、今は二本ではないだろう?」
かぶった魔皇の冠は、伸びていく髪と共に重さを増した。重荷ばかりが伸しかかる背を、支えてくれたものはまだ、忘れ形見のそばにいる。
少し話してくる。そう言って起き上がった背を、夜の向こうに見送った。
ざらめ
PROGRESS藍渓鎮軸とWebアニメ時空を踏まえて、二狗が再会するとしたらどうなるだろう…という妄想。阿根と玄離の関係、間の三百年について捏造に捏造を重ねてお送りします。最終的にステゴロで殴り合う二狗になるはず。 18PIPI^^
DOODLE大概是被虚空生物半寄生强制下蛋产卵的厄斐琉斯(。)总之就是厄斐琉斯掉到什么鬼地方跟虚空触手啥的大战三百回合跑了,回来之后觉得身体怪怪的跑去找瑟提问问有没有认识的虚空生物方面的专家()
瑟提一听:让我看看!!
然后他俩莫名其妙打了一架(。。)
显然瑟提赢了(。。。)
总之这个是P1,后面还有2p我过几天画………………^^
Y13F
DONE三百世界さん(@300syumibito)さんに素晴らしいイラストを描いていただき、そこから広がった妄想をお話として書かせていただきました。 数日前の仕事以降、Vは強化腱を入れた脚から時偶軋むような異音を聞いていた。痛みはなく、歩くのにも支障はない。しばらく放っておいても良いかとVは思っていたが、脳裏にちらつくサングラス越しの眉間の皺にとうとう屈した。用があるときよりない時の方が来たくなるのも変な話だ、などと考えながら、Vはリトルチャイナの通い慣れた道を歩いた。
昼前に着いたヴィクターの診療所には先客がいた。ヴィクターはVを一瞥すると、奥のソファーで待つよう目配せした。Vも勝手知ったるもので、軽く頷くと、ヴィクターの仕事の邪魔にならぬよう黙って奥に引っ込む。ソファーに身を横たえたVは、目を閉じる。Vはこうしてヴィクターと見知らぬ患者の雑談をなんとなく聞いているのが好きだった。だが、今日はいつもよりヴィクターの口数が少ないようだ。二言三言差し障りのない雑談をして、ヴィクターの客は帰っていった。
2543昼前に着いたヴィクターの診療所には先客がいた。ヴィクターはVを一瞥すると、奥のソファーで待つよう目配せした。Vも勝手知ったるもので、軽く頷くと、ヴィクターの仕事の邪魔にならぬよう黙って奥に引っ込む。ソファーに身を横たえたVは、目を閉じる。Vはこうしてヴィクターと見知らぬ患者の雑談をなんとなく聞いているのが好きだった。だが、今日はいつもよりヴィクターの口数が少ないようだ。二言三言差し障りのない雑談をして、ヴィクターの客は帰っていった。
sweets_m0gum0gu
DONE高銀2023年銀時誕生日話
※『三百円の料理』というお話の続きになります。そちらを読んでからの方が内容が分かり易いと思われます。
十月九日 子の刻数日前、高杉から文が届いた。
内容はたった一行。
十月九日 子の刻
差出人の記載もない。
けど、字を見ればわかる。多分ヅラと辰馬に見せても高杉からの文だってわかる。
まあそんな事は置いといて……今回ないのよ、アレが。
「んだよアイツ、今回文だけ? 依頼料なきゃ茶ァくらいしか出せないんですけど」
初回に言った事もあってか、高杉からの文には大抵依頼料も一緒に届く。なかなかいい金額を貰えるので少しだけ懐に入れては良い肉を買って鍋にしたり、俺にしたら高級魚の煮魚を作ってやったりしている。
それに慣れてきた頃合いの今、ここに来て文だけが送られてきた。
もしかして、ただ俺に会いに来るだけ?
「……んなワケあるかよ馬鹿馬鹿しい。ジャンプ買いに行こ」
2367内容はたった一行。
十月九日 子の刻
差出人の記載もない。
けど、字を見ればわかる。多分ヅラと辰馬に見せても高杉からの文だってわかる。
まあそんな事は置いといて……今回ないのよ、アレが。
「んだよアイツ、今回文だけ? 依頼料なきゃ茶ァくらいしか出せないんですけど」
初回に言った事もあってか、高杉からの文には大抵依頼料も一緒に届く。なかなかいい金額を貰えるので少しだけ懐に入れては良い肉を買って鍋にしたり、俺にしたら高級魚の煮魚を作ってやったりしている。
それに慣れてきた頃合いの今、ここに来て文だけが送られてきた。
もしかして、ただ俺に会いに来るだけ?
「……んなワケあるかよ馬鹿馬鹿しい。ジャンプ買いに行こ」
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。ながれぼし称号。ランクインが条件だと分からなくて付かない付かないって悩んでる時間もまた楽しかった。
この星には、流れ星を見る方法があるらしい。
願って見られる流れ星など、この長い旅の中ですら、思い当たる例がない。生き物なのか、現象なのか、それともなにかの魔法なのか。それらしい話こそ集まったものの、断片は予想しか生まず、見当さえおぼろげになる。
四つの空を探して日々は経ち、世界は再び黒に覆われた。皆と剣を振るううちに、いつしか願うことさえ忘れて戦った。
幾筋もの闇を追い、空よりも遠い場所に、足を踏み入れたその先に。流れ星をつかんでいたことに、ライトは気付く。
「闇よ、お前だったのか」
流れ星はずっと隣にいた。願いごとはもう叶っていたのだ。答えるように、闇色の星の光は、両手の中でまたたいている。
305願って見られる流れ星など、この長い旅の中ですら、思い当たる例がない。生き物なのか、現象なのか、それともなにかの魔法なのか。それらしい話こそ集まったものの、断片は予想しか生まず、見当さえおぼろげになる。
四つの空を探して日々は経ち、世界は再び黒に覆われた。皆と剣を振るううちに、いつしか願うことさえ忘れて戦った。
幾筋もの闇を追い、空よりも遠い場所に、足を踏み入れたその先に。流れ星をつかんでいたことに、ライトは気付く。
「闇よ、お前だったのか」
流れ星はずっと隣にいた。願いごとはもう叶っていたのだ。答えるように、闇色の星の光は、両手の中でまたたいている。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。ラフロイグ&ガープ+アレス。もったいないからという言い訳。 いつも思ってたんだけど。
独り言のように始まった疑問は、魔皇の手元を見詰めて止まる。カップをつかむ形で置かれた手は、しかし持ち上げることなく離れていく。
「飲めないのにどうして入れるんだ?」
例えば、進行中の計画の確認。これからの提案と議論。そして一眠りからの気だるい時間。口にする茶は、銘柄こそ巡回するものの、どれもすっかり馴染んだ香りだ。
だからこそ、どんな時でも変わらずこなせる。習慣のようなものだと答えると、そういうもんか、とアレスはカップに目を落とす。
そこで終わるかと思われた疑問が、自分の手元まで伸びていることに、ガープは気付いた。減ることのない茶は、誤魔化すための行き先を、まだ決め兼ねている。
310独り言のように始まった疑問は、魔皇の手元を見詰めて止まる。カップをつかむ形で置かれた手は、しかし持ち上げることなく離れていく。
「飲めないのにどうして入れるんだ?」
例えば、進行中の計画の確認。これからの提案と議論。そして一眠りからの気だるい時間。口にする茶は、銘柄こそ巡回するものの、どれもすっかり馴染んだ香りだ。
だからこそ、どんな時でも変わらずこなせる。習慣のようなものだと答えると、そういうもんか、とアレスはカップに目を落とす。
そこで終わるかと思われた疑問が、自分の手元まで伸びていることに、ガープは気付いた。減ることのない茶は、誤魔化すための行き先を、まだ決め兼ねている。
三咲(m593)
DOODLE三百字小説。クロムとマーリン。脳内ではきちんとお別れしてきたイメージです…が。 底にあった本はずいぶん分厚いものだった。
この部屋が彼のこれからになる。持てるだけ持ってきたという私物は、彼にしてはいくぶん少ない。思ったのは、彼の人となりがすでに、日々に馴染んでいるからだろうか。
どこに置くかをたずねながら、向けた視線が固まっていた。握られた留め具の意匠は、彼の師が身に着けていたものだ。困惑が本に重みを加えたのは、クロムの気のせいではないだろう。
「わりぃ、勝手に触っちまった。大切なものなんだろ」
「いや、いいんだ……ありがとう」
本を受け取ったマーリンは、どこかぎこちなく笑ってみせる。
紐をかけていく指は、どんな思いをなぞっているのだろうか。その形を知るにはまだ、もう少し時間がいる。
311この部屋が彼のこれからになる。持てるだけ持ってきたという私物は、彼にしてはいくぶん少ない。思ったのは、彼の人となりがすでに、日々に馴染んでいるからだろうか。
どこに置くかをたずねながら、向けた視線が固まっていた。握られた留め具の意匠は、彼の師が身に着けていたものだ。困惑が本に重みを加えたのは、クロムの気のせいではないだろう。
「わりぃ、勝手に触っちまった。大切なものなんだろ」
「いや、いいんだ……ありがとう」
本を受け取ったマーリンは、どこかぎこちなく笑ってみせる。
紐をかけていく指は、どんな思いをなぞっているのだろうか。その形を知るにはまだ、もう少し時間がいる。
rnai1155
MOURNING7-11net限定プリント 有効期限2023/04/01 23:59※罂粟花くり 482GD3GH
※罂粟花つる C97JJYXP
※刀帳番号日くりつる 6YCET7N5
※葵咲&三百年(初演)ミュ衣裝くりつる SM9GAXLT 5
mct_ichi
PAST石かり 三百年大好きがよくわかる話。自分のことには青江鈍そうって思ってる。村正、いい味出せたと思う。石かり 今剣視点。三条の中では常識刀のイメージな今剣ちゃんが恋に悩む石切丸ウザーって言いながらも気になっちゃうの可愛い。
へしへし 長谷部が二振りいる本丸。極は主とデキてる。そんなところで鬱屈した感情を抱いた特長谷部は。歪んだ愛情書けた。
大鶯 大包平は大包平なんだよ、って表現できたはず。 4
furutori
DOODLEヒト型とれるようになった辺りでおねだりされて度々山を降りて人里でおデートするようになる市場のモブ商人に訊かれて悪びれずに「嫁だ」って言う狗ヨさん
仔たぬソちゃんも元気に「ヨメです!😃」
所有欲の甘い味を知った狗ヨさん
三百年くらい連れ添った後は逆に「…兄弟だ」って誤魔化すようになる
そして完全成体で海千山千の化け狸になったソちゃんに「俺ァあんたの嫁のつもりなんだけどなぁ?」ってニヤニヤされる
陈肥驴零号机
MEMO耳坠“纯君!过来,给我戴耳坠呢。”
“来了。”听到那位前辈的吩咐,涟纯只得把手头的事先放到一边。
显然巴日和已经和那个见鬼的耳洞做了好久的斗争,不耐烦三个字全写在脸上了。
印象中从他认识巴日和起他的右耳就打了耳洞,作为Eden之中唯一有耳洞的成员,耳坠成了巴日和特有的魅力点,即使是不用演出的时候也会戴上一个简单的黑曜石耳钉。
巴日和第一次叫涟纯帮他戴耳坠却是在他们正式交往后的第二天,涟纯总觉得这件普通的小事被赋予了非常的意义。
涟纯没有耳洞,那是涟纯第一次戴耳坠。他用指腹轻轻托起巴日和的耳垂,和摸自己的耳垂的触感完全不同,巴日和的耳垂像天上的云一样温柔,泛着淡淡的粉色,从相贴的方寸肌肤传来柔软的温度,像是捧着一只刚破壳的雏鸟。
711“来了。”听到那位前辈的吩咐,涟纯只得把手头的事先放到一边。
显然巴日和已经和那个见鬼的耳洞做了好久的斗争,不耐烦三个字全写在脸上了。
印象中从他认识巴日和起他的右耳就打了耳洞,作为Eden之中唯一有耳洞的成员,耳坠成了巴日和特有的魅力点,即使是不用演出的时候也会戴上一个简单的黑曜石耳钉。
巴日和第一次叫涟纯帮他戴耳坠却是在他们正式交往后的第二天,涟纯总觉得这件普通的小事被赋予了非常的意义。
涟纯没有耳洞,那是涟纯第一次戴耳坠。他用指腹轻轻托起巴日和的耳垂,和摸自己的耳垂的触感完全不同,巴日和的耳垂像天上的云一样温柔,泛着淡淡的粉色,从相贴的方寸肌肤传来柔软的温度,像是捧着一只刚破壳的雏鸟。
陈肥驴零号机
MEMO圣诞老人?“阿日前辈都这个年纪了还会相信圣诞老人的故事吗?”
涟纯难得的圣诞假期十分理所应当地被巴日和强行征用了,他踩在晃晃悠悠地叠成高塔的凳子上,一边把红红绿绿的圣诞拉花粘到天花板上一边暗自腹诽。
阿日前辈这个人,明明自己个子比我高,偏偏还要叫我来做这种事,真是拿他没办法。
视线穿过拉花和灯带眼花缭乱地交织出的万花筒,涟纯瞥见巴日和的床头挂了一个红白条纹的圣诞节袜子。
“当然不相信啦!纯君当我是笨蛋吗?这是圣诞节的仪式感,纯君真是不懂!”
“嘛,是……我想阿日前辈自己来挂这些东西会比坐在沙发上喝茶更有仪式感一点。”
巴日和很自然地选择性无视了涟纯的抱怨,自顾自地滔滔不绝起来。
“嗯说起来,我小的时候,还是对圣诞老人的故事深信不疑的呢,圣诞节早上醒来第一件事,就是看看今年圣诞老人给我送了什么礼物呢。15岁那年的平安夜,我为了亲口跟圣诞老人说声圣诞快乐,可是熬到了半夜都没睡呢。也是直到那天我才知道,原来根本没有什么圣诞老人,这么多年来袜子里的礼物都是哥哥放进去的。不过从那以后我就再也没有收到过圣诞礼物了呢。”
1316涟纯难得的圣诞假期十分理所应当地被巴日和强行征用了,他踩在晃晃悠悠地叠成高塔的凳子上,一边把红红绿绿的圣诞拉花粘到天花板上一边暗自腹诽。
阿日前辈这个人,明明自己个子比我高,偏偏还要叫我来做这种事,真是拿他没办法。
视线穿过拉花和灯带眼花缭乱地交织出的万花筒,涟纯瞥见巴日和的床头挂了一个红白条纹的圣诞节袜子。
“当然不相信啦!纯君当我是笨蛋吗?这是圣诞节的仪式感,纯君真是不懂!”
“嘛,是……我想阿日前辈自己来挂这些东西会比坐在沙发上喝茶更有仪式感一点。”
巴日和很自然地选择性无视了涟纯的抱怨,自顾自地滔滔不绝起来。
“嗯说起来,我小的时候,还是对圣诞老人的故事深信不疑的呢,圣诞节早上醒来第一件事,就是看看今年圣诞老人给我送了什么礼物呢。15岁那年的平安夜,我为了亲口跟圣诞老人说声圣诞快乐,可是熬到了半夜都没睡呢。也是直到那天我才知道,原来根本没有什么圣诞老人,这么多年来袜子里的礼物都是哥哥放进去的。不过从那以后我就再也没有收到过圣诞礼物了呢。”
陈肥驴零号机
MEMO包含我流对俊身高的理解1cm或许是今天穿了厚底运动鞋的缘故,或许是阿日前辈一直在边上没完没了地揶揄他,才让他忍无可忍地抻着脖子反驳的缘故,或许是测量的机器出现了正常范围之内的误差的缘故,总之在拿到今年es的例行体检报告单之后,涟纯很快注意到,填在身高那一栏的数字终于从多年未变的173变成了174。
啊,说起来到底是从什么时候开始的呢?仔细想想大概是在和巴日和成为恋人这样的关系后,涟纯发现他开始对他与巴日和那4cm的身高差距格外在意。
对于长高的憧憬,在以前也不是没有过。对十来岁的少年人来说,长高是一件如诸神开辟天地一般值得被镌刻在墙壁之上的事。在涟纯的卧室里,阴暗的衣柜之后,他用黑色的铅笔把怨恨一道一道刻在雪白的墙壁上,留下丑陋的伤疤。
1360啊,说起来到底是从什么时候开始的呢?仔细想想大概是在和巴日和成为恋人这样的关系后,涟纯发现他开始对他与巴日和那4cm的身高差距格外在意。
对于长高的憧憬,在以前也不是没有过。对十来岁的少年人来说,长高是一件如诸神开辟天地一般值得被镌刻在墙壁之上的事。在涟纯的卧室里,阴暗的衣柜之后,他用黑色的铅笔把怨恨一道一道刻在雪白的墙壁上,留下丑陋的伤疤。
三咲(m593)
DONE三百字小説。ガープとラフロイグ。ラフ様のトレーニングメニューは半端ないんだろうなあというイメージでした。 人心地着いたところで、魔皇は早々に立ち上がった。
合戦が近い。演習を繰り返した分、彼も消耗しているはずだ。ガープの心配をよそに、体はまだ十分動く、と得物を掲げて見せる。
頂点としてふさわしい強さを。楔のようになっていた鍛錬は、今はただ、自分らしくあるための習慣になったという。その楽しみを添えたのが自分たちだったと、かつて語った顔が今、笑い顔に重なっている。
「少し走り込んでくる。貴様もどうだ?」
言いながらその場で駈けている足は、すぐにでも走り出しそうだ。休憩をしたら合流を。答えて見送った背中はもう、柱の向こうに消えている。
彼の言う「少し」は少しでは済まない。その事を思い出したのは合流したあとだった。
310合戦が近い。演習を繰り返した分、彼も消耗しているはずだ。ガープの心配をよそに、体はまだ十分動く、と得物を掲げて見せる。
頂点としてふさわしい強さを。楔のようになっていた鍛錬は、今はただ、自分らしくあるための習慣になったという。その楽しみを添えたのが自分たちだったと、かつて語った顔が今、笑い顔に重なっている。
「少し走り込んでくる。貴様もどうだ?」
言いながらその場で駈けている足は、すぐにでも走り出しそうだ。休憩をしたら合流を。答えて見送った背中はもう、柱の向こうに消えている。
彼の言う「少し」は少しでは済まない。その事を思い出したのは合流したあとだった。
三咲(m593)
DONE三百字小説。アレスとガープ。なにかとそっくりでビックリしたのは「こっち側」だけじゃなかったのかなとか。 新しい主はその日変わった。頼りなげだった面差しは消え、大ぶりな武器も自在に操る。
なによりその振る舞いは、亡き魔皇を思わせる。今もまた、仕草や声色さえもかたどって、アレスは満足げに息をつく。
「お前の入れた茶は、甘くてうまいな」
服の裾に火が点いた、ガープはそんな心地がした。食器を鳴らしたことを詫びながら、かしげている首から、逃げるように席を立つ。
力を与えたとは聞いているが、これではまるで生き写しだ。不意に火の粉が触れるたび、浮かんだ熱が感傷を炙り出す。
だからきっと、茶の代わりも必要だろう。同じ手順をなぞりながら、手元と記憶に繰り返した日々を追う。
「なにを浸っている」と、別の笑い声が背中を小突いた。
312なによりその振る舞いは、亡き魔皇を思わせる。今もまた、仕草や声色さえもかたどって、アレスは満足げに息をつく。
「お前の入れた茶は、甘くてうまいな」
服の裾に火が点いた、ガープはそんな心地がした。食器を鳴らしたことを詫びながら、かしげている首から、逃げるように席を立つ。
力を与えたとは聞いているが、これではまるで生き写しだ。不意に火の粉が触れるたび、浮かんだ熱が感傷を炙り出す。
だからきっと、茶の代わりも必要だろう。同じ手順をなぞりながら、手元と記憶に繰り返した日々を追う。
「なにを浸っている」と、別の笑い声が背中を小突いた。
三咲(m593)
DONE三百字小説。バルトと煉獄に向かうアレス。 荷物を詰め終わったところで、バルトが部屋を訪ねて来た。行くべき場所が出来た。ずいぶん濁した説明に、彼は多くを聞かないまま、仲間と背中を押してくれた。
「遠からん者は腹にも聞け! 食事と睡眠、鍛錬は怠るな。それから……」
互いに予想外だったのだろう。ぽかんと口を開けたアレスに、自分だって冗談くらいは言うのだと、真っ赤な顔が目を伏せる。ようやく追いついた笑い声に、彼もまた笑みを返した。
「また皆で食事をしよう。いつでも帰って来るといい」
「おっしゃー! 将軍の奢りだー!」
高らかな宣告にたじろいだ彼は、よかろう、と渋い顔でうなずく。
持って行けるものはもう、十分だ。両腕いっぱいに抱え、アレスは大股で歩き出す。
310「遠からん者は腹にも聞け! 食事と睡眠、鍛錬は怠るな。それから……」
互いに予想外だったのだろう。ぽかんと口を開けたアレスに、自分だって冗談くらいは言うのだと、真っ赤な顔が目を伏せる。ようやく追いついた笑い声に、彼もまた笑みを返した。
「また皆で食事をしよう。いつでも帰って来るといい」
「おっしゃー! 将軍の奢りだー!」
高らかな宣告にたじろいだ彼は、よかろう、と渋い顔でうなずく。
持って行けるものはもう、十分だ。両腕いっぱいに抱え、アレスは大股で歩き出す。
陈肥驴零号机
MEMO一点🔞笨蛋游戏“所以说.....到底为什么要做这样的事啊”
“不知道呢,但是纯君现在的表情很有趣不是 吗”
涟纯就这样突然被瘦瘦高高的前辈压在了沙发上,温热的呼吸喷在他的脸侧。他下意识地想去扶住巴日和的腰,却被一掌拍开了。
“来吻我吧纯君,拼上你这条小命来取悦我吧!”巴日和那紫色的眼瞳中闪着戏谑的光,此刻他像一头健美的豹子,桀骜的鬣狗已然成为他掌中的猎物。
涟纯扯起嘴角,露出危险的信号,不甘示弱地望回巴日和的眼底。既然是游戏,他可是不会轻易认输的。
阿日前辈今天涂了草莓味的唇釉。精明的商人乐于将人们喜爱的东西进行组合,以期获得更高的回报,比如抹茶冰激凌,炒面面包, 再比如,草莓味巴日和。甜蜜的味道混着一些脂蜡难以形容的怪异口感,像尼古丁一样一缕缕钻进涟纯唇齿之间。
1030“不知道呢,但是纯君现在的表情很有趣不是 吗”
涟纯就这样突然被瘦瘦高高的前辈压在了沙发上,温热的呼吸喷在他的脸侧。他下意识地想去扶住巴日和的腰,却被一掌拍开了。
“来吻我吧纯君,拼上你这条小命来取悦我吧!”巴日和那紫色的眼瞳中闪着戏谑的光,此刻他像一头健美的豹子,桀骜的鬣狗已然成为他掌中的猎物。
涟纯扯起嘴角,露出危险的信号,不甘示弱地望回巴日和的眼底。既然是游戏,他可是不会轻易认输的。
阿日前辈今天涂了草莓味的唇釉。精明的商人乐于将人们喜爱的东西进行组合,以期获得更高的回报,比如抹茶冰激凌,炒面面包, 再比如,草莓味巴日和。甜蜜的味道混着一些脂蜡难以形容的怪异口感,像尼古丁一样一缕缕钻进涟纯唇齿之间。
陈肥驴零号机
MEMO非原著向一罐火漆“早上好叔叔!我叫涟纯,今天有我的信吗?”
星期一,是玲明学园开信箱的日子。
玲明学园是全封闭式管理的寄宿学校,被送到这里的孩子,他们的父母大多忙于工作无暇顾及他们,一张四四方方的信纸,便成为他们与父母唯一的交流。
星期一,是希望的日子。
一如既往地,这个叫涟纯的孩子一大早就叼着三明治,趴在传讯室窗台上等着属于他的信。
可是,传讯室从来没有收到过那封寄给涟纯的信。
传讯室的大叔知道,今天也不会有涟纯的信的,不过他还是把那厚厚的一沓信封拿到在涟纯面前,一封一封地翻起来。
第一封,不是。第二封,不是。第三封,不是……随着大叔手里的厚度慢慢减少,涟纯金色的眼瞳也暗淡了下去。
“唉?”大叔的手突然停住了,“纯,今天有你的信哦。”
1246星期一,是玲明学园开信箱的日子。
玲明学园是全封闭式管理的寄宿学校,被送到这里的孩子,他们的父母大多忙于工作无暇顾及他们,一张四四方方的信纸,便成为他们与父母唯一的交流。
星期一,是希望的日子。
一如既往地,这个叫涟纯的孩子一大早就叼着三明治,趴在传讯室窗台上等着属于他的信。
可是,传讯室从来没有收到过那封寄给涟纯的信。
传讯室的大叔知道,今天也不会有涟纯的信的,不过他还是把那厚厚的一沓信封拿到在涟纯面前,一封一封地翻起来。
第一封,不是。第二封,不是。第三封,不是……随着大叔手里的厚度慢慢减少,涟纯金色的眼瞳也暗淡了下去。
“唉?”大叔的手突然停住了,“纯,今天有你的信哦。”