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    卒業式

    6__ws

    DONE # 春のritk展覧会
    素敵なタグをお借りしました。
    卒業式を終えた🎈と🌟が、新たな未来へともに踏み出すお話。あたたかいお話。幸せなお話。
    第二幕 卒業をしても、僕は変わらず司くんの恋人でいられるのだろうか。年が明けてからそんな不安が脳内をギチギチに埋めていて、卒業式本番の今この時間まで心が落ち着いていない。周りの同級生や親御さん、先生が目元を拭っているなか、惜別の涙一粒も流せずに合唱曲をお経を唱えるように歌っている。

     高校2年生の秋から付き合ってきた僕と司くんは、喧嘩をしたり、すれ違ったりしながらも周囲の素敵な友人の助けもあって着実に愛を深めていくことができた。互いに大好きなショーに真剣に取り組んで、悩んで、様々な苦難を乗り越えて、ともに成長していくなかで、たしかな信頼関係を築いてきたのだ。
     およそ1年半彼と恋人関係を続けてきて分かったのは、天馬司はこの先の僕の人生にいなくてはならない――例えるならば、人類にとっての水や太陽と同じような、必要不可欠な存在になっているということ。だから大学に入学しても、今までのように恋人として彼のそばにいて、できれば死ぬまで、ともに日々を歩んでいきたいと思っている。
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    mikittytanaka

    MAIKING🐬ジェイカリ☀️
    卒業式で別れるところから始まるジェイカリの続き。卒業から二年経ってアズールのもとを訪れるカリムくん。まだ続きます。
    *捏造カリム父がちょっと喋ります。
    *カリムくんに奥さんがいます。奥さんは出てきませんが、それなりのことを致してるんだなと察せられる言葉が出てきます。
    いつかあなたと2「カリム、考え直してみないか。他にも何か方法が…」
     この世に生を受けて二十年余りになるが、こんなにも憔悴しきった父親の顔を見るのは初めてだ。そんな父親の様子に心を痛めながら、それでもカリムはキッパリと首を横に振った。
    「いや、これしかない。」
     一度深く息を吸う。
    「——当主の座を継ぐ前に、事故死か、暗殺か…どちらにしろオレが死ぬしかない。とーちゃんだって本当は分かってるだろう?アジームのためを思うなら、これが一番だって。…もともと、この歳まで生きてこられたこと自体運が良かったんだ。思ってたより長くとーちゃんやみんなと楽しく過ごせてオレは幸せだったよ。」
     なんてことないように笑うカリムに、とうとう父は項垂れて両手で頭を抱え込んだ。カリムの死後、その死の秘密を一人で背負わせることになってしまうことが申し訳なくて、その背を労わるようにさする。けれど父もいつか分かってくれるはずだ。この方法以外にないのだと。
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    mikittytanaka

    MENUジェイカリ。学生の間だけと期限を決めてお付き合いをしているジェイドくんとカリムくんが卒業式の日に別れるところから始まるお話。

    ずーっとこのお話が書きたくて色々いじくってたんだけど、書きたいところまでまだまだいけない感じなので途中まで。ジェイドくんとカリムくんが別れるところまで。
    いつかあなたと「オレもジェイドのことが好きなんだ。だから、すっごく嬉しい。」
     桜が花開きはじめたあの春の日。頬をほんのりとピンクに染めて、蕾が綻ぶかのようにはにかむカリムの笑顔を今でも思い出す。
    「——けど、付き合うには条件がある。卒業式の日に別れてほしいんだ。その先の未来を約束することはできない。オレは、アジームだから。…それでも良ければ、オレと付き合ってほしい。」

     人魚の一世一代の告白に条件を突きつけるとは、人間とはなんと傲慢なことだろうかと、その時のジェイドは驚いた。けれど、別に構わなかった。それならやめますというのも自分としては釈然としないし、何より卒業式を待たずして関係を終わらせている可能性は大いにある。この気持ちが一過性のもので、一度手中におさめてしまえば満足するかもしれないと、それならばそんな条件など何ら問題ではないと、カリムの手を取ったあの日。ジェイドは、あの日の自分の判断を後悔している。
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