魔道祖師
Iz_Mas_x
作業進捗女体化魏嬰ちゃん、藍湛視点の途中経過です。【ワンクッション】
魏無羨が女体化しています。
女体化に合わせて色々と捏造しています。
苦手な方はご注意ください。
献舎されて蘇った魏無羨が、何故か女性だった話 第六.五話 中篇 今日もまた、宿全体に結界を施す。離れている間に彼の身に災いが起こらぬように。妖術で操られた者や邪祟が、彼に近付くことが出来ぬように。
今の彼の魂は非常に不安定だ。前世で乱葬崗に落とされ、邪なものに蝕まれた彼の魂は、随分と傷付いている。そして、献舎により現世に蘇って尚、彼の魂は陰気に蝕まれたままなのだ。
その陰気に引き寄せられるように、大小様々な妖魔鬼怪の類が彼に近付いて来る。勿論、彼ほどの腕ならば脅威にはならないことは藍忘機も解っている。それでも、心配なのだ。彼に害をもたらす可能性があるならば、全て排除したい。
もう二度と、何者にも彼を毛筋ほども傷付けることのないように、一番近くで守る存在で在りたい。その想いから、せめて自分が宿を離れている間は、こうして結界を張ることで体調の優れない彼が、少しでも安らかに過ごせれば良いと願わずにはいられなかった。
8946今の彼の魂は非常に不安定だ。前世で乱葬崗に落とされ、邪なものに蝕まれた彼の魂は、随分と傷付いている。そして、献舎により現世に蘇って尚、彼の魂は陰気に蝕まれたままなのだ。
その陰気に引き寄せられるように、大小様々な妖魔鬼怪の類が彼に近付いて来る。勿論、彼ほどの腕ならば脅威にはならないことは藍忘機も解っている。それでも、心配なのだ。彼に害をもたらす可能性があるならば、全て排除したい。
もう二度と、何者にも彼を毛筋ほども傷付けることのないように、一番近くで守る存在で在りたい。その想いから、せめて自分が宿を離れている間は、こうして結界を張ることで体調の優れない彼が、少しでも安らかに過ごせれば良いと願わずにはいられなかった。
kyo_joymdzs
できた魔道祖師のらおず描きたくて……人生初の漫画に挑戦してみたら5日かかった。らおずの、妖艶な人妻感も雄みがあるところも大好きです。英語版も追加しました
I uploaded an English translation of the manga. 6
羽神弓槻
供養供養に近い龍狐忘羨。本当は藍湛の誕生日話用でした・・・本編のどこかで入れ込むかもしれない。
この空で逢えるよう この空で逢えるよう
小さな黒子狐と暮らすようになった初めての私の誕生日に小さな贈り物を差し出してくれた。
「藍二哥哥のお誕生日だって聞いたんだ、でも何を贈れば良いかわからないから考えた結果がこれ」
一枚の私の似顔絵だった。
「この絵は魏嬰が?」
魏嬰は尻尾を元気に振って笑顔を私に向けてくれた。
「うん、俺が描いたんだ」
静かに受け取って頭を撫でると黒い耳がぺたりと下に下る、気持ち良いのか目を閉じて小声てもう少し。
「ありがとう大切にする」
大きな手が自分の頭から離れると自分の手で頭を撫でた。
「藍二哥哥の手は大きくて温かいから好きだよ」
「そうか」
藍湛はそう言って白い箱に仕舞ったあと魏嬰を抱えると静かに抱きしめた。
1328小さな黒子狐と暮らすようになった初めての私の誕生日に小さな贈り物を差し出してくれた。
「藍二哥哥のお誕生日だって聞いたんだ、でも何を贈れば良いかわからないから考えた結果がこれ」
一枚の私の似顔絵だった。
「この絵は魏嬰が?」
魏嬰は尻尾を元気に振って笑顔を私に向けてくれた。
「うん、俺が描いたんだ」
静かに受け取って頭を撫でると黒い耳がぺたりと下に下る、気持ち良いのか目を閉じて小声てもう少し。
「ありがとう大切にする」
大きな手が自分の頭から離れると自分の手で頭を撫でた。
「藍二哥哥の手は大きくて温かいから好きだよ」
「そうか」
藍湛はそう言って白い箱に仕舞ったあと魏嬰を抱えると静かに抱きしめた。
羽神弓槻
作業進捗なかなか終わらないうえたまにソフトがエラーを起こすので保険用に。無自覚嫉妬する夷陵老祖の話を書いていたはずだったのだが・・・。
タイトルは変わるかもしれない。
逸る心逸る心
「あっ藍湛だ」
俺は離れた所に昔と変わらず無表情で立っている男が視界に入って近づこうとして足を止めた。
藍湛の周りに数人の門下達が集まっていた。
俺から見ると、周りの奴らが一方的に話をしていて藍湛はただ相槌をうっているだけにしか見えなかった。
「相変わらずだなあいつは」
「おい、剣また忘れたのか魏 無羨」
不機嫌そうな江澄が俺の様子を睨みつけながら言いながら魏嬰の視線の先を追った。
「別に模擬戦と剣技を披露するとかないから良いだろう。喧嘩を売られたら陳情で相手をするよ」
魏嬰は腕を組みながら視線は藍湛に向け江澄に返事をする。
「お前な、何を見てるんだ・・ってまたあいつかよ」
「江澄は藍湛を何故目の敵にするんだ」
6219「あっ藍湛だ」
俺は離れた所に昔と変わらず無表情で立っている男が視界に入って近づこうとして足を止めた。
藍湛の周りに数人の門下達が集まっていた。
俺から見ると、周りの奴らが一方的に話をしていて藍湛はただ相槌をうっているだけにしか見えなかった。
「相変わらずだなあいつは」
「おい、剣また忘れたのか魏 無羨」
不機嫌そうな江澄が俺の様子を睨みつけながら言いながら魏嬰の視線の先を追った。
「別に模擬戦と剣技を披露するとかないから良いだろう。喧嘩を売られたら陳情で相手をするよ」
魏嬰は腕を組みながら視線は藍湛に向け江澄に返事をする。
「お前な、何を見てるんだ・・ってまたあいつかよ」
「江澄は藍湛を何故目の敵にするんだ」
CH1KUWA_bu
かけねえ江澄が生理痛に苦しむ話。曦澄前提ですが、兄上殆ど出てきません!!笑
ずっと双傑が話しています!!男性妊娠、男性生理ネタが苦手な方はUターンで!!!
全然書き終わらないのでどなたか尻をたたいてください!!!
男性生理ネタ江澄痛い。
腹の内側から見えない手で内臓をぐちゃぐちゃに握りつぶされているようだ。江澄は寝台の上で胎児のようにうずくまり、ずくりずくりと波のある痛みと悪寒に脂汗を浮かべて耐える事しか出来なかった。とめどない寒気に身体を暖めようにも寝台の上から動けない。
ふぅ、ふぅ、と不規則な呼吸が食いしばった歯の隙間から漏れ、貧血でもはや灰色にすら見える血色のない顔の眉間の皺を更に深くした。
(痛い、痛い痛い痛い!はやく、早く終わってくれ………………っ)
―きっかけは些細なものであった。
時は遡ること半年前になる。
江澄は、長い長い閉閑を終えた藍曦臣と紆余曲折を経て恋仲になりしばらく経つ。互いに時間が許せば姑蘇へ行ったり雲夢へ来たりして少ないながらも二人で過ごす時間を設けていた。藍曦臣は江澄を愛していたし江澄も今までの人生で持ったことの無いくすぐったいような感情が常に胸中で渦巻いていた。
8366腹の内側から見えない手で内臓をぐちゃぐちゃに握りつぶされているようだ。江澄は寝台の上で胎児のようにうずくまり、ずくりずくりと波のある痛みと悪寒に脂汗を浮かべて耐える事しか出来なかった。とめどない寒気に身体を暖めようにも寝台の上から動けない。
ふぅ、ふぅ、と不規則な呼吸が食いしばった歯の隙間から漏れ、貧血でもはや灰色にすら見える血色のない顔の眉間の皺を更に深くした。
(痛い、痛い痛い痛い!はやく、早く終わってくれ………………っ)
―きっかけは些細なものであった。
時は遡ること半年前になる。
江澄は、長い長い閉閑を終えた藍曦臣と紆余曲折を経て恋仲になりしばらく経つ。互いに時間が許せば姑蘇へ行ったり雲夢へ来たりして少ないながらも二人で過ごす時間を設けていた。藍曦臣は江澄を愛していたし江澄も今までの人生で持ったことの無いくすぐったいような感情が常に胸中で渦巻いていた。
guchiko
できた藍湛と魏嬰♀の出会い~告白までの話。藍湛視点で話が進みます。
「ひめはじめ」の番外編話!!
「ひめはじめ」は↓ここから読めます。
ポイぴく:https://poipiku.com/2398218/5911112.html
pixiv :https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16993599
※設定
忘羨は互いに様々な事情で日本の学校に通います。
告白彼女と最初に会ったのは、中学の入学式の日だった。新入生は入学式の前に一度、発表された自分のクラスに集まることになっていた。私は自分のクラスに向かい、そこで彼女を見たのだ。
クラスに入ると既にクラスに集まっていた生徒が、一斉に私の方を見てくる。彼女も私に視線を向けていたが、その時は別段気にも留めてなかった。みんなが一斉に見てくる理由は分かっていた。それは私の容姿だ。私自身はどうとも思っていないが、世間が言うには100年だか、1000年だかに一度の美人らしい。そのせいで皆、見てくるのだ。皆から注視される中、黒板に書かれている自分の席に着く。周りはどう話していいのか分からず、誰一人として話しかけてこなかった。ただ、ひそひそと遠巻きに話しているだけだった。そんな中、彼女の声が耳に入ってきた。
7290クラスに入ると既にクラスに集まっていた生徒が、一斉に私の方を見てくる。彼女も私に視線を向けていたが、その時は別段気にも留めてなかった。みんなが一斉に見てくる理由は分かっていた。それは私の容姿だ。私自身はどうとも思っていないが、世間が言うには100年だか、1000年だかに一度の美人らしい。そのせいで皆、見てくるのだ。皆から注視される中、黒板に書かれている自分の席に着く。周りはどう話していいのか分からず、誰一人として話しかけてこなかった。ただ、ひそひそと遠巻きに話しているだけだった。そんな中、彼女の声が耳に入ってきた。
杜宇(とう)/乙葵
バレンタイン魔道祖師二次創作/忘羨/現代AU/社会人/同居設定/バレンタイン
現世なので、藍忘機は原作よりは柔らかいゆるいイメージで書いてます。食うに語らずはありません。
Twitterでのバレンタインタグのリクエストで書きました。ほぼ即興かつ書きたいようにやった!なので読みづらいかったらごめんなさい。
言い訳タイム作りたい😂😂😂
Happiness after Valentine 二月十五日 朝七時頃
いつもは目覚ましが鳴る前に目が覚める藍忘機はこの日は珍しくけたたましいアラーム音で覚醒した。
頭が重くずきずきと痛い、重たい瞼をやっと開けた途端に襲い掛かってきたのは胸のあたりの不快感。思わず小さく呻いた。
体がいつになくだるい、風邪とも違うこんな感覚は初めてだ。
横を見れば腕にしがみついた魏無羨は一糸まとわぬ姿で夢のなかで、むにゃむにゃと何事かをつぶやいている。
一糸、まとわぬ姿?
「?!」
藍忘機は彼の姿に目を見開きがばっと起き上がった。
響く頭の痛みに額を抑え、胃の辺りからむせ返る感覚をぐっとこらえて、掛布をめくって魏無羨を見れば裸で滑らかな白い肌には見覚えない真新しい噛み跡とうっ血の跡がある。
7606いつもは目覚ましが鳴る前に目が覚める藍忘機はこの日は珍しくけたたましいアラーム音で覚醒した。
頭が重くずきずきと痛い、重たい瞼をやっと開けた途端に襲い掛かってきたのは胸のあたりの不快感。思わず小さく呻いた。
体がいつになくだるい、風邪とも違うこんな感覚は初めてだ。
横を見れば腕にしがみついた魏無羨は一糸まとわぬ姿で夢のなかで、むにゃむにゃと何事かをつぶやいている。
一糸、まとわぬ姿?
「?!」
藍忘機は彼の姿に目を見開きがばっと起き上がった。
響く頭の痛みに額を抑え、胃の辺りからむせ返る感覚をぐっとこらえて、掛布をめくって魏無羨を見れば裸で滑らかな白い肌には見覚えない真新しい噛み跡とうっ血の跡がある。
EastBudTree
供養でんでん太鼓のお話でんでん太鼓どうして彼にでんでん太鼓を贈ったのか。
降りしきる雪の中、惜しげもなく笑顔をこちらに与える彼に、自分が与えられるものが他に何も持っていなかったからだ。
それでも彼はでんでん太鼓をじっと見つめると嬉しそうにこちらに笑いかけてくれた。
その笑顔によくわからない胸の軋みを感じて、ひどく慌てた。
とっさに何も言葉が浮かばず、身を翻すとその場を駆け出してしまった。
雪の街中を走ってはいけないと、強く叔父に窘められていたのに、彼は走って探し人を見つけた。
「兄上」
兄の藍 曦臣は彼の姿を見つけると、ほっとしたようにこちらにやってきた。
「忘機、何処に行っていたんだい」
彼は兄の差し出された手を強く引いた。
「こちらへ」
「何かあったのかい、忘機」
906降りしきる雪の中、惜しげもなく笑顔をこちらに与える彼に、自分が与えられるものが他に何も持っていなかったからだ。
それでも彼はでんでん太鼓をじっと見つめると嬉しそうにこちらに笑いかけてくれた。
その笑顔によくわからない胸の軋みを感じて、ひどく慌てた。
とっさに何も言葉が浮かばず、身を翻すとその場を駆け出してしまった。
雪の街中を走ってはいけないと、強く叔父に窘められていたのに、彼は走って探し人を見つけた。
「兄上」
兄の藍 曦臣は彼の姿を見つけると、ほっとしたようにこちらにやってきた。
「忘機、何処に行っていたんだい」
彼は兄の差し出された手を強く引いた。
「こちらへ」
「何かあったのかい、忘機」
EastBudTree
供養長かったのでまとめました。音「今日はここまで」
含光君の言葉が蘭室に響き渡ると同時。
スパーー―ン!
蘭室の扉が勢いよく開かれた。
何事かと各世家の子弟たちが扉を一斉に振り向いた。
「魏嬰?」
藍湛は扉の前にいる魏嬰の行いに眉を顰めた。
大きな音を立てないという規則破りを犯したために顰めたわけではない。
普段奔放な行動を起こす魏嬰だが、彼なりに雲深不知処での弁え方を心得ている。
そんな彼が、蘭室の授業が終わったと同時に乱暴に戸を開け、いつもの明るい表情を俯け隠しきって、ふらりふらりと藍湛のもとへ歩んでいた。
「魏嬰?」
返事の返さない魏嬰に藍湛は胞の裾を払って立ち上がると、それに気づいたように魏嬰は歩みを止めて倒れこんだ。
わぁとなる子弟たちの声を制し、藍湛は魏嬰を受け止めると、その胸に魏嬰は何かを囁いた。その言葉に少し小首をかしげる藍湛。
2208含光君の言葉が蘭室に響き渡ると同時。
スパーー―ン!
蘭室の扉が勢いよく開かれた。
何事かと各世家の子弟たちが扉を一斉に振り向いた。
「魏嬰?」
藍湛は扉の前にいる魏嬰の行いに眉を顰めた。
大きな音を立てないという規則破りを犯したために顰めたわけではない。
普段奔放な行動を起こす魏嬰だが、彼なりに雲深不知処での弁え方を心得ている。
そんな彼が、蘭室の授業が終わったと同時に乱暴に戸を開け、いつもの明るい表情を俯け隠しきって、ふらりふらりと藍湛のもとへ歩んでいた。
「魏嬰?」
返事の返さない魏嬰に藍湛は胞の裾を払って立ち上がると、それに気づいたように魏嬰は歩みを止めて倒れこんだ。
わぁとなる子弟たちの声を制し、藍湛は魏嬰を受け止めると、その胸に魏嬰は何かを囁いた。その言葉に少し小首をかしげる藍湛。
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尻を叩く不死身の生命体として研究所に収容されている魏無羨を研究員藍忘機が逃がそうとする話。⚠️人体実験の描写あり
運命の果実を一緒に食べよう① 藍忘機は戦慄した。
研究職に就いて十三年。遂に国の極秘機関に配属されたこの日、表情が全く変わらないと噂されているその顔に隠しきれない興奮を滲ませながら新しい職場に入った。厳重な扉、建物の隅々まで映し出すように設置された監視カメラと窓が一切ない密閉された空間が、この研究の重要さを物語っていた。
「さぁ、ここだ」
新しい上司に連れられて立ったのは、研究所の中で最奥地にある研究室のドアの前。登録しておいた生体情報を読み込ませると、認証が成功したことを知らせる軽やかな機械音が鳴り響き、ゆっくりと扉が開かれていく。
埃一つ落ちていない真っ白な廊下とは一転し、室内は薄暗かった。
「今は『就寝』の時間だから照明は落としているんだ。それは踏むなよ」
4167研究職に就いて十三年。遂に国の極秘機関に配属されたこの日、表情が全く変わらないと噂されているその顔に隠しきれない興奮を滲ませながら新しい職場に入った。厳重な扉、建物の隅々まで映し出すように設置された監視カメラと窓が一切ない密閉された空間が、この研究の重要さを物語っていた。
「さぁ、ここだ」
新しい上司に連れられて立ったのは、研究所の中で最奥地にある研究室のドアの前。登録しておいた生体情報を読み込ませると、認証が成功したことを知らせる軽やかな機械音が鳴り響き、ゆっくりと扉が開かれていく。
埃一つ落ちていない真っ白な廊下とは一転し、室内は薄暗かった。
「今は『就寝』の時間だから照明は落としているんだ。それは踏むなよ」
sgm
できたなれそめ曦澄。後半部分です。大分書き始めてから時間が経ちましたが終わりました。感想いただけると嬉しいです!
R18のその後の二人を追加してP4P予定です。
読みにくければPixivへどうぞ。
追憶相相 後編 六
藍曦臣の目は覚めたが法器の影響を受けていることで、俄に雲深不知処は慌ただしくなった。藍啓仁、藍忘機が寒室に到着したのと入れ替わるようにして江澄と魏無羨は寒室から静室に移動した。魏無羨の手には藍思追が金麟台から持ち帰って来た温氏の目録がある。
目録を紐解けば江澄の記憶の通り、あの簪についての記述があった。
温若寒から遡ること三代前の温宗主の時代に、拷問、自白目的で作られた法器で人間の生命力を栄養分として花を咲かす物だった。栄養分にされた人間は活屍となり死んだことに気がつかずに身体に残った陽の気を吸われ続け、最終的にはカラカラに干乾びる。養分となった人間が干乾びるか、首を切られたり、折られたりなどすると咲いた花は枯れていく。
44086藍曦臣の目は覚めたが法器の影響を受けていることで、俄に雲深不知処は慌ただしくなった。藍啓仁、藍忘機が寒室に到着したのと入れ替わるようにして江澄と魏無羨は寒室から静室に移動した。魏無羨の手には藍思追が金麟台から持ち帰って来た温氏の目録がある。
目録を紐解けば江澄の記憶の通り、あの簪についての記述があった。
温若寒から遡ること三代前の温宗主の時代に、拷問、自白目的で作られた法器で人間の生命力を栄養分として花を咲かす物だった。栄養分にされた人間は活屍となり死んだことに気がつかずに身体に残った陽の気を吸われ続け、最終的にはカラカラに干乾びる。養分となった人間が干乾びるか、首を切られたり、折られたりなどすると咲いた花は枯れていく。
sgm
できた去年の交流会でP4P予定してるよーなんて言ってて全然終わってなかったなれそめ曦澄。Pixivにも上げてる前半部分です。
後半は此方:https://poipiku.com/1863633/6085288.html
読みにくければシブでもどうぞ。
https://www.pixiv.net/novel/series/7892519
追憶相相 前編一
「何をぼんやりしていたんだ!」
じくじくと痛む左腕を抑えながら藍曦臣はまるで他人事かのように自分の胸倉を掴む男の顔を見つめた。
眉間に深く皺を刻み、元来杏仁型をしているはずの瞳が鋭く尖り藍曦臣をきつく睨みつけてくる。毛を逆立てて怒る様がまるで猫のようだと思ってしまった。
怒気を隠しもせずあからさまに自分を睨みつけてくる人間は今までにいただろうかと頭の片隅で考える。あの日、あの時、あの場所で、自らの手で命を奪った金光瑶でさえこんなにも怒りをぶつけてくることはなかった。
胸倉を掴んでいる右手の人差し指にはめられた紫色の指輪が持ち主の怒気に呼応するかのようにパチパチと小さな閃光を走らせる。美しい光に思わず目を奪われていると、舌打ちの音とともに胸倉を乱暴に解放された。勢いに従い二歩ほど下がり、よろよろとそのまま後ろにあった牀榻に腰掛ける。今にも崩れそうな古びた牀榻はギシリと大きな悲鳴を上げた。
66994「何をぼんやりしていたんだ!」
じくじくと痛む左腕を抑えながら藍曦臣はまるで他人事かのように自分の胸倉を掴む男の顔を見つめた。
眉間に深く皺を刻み、元来杏仁型をしているはずの瞳が鋭く尖り藍曦臣をきつく睨みつけてくる。毛を逆立てて怒る様がまるで猫のようだと思ってしまった。
怒気を隠しもせずあからさまに自分を睨みつけてくる人間は今までにいただろうかと頭の片隅で考える。あの日、あの時、あの場所で、自らの手で命を奪った金光瑶でさえこんなにも怒りをぶつけてくることはなかった。
胸倉を掴んでいる右手の人差し指にはめられた紫色の指輪が持ち主の怒気に呼応するかのようにパチパチと小さな閃光を走らせる。美しい光に思わず目を奪われていると、舌打ちの音とともに胸倉を乱暴に解放された。勢いに従い二歩ほど下がり、よろよろとそのまま後ろにあった牀榻に腰掛ける。今にも崩れそうな古びた牀榻はギシリと大きな悲鳴を上げた。
sgm
できた江澄誕としてTwitterに上げていた江澄誕生日おめでとう話江澄誕 2021 藍曦臣が蓮花塢の岬に降り立つと蓮花塢周辺は祭りかのように賑わっていた。
常日頃から活気に溢れ賑やかな場所ではあるのだが、至るところに店が出され山査子飴に飴細工。湯気を出す饅頭に甘豆羹。藍曦臣が食べたことのない物を売っている店もある。一体何の祝い事なのだろうか。今日訪ねると連絡を入れた時、江澄からは特に何も言われていない。忙しくないと良いのだけれどと思いながら周囲の景色を楽しみつつゆっくりと蓮花塢へと歩みを進めた。
商人の一団が江氏への売り込みのためにか荷台に荷を積んだ馬車を曳いて大門を通っていくのが目に見えた。商人以外にも住民たちだろうか。何やら荷物を手に抱えて大門を通っていく。さらに藍曦臣の横を両手に花や果物を抱えた子どもたちと野菜が入った籠を口に銜えた犬が通りすぎて、やはり大門へと吸い込まれていった。きゃっきゃと随分楽しげな様子だ。駆けていく子どもたちの背を見送りながら彼らに続いてゆっくりと藍曦臣も大門を通った。大門の先、修練場には長蛇の列が出来ていた。先ほどの子どもたちもその列の最後尾に並んでいる。皆が皆、手に何かを抱えていた。列の先には江澄の姿が見える。江澄に手にしていたものを渡し一言二言会話をしてその場を立ち去るようだった。江澄は受け取った物を後ろに控えた門弟に渡し、門弟の隣に立っている主管は何やら帳簿を付けていた。
5198常日頃から活気に溢れ賑やかな場所ではあるのだが、至るところに店が出され山査子飴に飴細工。湯気を出す饅頭に甘豆羹。藍曦臣が食べたことのない物を売っている店もある。一体何の祝い事なのだろうか。今日訪ねると連絡を入れた時、江澄からは特に何も言われていない。忙しくないと良いのだけれどと思いながら周囲の景色を楽しみつつゆっくりと蓮花塢へと歩みを進めた。
商人の一団が江氏への売り込みのためにか荷台に荷を積んだ馬車を曳いて大門を通っていくのが目に見えた。商人以外にも住民たちだろうか。何やら荷物を手に抱えて大門を通っていく。さらに藍曦臣の横を両手に花や果物を抱えた子どもたちと野菜が入った籠を口に銜えた犬が通りすぎて、やはり大門へと吸い込まれていった。きゃっきゃと随分楽しげな様子だ。駆けていく子どもたちの背を見送りながら彼らに続いてゆっくりと藍曦臣も大門を通った。大門の先、修練場には長蛇の列が出来ていた。先ほどの子どもたちもその列の最後尾に並んでいる。皆が皆、手に何かを抱えていた。列の先には江澄の姿が見える。江澄に手にしていたものを渡し一言二言会話をしてその場を立ち去るようだった。江澄は受け取った物を後ろに控えた門弟に渡し、門弟の隣に立っている主管は何やら帳簿を付けていた。
sgm
できた兄上誕としてTwitterに上げてた現代AU兄上おめでとう話。兄上誕2021 誕生日と言えば、弟や叔父から祝ってもらうのが主で、それももちろん嬉しいのだけれども特別誕生日に思い入れはなかった。生まれたことに生んでくれた母親に感謝はすれども幼い頃から誕生日を特段楽しみにしてはいなかった。特に成人になってからは前の一年に成し得たことを振り返り、これからの一年をどう過ごすべきかをぼんやりと考える日、程度だった。
けれど、今年は生まれて初めて誕生日を恋人に祝ってもらうことになった。幸いなことに誕生日当日が金曜日であったために夕食を江澄ととり、その後も一緒にいられる。それだけで藍曦臣の心は浮足立ってしまう。
誕生日当日は江澄がいろいろと計画をしてくれているらしく、貴方は普段通りに仕事をし、連絡を待っていろとだけ言われた。何を計画してくれているのかそれを考えるだけでも心が暖かくなるし、わくわくとしてくるし、顔がにやけてしまう。
3876けれど、今年は生まれて初めて誕生日を恋人に祝ってもらうことになった。幸いなことに誕生日当日が金曜日であったために夕食を江澄ととり、その後も一緒にいられる。それだけで藍曦臣の心は浮足立ってしまう。
誕生日当日は江澄がいろいろと計画をしてくれているらしく、貴方は普段通りに仕事をし、連絡を待っていろとだけ言われた。何を計画してくれているのかそれを考えるだけでも心が暖かくなるし、わくわくとしてくるし、顔がにやけてしまう。