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    果物

    tennin5sui

    DOODLEゆるゆる果物版ドロライ:お題「ハロウィン」

    今日あたりでモブが出張るのもおしまい、のはず!
    第六話 校庭に城ができたんだってよ。
     どこからか伝え聞いてきたように語る口調で、詰まらない冗談を友人の佐藤が言うのは珍しいことではないので、何ができたって?と一応聞き返した。
    「だから、城がだよ」「シロってなんだよ」「城は城だよ。キャッスルだよ」
     不毛なやりとりになりかけたのを察したのか、佐藤は焦ったそうに、いいから来いっての、と乱暴に俺の手を引っ張った。
    「どうせまた公園行くんだから、今出かけたって一緒だろ」
    「一緒じゃない。宿題終わってからじゃないと大変なんだよ」
    頭いいんだから、帰ってすぐやれば終わるだろ、という理屈で押し切られるのは目に見えていたが、常に佐藤の行動に素直に付き従っていたら身を滅ぼす。なので、度を越した要求をされる場合は、行動の責任の一端はお前にあるんだぞ、という釘を刺すようにしている。なお今回、佐藤は「宿題なんて、昼休みまでに職員室のノートの束に紛れ込ませておけばバレねーんだよ」と、想像していたよりも邪悪な考えを披露したが、なんとか寝る前までに取り組んで宿題を終わらせたことを名誉にかけて述べておく。
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    shishiri

    DONEホラーアンソロジー『果物語』に寄稿させていただきました、拙著『狂気は蒼』の裏物語です。
    【参考文献】
    アンソロのお話しを伺ったとき、すぐさま「参加したい!」と飛びついた私ですが。実は極度のビビりでして、ホラー映画はもちろんの事、お化け屋敷にすら入れない。さて、ホラーとは一体どうやって書いたら良いのか……。と早速悩みました。ある程度設定を決めて書き始めるのと並行して読んだ本が、自他とも認めるホラー好き・宮部みゆきセレクトの『贈る物語Terror』です。ここでタイトルの元ネタになる『苦悩のオレンジ、狂気のブルー』を読みました。『水底の感』『沼』は、水をテーマにしようと思ってから、たまたまSNSbotで目にした作品であったりします。
    【テーマ①】
    怖いもの……と考えたとき。私自身、波の音(特に夜の)が苦手なのもあって、『水』をテーマにしようと思いました。幼少期に祖母から「お盆を過ぎたら、絶対に海に入っちゃいけない。連れて行かれる(実際は、波が高くなるから等の理由なんでしょうが)」と何度も聞かされ刷り込まれておりまして。この「連れて行かれる」というのがとっても怖かったせいで、波の音は私にとってヒーリングどころか、恐怖の対象なのです。
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