掌
keta_yongou
SPOILERついでにいわひら現未× 他愛もない話週末に山中にある神社行ってたんだけど拝掌教もこういうとこにあったのかな…と思いを馳せるなどした
これは展望デッキからの眺め
しかも名前も「三峰神社」で色々惜しい
モチモチ
DONE2023年9月30日草間の日。野分お誕生日記念の掌編です。誓い 九月二十九日の夜。野分の部屋のカーテンの隙間から月明かりが漏れている。いつも俺、こと上條弘樹はこの時間、胸騒ぎに似た焦燥感を抱く。
野分は、今日は夜勤はないが明日が早番らしく、俺に忙しなくキスをして、おやすみなさいを言うと、俺を後ろから抱き込むような形で野分の部屋のベッドの上で眠ってしまった。
チクタクと時計の針が動いて、九月三十日になる。こんな台風の多い月に産まれた野分。何らかの理由があって、孤児院に捨てられた野分。きっと親も断腸の思いだっただろう。本当は自分で育てたかっただろう。なのに、野分を預ける事しかできなかった。けどな、今はその親に俺はありがとうと言いたい。その親のお陰で、今、こうして俺は野分と出会えているのだから。
480野分は、今日は夜勤はないが明日が早番らしく、俺に忙しなくキスをして、おやすみなさいを言うと、俺を後ろから抱き込むような形で野分の部屋のベッドの上で眠ってしまった。
チクタクと時計の針が動いて、九月三十日になる。こんな台風の多い月に産まれた野分。何らかの理由があって、孤児院に捨てられた野分。きっと親も断腸の思いだっただろう。本当は自分で育てたかっただろう。なのに、野分を預ける事しかできなかった。けどな、今はその親に俺はありがとうと言いたい。その親のお陰で、今、こうして俺は野分と出会えているのだから。
初春おもち
MOURNING灰七掌編小説です。試しに投稿してみます。お手て繋いで 二〇〇六年。任務を済ませたある夏の日の午後の事だった。蝉時雨の中、鳥居のある階段をのぼって高専に帰る道すがら、灰原が右手がむずむずすると言い出したのだ。ナタの入った黒い袋を右肩に担ぎ上げた七海が、灰原の拳を触る。
「呪霊にでもやられたのでしょうか。家入さんに診てもらいましょうか?」
そう言うのに、灰原は顔を赤くして、ただ。
「手のひらがむずむずする」
とだけ言う。グーにしている灰原の右手を開かせると、灰原の手のひらはしっとりと濡れて汗ばんでいる。
「たぶん、このむずむずは家入さんでは治せないと思う」
そう罰が悪そうに言う灰原に。
「じゃ、どうやって治せばいいんですか?」
と七海が不思議がる。
「それは僕の好きな人が手を握ってくれたら、治るんじゃないかな」
1517「呪霊にでもやられたのでしょうか。家入さんに診てもらいましょうか?」
そう言うのに、灰原は顔を赤くして、ただ。
「手のひらがむずむずする」
とだけ言う。グーにしている灰原の右手を開かせると、灰原の手のひらはしっとりと濡れて汗ばんでいる。
「たぶん、このむずむずは家入さんでは治せないと思う」
そう罰が悪そうに言う灰原に。
「じゃ、どうやって治せばいいんですか?」
と七海が不思議がる。
「それは僕の好きな人が手を握ってくれたら、治るんじゃないかな」
こぺりかん
PASTトレリドwebオンリー参加作品以前1日1トレリドで書いていた掌編から林さん(@nrchayashi )にコミカライズしていただきました!
小説の方も加筆修正しているので良ければこの機に読んでやってください。
べりーめりーまんなかバースデーとぅトレリド!
「あーあ。ボクは随分と厄介な男に捕まってしまったね」 それは2人で出掛けた帰り道のことだった。
色づいた街路樹を眺めながら、季節の新作について話していた。今年から新しく出したカボチャを使ったプディングの人気は上々だとか、ホリデーのために今年もいくつか試作品を考えているとか、そういう他愛もない話だ。
そうして穏やかに相槌を打っていたリドルが脈絡なく小さく笑いを漏らしたから、珍しいこともあるものだと思いながら戯れるように小突いた。
「ふふふ、大したことじゃないんだけどね? 休憩中に後輩達が話していたのを思い出して」
そう言ってリドルは楽しげに落ち葉を踏む。
ワインレッドの髪は銀杏並木によく映える。マジカメに上げこそしないが、そのリドルの横顔を写真に収めたくなるというのはなんとなく分かるな、とこの場にいない親友に賛同する。
2018色づいた街路樹を眺めながら、季節の新作について話していた。今年から新しく出したカボチャを使ったプディングの人気は上々だとか、ホリデーのために今年もいくつか試作品を考えているとか、そういう他愛もない話だ。
そうして穏やかに相槌を打っていたリドルが脈絡なく小さく笑いを漏らしたから、珍しいこともあるものだと思いながら戯れるように小突いた。
「ふふふ、大したことじゃないんだけどね? 休憩中に後輩達が話していたのを思い出して」
そう言ってリドルは楽しげに落ち葉を踏む。
ワインレッドの髪は銀杏並木によく映える。マジカメに上げこそしないが、そのリドルの横顔を写真に収めたくなるというのはなんとなく分かるな、とこの場にいない親友に賛同する。
スオウ
DONEナイフ/炎博(性別どちらでも)生息演算の時空の話 博の人心掌握術にあてられる炎(まんざらでもない)
ナイフ「……迷子だね」
「そうだな」
そんな分かりきったこと、当てもなく砂の上を歩き始めた頃から知っていた。二人はお互いに視線を合わせることなく、殆ど同時に歩みを止めた。
「地図は?」
「携行用のは拠点に置いてきたかも」
「……端末は?」
「手元にはあるけど、実質使えない状態だね。ビーコンの情報が送られてきていないみたいだ。電波も来てない」
「……方位磁石、サバイバルキット、」
エンカクがそこまで言ったところで、ドクターは彼にまるで“お手上げだ”と言わんばかりに腕を上げて手のひらを見せた。こいつが凡人だったら既に殴りつけているところだろう。一瞬だけ握りしめた拳を抑えて、エンカクは岩場に身体を預けた。歩き方に気を付けなければならない荒野を歩くのは、思っている以上に体力を使う。ドクターも、もたもたと岩場をよじ登り、少しだけ平らになった岩場に座り込む。
2243「そうだな」
そんな分かりきったこと、当てもなく砂の上を歩き始めた頃から知っていた。二人はお互いに視線を合わせることなく、殆ど同時に歩みを止めた。
「地図は?」
「携行用のは拠点に置いてきたかも」
「……端末は?」
「手元にはあるけど、実質使えない状態だね。ビーコンの情報が送られてきていないみたいだ。電波も来てない」
「……方位磁石、サバイバルキット、」
エンカクがそこまで言ったところで、ドクターは彼にまるで“お手上げだ”と言わんばかりに腕を上げて手のひらを見せた。こいつが凡人だったら既に殴りつけているところだろう。一瞬だけ握りしめた拳を抑えて、エンカクは岩場に身体を預けた。歩き方に気を付けなければならない荒野を歩くのは、思っている以上に体力を使う。ドクターも、もたもたと岩場をよじ登り、少しだけ平らになった岩場に座り込む。
hisoku
DOODLE掌篇で書いた「電話ボックス」と同じsgoの話で、今度はちゃんと杉が電話ボックスから尾のスマートフォンに電話を掛けてきて、二人がお喋りとか色々する話です尾語り
過去作
成人向け内容なので
パスワード限定公開です
成人(高校生不可)以上の方ですか? 11720
おふゆ もち
DOODLEでいごじんかくとかいうげーむプレイ日記(メモ)
自己満足。ゲームにわかによるらくがき
車掌さんを手に入れたのでゴールです。ゲームクリア...。
手癖絵は短時間でむげんにかけるしらくでいいな。
そしてじどうさいしょくはべんり。
仕事がおさまるまでおふゆもちのTwitterは無浮上になっています。いつおさまるかは不明です。 6
はるち
DOODLE涙についてのいくつかの掌編詰め合わせ。なかない君と飛べない龍に泣いてはだめ。泣いたら人間になってしまう。動いたら人間になってしまう。見られるためだけの眼でものを見たら、朱いだけの唇で喋ったら、細いだけの足で歩いたら、からっぽなだけの心で考えたら、お人形には、二度と、戻れなくなってしまう。
引用:川野芽生「人形街」
「泣いている子供には、どう反応すればいいんだっけ?」
薄氷のように青い髪と薄桃色の瞳を持つ少年が、あどけなくそう問いかけたのは、重岳が少女を送り届けた後だった。
ロドスは広い。この艦にやってきてからしばらく経つ重岳でさえ、馴染みのないエリアに来れば案内なしでは歩けない。来てすぐの時は、姉妹たちの先導なしにはどこにも行けなかったものだ。
だから治療のためにここに来たという少女は、親とはぐれて、迷子になったのだという。
5552引用:川野芽生「人形街」
「泣いている子供には、どう反応すればいいんだっけ?」
薄氷のように青い髪と薄桃色の瞳を持つ少年が、あどけなくそう問いかけたのは、重岳が少女を送り届けた後だった。
ロドスは広い。この艦にやってきてからしばらく経つ重岳でさえ、馴染みのないエリアに来れば案内なしでは歩けない。来てすぐの時は、姉妹たちの先導なしにはどこにも行けなかったものだ。
だから治療のためにここに来たという少女は、親とはぐれて、迷子になったのだという。
ききょお
SPUR ME掌へのキスは懇願手首へのキスは欲望
ですってよ。(「キスの場所で22のお題」より)
直接的に性的な描写は薄いですが、事後だったりうんぬんあるのでワンクッションというかお知らせしておきます。
空木→六華 9
mmmsssrrr0
DONE黒限(成長後)百年ぶりに情欲を催したので誰でもいいから見繕いにいくという无限に小黒が立候補する、だけの掌編。小黒が脳内でうるさい。
(黒限成長後)立候補「小黒、すこしいいか」
「はい」
小黒が背筋をしゃんと伸ばして返事をしたのは、師の声に緊張の色を聞き取ったからだった。
きっと、任務に関係する、それもいつもよりも難しくて重要な件についての話があるのだろう。そう思って振り返ったが、予想に反して无限はいつも任務におもむく時の格好ではなく、美しく装った姿をしていた。
暗緑の長衫の上に、えりにラインの入った深衣。普段から无限が好んで着ている服だが、髪は丁寧に結われ、わずかに、香油のにおいがする。
(デートだ)
小黒は直観し、すぐさま心の中でその考えを振り払った。
无限がデートだなんて、ありえない。六歳で无限の弟子となってから、小黒が大人になり、いっぱしの執行人としてひとかどの信頼を得た今に至るまで、无限には恋人の影など一切なかった。長くひそかにその座を狙っていた小黒にはわかる。
2167「はい」
小黒が背筋をしゃんと伸ばして返事をしたのは、師の声に緊張の色を聞き取ったからだった。
きっと、任務に関係する、それもいつもよりも難しくて重要な件についての話があるのだろう。そう思って振り返ったが、予想に反して无限はいつも任務におもむく時の格好ではなく、美しく装った姿をしていた。
暗緑の長衫の上に、えりにラインの入った深衣。普段から无限が好んで着ている服だが、髪は丁寧に結われ、わずかに、香油のにおいがする。
(デートだ)
小黒は直観し、すぐさま心の中でその考えを振り払った。
无限がデートだなんて、ありえない。六歳で无限の弟子となってから、小黒が大人になり、いっぱしの執行人としてひとかどの信頼を得た今に至るまで、无限には恋人の影など一切なかった。長くひそかにその座を狙っていた小黒にはわかる。
ひの豆⭕️
PROGRESSチキフィ3展示作品今後も作業進めます。真っ白ですみません💦
「掌(手の話)」で合鍵をもらった後から隠し事がバレるまでの間にあった出来事で、ハンクが起きる前に家に来て散歩した日の話です。 9
ガッチャ
DONE負けイベントバージョン全体図、顔アップ、個人的に好きなところまとめ。
⚠️流血、傷あります
1️⃣額の傷って結構血が出るから何度も拳で拭って欲しい2️⃣ダの左目の血溜まり3️⃣掌の血溜まり。個人的に一番溜まった感出せて満足☺️ 5
1tian01knight
DOODLE完结撒花,鼓掌鼓掌!【天注定/天卓】蜘蛛丝 第八章 尾声第八章 尾声
2047年 春
到墓地时,雨势已减小了许多。卓定便干脆把伞收了,独行于细雨中。
人把本应清净的墓园挤满了。清明节,无数在外的游子、亦或是如他一般,来见老友的人,充满了整片墓园。平日无人的山下车道,也因此被堵得水泄不通。
卓定听到有人在哭。有很多人在哭。他闻到纸钱的气味。
往上走、往上走。
他踏入那薄雨映出的景色之中。
不远处,有人拖家带口前来。他看到有懂事一点的大孩子伸手点着纸钱,看到家长拿着香,双手合十,嘴里念念有词。他还看到有小孩子站在一旁,躲在妈妈的身后,不敢上前看那个篆刻着自己最熟悉的亲人名字的墓碑。
终于那孩子被拽过去了,学着样子烧了些纸钱,然后他听见家长用川渝地区的方言说:“妈,这是您小孙女,我们一同来看您了。您在世时最疼她,保佑我们家乖乖健康长大。”说着,又让那孩子跟着上了几炷香。
58502047年 春
到墓地时,雨势已减小了许多。卓定便干脆把伞收了,独行于细雨中。
人把本应清净的墓园挤满了。清明节,无数在外的游子、亦或是如他一般,来见老友的人,充满了整片墓园。平日无人的山下车道,也因此被堵得水泄不通。
卓定听到有人在哭。有很多人在哭。他闻到纸钱的气味。
往上走、往上走。
他踏入那薄雨映出的景色之中。
不远处,有人拖家带口前来。他看到有懂事一点的大孩子伸手点着纸钱,看到家长拿着香,双手合十,嘴里念念有词。他还看到有小孩子站在一旁,躲在妈妈的身后,不敢上前看那个篆刻着自己最熟悉的亲人名字的墓碑。
终于那孩子被拽过去了,学着样子烧了些纸钱,然后他听见家长用川渝地区的方言说:“妈,这是您小孙女,我们一同来看您了。您在世时最疼她,保佑我们家乖乖健康长大。”说着,又让那孩子跟着上了几炷香。
米粉めこ
MOURNINGいわひら げんみ❌マグカップが!!!!!!!!!!!!届きました!!!!!!!!!!!!!
嬉しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(嬉)(踊)(爆)
世ありがとう拝掌教...一生大切に使います..... 2
ereply
PAST2018年辺りに書いていたリュウラシさんの掌編です。スト5のB-Boyコスチュームのリュウさんとアレコスのラシード君、お揃いみたいで可愛い!
on fire / リュウラシ「その格好、あんたらしくないよなぁ」
初めて見た訳でもないのに、ラシードはリュウの出で立ちに視線をめぐらせて小さく笑う。
鉢巻の代わりに目深に被った赤いバケットハット。
白いブルゾンと揃いのデニムを纏って、胸に大袈裟な時計を下げ、足元には眩しいほど真っ赤なスニーカー。
拳にはグローブの代わりに「風林火山」を一文字ずつ刻んだ指輪が輝いている。
サングラスから覗く瞳だけはいつもと何ら変わりない。
質実剛健を絵に描いたような、普段の胴着姿とは正反対だ。
そうしてまじまじと見ていると、リュウは慣れない手付きでサングラスを外し、困ったように口を開いた。
「やっぱりおかしいか?」
「あぁ、いや、見馴れるとなかなか似合ってるよ。
2647初めて見た訳でもないのに、ラシードはリュウの出で立ちに視線をめぐらせて小さく笑う。
鉢巻の代わりに目深に被った赤いバケットハット。
白いブルゾンと揃いのデニムを纏って、胸に大袈裟な時計を下げ、足元には眩しいほど真っ赤なスニーカー。
拳にはグローブの代わりに「風林火山」を一文字ずつ刻んだ指輪が輝いている。
サングラスから覗く瞳だけはいつもと何ら変わりない。
質実剛健を絵に描いたような、普段の胴着姿とは正反対だ。
そうしてまじまじと見ていると、リュウは慣れない手付きでサングラスを外し、困ったように口を開いた。
「やっぱりおかしいか?」
「あぁ、いや、見馴れるとなかなか似合ってるよ。
ぱん小屋
SPOILER八重坂 末寧(やえさか まね)拝掌教の教祖に仕える信者。
教祖の身の回りの世話と部屋の掃除、草花の世話が趣味。
出身シナリオ:CoC『鰯と柊』(6版)
※最後の1枚は両生還END前提のプチ差分のためワンクッション 3
greentea
DOODLERWRBの掌編(書き手はヘンアレ好きですが、どちらがという描写はありません)その手を離したくない 重力のように心が引っ張られて、一度キスをしてしまえば止まらなかった。答え合わせをしたいともう一度会って話すだけのつもりだったのに、体は正直なもので気がついたら何度も思い出していたあのリップにキスしていた。すり合わせたそこは柔らかくて、気持ちが良かった。
じかに肌に触れてペッティングもしていたのに、いざヘンリーから挿入を伴うセックスに誘われた時には動揺した。セックスは異性相手にはしても同性とは、あの記者ともそこまではしなかったからどっちがどうすればいいかまでは深く考えてなかった。
リードされるがままのセックスは気持ちが良くて、大変で、ヘンリーも気持ちが良いか気になって。僕が触れたヘンリーの肌はしっとりとしていて、そしてヘンリーの指が僕の身体に触れる度にびりびりと腰が痺れて。ゆったりと、そして必死にしたセックスは、ハートが満たされた。
815じかに肌に触れてペッティングもしていたのに、いざヘンリーから挿入を伴うセックスに誘われた時には動揺した。セックスは異性相手にはしても同性とは、あの記者ともそこまではしなかったからどっちがどうすればいいかまでは深く考えてなかった。
リードされるがままのセックスは気持ちが良くて、大変で、ヘンリーも気持ちが良いか気になって。僕が触れたヘンリーの肌はしっとりとしていて、そしてヘンリーの指が僕の身体に触れる度にびりびりと腰が痺れて。ゆったりと、そして必死にしたセックスは、ハートが満たされた。
kitakubu
DONE不破様に憧れて心酔してるキャラもいれば、不破くんの行いによってとんだ目に遭う人達も多いし間接的な犠牲者も入れたら相当数…下手すれば数万いくと思うんだ。オタクも人心掌握されてるからカウントしてもいいかもしれない(いいのか?)
それでも惹かれちゃうキケンな男なんだよなぁ……涙
weedspine
DOODLE許しにまつわる掌編その3。遺された子供二人。これにておしまい。わがままを言わせて書斎の扉をノックする音が響く。
バンジークスが入室を促すと、扉を開けて亜双義が入ってきた。
手に一冊の本を抱えている。
「こちら、お返しします。ありがとうございました」
部屋の奥、主人用のデスクに座るバンジークスの元までくると、その本を差し出し丁寧に礼を述べた。
「役に立っただろうか」
「ええ、とても。手書きの注釈は、貴公が?」
亜双義が検事を目指すと宣言した際、最初に渡されたのがこの本だった。
基礎となる知識が、比較的平易な言葉でまとめられている。
それでも出てくる専門用語や解釈の難しい一説などには必ず赤インキで注釈が添えられていた。
本文より分かりやすい解説であったり、凡例を用いて理解を促したり、
まるで暗い道の足元を照らすランタンのようなそれに導かれ、初歩を進み始めることができた。
1997バンジークスが入室を促すと、扉を開けて亜双義が入ってきた。
手に一冊の本を抱えている。
「こちら、お返しします。ありがとうございました」
部屋の奥、主人用のデスクに座るバンジークスの元までくると、その本を差し出し丁寧に礼を述べた。
「役に立っただろうか」
「ええ、とても。手書きの注釈は、貴公が?」
亜双義が検事を目指すと宣言した際、最初に渡されたのがこの本だった。
基礎となる知識が、比較的平易な言葉でまとめられている。
それでも出てくる専門用語や解釈の難しい一説などには必ず赤インキで注釈が添えられていた。
本文より分かりやすい解説であったり、凡例を用いて理解を促したり、
まるで暗い道の足元を照らすランタンのようなそれに導かれ、初歩を進み始めることができた。
weedspine
DOODLE許しにまつわる掌編その2。あの後、亜双義の処分ってどうなったんでしょうね?さいわい大英帝国の裁判所に、今日も木槌が鳴り響く。
検察席には亜双義が立ち、その補佐としてバンジークスが控えている。
審議は滞りなく進み、検察側の主張通りの罪状にて被告人は有罪となった。
これにて閉廷、という間際、被告人が叫んだ。
「なぜ私が、東洋の猿になど断罪されねばならんのだ!しかも前科者のくせに…」
憤るままの罵声が終わる前に、鋼鉄の踵が高らかに振り落とされたのは言うまでもない。
諸々の手続きを終え、二人は自分たちの執務室へと戻る。
検事局の廊下を進む間はお互い黙ったまま、すれ違った人々がみな関わり合いたくないと感じるような重い空気をまとっていた。
部屋に入り、鈍い音を立てて扉が閉まる。
それを待ちかねていたかのように、亜双義は笑い出した。
1484検察席には亜双義が立ち、その補佐としてバンジークスが控えている。
審議は滞りなく進み、検察側の主張通りの罪状にて被告人は有罪となった。
これにて閉廷、という間際、被告人が叫んだ。
「なぜ私が、東洋の猿になど断罪されねばならんのだ!しかも前科者のくせに…」
憤るままの罵声が終わる前に、鋼鉄の踵が高らかに振り落とされたのは言うまでもない。
諸々の手続きを終え、二人は自分たちの執務室へと戻る。
検事局の廊下を進む間はお互い黙ったまま、すれ違った人々がみな関わり合いたくないと感じるような重い空気をまとっていた。
部屋に入り、鈍い音を立てて扉が閉まる。
それを待ちかねていたかのように、亜双義は笑い出した。
weedspine
DOODLE亜双義が言った「許すことはできない」に触発されての掌編。汝、赦すなかれあなたがたが人を許すのは、許すほどのことが何もないからなのだ
G・K・チェスタトン マーン城の喪主 より
倫敦の街に鐘の音が降り注ぐ。
天を穿つような尖塔に挟まれた鐘楼は傾きかけた日差しをうけてまばゆい。
重厚で圧倒するような建築は、日本の神社仏閣とは規模が違う。
亜双義はこの国の教会を目にする度、自分が異教徒であることを痛感するのだった。
「人々は何を求めて教会に通うのだ?」
隣を行く師に問う。
本来、検事は事件の現場を調べる身ではない。
しかし異国の若人である亜双義が英国の裁判を扱うのに支障がないよう、
できるかぎりのものごとを実際に見せたいというバンジークスの思惑の元
2人は担当事件に関係する場所に赴くことが常であった。
1302G・K・チェスタトン マーン城の喪主 より
倫敦の街に鐘の音が降り注ぐ。
天を穿つような尖塔に挟まれた鐘楼は傾きかけた日差しをうけてまばゆい。
重厚で圧倒するような建築は、日本の神社仏閣とは規模が違う。
亜双義はこの国の教会を目にする度、自分が異教徒であることを痛感するのだった。
「人々は何を求めて教会に通うのだ?」
隣を行く師に問う。
本来、検事は事件の現場を調べる身ではない。
しかし異国の若人である亜双義が英国の裁判を扱うのに支障がないよう、
できるかぎりのものごとを実際に見せたいというバンジークスの思惑の元
2人は担当事件に関係する場所に赴くことが常であった。