ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0205【一番好きなところを各自記載してください】→『出し抜く者を出し抜く男とそれに昂ぶる男』です。開催100回おめでとうございます!✨
【出し抜く者を出し抜く男とそれに昂ぶる男】
モクマはひとつ深呼吸をしてから、紺色の扉をノックした。返事も構わず、ドアを開く。
「チェズレイ、お茶にしよ。いい茶葉入ったよー」
書斎の奥で長身の男がパソコンに相対していた。
細身の眼鏡フレームの奥にある菫色の瞳がゆっくりと持ち上がる。青白い光に照らされた頬は肌の白さをより際立て、血の気が薄い。
モクマはチェズレイの目の下に沈着している蒼を見て、ひそかに眉を顰めた。
チェズレイが苛立たしげに細い息を吐く。
その呼吸だけで、進捗がよろしくないことをモクマは悟る。収穫を焦っているのは分かる。だが、五日間も暗い部屋に籠もりきりで最低限の食事を摂ることしかしておらず、根を詰めている様子を見てはモクマも譲れない。
2104モクマはひとつ深呼吸をしてから、紺色の扉をノックした。返事も構わず、ドアを開く。
「チェズレイ、お茶にしよ。いい茶葉入ったよー」
書斎の奥で長身の男がパソコンに相対していた。
細身の眼鏡フレームの奥にある菫色の瞳がゆっくりと持ち上がる。青白い光に照らされた頬は肌の白さをより際立て、血の気が薄い。
モクマはチェズレイの目の下に沈着している蒼を見て、ひそかに眉を顰めた。
チェズレイが苛立たしげに細い息を吐く。
その呼吸だけで、進捗がよろしくないことをモクマは悟る。収穫を焦っているのは分かる。だが、五日間も暗い部屋に籠もりきりで最低限の食事を摂ることしかしておらず、根を詰めている様子を見てはモクマも譲れない。
ori1106bmb
DONEワンライ(鬼) 幼い頃、学び舎の学友たちと鬼ごっこをすることになった。
最初の鬼はカンナだった。明朗な声が十を数えるうち、みな散り散りに逃げてゆく。学び舎を起点として里中を走り回りながら、捕まえられた者が次の鬼へ。うまく立ち回っていたガコンも、ついに足の速い少年に捕まえられて鬼となった。
その場で十を数えるうち、周りには誰もいなくなる。
気づけば学び舎を遠く離れ、里のはずれの秘湯の近くまで来てしまっていた。里の子どもには、里から出てはいけないという決まりがある。山中に一人で足を踏み入れては、迷って戻れなくなるからだ。みなは里の方へと戻りながら逃げていった。けれどガコンは、ふと秘湯の方角を見やる。
たぶんモクマは、あちらの方へと逃げていった。
4624最初の鬼はカンナだった。明朗な声が十を数えるうち、みな散り散りに逃げてゆく。学び舎を起点として里中を走り回りながら、捕まえられた者が次の鬼へ。うまく立ち回っていたガコンも、ついに足の速い少年に捕まえられて鬼となった。
その場で十を数えるうち、周りには誰もいなくなる。
気づけば学び舎を遠く離れ、里のはずれの秘湯の近くまで来てしまっていた。里の子どもには、里から出てはいけないという決まりがある。山中に一人で足を踏み入れては、迷って戻れなくなるからだ。みなは里の方へと戻りながら逃げていった。けれどガコンは、ふと秘湯の方角を見やる。
たぶんモクマは、あちらの方へと逃げていった。
ハクトウ
SPOILER※not小説チェズの幸福の在処についての想像。以下全て想像ではあるが心象として大きく外れてはいないと思う。
サティア推察(https://poipiku.com/6595245/8080676.html)を前提。 664
ハクトウ
SPOILERヴィン愛ラスト、なぜチェが生家(付近)で母の姿になったのかというのは、当初は母の為だと思っていたので余計不思議だったのですが、“おじさんに見せる為”かと気付いて納得しました。 1085秋良七
DONE【2022年を振り返る】モクチェズに始まりモクチェズに終わる2022年でした!
振り返ると絵を描けていない月もあるけど基本ずっとバディミ公式様からの施しの手厚さに狂っていたよ…。一番笑ったのは10月のショタおね画像、差し替え用サークルカットなのですが日付が10/11朝でした…
うわぁ!一日で狂うな!
ハクトウ
DONE「本番」をテーマというよりだしに、おじさん不在で惚気る幸福満帆のおチェズと巻き込まれる息子のSSを書きました。モブがでます。
完成作……お前は思っていたのと違ったよ。こんなふうになるはずじゃなかった……モクチェズおめでとう。 3515
ハクトウ
MEMO※NOT小説BUT対話文※おチェズの経験について推測していたところ、本人が語る形式の方が書きやすかったので、そのように致しました。特に何事も起こりませんし本編に沿った関係ですが、モクチェズ風味になったのでポイします。話題はRですが具体描写は一切ありません。 1113
ハクトウ
DONE「モクチェズ版ワンドロワンライ」のパジャマというテーマをイメージしてかかせて頂きました。こういうのに参加(?)するのは初めてなので、何卒ご容赦ください。モクチェズは、座高がほぼ同じだとかわいいと思います。
kanikama_skeito
DOODLE※モクチェズ事後いつも手加減しないでくださいね💕とか言ってきてる若造を本気出してメチャクチャ抱いたら「もう少しこう……手心というか……」みたいになってしまった回 事後漫画です
モ「あと三回ぐらいならいけそう」
チ「謹んで遠慮させていただきます………………」
秋良七
DONE12/11発行予定【ねてもさめても】モクチェズR18。祝・公式ショタおね記念本だよ!夢の中でラッキースケベに遭う少年モク、と、目が覚めてから独占欲でモヤっとするおじさんの話。3Pとかは無いです!
秋良七
DONE12/11モチオンリーで配布するパープルカード、名刺サイズに両面刷りです!せっかく偏光の特殊紙に刷ったのに表面のベタ部分が多いためあまり偏光ぽさがなく…両面偏光と思いこんでたら片面だった!迂闊!表裏を反対に刷れば良かった〜〜!無念…
ムー(金魚の人)
DONE本編、ヴィン愛で痛みを誤魔化していたチェが、南国経てはんぶんこできる今なら、モさんの前で痛みを素直に申告出来るようになってるといいなの祈りを込めて本編から2年後
痛みをごまかさないで◆
痛みで目が覚めた。
「……――」
チェズレイは違和感を訴える左側頭部を天井へ向けて、窓へ視線を向ける。モクマと共に選んだ薄緑色のカーテンの隙間から鈍い光が薄く溢れている。その光の奥から窓ガラスを不規則に叩く音が聴こえた。
(あァ……雨か)
「……っ」
雨雲を呼ぶ低気圧によって血管が収縮し、古傷周辺の感覚神経が昂ぶっている。
雨や雪の日になると特に痛むのが左側頭部だった。正確にいえば、昔銃で撃たれて重傷を負った左目付近。
この傷を作った原因たる幻影を追い求めて執着に身を焼いていた頃ならば、傷の痛みが復讐の炎に薪をくべてくれて有り難いとすら思っていた。だけど、彼への執着を手放した今、この鈍痛は煩わしいだけだ。
3713痛みで目が覚めた。
「……――」
チェズレイは違和感を訴える左側頭部を天井へ向けて、窓へ視線を向ける。モクマと共に選んだ薄緑色のカーテンの隙間から鈍い光が薄く溢れている。その光の奥から窓ガラスを不規則に叩く音が聴こえた。
(あァ……雨か)
「……っ」
雨雲を呼ぶ低気圧によって血管が収縮し、古傷周辺の感覚神経が昂ぶっている。
雨や雪の日になると特に痛むのが左側頭部だった。正確にいえば、昔銃で撃たれて重傷を負った左目付近。
この傷を作った原因たる幻影を追い求めて執着に身を焼いていた頃ならば、傷の痛みが復讐の炎に薪をくべてくれて有り難いとすら思っていた。だけど、彼への執着を手放した今、この鈍痛は煩わしいだけだ。
damework
PAST2021/5に発行したモクチェズ再録本の描きおろし部分です。完全にゲームクリア時の印象で描いてるので、今と解釈がかなり違っていて不思議…。
本の完売から1年経ちましたので再録してみました。 10
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0925「毒」で参加です。チェの仮死状態について妄想捏造あります。
チェの作戦をエゴで乱すつよつよモさん好き
「モクマさん、私ちょっと死んできますので、合図したらお迎えお願いしますね」
「……ふぇ?」
モクマのあんぐり開いた口からボタボタと白濁液が落ちる。続けて黄色の歯ブラシが洗面所シンクへ落ちていった。
口の中に広がるミントの爽快感とは真逆の困惑がモクマの頭を占める。
目の前の相棒が告げた台詞をモクマの頭はまったく飲み込めていなかった。
(近所のお店へおつかい行ってくるみたいな口調で、ちょっと死んでくるって言った気がするんだけども)
「……えーっと、何の話だっけ?」
「あァ、モクマさァん、歯磨き粉と一緒に記憶も落としましたか、お可哀そうに。……今夜の作戦の話です」
口端から歯磨き粉を溢しているモクマの間抜け面を見下ろして眉をしかめたチェズレイが静かに答えた。
3499「……ふぇ?」
モクマのあんぐり開いた口からボタボタと白濁液が落ちる。続けて黄色の歯ブラシが洗面所シンクへ落ちていった。
口の中に広がるミントの爽快感とは真逆の困惑がモクマの頭を占める。
目の前の相棒が告げた台詞をモクマの頭はまったく飲み込めていなかった。
(近所のお店へおつかい行ってくるみたいな口調で、ちょっと死んでくるって言った気がするんだけども)
「……えーっと、何の話だっけ?」
「あァ、モクマさァん、歯磨き粉と一緒に記憶も落としましたか、お可哀そうに。……今夜の作戦の話です」
口端から歯磨き粉を溢しているモクマの間抜け面を見下ろして眉をしかめたチェズレイが静かに答えた。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0828「恐怖」で参加です。前半ヴ愛前、後半ヴ愛中のモクチェズ。★
ガーゼをあてた左胸の上から包帯でぐるぐると巻かれる。血が止まるのではと思うくらい一巻き一巻きが力強い。
潜入中に敵と交戦して裂傷した肩の傷の痛みにモクマは顔をしかめた。もう少し相手に踏み込まれていたら白刃はモクマの心臓を破っていたかもしれない。
刃が迫る瞬間、後ろに下がれなかった。自分の身体以上に傷つけられたくない大事なモノを背中に庇っていたからだ。
「あいちちち……もっと優しく手当てしてちょうだいよ」
目の前の相棒へ訴える。モクマの肩上で包帯を結んだチェズレイは、深いため息を吐き出した。柔らかい風がモクマの手の甲を撫でていく。
「こうして相棒の怪我を手当てしているだけで十分優しいと思いますがねェ」
救急セットを片付けながらチェズレイはぼやいた。その声も表情も固い。
2351ガーゼをあてた左胸の上から包帯でぐるぐると巻かれる。血が止まるのではと思うくらい一巻き一巻きが力強い。
潜入中に敵と交戦して裂傷した肩の傷の痛みにモクマは顔をしかめた。もう少し相手に踏み込まれていたら白刃はモクマの心臓を破っていたかもしれない。
刃が迫る瞬間、後ろに下がれなかった。自分の身体以上に傷つけられたくない大事なモノを背中に庇っていたからだ。
「あいちちち……もっと優しく手当てしてちょうだいよ」
目の前の相棒へ訴える。モクマの肩上で包帯を結んだチェズレイは、深いため息を吐き出した。柔らかい風がモクマの手の甲を撫でていく。
「こうして相棒の怪我を手当てしているだけで十分優しいと思いますがねェ」
救急セットを片付けながらチェズレイはぼやいた。その声も表情も固い。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0821「ホテル」です。チェに頼まれて次のホテル選びに悩むモさんの話。
「う〜〜〜ん」
大きく開いた足の間、フローリング床に広げた紙を見下ろしてモクマは唸り声を上げた。羽織の裾に引っかかっていたちびた鉛筆を摘み、鼻の下と上唇でそれを挟んで天井を仰ぐ。
紙には黒鉛の線で走り書きされたいくつかの単語が並ぶ。その上にはマルやバツ印が散っていた。まるで競馬新聞を広げて投資する馬券に悩むおじさんの思案模様に思えるが、モクマの悩みの種は馬ではない。いや、じゃじゃ馬という意味ならばそうかもしれない。
数日前、長毛種の馬の毛並みに似たサラサラとしたプラチナの髪を月夜に靡かせて、モクマの相棒が放った言葉にモクマは頭を悩ませている。
――次の滞在地でのホテル選びをあなたへお任せします
チェズレイと同道して半年。渡り歩いた街はそろそろ両手の数では足りなくなるというところだった。
2014大きく開いた足の間、フローリング床に広げた紙を見下ろしてモクマは唸り声を上げた。羽織の裾に引っかかっていたちびた鉛筆を摘み、鼻の下と上唇でそれを挟んで天井を仰ぐ。
紙には黒鉛の線で走り書きされたいくつかの単語が並ぶ。その上にはマルやバツ印が散っていた。まるで競馬新聞を広げて投資する馬券に悩むおじさんの思案模様に思えるが、モクマの悩みの種は馬ではない。いや、じゃじゃ馬という意味ならばそうかもしれない。
数日前、長毛種の馬の毛並みに似たサラサラとしたプラチナの髪を月夜に靡かせて、モクマの相棒が放った言葉にモクマは頭を悩ませている。
――次の滞在地でのホテル選びをあなたへお任せします
チェズレイと同道して半年。渡り歩いた街はそろそろ両手の数では足りなくなるというところだった。