帽子🎩
SPUR ME魔法少女なスレッタ……???呪文とか一番楽しいとこを最初に書き終えてしまった 🔞までいつか頑張って書きたい
いっけなーい遅刻遅刻ぅ!
「もう、エアリアルったらどうして起こしてくれなかったの!?」
私、スレッタ・マーキュリー。17歳!フツーの女子高生!
今日は授業が無い土曜日だけど、大事な用があるの。それはね……
ぱぁん。しゅーん。とっ!
真っ直ぐに飛ぶ矢が、空気を切った。
すぐさまその矢を目で追うと、矢は惜しくも的のそばに刺さった。
(よかった。エランさんの番はまだだ……)
心の中でホッと息をついた。
観客席に腰をかけ、選手の方をそっと見ると、エランさんは床に正座をし、出番を待っているところだった。
今日は弓道の地区大会の日。この日に良い成績を残せば、次はもっと大きい地区の大会に出ることになるらしい。エランさんは私よりひとつ上の三年生で、弓道部に所属している。エランさんはキャプテン(弓道だから、部長と言った方が良いかも?)ではないけれど、エースだ。それぞれの学校から出る選手は五人で、その最初と最後に射る人が上手いと聞いたことがあったけれど、エランさんの正座している位置は、先頭だった。
11149「もう、エアリアルったらどうして起こしてくれなかったの!?」
私、スレッタ・マーキュリー。17歳!フツーの女子高生!
今日は授業が無い土曜日だけど、大事な用があるの。それはね……
ぱぁん。しゅーん。とっ!
真っ直ぐに飛ぶ矢が、空気を切った。
すぐさまその矢を目で追うと、矢は惜しくも的のそばに刺さった。
(よかった。エランさんの番はまだだ……)
心の中でホッと息をついた。
観客席に腰をかけ、選手の方をそっと見ると、エランさんは床に正座をし、出番を待っているところだった。
今日は弓道の地区大会の日。この日に良い成績を残せば、次はもっと大きい地区の大会に出ることになるらしい。エランさんは私よりひとつ上の三年生で、弓道部に所属している。エランさんはキャプテン(弓道だから、部長と言った方が良いかも?)ではないけれど、エースだ。それぞれの学校から出る選手は五人で、その最初と最後に射る人が上手いと聞いたことがあったけれど、エランさんの正座している位置は、先頭だった。
lil
MOURNING*注意書き*以下でも大丈夫であれば
①スは苦悩で自暴自棄
②いや、そんなの微塵も原作に無いんだけど?は色々あります。
③4スレですが4号は6話退場、スレも寿命の死ネタあり、両者謎時空&死後再会方面のハピエン
④プロママはあまり好きではない、適度な距離感必須
*その他設定*
パーメットスコアか上がって見える幻覚は自分の願望と自覚して見える幻覚、エリクトだけは本人の意思(見る人の願望ではない)
スレッタとエランの呪いと祝福1. 4号の独白
どうせ明日死ぬのだ。身軽な方がいい。最大の荷物は大きな心残りだったが、なんとかそれを置いて行けるよう、4号は寮の自室から既に暗くなった窓の外を眺めつつ、静かに何かを描き始めた。
***
名も無い僕から君に届くことは無い手紙。
君に出会って、僕の隣に深淵が現れたと重った。
深淵を覗き込めば、深淵もまたこちらを覗き込んでいる、とはよく言った言葉だと思った。
僕には何も無かったんだ。
名前も、過去も未来も、何一つ。
社会的に存在すらしていない。
僕の人生に価値なんて無い。
学園に初めて来た日、ここにいるのはエランケレスであって僕ではない、僕は存在していない、そう実感した。
その時から僕は自分が死ぬまで透明人間として呪われたんだと自覚した。
12154どうせ明日死ぬのだ。身軽な方がいい。最大の荷物は大きな心残りだったが、なんとかそれを置いて行けるよう、4号は寮の自室から既に暗くなった窓の外を眺めつつ、静かに何かを描き始めた。
***
名も無い僕から君に届くことは無い手紙。
君に出会って、僕の隣に深淵が現れたと重った。
深淵を覗き込めば、深淵もまたこちらを覗き込んでいる、とはよく言った言葉だと思った。
僕には何も無かったんだ。
名前も、過去も未来も、何一つ。
社会的に存在すらしていない。
僕の人生に価値なんて無い。
学園に初めて来た日、ここにいるのはエランケレスであって僕ではない、僕は存在していない、そう実感した。
その時から僕は自分が死ぬまで透明人間として呪われたんだと自覚した。
公(ハム)
PAST長く短い祭り 見慣れた黒くて寂しい宇宙も、強く輝く太陽も、どこか遠くて。ただ、離れないようにしっかりと掴んだ彼の手首と、静かに、けれど柔らかいライムグリーンの瞳だけが全てだった。
「エランさん」
「……スレッタ・マーキュリー」
お互いに名前を呼び合う。
続く言葉はない。
言葉がなくても、私たちの瞳は饒舌だった。
——このままふたり、どこまでも漂っていたい。
交わる視線と、お互いさえいれば、どこまでも行けそうだ。
今まで求めても得られなかった、温かいご飯でもお気に入りのコミックでも埋められなかった心の奥底にある空洞が、熱く優しいもので満たされていく。熱はじわりと広がり、喉、瞼、指先と、身体の隅々まで温めていく。
「……好きです」
3146「エランさん」
「……スレッタ・マーキュリー」
お互いに名前を呼び合う。
続く言葉はない。
言葉がなくても、私たちの瞳は饒舌だった。
——このままふたり、どこまでも漂っていたい。
交わる視線と、お互いさえいれば、どこまでも行けそうだ。
今まで求めても得られなかった、温かいご飯でもお気に入りのコミックでも埋められなかった心の奥底にある空洞が、熱く優しいもので満たされていく。熱はじわりと広がり、喉、瞼、指先と、身体の隅々まで温めていく。
「……好きです」
公(ハム)
PASTほまちあめ ——さあさあ。
——さあさあ。
自室を包むような広く小さな音に、隣に座るスレッタも気が付いたらしく、絡んでいた視線をついと窓へと向け、感嘆の声をあげる。
「雨ですよ、エランさん!」
晴れやかな笑顔で振り返った彼女に、こくりと頷いておいた。
——本日は午後5時から雨の散布予定。
数ヶ月前から予告されていた通り、天井パネルからは人工雨が降り注いでいる。いつもならばオレンジ色に切り替わっている映像も、暗いグレーがまだらに映し出されていた。
多くの住民が疎ましく感じる雨の散布日も、スレッタにとってはそうではないらしい。ブルーグレーの瞳を輝かせながら、腰掛けているベッドのすぐそばにある窓から外を眺めている。さらには時折目と口をぴたりと閉じて、雨粒の音を聴いているようだった。
2168——さあさあ。
自室を包むような広く小さな音に、隣に座るスレッタも気が付いたらしく、絡んでいた視線をついと窓へと向け、感嘆の声をあげる。
「雨ですよ、エランさん!」
晴れやかな笑顔で振り返った彼女に、こくりと頷いておいた。
——本日は午後5時から雨の散布予定。
数ヶ月前から予告されていた通り、天井パネルからは人工雨が降り注いでいる。いつもならばオレンジ色に切り替わっている映像も、暗いグレーがまだらに映し出されていた。
多くの住民が疎ましく感じる雨の散布日も、スレッタにとってはそうではないらしい。ブルーグレーの瞳を輝かせながら、腰掛けているベッドのすぐそばにある窓から外を眺めている。さらには時折目と口をぴたりと閉じて、雨粒の音を聴いているようだった。
マユラ/4スレ
DONE4スレ小話。デートの約束で変化に気づいた4号さんと、それを本気で心配するスちゃん。デートのたびにずっと新鮮にドキドキしていてほしいです。
n回めのデートマシンによって淡黄色の生地がまるく伸ばされていく。薄くひろがった部分からたちまち湯気がたち、うっすらと香ばしく色づいた。バターの華やかな香りと、胸を満たすような砂糖の甘い匂いに、うっとりと鼻呼吸した。
「ほぁ…いいにおい。こんなに薄く焼けるのすごいなぁ…」
クレープが作られていく様子というのは、どうしてこうも人を惹きつけるのだろうか。初めて見るわけでもないのに、いざ目の当たりにするとわくわくしてしまうのだ。ガラス越しに見える焼き場の前で悩ましげにため息をつく。
スレッタは学園フロント内ショッピングエリア、フードコートにあるクレープカフェに来ている。客である生徒が多くメニューも豊富だ。機械が生地をどんどん焼いていく横で、スタッフが手作業ですばやくクリームやフルーツをのせていくさまは目に楽しかった。
3977「ほぁ…いいにおい。こんなに薄く焼けるのすごいなぁ…」
クレープが作られていく様子というのは、どうしてこうも人を惹きつけるのだろうか。初めて見るわけでもないのに、いざ目の当たりにするとわくわくしてしまうのだ。ガラス越しに見える焼き場の前で悩ましげにため息をつく。
スレッタは学園フロント内ショッピングエリア、フードコートにあるクレープカフェに来ている。客である生徒が多くメニューも豊富だ。機械が生地をどんどん焼いていく横で、スタッフが手作業ですばやくクリームやフルーツをのせていくさまは目に楽しかった。
公(ハム)
DONE拙作本「僕ときみのトートロジィ」後日談。時系列は拙作本編終了後すぐ。
ちょっとだけ前向きになった4くんと何も分からないスち。
いつか言祝ぐ、その時は温かい西日に包まれながら、まだ雨で湿った道を歩く。二人とも市電に乗れるような格好ではないので、仕方なく本郷の住宅地から歩いて子爵邸へ向かっているのだが、エランはむしろいつもより長くこうしてスレッタと歩けることを嬉しく思う。
「ふん、ふ〜ん、ふふっ」
きっとスレッタも自分と同じ気持ちだろう。少し調子の外れた鼻歌を歌いながらエランの隣を歩くその足取りはふわふわと軽やかだ。
「そういえば、あの包みの中身は何だったの?」
あの包みとは、エランがスレッタを勘違いするきっかけとなった、ゴドイが持ってきた包みだ。誕生日の祝いの品として寄越したそれは、そこそこの大きさがあった。
当時は裏切られた気持ちで荒れ狂っていた胸中の所為で分からなかったが、今思うと着物か帯か、それらに類するものではないかと推察する。
1113「ふん、ふ〜ん、ふふっ」
きっとスレッタも自分と同じ気持ちだろう。少し調子の外れた鼻歌を歌いながらエランの隣を歩くその足取りはふわふわと軽やかだ。
「そういえば、あの包みの中身は何だったの?」
あの包みとは、エランがスレッタを勘違いするきっかけとなった、ゴドイが持ってきた包みだ。誕生日の祝いの品として寄越したそれは、そこそこの大きさがあった。
当時は裏切られた気持ちで荒れ狂っていた胸中の所為で分からなかったが、今思うと着物か帯か、それらに類するものではないかと推察する。
lil
MOURNING伏線なき後付設定祭りの本編を腑に落ちるまで勝手に解釈した話要旨
・最終回で4号の生体コードはスレの中に転移した考察
・4号とスレが二人で舞台からドラマCDしたからエピローグの主役はミオリネ(微ネタバレ有)
・ベルさん倫理感が終わってれば4号は昏睡存命
そんな4スレ視点の本編中心のメリバ気味ハピエン与太解釈
長文慣れておらず読みづらければすみません
注:好感度は4ス>>エリ>>ミ>>プ>>ベル
呪いを祝福に変えた先まで本編の中で救われる兆しがないと成仏出来ないのだと気づいてしまって。本編時間軸の裏の出来事の考察・解釈という名の創作です。
※多分本当はよく見ると白っぽいパーメット体でも白かったり黄色かったり青かったりするものがありそうと思いつつ見比べる気力がないので、赤と紫じゃないのパーメットは全部データストームと同調してる想定で白パメと記載してます。ご了承ください。
****************
◆プロローグ
エリクトのバースデーソングをナディムとエリクトで歌うシーン、エリクトの白パメ覚醒とルブリスのレイヤー33コールバック(誕生)でもあって。終始物語を通じて不穏な扱いを受けてるハピバだけど、ガンダムに関連する覚醒のシーンの歌でもあると捉えている。(一応ハピバはエリクト名だけど、結局ルブリス=エリクトとなるわけで……)
12224※多分本当はよく見ると白っぽいパーメット体でも白かったり黄色かったり青かったりするものがありそうと思いつつ見比べる気力がないので、赤と紫じゃないのパーメットは全部データストームと同調してる想定で白パメと記載してます。ご了承ください。
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◆プロローグ
エリクトのバースデーソングをナディムとエリクトで歌うシーン、エリクトの白パメ覚醒とルブリスのレイヤー33コールバック(誕生)でもあって。終始物語を通じて不穏な扱いを受けてるハピバだけど、ガンダムに関連する覚醒のシーンの歌でもあると捉えている。(一応ハピバはエリクト名だけど、結局ルブリス=エリクトとなるわけで……)
マユラ/4スレ
MOURNINGポップストアのキャラデザよりスレッタちゃんと、ねこの耳としっぽがある4号さんのはなし。
*夢オチ話
*細かいことは気にしない(書き手は猫が苦手なので、解像度がそこまで高くない) 4245
nyan_nyan_ma
PAST以前ワンライ(お題:チョコレート)の時に書いてぷらいべったーに載せてたやつです。バレンタインのお話で付き合ってない4スレです。
ハート・ココロ・チョコレイト "それ"が聞こえてきたのは本当に偶然だった。昼休み、お弁当を買いに廊下を歩いていた道中、視界の端に映る沢山の人だかりの中に、見慣れた浅緑色の髪色が見えたから。反射的に近くの壁に隠れて、聞き耳を立ててしまった。何をしているかなんて見なくても分かる。何故なら、今日はバレンタインデーだから。ライブラリで見たアニメと同じように、この学園にも気になる異性や同性、友人にチョコレートを渡す文化は根付いているみたいで、ここに来るまでの間にもそれらしい光景は沢山見てきた。だから、彼が同じようにチョコレートを貰う光景も、当然見るものだと思っていた。それでも、反射的に隠れて聞き耳を立てるような真似をしているのは好奇心からなのか。それとも、───胸の中で渦巻いている、どうしようもないほどの不安のせいなのか。
11009nyan_nyan_ma
DONE上下バラバラの状態で初夜に挑むことになったスレッタちゃんの4スレが完成しました。ただ、期間をおいて書いた関係上、若干書き方の雰囲気らテンションが違う箇所があるかもしれませんので、なんでも許せる方のみどうぞ。 17518
公(ハム)
DONETwitter再掲。エラスレワンドロライ様よりお題「デート前日」をお借りしました。
デート前日 エアリアルのコクピット内でスレッタは隅々に目を光らせていた。お菓子の食べカスは落ちていないか。埃は、髪の毛は……。シートやコンソールの下部には、わざわざ身体を屈ませてまで確認している。スレッタは女性にしては長身の部類なので、たまに頭や肘をぶつけては「いてっ!」と声を上げながらも、検分を続けていた。
やがて、ようやく気が済んだのか、縮めていた身体を起こして、シートへ座る。
「んん〜……、これで大丈夫だよね」
スレッタは検分を終えてもなお不安が拭えないようで、大丈夫だよね、と言ったそばから、視線が右へ左へと忙しなく行き来している。
それもそのはず、明日はエアリアルのコクピット内で映画鑑賞会が控えているのだ。――しかも、エランを招いて。
1417やがて、ようやく気が済んだのか、縮めていた身体を起こして、シートへ座る。
「んん〜……、これで大丈夫だよね」
スレッタは検分を終えてもなお不安が拭えないようで、大丈夫だよね、と言ったそばから、視線が右へ左へと忙しなく行き来している。
それもそのはず、明日はエアリアルのコクピット内で映画鑑賞会が控えているのだ。――しかも、エランを招いて。
公(ハム)
DONETwitter再掲。「新しい枕」に出てきたマグカップのお話です。
貧者の一灯 エランはペイル社の特別更衣室で首元のジャボを結びながら、寮の門限とレールの運行ダイヤを頭の中で確認していた。いつもは身体調整の後、自室に戻って鬱屈とした時間を消費しているのだが、今日は珍しく外出の予定を組んでいた。行き先は、学園の生徒が休日によく利用する商業地区。衣食住をペイル社に全て管理されている関係であまり利用したことがない上に、目的のものが短時間で見つかる保証もないので、今日の調整が想定時間内に終わったのは幸いだった、とエランは密かに安堵していた。
◇◇◇
直通のレールを利用してたどり着いた商業地区はうんざりするほど人で溢れかえっていた。商店が集中していて、なおかつ休日となれば利用者が増えるのもやむを得ないのだが、静寂を好むエランにとって、好ましい状況ではなかった。
4809◇◇◇
直通のレールを利用してたどり着いた商業地区はうんざりするほど人で溢れかえっていた。商店が集中していて、なおかつ休日となれば利用者が増えるのもやむを得ないのだが、静寂を好むエランにとって、好ましい状況ではなかった。
公(ハム)
DONETwitter再掲エラスレワンドロライ様よりお題「枕」をお借りしました
新しい枕 初めてエランの部屋を訪問した時、とても彼らしい部屋だとスレッタは思った。備え付けのものらしいベッドとデスク、収納コンテナくらいしかなくて、とても綺麗に片付いているけれど同時に少し寂しい部屋は、この部屋の主人をそっくり体現したかのような空間だった。
スレッタが3回目に訪れた時、お茶を淹れたカップが真っ白くてシンプルなものから、小さなあかい苺のイラスト付きのものに変わった。エランの大きな手が持っていると、ちょっと似合っていないのに胸がきゅんきゅんして「かわいいデザインですね」と呟いた。安心したように息を吐いたエランに首を傾げたけれど、どうぞと言って手渡されたカップに視線が移ってしまい、彼のため息の理由を聞くタイミングはなくなってしまった。
1528スレッタが3回目に訪れた時、お茶を淹れたカップが真っ白くてシンプルなものから、小さなあかい苺のイラスト付きのものに変わった。エランの大きな手が持っていると、ちょっと似合っていないのに胸がきゅんきゅんして「かわいいデザインですね」と呟いた。安心したように息を吐いたエランに首を傾げたけれど、どうぞと言って手渡されたカップに視線が移ってしまい、彼のため息の理由を聞くタイミングはなくなってしまった。
公(ハム)
DONETwitter再掲。エラスレワンドロライ様よりお題「天体観測」をお借りしました。
ペーパームーン 大半の人が寝静まった時刻、エランは端末を持って自室を出た。照明が絞られた薄暗い廊下を進み、望みの景色が見える窓の前で立ち止まる。端末のディスプレイからある人物の名前をタップして耳に当てると、数秒もしないうちに声が聞こえてきた。
『ぁ、こっ、こん、ばんは』
「こんばんは」
普段とは違う密やかな声に、擽ったくて肩が震えてしまい、どうしてか羞恥心が湧き上がってきた。吐息すら拾う端末の優秀な収音性にかすかな苛立ちを覚えながら、エランは昼間の記憶を思い起こしていた。
――月を見たことがないんです。
スレッタ・マーキュリーが水星からやって来たことはこの学園のほとんどの者が知っている。だが、水星の住環境を詳しく知っている者はあまりいないだろう。かく言うエラン自身も、彼女の言葉を聞くまで、はっきりと意識したことはなかった。
1613『ぁ、こっ、こん、ばんは』
「こんばんは」
普段とは違う密やかな声に、擽ったくて肩が震えてしまい、どうしてか羞恥心が湧き上がってきた。吐息すら拾う端末の優秀な収音性にかすかな苛立ちを覚えながら、エランは昼間の記憶を思い起こしていた。
――月を見たことがないんです。
スレッタ・マーキュリーが水星からやって来たことはこの学園のほとんどの者が知っている。だが、水星の住環境を詳しく知っている者はあまりいないだろう。かく言うエラン自身も、彼女の言葉を聞くまで、はっきりと意識したことはなかった。
公(ハム)
DONETwitter再掲。エラスレワンドロライ様よりお題「温泉」をお借りしました。温泉「エランさん、これ!見てください!」
僕の部屋に約束の時間通りにやってきたスレッタは挨拶もそこそこに切り出した。
前のめりになりながら彼女が取り出したものは資料閲覧用の端末。ここの生徒なら誰でも持っている、珍しいものではないそれを僕に手渡した。横からスレッタの指が伸びてきて画面を操作する。表示されたのは写真――低木に囲まれた水溜り……ではなく熱湯?
「……これは?」
「温泉です!」
温泉。
確か、地熱で温められた地下水などを指す言葉だ。他にも温度や溶解成分なども温泉の定義に関わってくる。らしい。詳しくは知らない。
「えっと、地球寮のみなさんと温泉の話になったんですけど……」
部屋に入るや否や立ったまま話し始めてしまった彼女の手を引き、ベッドに座らせる。僕がすぐ隣に座っても特に気にした様子はなかった。いつもなら必ず何かしらの反応を見せるが、彼女の声は途切れることなく続いていく。よっぽど話したいことらしい。
2386僕の部屋に約束の時間通りにやってきたスレッタは挨拶もそこそこに切り出した。
前のめりになりながら彼女が取り出したものは資料閲覧用の端末。ここの生徒なら誰でも持っている、珍しいものではないそれを僕に手渡した。横からスレッタの指が伸びてきて画面を操作する。表示されたのは写真――低木に囲まれた水溜り……ではなく熱湯?
「……これは?」
「温泉です!」
温泉。
確か、地熱で温められた地下水などを指す言葉だ。他にも温度や溶解成分なども温泉の定義に関わってくる。らしい。詳しくは知らない。
「えっと、地球寮のみなさんと温泉の話になったんですけど……」
部屋に入るや否や立ったまま話し始めてしまった彼女の手を引き、ベッドに座らせる。僕がすぐ隣に座っても特に気にした様子はなかった。いつもなら必ず何かしらの反応を見せるが、彼女の声は途切れることなく続いていく。よっぽど話したいことらしい。
公(ハム)
DONETwitter再掲お疲れ気味な4くん
鴉は鳴か無い「スレッタ!エランさんが来てるよ」
「うえっ!?」
――この日は、会社に呼ばれてるから。
スレッタがエランとお互いのスケジュールを確認している時、確かにそう聞いたはずだった。少し残念に思ったことも、分かりましたと返事をしたことも覚えている。だと言うのに――
「急に来てごめん。……、近くに用事があったから」
「い、いえ……」
ニカに見送られながら急いでスレッタが向かうと、いつも通りの涼やかな視線を湛えたエランが地球寮の入り口でぽつんと立っていた。
立ったままにするのも忍びなく、寮に招こうかと考えて、他のメンバーらがあまり良い顔をしないかな、とうだうだ考えているうちに当の来客の方から「向こうにベンチがあるんだけど」と提案されたのでスレッタはエランについて行くことにした。
1463「うえっ!?」
――この日は、会社に呼ばれてるから。
スレッタがエランとお互いのスケジュールを確認している時、確かにそう聞いたはずだった。少し残念に思ったことも、分かりましたと返事をしたことも覚えている。だと言うのに――
「急に来てごめん。……、近くに用事があったから」
「い、いえ……」
ニカに見送られながら急いでスレッタが向かうと、いつも通りの涼やかな視線を湛えたエランが地球寮の入り口でぽつんと立っていた。
立ったままにするのも忍びなく、寮に招こうかと考えて、他のメンバーらがあまり良い顔をしないかな、とうだうだ考えているうちに当の来客の方から「向こうにベンチがあるんだけど」と提案されたのでスレッタはエランについて行くことにした。
ざしてはんじょう
DOODLE4スレ/4号スレ/エラスレ宝石の日々聞いてたら泣くしかなくて号泣しながら描いた
↓の歌詞4スレにも当てはまるなぁって
薄凍りが張ったみたいな世界
君に出会えて溶けていく心
祝福を紡いで そっと
また会えて、良かった
riku21von
DONEぴゅあぴゅあなお付き合いをしている4スレが一ヶ月記念に遊園地デートする話。最終回こわいよ〜〜〜!!!!
初デート!1ヶ月記念!!遊園地!!! よく晴れた冬の朝。
学校が休みの今日、地球寮の共有スペースは朝ごはんの美味しそうな匂いに満ちていた。
みんなが少し眠そうに朝ごはんのサンドイッチをつまみながら、各々の本日の予定なんかを話す中、やたらと張り切った様子のスレッタもテーブルについた。
「おー、スレッタぁ、やけに楽しそうだな?」
意外にも最初に切り込んだのはヌーノだ。
「もしかしてデートかぁ?」
ハハッ、と笑い飛ばすようにヌーノは続けた。
そして五秒後に目玉をひん剥く事となる。
「はいっ、今日はデートなんです!!!」
寮生全員がスレッタを見る。
「「「「えええええ〜〜〜っ!?!?」」」」
ほとんどのみんなが驚きの声をあげ、声をあげなかったアリアやティルでさえ目線はスレッタに向いた。
9432学校が休みの今日、地球寮の共有スペースは朝ごはんの美味しそうな匂いに満ちていた。
みんなが少し眠そうに朝ごはんのサンドイッチをつまみながら、各々の本日の予定なんかを話す中、やたらと張り切った様子のスレッタもテーブルについた。
「おー、スレッタぁ、やけに楽しそうだな?」
意外にも最初に切り込んだのはヌーノだ。
「もしかしてデートかぁ?」
ハハッ、と笑い飛ばすようにヌーノは続けた。
そして五秒後に目玉をひん剥く事となる。
「はいっ、今日はデートなんです!!!」
寮生全員がスレッタを見る。
「「「「えええええ〜〜〜っ!?!?」」」」
ほとんどのみんなが驚きの声をあげ、声をあげなかったアリアやティルでさえ目線はスレッタに向いた。
あもり
DOODLEエラスレ(4号スレ)4話後のお話。射撃訓練とかありそ〜!とワンドロワンライお題の銃で閃いてのんびりかいていたのでした。
ニカチュチュ先輩も少しだけだけど、かけて楽しかった🌸
補習合格のために慣れない生身での射撃訓練を1人するスレッタ、そこに偶然現れたのはエラン・ケレスその人で!?という少女漫画的展開(?)しつつな、風味は割と選ばれし人向けです。
読んでくださってありがとうございました!
正しい標的の狙いかた 学生の本分は勉学である。その勉学というのが、時代によって異なるのは常のことであり、大人が子どもに与えたいものが反映される。そしてスレッタ・マーキュリーが入学したアスティカシア高等専門学園も例外ではなかった。
(うう、自分の体だと照準が合わせづらいです……)
スレッタは放課後に一人、射撃訓練所で居残り練習をしていた。
「射撃訓練、ですか?」
紆余曲折を経て、地球寮に入寮してしばらく経ってのことだった。カリキュラムの説明を改めてニカより受けたスレッタは、自分で描いていた学校のイメージと切り出された射撃訓練のイメージが結び付かず、首を傾げていた。
「スレッタはパイロット科でしょ。モビルスーツには普段から自動追撃システムがあるからあまり関係ないけれど、もしもつかえない時に備えて訓練があるの」
3541(うう、自分の体だと照準が合わせづらいです……)
スレッタは放課後に一人、射撃訓練所で居残り練習をしていた。
「射撃訓練、ですか?」
紆余曲折を経て、地球寮に入寮してしばらく経ってのことだった。カリキュラムの説明を改めてニカより受けたスレッタは、自分で描いていた学校のイメージと切り出された射撃訓練のイメージが結び付かず、首を傾げていた。
「スレッタはパイロット科でしょ。モビルスーツには普段から自動追撃システムがあるからあまり関係ないけれど、もしもつかえない時に備えて訓練があるの」