ふーりん
rjur00
SPOILER⚠️グリム(6章バレ)全然関係ない6章感想なんだけど、村正→グリムがワケもなく癇に障る理由、発言や態度じゃなくて"その顔と声"ってクーフーリンとしてステナイから変わらない部分を挙げたの激熱じゃないすか…?
村正から依り代の因果を感じられたの良かったし、反対にノクナレアが人類史の因果に左右されていなかったのもすごく良かったな〜
chizanapo
SPUR ME次の表紙考えてるんですけどキャスタークーフーリンの暑い国向けカジュアルウェアが思いつかない。上はパーカー(袖なし)でいいかなとおもうんです(信勝も着てたやつ)けど下半身が全くわからん・・オーディン北の国からきてるからね・・誰か教えてくださいHaruto9000
PROGRESS「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
ここから書きかけになるので、キリがいいところまで書いたら順次アップします。
「◯◯編」としてまとまったら、丸ごと1本として、ピクシブとポイピクにアップします。
ミラーリング #15-9「戦いの終わり」「撤退、撤退だ!」
兵士たちの悲鳴が飛び交い、壊れかけの戦車が走る耳障りな音が響く。
メイヴは、苦々しげな顔で荒れ果てた野を睨みつけていた。
いまや、形勢はすっかり逆転してしまった。
コノート兵を中心とする連合軍は総崩れとなり、戦場に残っているのは、メイヴが率いるわずかな手勢だけだった。
敗北の色が濃くなったとたん、アリル王は真っ先に逃げていった。
連れ合いの情けなさにメイヴは激しい苛立ちを覚えたが、それでも、となんとか気持ちをなだめようとする。
赤牛ドン・クアルンゲは手に入れた。略奪した他の牛たちと共にすでにコノートに送っているから、取り戻されることはない。
ここが潮時だろう。
メイヴは、残り少ない兵たちに戦車を守られながら、退却の足を早める。
6036兵士たちの悲鳴が飛び交い、壊れかけの戦車が走る耳障りな音が響く。
メイヴは、苦々しげな顔で荒れ果てた野を睨みつけていた。
いまや、形勢はすっかり逆転してしまった。
コノート兵を中心とする連合軍は総崩れとなり、戦場に残っているのは、メイヴが率いるわずかな手勢だけだった。
敗北の色が濃くなったとたん、アリル王は真っ先に逃げていった。
連れ合いの情けなさにメイヴは激しい苛立ちを覚えたが、それでも、となんとか気持ちをなだめようとする。
赤牛ドン・クアルンゲは手に入れた。略奪した他の牛たちと共にすでにコノートに送っているから、取り戻されることはない。
ここが潮時だろう。
メイヴは、残り少ない兵たちに戦車を守られながら、退却の足を早める。
Haruto9000
PROGRESS「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
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ミラーリング #15-7「因縁の行方」 コンホヴォルは腕を組み、目の前に広がる敵の軍勢を眺めていた。
松明が星のようにきらめいていたが、丘の上から見下ろす敵兵たちの数は、想像していたよりも少なかった。
これも、あの子犬のおかげなのだろう。
「我が軍の準備は整いました」
そばに控えたコナルの声に、コンホヴォルはうなずいた。
平原から吹く風が、王の髪をなびかせる。伯父の落ち着いた表情の下に、熱く重い感情がめぐっているのを、コナルは感じた。
「敵の軍勢は大きく二つに分かれ、それぞれメイヴとフェルグス様が率いるようです」
「裏切り者に敬称は不要だ」
平坦な声に、コナルは慌てて顔を伏せた。
「は、はい。申し訳ございません」
「それにしても、アリルめ。あの腰抜け、決戦の時ですら、女の尻に敷かれているようだな」
5922松明が星のようにきらめいていたが、丘の上から見下ろす敵兵たちの数は、想像していたよりも少なかった。
これも、あの子犬のおかげなのだろう。
「我が軍の準備は整いました」
そばに控えたコナルの声に、コンホヴォルはうなずいた。
平原から吹く風が、王の髪をなびかせる。伯父の落ち着いた表情の下に、熱く重い感情がめぐっているのを、コナルは感じた。
「敵の軍勢は大きく二つに分かれ、それぞれメイヴとフェルグス様が率いるようです」
「裏切り者に敬称は不要だ」
平坦な声に、コナルは慌てて顔を伏せた。
「は、はい。申し訳ございません」
「それにしても、アリルめ。あの腰抜け、決戦の時ですら、女の尻に敷かれているようだな」
Haruto9000
PROGRESS「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
ここから書きかけになるので、キリがいいところまで書いたら順次アップします。
「◯◯編」としてまとまったら、丸ごと1本として、ピクシブとポイピクにアップします。
ミラーリング #15-6「王女の最期」「メイヴ様! アリル様!」
天幕に駆け込んできた忠臣マック・ロスの慌てた様子に、メイヴは眉をひそめた。
「どうしたの? ずいぶんな慌てようね」
「一大事でございます」
マック・ロスは、ぜえぜえと肩を弾ませた。
「アルスターの男たちが、ついに立ち上がったのでございます」
「なんだと?」
アリルは上ずった声をあげた。メイヴも舌打ちをする。
今のアイルランド連合軍は、クー・フーリンによって戦力を大幅に削られていた。
コノートで一番の勇士だったフェルディアをも失った今、アルスター軍に勝てる見込みは低かった。
「退却だ!」
アリルは叫んだ。
「本来の目的だった赤牛ドン・クアルンゲは手に入れた。多くの家畜や財宝も奪った。もう十分だろう、我が妻よ?」
5211天幕に駆け込んできた忠臣マック・ロスの慌てた様子に、メイヴは眉をひそめた。
「どうしたの? ずいぶんな慌てようね」
「一大事でございます」
マック・ロスは、ぜえぜえと肩を弾ませた。
「アルスターの男たちが、ついに立ち上がったのでございます」
「なんだと?」
アリルは上ずった声をあげた。メイヴも舌打ちをする。
今のアイルランド連合軍は、クー・フーリンによって戦力を大幅に削られていた。
コノートで一番の勇士だったフェルディアをも失った今、アルスター軍に勝てる見込みは低かった。
「退却だ!」
アリルは叫んだ。
「本来の目的だった赤牛ドン・クアルンゲは手に入れた。多くの家畜や財宝も奪った。もう十分だろう、我が妻よ?」
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PROGRESS「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
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ミラーリング #15-5「目覚めたアルスター軍」 ゆらゆらとたゆたう感覚に、クー・フーリンはぼんやりと目を開けた。
目の前で、透明な黄金の光が遊ぶように揺れている。
ひんやりと全身を包む冷たさに身じろぎしたとき、クー・フーリンは後ろから誰かに支えられていることに気づいた。
「……クー?」
ささやき声に、クー・フーリンは息を飲んだ。
妙に重い身体をなんとか動かし、振り返ろうともがく。光を紡いだような髪が、鼻先をかすめる。
「エメル?」
喉から絞り出した声は、ひどくかすれていた。
「よかった、気がついたのね」
エメルは微笑んだが、その両目には涙が浮かんでいた。
唇を噛み、嗚咽をこらえる妻の顔を、クー・フーリンは声もなく見上げていた。
「エメル……なんで……?」
4274目の前で、透明な黄金の光が遊ぶように揺れている。
ひんやりと全身を包む冷たさに身じろぎしたとき、クー・フーリンは後ろから誰かに支えられていることに気づいた。
「……クー?」
ささやき声に、クー・フーリンは息を飲んだ。
妙に重い身体をなんとか動かし、振り返ろうともがく。光を紡いだような髪が、鼻先をかすめる。
「エメル?」
喉から絞り出した声は、ひどくかすれていた。
「よかった、気がついたのね」
エメルは微笑んだが、その両目には涙が浮かんでいた。
唇を噛み、嗚咽をこらえる妻の顔を、クー・フーリンは声もなく見上げていた。
「エメル……なんで……?」
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ミラーリング #15-4「対決」 朝が来なければいい。
今ほど強く願ったことは、フェルディアにはなかった。
だが、そんな願いをあざ笑うかのように、空は白みはじめていた。
御者のアイドは、すでに戦車の用意を整えていた。世は無情だ。すべてが自分に戦えと強いてくる。
近づいてくる足音に気づいて、フェルディアは振り返った。
そこには、コノート王子であり、幼なじみであるメインが立っていた。
「どうした。ずいぶん早いな」
フェルディアはわざと軽い口調で声をかけたが、メインは押し黙っている。
「……わかってるだろうな」
やがて、絞り出すような声で王子は言った。その身に弓と矢筒が背負われているのを見て、フェルディアは微笑んだ。
「ああ、大丈夫さ。俺は逃げたりしない。おまえの腕は知ってるしな」
19292今ほど強く願ったことは、フェルディアにはなかった。
だが、そんな願いをあざ笑うかのように、空は白みはじめていた。
御者のアイドは、すでに戦車の用意を整えていた。世は無情だ。すべてが自分に戦えと強いてくる。
近づいてくる足音に気づいて、フェルディアは振り返った。
そこには、コノート王子であり、幼なじみであるメインが立っていた。
「どうした。ずいぶん早いな」
フェルディアはわざと軽い口調で声をかけたが、メインは押し黙っている。
「……わかってるだろうな」
やがて、絞り出すような声で王子は言った。その身に弓と矢筒が背負われているのを見て、フェルディアは微笑んだ。
「ああ、大丈夫さ。俺は逃げたりしない。おまえの腕は知ってるしな」
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PROGRESS「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
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ミラーリング #15-3「兄と妹」「あれ、フェルグス様の戦車じゃないか?」
遠くを見張っていたロイグの言葉に、クー・フーリンは不思議そうな顔で近寄ってきた。
「叔父貴が? なんでまた」
「俺が知るか。でも戦うって雰囲気じゃないな。一体何が──」
二人が話している間に、巨大な戦車は泥を跳ね上げながら迫ってきた。
フェルグスは戦車が止まりきる前に飛び降りると、鬼気迫る表情でやってきた。
「叔父貴、どうしたんだよ?」
フェルグスの勢いに気圧されながら、クー・フーリンが尋ねる。
「おまえにどうしても伝えなければと思ってな」
「伝える? 何を」
「次のおまえの対戦相手だ」
「おいおい、叔父貴。これがあんたじゃなけりゃ、舐められたと思ってブッ殺してるぜ」
5377遠くを見張っていたロイグの言葉に、クー・フーリンは不思議そうな顔で近寄ってきた。
「叔父貴が? なんでまた」
「俺が知るか。でも戦うって雰囲気じゃないな。一体何が──」
二人が話している間に、巨大な戦車は泥を跳ね上げながら迫ってきた。
フェルグスは戦車が止まりきる前に飛び降りると、鬼気迫る表情でやってきた。
「叔父貴、どうしたんだよ?」
フェルグスの勢いに気圧されながら、クー・フーリンが尋ねる。
「おまえにどうしても伝えなければと思ってな」
「伝える? 何を」
「次のおまえの対戦相手だ」
「おいおい、叔父貴。これがあんたじゃなけりゃ、舐められたと思ってブッ殺してるぜ」
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ミラーリング #15-2「二十八人の戦士」 クー・フーリンが不気味な気配に気づいたのは、偶然だった。
肌の表面がざわざわと泡立つような、おぞましい感覚。
すぐに槍を掴んで飛び起きると、クー・フーリンは口元に指を当て、ロイグに声を出さないように伝えた。
そっと茂みをかきわけて周りの様子をうかがっていたとき、うごめく巨大な軍団が浅瀬に現れたのが見えた。クー・フーリンは顔を歪めた。
「カラティンとその息子たちだ」
ロイグも並んで、幼なじみが見ているものを見ようとした。
クラン・カラティン。「二十八人の戦士」と称され、父のカラティン・ダーナと、彼が率いる二十七人の息子たちから成る戦闘集団だ。
そして、彼らの後ろをひっつくようにしてついてくる小物がいる。おそらく、孫のグラス・マック・デルガだろう。
4912肌の表面がざわざわと泡立つような、おぞましい感覚。
すぐに槍を掴んで飛び起きると、クー・フーリンは口元に指を当て、ロイグに声を出さないように伝えた。
そっと茂みをかきわけて周りの様子をうかがっていたとき、うごめく巨大な軍団が浅瀬に現れたのが見えた。クー・フーリンは顔を歪めた。
「カラティンとその息子たちだ」
ロイグも並んで、幼なじみが見ているものを見ようとした。
クラン・カラティン。「二十八人の戦士」と称され、父のカラティン・ダーナと、彼が率いる二十七人の息子たちから成る戦闘集団だ。
そして、彼らの後ろをひっつくようにしてついてくる小物がいる。おそらく、孫のグラス・マック・デルガだろう。
Haruto9000
PROGRESS「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
ここから書きかけになるので、キリがいいところまで書いたら順次アップします。
「◯◯編」としてまとまったら、丸ごと1本として、ピクシブとポイピクにアップします。
ミラーリング #15-1「大殺戮」 ──助けて!
ああ、またこの夢か。
クー・フーリンは思う。もう何度も見た夢の光景。逃げ惑う群衆。血まみれの大地。燃え上がる城。
──助けて! 助けて!
泣き叫ぶ声に心が張り裂けそうだ。助けてやりたいと、必死で手を伸ばすのに。
──誰か……!
その手は、いつも届かない。
うっすらと目を開いたとき、クー・フーリンはつうっと眦から冷たいものが流れるのを感じた。それをぬぐい、起き上がろうとする。
途端に肉体を貫く痛みに、口からうめき声が漏れた。
「クー!」
ロイグが慌てたように覗き込んできた。目の下にうっすらと隈が影を作っている。
「ロイグ……?」
かすれた声が喉にひっかかり、クー・フーリンは激しく咳き込んだ。
14683ああ、またこの夢か。
クー・フーリンは思う。もう何度も見た夢の光景。逃げ惑う群衆。血まみれの大地。燃え上がる城。
──助けて! 助けて!
泣き叫ぶ声に心が張り裂けそうだ。助けてやりたいと、必死で手を伸ばすのに。
──誰か……!
その手は、いつも届かない。
うっすらと目を開いたとき、クー・フーリンはつうっと眦から冷たいものが流れるのを感じた。それをぬぐい、起き上がろうとする。
途端に肉体を貫く痛みに、口からうめき声が漏れた。
「クー!」
ロイグが慌てたように覗き込んできた。目の下にうっすらと隈が影を作っている。
「ロイグ……?」
かすれた声が喉にひっかかり、クー・フーリンは激しく咳き込んだ。
Haruto9000
DONE「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
コノート国の女王メイヴは、赤牛ドン・クアルンゲの強奪を目論み、アルスター国に戦争をしかける。
ところが、アルスター国の男たちは呪いに倒れ、動けなくなってしまう。
呪いにかからなかったクー・フーリンは、孤立無援でメイヴ軍との戦いに挑む。
ミラーリング #14(牛捕り編:前編)ドルイダスの予言「開けて! クー、クー!」
ロイグが扉を開くと、髪を振り乱したレンダウィルが広間に駆け込んできた。右手には短槍が握られている。
奥の座に座っていたクー・フーリンは、差し出された槍を受け取った。
そばにいたエメルとフェデルマもいっしょに覗き込む。槍の柄には、オガム文字が荒々しく彫り込まれていた。
「レンダウィル、これは?」
「コナルの元に届いたの。でも、あの人は『マハの呪い』で動けないから、あなたに届けるようにって、私に」
クー・フーリンは、鋭い目つきですばやく文字を読み取った。
「コノート主導のアイルランド連合軍が、赤牛を狙ってアルスターに攻めてくる」
「なんですって?」
54456ロイグが扉を開くと、髪を振り乱したレンダウィルが広間に駆け込んできた。右手には短槍が握られている。
奥の座に座っていたクー・フーリンは、差し出された槍を受け取った。
そばにいたエメルとフェデルマもいっしょに覗き込む。槍の柄には、オガム文字が荒々しく彫り込まれていた。
「レンダウィル、これは?」
「コナルの元に届いたの。でも、あの人は『マハの呪い』で動けないから、あなたに届けるようにって、私に」
クー・フーリンは、鋭い目つきですばやく文字を読み取った。
「コノート主導のアイルランド連合軍が、赤牛を狙ってアルスターに攻めてくる」
「なんですって?」
Haruto9000
DONE「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
アルスター国王・コンホヴォルの妻が死に、新たな妃を迎えることになった。
ところが、妃候補の娘・ディアドラが、赤枝の騎士・ノイシュとともに姿を消してしまう。
クー・フーリンは、王から2人の捜索を命じられるが…。
ミラーリング #13(ディアドラの悲劇編)ディアドラの悲劇
「じゃあ、行ってくるわね。遅くはならないと思うわ」
「ああ」
戸口に立ち、クー・フーリンはエメルと口づけを交わした。
迎えに来た御者に軽くうなずきかけ、しっかりとマントに身を包んだ妻が出ていくのを見送る。
エメルは、ときどきこうして貴族の館に出向き、娘たちに刺繍を教える仕事をしていた。
妻の姿が見えなくなると、クー・フーリンも自分の館に取って返した。
エメルが用意してくれた昼食の包みと皮の水袋を取り上げると、召使いたちに留守中の指示を飛ばした。万事整えてから、外で待っていたロイグの元へ走っていく。
「そこまで!」
朗々とした声とともに、威勢のいい返事が響き渡った。クー・フーリンは満足そうに腕を組む。
19891「じゃあ、行ってくるわね。遅くはならないと思うわ」
「ああ」
戸口に立ち、クー・フーリンはエメルと口づけを交わした。
迎えに来た御者に軽くうなずきかけ、しっかりとマントに身を包んだ妻が出ていくのを見送る。
エメルは、ときどきこうして貴族の館に出向き、娘たちに刺繍を教える仕事をしていた。
妻の姿が見えなくなると、クー・フーリンも自分の館に取って返した。
エメルが用意してくれた昼食の包みと皮の水袋を取り上げると、召使いたちに留守中の指示を飛ばした。万事整えてから、外で待っていたロイグの元へ走っていく。
「そこまで!」
朗々とした声とともに、威勢のいい返事が響き渡った。クー・フーリンは満足そうに腕を組む。
Haruto9000
DONE「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
エメル姫と結婚したクー・フーリン。
幸せに暮らす彼女だったが、新たな問題が起こる。
毒舌家で有名なブリクリウの宴に招かれた彼女は、「誰が一番〈英雄の取り分〉にふさわしいか」の争いに巻き込まれることになる。
ミラーリング #12(英雄争い編)英雄争い
「お母様! お母様!」
豊かな髪を揺らし、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、少女は叫んだ。
「落ち着きなさい。そうはしたない振る舞いをするものではなくてよ」
ゆったりとした長椅子に腰かけた母親がたしなめた。その肩には小鳥がとまって愛らしくさえずっている。母親は愛おしげに小鳥をなでた。
「でも、お母様!」
桃色の唇をかわいらしく尖らせて、少女は窓の外を指差した。
「お客様よ。ものすごく立派な戦車が来るわ! アルスター王の戦車だと思うの」
「なんですって?」
母親は長椅子から立ち上がり、娘が指差す方向をにらんだ。目に映ったのは、見事な装飾の華麗な戦車。
──見間違えようもない、アルスター国王の戦車だ。
40505「お母様! お母様!」
豊かな髪を揺らし、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、少女は叫んだ。
「落ち着きなさい。そうはしたない振る舞いをするものではなくてよ」
ゆったりとした長椅子に腰かけた母親がたしなめた。その肩には小鳥がとまって愛らしくさえずっている。母親は愛おしげに小鳥をなでた。
「でも、お母様!」
桃色の唇をかわいらしく尖らせて、少女は窓の外を指差した。
「お客様よ。ものすごく立派な戦車が来るわ! アルスター王の戦車だと思うの」
「なんですって?」
母親は長椅子から立ち上がり、娘が指差す方向をにらんだ。目に映ったのは、見事な装飾の華麗な戦車。
──見間違えようもない、アルスター国王の戦車だ。
Haruto9000
DONE「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
影の国での修行を終え、アルスター国に戻ってきたクー・フーリン。
ところが、国の内情は穏やかではなかった。上王が殺され、アイルランド中が混乱しているという。
さらに、エメル姫が、タラ王と結婚する話が持ち上がったというのだ。
ミラーリング #11(英雄の結婚編)再会
「上王が死んだ……?」
クー・フーリンは、呆然と幼なじみの言葉を繰り返した。ロイグはうなずく。
「外遊中、ブリテンの賊に襲われたんだ。噂じゃ、身内の仕業って話もあるが……いずれにせよ、上王も側近たちも殺された」
「そんな……」
「次期上王は息子が継ぐことで落ち着くみたいだけど、いかんせんまだ子どもだからな」
ロイグは大きなため息をついた。
「おかげで、今アイルランドは大混乱さ。このアルスター国も、コノート国も、マンスター国もレンスター国も。どの王も、次期上王に忠信を捧げるって言ってるけど、みんな腹の底では何を思っているやら」
「まさか、内乱……」
「いや、そこまではまだ」
ロイグは首を振ったが、その表情は曇っていた。クー・フーリンはおずおずと尋ねる。
42343「上王が死んだ……?」
クー・フーリンは、呆然と幼なじみの言葉を繰り返した。ロイグはうなずく。
「外遊中、ブリテンの賊に襲われたんだ。噂じゃ、身内の仕業って話もあるが……いずれにせよ、上王も側近たちも殺された」
「そんな……」
「次期上王は息子が継ぐことで落ち着くみたいだけど、いかんせんまだ子どもだからな」
ロイグは大きなため息をついた。
「おかげで、今アイルランドは大混乱さ。このアルスター国も、コノート国も、マンスター国もレンスター国も。どの王も、次期上王に忠信を捧げるって言ってるけど、みんな腹の底では何を思っているやら」
「まさか、内乱……」
「いや、そこまではまだ」
ロイグは首を振ったが、その表情は曇っていた。クー・フーリンはおずおずと尋ねる。
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【あらすじ】
無事に息子を出産したクー・フーリンだが、スカサハに息子を殺されかける。
信頼していた師の行動にショックを受ける彼女。
それでも、兄弟子のフェルディアや女王オイフェ、スカサハの娘・ウアタハたちに支えられながら、子どもを育てようとするが…。
ミラーリング #10(影の国編:後編)猛犬の息子
轟く怒声。馬のいななき。赤く染まる川。
バシャバシャと水しぶきを上げながら浅瀬を渡る。枯れた森を抜けたところで、空に向かって激しく燃え上がる火柱が目に飛び込んでくる。城だ。城が燃えている!
──助けて!
誰かの叫び声が聞こえ、その方向へ向かって走る。
──助けて、誰か!
バチバチと音を立てて炎上する城壁を見上げれば、誰かが自分に向かって手を差し出している。
──お願い、誰か。誰か、助けて!
「……きろ、クー! 起きろ!」
強く揺さぶられ、目を開けた。オイフェが心配そうな顔でこちらを覗き込んでいた。
「ひどくうなされていたぞ。大丈夫か?」
「あ、ああ……」
いまだ動悸はおさまらない。嫌な夢を見ていた気がする。呆然としながら汗をぬぐったところで、クー・フーリンは慌てて起き上がった。
34100轟く怒声。馬のいななき。赤く染まる川。
バシャバシャと水しぶきを上げながら浅瀬を渡る。枯れた森を抜けたところで、空に向かって激しく燃え上がる火柱が目に飛び込んでくる。城だ。城が燃えている!
──助けて!
誰かの叫び声が聞こえ、その方向へ向かって走る。
──助けて、誰か!
バチバチと音を立てて炎上する城壁を見上げれば、誰かが自分に向かって手を差し出している。
──お願い、誰か。誰か、助けて!
「……きろ、クー! 起きろ!」
強く揺さぶられ、目を開けた。オイフェが心配そうな顔でこちらを覗き込んでいた。
「ひどくうなされていたぞ。大丈夫か?」
「あ、ああ……」
いまだ動悸はおさまらない。嫌な夢を見ていた気がする。呆然としながら汗をぬぐったところで、クー・フーリンは慌てて起き上がった。
Haruto9000
DONE「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
スカサハのもとで成長したクー・フーリンは、敵国女王オイフェとの一騎打ちで勝利した。
だが、喜びも束の間、彼女の活躍をよく思わない弟子仲間たちに薬を盛られ、暴行を受けてしまう。
ひどい精神的ショックを受けた彼女を救いたいと思うフェルディアだったが…。
ミラーリング #9(影の国編:中編)暗雲
キィ、ときしんだ音を立てて扉が開く。フェルディアは顔をあげた。
暗い顔で出てきたウアタハは、フェルディアの姿を見て驚いたように目を丸くする。
「ずっと待ってたの?」
「ああ。──あいつは?」
「眠ってる。……でも」
ウアタハは痛ましげに眉をひそめた。フェルディアは再びうつむいた。
クー・フーリンが気を失った後、フェルディアとスカサハはもたもたしてはいなかった。
フェルディアがマントで包んだクー・フーリンを抱き上げると、スカサハは「ウアタハの元へ行け」とだけ告げた。
スカサハの双眸は冷え切っていたが、奥底に溶岩のように滾りたつものを感じ、一番弟子は久しく見なかった師の怒りに足が震えた。
41947キィ、ときしんだ音を立てて扉が開く。フェルディアは顔をあげた。
暗い顔で出てきたウアタハは、フェルディアの姿を見て驚いたように目を丸くする。
「ずっと待ってたの?」
「ああ。──あいつは?」
「眠ってる。……でも」
ウアタハは痛ましげに眉をひそめた。フェルディアは再びうつむいた。
クー・フーリンが気を失った後、フェルディアとスカサハはもたもたしてはいなかった。
フェルディアがマントで包んだクー・フーリンを抱き上げると、スカサハは「ウアタハの元へ行け」とだけ告げた。
スカサハの双眸は冷え切っていたが、奥底に溶岩のように滾りたつものを感じ、一番弟子は久しく見なかった師の怒りに足が震えた。
Haruto9000
DONE「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
クー・フーリンは、偉大な女戦士スカサハに弟子入りすることに決める。
辿り着いた影の国で、彼女はフェルディアという名の男に出会う。
ミラーリング #8(影の国編:前編)影の国
フェルディアと名乗った男は笑みを浮かべたまま、「来いよ」とあごをしゃくった。そしてそのまま、さっさと歩き出してしまう。
クー・フーリンは迷った。周りでは、彼女を囲んでいた若者たちも武器を引き上げ、男の後について歩き始める。
何人かが、素直についてこない彼女をとがめるような目で見た。どうやら、あのフェルディアという男は、こいつらのリーダー格らしい。
クー・フーリンは覚悟を決め、黙って男を追いかけた。
ついてくるのが当然とでもいうように、男は振り返らない。
岩肌を下っていくと、先ほどクー・フーリンが見下ろした天幕の集落に出た。
「フェルディア!」
火を囲んでいた若者たち──少年と呼んでもいい年齢だ──が駆け寄ってくる。
49326フェルディアと名乗った男は笑みを浮かべたまま、「来いよ」とあごをしゃくった。そしてそのまま、さっさと歩き出してしまう。
クー・フーリンは迷った。周りでは、彼女を囲んでいた若者たちも武器を引き上げ、男の後について歩き始める。
何人かが、素直についてこない彼女をとがめるような目で見た。どうやら、あのフェルディアという男は、こいつらのリーダー格らしい。
クー・フーリンは覚悟を決め、黙って男を追いかけた。
ついてくるのが当然とでもいうように、男は振り返らない。
岩肌を下っていくと、先ほどクー・フーリンが見下ろした天幕の集落に出た。
「フェルディア!」
火を囲んでいた若者たち──少年と呼んでもいい年齢だ──が駆け寄ってくる。
Haruto9000
DONE「ランサーのクー・フーリンが女性だったら」妄想、第6話。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、ご容赦などはご了承ください。
【あらすじ】
古代アイルランドの国・アルスターに、1人の少女がいた。
名はセタンタという。〈赤枝の騎士団〉に憧れる彼女には、偉大な戦士になりたいという夢があった。
周囲に反対されながらも、彼女は戦士を目指して進み始める。
ミラーリング #7(猛犬誕生編)「だから、私と共に来なさいと言ったのに」
ぼんやりと霞む意識の中で、感情のない女の声が虚ろに響く。
「──馬鹿な子ね」
ああ、自分でも本当に、そう思う。
少女セタンタ
はっ、はっ、と息が上がる。廊下をそのまま走り抜けようとして、曲がり角の向こうに気配を感じて立ち止まる。
すばやく周りを見回し、窓の枠に手をかけると、えいやっと身を躍らせた。無事に着地し、その場にしゃがみ込む。
頭上でばたばたと足音がして、「いましたか?」「いいえ!」という苛立ち混じりの会話が交わされるのを、笑いをこらえながら聞いた。
人の気配が遠ざかるまで待つと、勢いよく立ち上がった。
目指すは厩舎だ。石畳の通路を、飛ぶように走っていく。
42077ぼんやりと霞む意識の中で、感情のない女の声が虚ろに響く。
「──馬鹿な子ね」
ああ、自分でも本当に、そう思う。
少女セタンタ
はっ、はっ、と息が上がる。廊下をそのまま走り抜けようとして、曲がり角の向こうに気配を感じて立ち止まる。
すばやく周りを見回し、窓の枠に手をかけると、えいやっと身を躍らせた。無事に着地し、その場にしゃがみ込む。
頭上でばたばたと足音がして、「いましたか?」「いいえ!」という苛立ち混じりの会話が交わされるのを、笑いをこらえながら聞いた。
人の気配が遠ざかるまで待つと、勢いよく立ち上がった。
目指すは厩舎だ。石畳の通路を、飛ぶように走っていく。
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DONE「ランサーのクー・フーリンが女性だったら」妄想、第6話。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
雪崩に巻き込まれ、マスターたちとはぐれたランサーとオルタ。
洞窟で嵐をしのごうとするが、ランサーの様子がおかしいことにオルタが気づく。
彼女が本当に「クー・フーリン」なのか疑いを持っていたオルタは、ランサーを問い詰めるが…。
ミラーリング #6(カルデア編) 死にたくない、と彼女は言った。
腹を裂かれ、血に沈み、全身から命を流しながらも、彼女は言った。死にたくない。
その身を疎まれ、弄ばれ、それでも必死に生きた末にこのざまとは、なんて、なんて、あわれな女!
今際の際にみじめたらしく泣く姿が許せず、私は言った。
体が朽ちても、その名が語り継がれるように。
その身が伝説に昇華され、永遠に生き続けるように。
──おまえを、英雄にしてあげる。
✳︎✳︎✳︎
ランサーは目を覚ました。
真っ先に目に入ったのは、オレンジ色に明滅する濡れた岩の天井だった。
吐いた息が白く立ち昇っては消える。
寒い。
ぼんやりする頭で自分の白い息を見つめていると、唐突に記憶が蘇った。
7393腹を裂かれ、血に沈み、全身から命を流しながらも、彼女は言った。死にたくない。
その身を疎まれ、弄ばれ、それでも必死に生きた末にこのざまとは、なんて、なんて、あわれな女!
今際の際にみじめたらしく泣く姿が許せず、私は言った。
体が朽ちても、その名が語り継がれるように。
その身が伝説に昇華され、永遠に生き続けるように。
──おまえを、英雄にしてあげる。
✳︎✳︎✳︎
ランサーは目を覚ました。
真っ先に目に入ったのは、オレンジ色に明滅する濡れた岩の天井だった。
吐いた息が白く立ち昇っては消える。
寒い。
ぼんやりする頭で自分の白い息を見つめていると、唐突に記憶が蘇った。
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DONE「ランサーのクー・フーリンが女性だったら」妄想、第5話。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
オルタの自分と決定的に仲が悪くなったランサー。ギスギスした2人に、マスターやキャスターは頭を痛めていた。
ある日、ランサーたちは素材集めのレイシフトに出ることになる。
雪山で順調にエネミーを倒していくが、突如、巨大なスプリガンが襲ってきた!
ミラーリング #5(カルデア編) 初めて会ったときのおまえは、小さな小さな子犬だった。
だが、子犬はあっという間に俺が望んだ全てを手に入れた。
そんな子犬が、俺は憎くて憎くて仕方なかった。
だが、嗚呼、そんな俺の心の内も知らず、おまえはなんと無邪気に笑いかけてきたことだろう。
その小さな体が抱えるものの大きさを知り、どれほど心傷んだことだろう。
二人で競い、技を磨き合う一瞬が、どれほど楽しかったことだろう。
あんなに懐かしく輝く日々が、今はなんと遠いことだろう!
空はこんなにも晴れているのに、俺の顔には雨が止まない。
さあ、そんなに泣かないでくれ。
愛しい愛しい、俺の妹。
✳︎✳︎✳︎
種火を与えられて強くなったランサーは、髪の毛をバッサリと切ってしまった。
9563だが、子犬はあっという間に俺が望んだ全てを手に入れた。
そんな子犬が、俺は憎くて憎くて仕方なかった。
だが、嗚呼、そんな俺の心の内も知らず、おまえはなんと無邪気に笑いかけてきたことだろう。
その小さな体が抱えるものの大きさを知り、どれほど心傷んだことだろう。
二人で競い、技を磨き合う一瞬が、どれほど楽しかったことだろう。
あんなに懐かしく輝く日々が、今はなんと遠いことだろう!
空はこんなにも晴れているのに、俺の顔には雨が止まない。
さあ、そんなに泣かないでくれ。
愛しい愛しい、俺の妹。
✳︎✳︎✳︎
種火を与えられて強くなったランサーは、髪の毛をバッサリと切ってしまった。
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DONE「ランサーのクー・フーリンが女性だったら」妄想、第4話。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
徐々にカルデアに溶け込み始めた、女性のクー・フーリン。
プロトタイプやキャスターの自分とはなじんだが、オルタナティブの自分とは、いまいち馬が合わない。
ある日、女王メイヴが彼女をお茶会に誘う。
ミラーリング #4(カルデア編) 初めて会ったときは無邪気な娘。
頰を林檎のように赤くして、仲間と競い、目をきらきらと輝かせる姿は人生の喜びに満ちていた。
次に会ったときは目に憂いを浮かべた戦士。
無礼に私の手を振り払い、私の野心を薙ぎ倒していく狗が憎くて憎くてたまらなかった。
けれど、その獰猛な瞳の奥にどうしようもない孤独を見つけたとき、私は生まれて初めてこんなにも──一人の人間が、彼女が欲しいと思ったの。
✳︎✳︎✳︎
「性別の違う自分?」
アーサーはぱちりと瞬きをした。隣に座るアルトリアの顔を見、またマスターの顔を見る。
「そう。君は色んな世界を渡り歩いてるんだろう? そういう事象に詳しくないかなと思って」
ダ・ヴィンチの言葉に、アーサーは困ったように首をかしげた。
9734頰を林檎のように赤くして、仲間と競い、目をきらきらと輝かせる姿は人生の喜びに満ちていた。
次に会ったときは目に憂いを浮かべた戦士。
無礼に私の手を振り払い、私の野心を薙ぎ倒していく狗が憎くて憎くてたまらなかった。
けれど、その獰猛な瞳の奥にどうしようもない孤独を見つけたとき、私は生まれて初めてこんなにも──一人の人間が、彼女が欲しいと思ったの。
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「性別の違う自分?」
アーサーはぱちりと瞬きをした。隣に座るアルトリアの顔を見、またマスターの顔を見る。
「そう。君は色んな世界を渡り歩いてるんだろう? そういう事象に詳しくないかなと思って」
ダ・ヴィンチの言葉に、アーサーは困ったように首をかしげた。
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DONE「ランサーのクー・フーリンが女性だったら」妄想、第3話。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
スカサハは、女性のクー・フーリンの実力を測るべく、手合わせを行うことにした。
自ら手合わせを行い、さらに、次の相手にバーサーカークラスのクー・フーリンを指名するが…。
ミラーリング #3(カルデア編) 強くなりたい、と彼女は泣いた。
誰よりも強く。男たちにも負けないように強く。
声を震わせて泣く彼女を膝に抱き、その髪をなでながら、私は誓った。
──おまえに私のすべてを授けよう。おまえをアイルランド最強の戦士にしてやる、と。
✳︎✳︎✳︎
「おまえが相手をしろ、バーサーカーのセタンタよ」
スカサハの言葉に、オルタは面倒くさそうに振り向いた。
「……なんで俺が」
「年齢的に、おまえが一番槍のセタンタと近い。加えて、おまえのクラスはバーサーカー。他のクラスを圧倒する力を持つおまえに、槍のセタンタがどれほど挑めるか見てみたい」
ランサーは、あごを引いてオルタを睨みつけた。師匠に「他を圧倒する力を持つ」と言わしめたこの男が気に入らなかった。
5164誰よりも強く。男たちにも負けないように強く。
声を震わせて泣く彼女を膝に抱き、その髪をなでながら、私は誓った。
──おまえに私のすべてを授けよう。おまえをアイルランド最強の戦士にしてやる、と。
✳︎✳︎✳︎
「おまえが相手をしろ、バーサーカーのセタンタよ」
スカサハの言葉に、オルタは面倒くさそうに振り向いた。
「……なんで俺が」
「年齢的に、おまえが一番槍のセタンタと近い。加えて、おまえのクラスはバーサーカー。他のクラスを圧倒する力を持つおまえに、槍のセタンタがどれほど挑めるか見てみたい」
ランサーは、あごを引いてオルタを睨みつけた。師匠に「他を圧倒する力を持つ」と言わしめたこの男が気に入らなかった。
Haruto9000
DONE「ランサーのクー・フーリンが女性だったら」妄想、第2話。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
女性のクー・フーリンに戸惑うマスターたち。
カルデアにいる他の英霊たちは誰も"彼女"のことは知らず、ランサークラスのクー・フーリンは意気消沈してしまう。
そんな中、クー・フーリンの師匠であるスカサハが、ひとつの提案をする。
ミラーリング #2(カルデア編) 扉を開ければ、パチパチと炉ばたで燃える温かい火。
焼いたパンと、山羊の乳の匂い。
刺繍の手を止めて、彼女が顔を上げる。
一歩を踏み出せない自分を見つけて、その美しい目が細められる。
椅子から立ち上がり、白くて細い手を差し出しながら彼女は微笑む。
──おかえりなさい、猛犬さん。
***
「どおいうことぉぉぉっっっ!?!?!?」
マスターがすっとんきょうな声を上げた。隣ではマシュが「先輩、落ち着いてください!」と必死になだめている。
マスターたちの前では、召喚されたばかりのランサークラスのクー・フーリンが、戸惑ったように立ち尽くしていた。
かの英雄の象徴ともいうべき赤い槍を両手でぎゅっと握りしめ、不安そうな顔であたりを見回している。
8253焼いたパンと、山羊の乳の匂い。
刺繍の手を止めて、彼女が顔を上げる。
一歩を踏み出せない自分を見つけて、その美しい目が細められる。
椅子から立ち上がり、白くて細い手を差し出しながら彼女は微笑む。
──おかえりなさい、猛犬さん。
***
「どおいうことぉぉぉっっっ!?!?!?」
マスターがすっとんきょうな声を上げた。隣ではマシュが「先輩、落ち着いてください!」と必死になだめている。
マスターたちの前では、召喚されたばかりのランサークラスのクー・フーリンが、戸惑ったように立ち尽くしていた。
かの英雄の象徴ともいうべき赤い槍を両手でぎゅっと握りしめ、不安そうな顔であたりを見回している。
Haruto9000
DONE2017年から書いていた「クー・フーリンが女性だったら」妄想をこっちにも載せます。いずれオル槍に至る予定。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
マスター(ぐだ子)は、ランサークラスの英霊召喚を試みる。
現れたのは、ケルトの英雄クー・フーリン。
ところが、カルデアにいるクー・フーリンたちと違い、新たにやってきた英雄は"女性"で…!?
ミラーリング #1(カルデア編) じゃら、とマスターの手に抱えられた聖晶石が音を立てる。
「じゃあ、いくよ、マシュ」
「はい、先輩!」
そばでは、祈るように両手を組んだマシュが固唾を飲んで見守っている。
「今度こそ……今度こそ麻婆豆腐以外のものを召喚するからね」
「はい、先輩!」
「毎日毎日フリクエを回って……長かった……ようやくここまで……」
「はい、先輩! 今度こそ、きっと大丈夫です! 英霊のどなたかが、先輩の呼びかけに応えてくれますよ!」
「やっと集めたこの血と汗と涙の結晶……頼むよ! おりゃ!」
マスターは、虹色にきらめく石を召喚サークルに投げ入れた。
くあ、とオルタナティブのクー・フーリンはあくびをした。
血走った目で「石を集める」と言ったマスターに付き添い、数時間前までレイシフト先でひたすら獲物を狩っていたのだ。帰ってきてからはずっと寝ていたのだが、まだ眠い。
1808「じゃあ、いくよ、マシュ」
「はい、先輩!」
そばでは、祈るように両手を組んだマシュが固唾を飲んで見守っている。
「今度こそ……今度こそ麻婆豆腐以外のものを召喚するからね」
「はい、先輩!」
「毎日毎日フリクエを回って……長かった……ようやくここまで……」
「はい、先輩! 今度こそ、きっと大丈夫です! 英霊のどなたかが、先輩の呼びかけに応えてくれますよ!」
「やっと集めたこの血と汗と涙の結晶……頼むよ! おりゃ!」
マスターは、虹色にきらめく石を召喚サークルに投げ入れた。
くあ、とオルタナティブのクー・フーリンはあくびをした。
血走った目で「石を集める」と言ったマスターに付き添い、数時間前までレイシフト先でひたすら獲物を狩っていたのだ。帰ってきてからはずっと寝ていたのだが、まだ眠い。
あずま ふう
MAIKING弊カルデア現在の攻略メインメンツ。左からマーリン、アルトリア剣、諸葛孔明、アンデルセン、クーフーリンオルタ、ボイジャー、酒呑童子、天草四郎。
無事描ききれるよーに進捗投げながらすすめたい。