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    ナチュラル

    紫垣🐠

    DONE笹仁/星空のアクアリウムOP.3 展示作品

    スタオケ加入後の二人のお話。ナチュラルに付き合ってます。
    ※R18はつけていないですが、行為が匂わされる表現があったり、甘めだったりするので苦手な方はご注意ください。

    『GRADATIONS』>#0「Colorless Color」#1,#2「Colored Notes」#3「like a FISH in water」から続いている連作です。
    One Identity#4

     素肌の背の下に敷かれた固いシーツに大きく皺が寄った。
     菩提樹寮の笹塚の部屋に備え付けられた簡素なベッドに両手首を押さえつけられ、半身で乗りかかられるような形で、もうどの位の時間が経ったのだろう。西日が射しこみ、夕暮れの赤い光が眩しく室内を満たす中、呼吸まで浚うような長いキスをずっと施され続けていた。
     覆いかぶさった熱。身長は俺と同じはずなのに、がっちりとした恵まれた体格を存分に生かし、その腕の中にいともたやすく全身を閉じ込められてしまう。
     二つの唇と舌が絡み合う湿った音と、せわしない息遣いだけが静まり返った部屋に響く。いくら人の気配が多くて騒がしい寮内とはいえ、声を出すことも、物音を立てることにも細心の注意を払わなければならないのに、ひとたびこうなってしまえばどちらも止めることができなくて、そのまま行為に及んでしまったことは、これまでにも何度かあった。
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    紫垣🐠

    DONE笹仁/星空のアクアリウムOP.2 展示作品

    スタオケ加入後の二人のお話。ナチュラルに付き合ってます。
    ※コンミス出ます
    後日談は近日中に公開予定です。
    『GRADATIONS』
    #0「Colorless Color」から続いています。
    「like a FISH in water」に続きます。
    Colored Notes#1

    「コンミスが俺たち二人に用事ってなんだろうな」
     眠たげな眼で隣をのそりのそりと歩く笹塚に声を掛けると、眼鏡の奥が唐突に思い出したように、剣呑な目つきになった。
    「……むしろ俺はさっきの全体錬の時のカデンツァに対して、朝日奈に言いたいことたくさんあるけど」
    「あのな。それは一ノ瀬先生からも、まずパート練に持ち返るって話になったただろ。蒸し返さずに今はコンミスの話をよく聴けよ?」
    「善処はする」
     スターライトオーケストラに参加することを決めて、笹塚と共に札幌と横浜を行き来するようになって数か月がたち、短期間での長距離移動にもようやく慣れて、週末は横浜で過ごすことが当たり前になってきていた。土曜日の今日も朝から横浜入りをした後、木蓮館での合奏練習を終えて、菩提樹寮へと向かう所だ。首都圏での拠点がスタオケ加入と同時に自動的に確保されたのは、笹塚と俺にとっても有難い話だった。
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    DINT_94DR

    DOODLEフォロワーの誕プレ!載せていいよと言われたので単体で……
    お試し終末世界ドラロナ。ナチュラルに恋仲同士です。
    明日世界が終わるなら「ねえ、明日世界が終わるなら、何がしたい?」

     ありきたりな質問だとは思った。無人島にひとつなにか持っていくなら〜とか、100万円手にしたなら〜とか、そういった類の。現実的ではない話に、正解など存在しない。だが、目の前の享楽主義者はそんな答えなど求めてないのだろう。ふと、付き合ってやることにする。

    「急に言われても思いつかないけど、でもまあ、いつも通りすごすんじゃねえの?」
    「んー、ちがうよ、そうじゃなくって。君の願望が聞きたいの。あるだろ、童貞卒業! とか」
    「それを俺が言っててめえは喜ぶのか?」
    「悲しみと怒りとその他諸々の真っ黒な感情で死にます」
    「アホのひと?」

     既に想像して死にかけてるアホは放っておく。ともあれやりたいこと、か。そもそも自分に何かを施す、だとか自分のために何かをする考えることが苦手な俺に聞くものでもない気はする。きっと面白い回答はできないし、それこそありきたりな答えしか導き出せない。頭に浮かんだソレを素直に伝えるのも、なんだか小っ恥ずかしいものであった。
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    iori_uziyama

    DONE走ることで希死念慮を振り払う🦁と希死念慮を持ったまま"仕方ない"に甘えて生き続ける🦊のルミ。
    ナチュラルに🦊が監禁されてます。
    希死念慮のふたりぴかぴか、きらきら。ミスタは眩く感じて、目を細める。それに拗ねたようにルカはむっとして、やわく名前を呼んだ。

    「ミスタ」

    返事をする間もなく降ってきたキスをただ受け入れる。腕を広げて、口の中口の中を暴れまわる舌に応えながら、ルカの金糸を指で梳く。

    あぁ、死にたいなぁ、と思った。
    手の届かない、手が届いたとて、その純度の高い愛情に焦がされてしまうだろうに、結局ミスタは金ピカの太陽を手に入れてしまった。
    予想通り、ルカの愛情はミスタを酷く焼き付けた。
    体温は熱く、ミスタの冷えた蝋のような体を溶かして、色づける。愛情は甘やかにミスタの心を包んで、為す術もなく、溶かされた。

    あぁ、幸せだなぁ、と心の底から思った。
    この幸せを、今抱え込んだままエンドロールを流してしまいたい。今この瞬間、ルカに幕を引いてもらえたらどんなに幸せだろうか。ミスタは綺麗な愛情を素直に受け取れずにいた。それを眺めるだけで飲み込もうとはしなかった。それだけで幸せだったから。しかしルカは身体の奥の奥までソレを注ぎ込もうとする。ミスタは溺れるような愛情と幸福で、目を潤ませる。
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    ぽりかぼ

    CAN’T MAKE(多忙死で何にも上げられない期間が長いので書きかけこっちに上げてしまう。そのうちちゃんとするかもしれないし、しないかもしれない)
    体調悪い時に機嫌悪くなるどころか心配かけまいと余計に優しくなるタイプのnzさんと、それを看病して沼っていくkbnさん。nzさんナチュラルに親が早逝していると思っているので、妹ちゃんが看病してくれてた時の癖でそうなってそうだなーと思いました。気持ちはギャグで書いてます。
    ミルク粥に呪文を「よぉネズ!」
    一日の仕事を終え帰路につく途中、オレは見間違いようのない白黒の後ろ姿が歩いているのを発見した。
    ナックルで会うとは珍しい。小走りで近づけば、長髪を揺らめかせて緩慢にこっちを振り返る。
    「あぁ、キバナですか」
    やっぱりネズだ。ネズなのだが。オレは違和感を感じた。発せられた声が妙に優しくて。
    「……何、仕事?」
    「ええ、仕事でちょっと」
    「ふーーん?」
    言いながらオレはネズの顔をまじまじと観察した。いつもの無表情ぷりはどうしたのか、不自然ににこにこしている。それに夕日のせいかとも思ったが、顔が赤い気がする。あの精悍なロッカーの棘が全然なくてなんだか全体的にぽわぽわした感じ。差し詰め子供番組のお歌のお兄さんという様子だ。
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