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    ロマンス

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    СДЕЛАНОドラマチックロマンスナンバー4!展示①
    しがふたりをわかつとも ――ロナルド君が、VRCに搬送されたとの報を受けた私は、矢も盾もたまらず、新横浜署を飛び出していた。
     一昨日の晩から「サテツたちと遊んでくる」と言って家を出たっきり、連絡がなかったことを気にはしていたが、まさかこんな連絡を受けることになるとは思わず、内心の焦燥を抑えられない。署からVRCまでは、車でたったの五分の距離だが、それでもその時間すら惜しい。
     何をしたんだ、死にたがりの君は。
     車に乗り込み、エンジンをかける。一度落ち着こうと、ハンドルに額をつけて、はあ、と肺の中から息を搾り出して、動揺で上がった拍動を落ち着ける。
     ロナルド君自身、この新横浜に馴染んで、こうして一人で出掛けることが最近増えていた。連絡手段を持たないが、新横浜市内にいればロナルド君は時々念話を送って来ることがある。私からそれに応えることは出来ない一方通行のもので、そろそろ通信機器を持たせようかと思っているのだが、十中八九どこかに落としてくるのでどうしたものかと考えあぐねていた。因みにロナルド君がそんなとんでもない能力を、事もなげに使って私に伝えてくることは大概その日の夕飯のリクエストだ。
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    imo_blgr

    ПРИСОЕДИНЯЙТЕ МЕНЯ1/16ビリグレwebオンリー「はじめての恋びと」にて頒布予定の新刊の冒頭です。尻叩きも兼ねて少しの間公開いたします。

    (不穏なはじまりで実際このあとの本編も暗めのシリアスブロマンスですが、ちゃんとハピエンでしっかりビリグレです!)
    ※本文は今後加筆修正する可能性があります。




     幼い頃、風船を膨らませるのが苦手だった。たんに肺活量がなかったのか、それとも吹き込み方に難があったのかは定かでない。年端もいかない少年にしては比較的なんでもこなしていた我が子に意外な弱点があることが嬉しかったのか、父親が珍しく気が抜けたように笑っていたのを憶えている。ビリーは風船が苦手なんだな。いまにして思えば、あれは自分のせいで子供らしからぬ子供で在ることを強いてしまったと後ろめたく思う父が、ほんの一瞬でもビリーの『子供らしさ』を垣間見たことへの安堵だった。ただそれを、つい額面通りに受け取ってしまったことで猛練習の末に克服してしまったのだけれど。
     薄くてあまい膜を体外に膨張させるその行為は、まるで息吹を吸い取られているようだと思う。風船を膨らませることも、それを模した菓子に命を吹き込むことも。いつしかまばたきの如く容易なものとなった。ほんとうは、幼い頃とは違う理由で風船が苦手なのは変わらないのだけれど、直接口をつけて息吹をとじこめずとも膨らませられる方法を手に入れた。つまらない大人になろうとしていることは自覚している。
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