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    #二次創作BL

    secondaryCreationBl
    版権・二次創作のBL作品用

    summeralley

    DONE急いで進めてるけど12話くらいにはなってしまいそう……少し先でベッドシーンで丸々一話使ったせいで……。
    ネイPのP、ちょっと子どもっぽく書いてしまう。
    【ネイP】解剖台で夢を見た/04.聴診器の語るもの ネイルは殆ど、家へ帰らなくなっていた。職員がみな帰るのを待ってから仮眠室へ下りるので、それから帰宅となるとどうしても遅くなる。
     元々、仮眠室へ寝泊まりすることはそう珍しくなかった。同じフロアに、簡易的なシャワールームもある。食事は水で事足りる。コインランドリーは研究所の道向かいだ。
     ――家へ帰ったところで、仮眠室の様子が気になって眠れず、警備員が驚くような早朝に出勤することになる。
     自らが切り刻んだ研究対象への執着なのか、単純な個への執着なのかは、判然としなかった。それでも、寝袋を持ち込んで寝泊まりするようになるのは、ネイルにとって自然な選択だった。
     その日ネイルは、どこか浮き足立っていた。
     石室の標本に関する嘘の報告書は問題なく受理され、更に詳しく検査を進めるようにとの文言を添えた、検査項目のリストだけが戻ってきた。それも、時間がかかることを誰もが理解できる検査項目ばかりで、当分の時間は稼げそうに思われる。
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    summeralley

    DONE10話くらいで終わりたいとか言ってたのに、少し先の話に性的なシーンを入れたので予定が狂って10話で終わるの無理になりました。ネイP次いつ書くか分かんないし、どうせならって……。
    【ネイP】解剖台で夢を見た/03.新しいラベル 「石室の標本について、何か分かったか?」
    「報告書の通り、特段変わったことはありません……何しろ前例がないので、手探りで。慎重に進めています」
     ムーリは頷き、引き続き任せる、と研究室を出て行く。ケースの観察窓を覗かれなかったことに、ネイルは胸を撫で下ろした。研究者としては、それが正しい振る舞いだ。以前ネイルがそうせずにいられなかった、無闇に観察窓の蓋を開ける行為は、暗闇で保管されていた検体にどのような影響を与えるか分からない。
     ネイルの返答は、完全な嘘ではなかった。このような現象に、前例があるはずもない。腐敗せず、硬直もしない遺骸など……ただし「変わったことはない」という部分は、真っ赤な嘘だ。
     石室の標本はもう、標本ではない。さりとて、それを報告できようか? おそらく、上層部の判断で、もっと大きな研究所へ送られることになるだろう。戸籍もない古い時代のナメックが、「呼吸する標本」……良くて「実験動物」として扱われることなど、目に見えていた。
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    summeralley

    DONE前回のバーカウンターでネイPシーンいっぱい書いたらネイP好きになっちゃったので、書きます。

    龍族≒下半身凹、戦士型≒下半身凸、更にPは「龍族の先代神 の片割れのパッパ の生まれ変わり だから龍族」という勝手な思い込みで書いてます。そんなに触れないけど……。
    【ネイP】解剖台で夢を見た/01.夢より静かに、死より美しく 気味の悪いものが運び込まれた、とため息をついたのは、ムーリだった。
     第四処理室の照明は極端に抑えられ、気温は低く保たれている。静まり返った室内に、二つの足音が響いていた。
     「ナメックのことはナメックに、というわけですか」
     この研究所に何年も勤めているネイルも、この処理室では、自然と小声になってしまう。生きたものは自分とムーリだけのはずなのに、無数の視線を感じる気がしてならない。検体として提供されたもの、身元の分からないもの、司法解剖や病理解剖を待つもの、すべての処置を終え、月に二度の火葬処理日を待っているもの……。
     「標本はそこのケースだ。37番。発見された石室の気温と湿度を再現してある……いたって普通の気温だ。自治体の記録を辿るだけでも、少なくとも七百年は閉じ込められていたのに、腐敗も硬直もない」
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    summeralley

    DONE15話も書くつもりじゃなかったんだけど、ナメのイチャイチャも、バーもカクテルも書けて楽しかった! 読んでくださった方、ありがとうございます。そのうち全員分の番外を書いて、できれば本にもしたい。
    【飯PネイP】煙るバーカウンターにて(終)/15ライム入りトニックウォーター 送別会シーズンの忙しさも落ち着き、バー『Veil』へは通常の雰囲気が戻ってきていた。とはいえ日曜の夜は、それなりに賑やかだ。繁華街に面した窓は閉まっていて、外の音は聞こえないはずなのに、浮かれた人々の喧騒が店内にまで届いてくる心地がする。
     カウンターの花瓶には、デンデが育てた青い花が飾られていた。かすみ草の白に囲まれて、雲の中に漂っているように見える。
     「悟飯さん、フレーバーは何にしますか?」
    「バニラと……デンデに任せるよ、その方が間違いないから」
    「バニラなら、カルダモンかな? 準備しますね」
     僕の前まで水煙草を持ってきて、デンデが炭を熾こしてくれる。はじめの頃に比べて、すっかり迷いのない手付きだった。忙しい週末は手織りのカーテンに覆い隠されていた水煙草も、デンデが扱えるようになったため、今は見える位置に堂々と置かれている。
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    summeralley

    INFO6/15 星に願いを
    ゆ 28b Summer alley

    新刊『廃墟の灯』
    A5サイズ10章68ページ成人向け。

    廃墟となった無人の街に暮らす飯Pのお話の試し読みです。
    03章を途中まで載せます。NAVIOの方には別の章を載せてますので、興味があって見れる方はそちらもどうぞ~
    【飯P】廃墟の灯/試し読み03.廃墟の街

     砂の散ったアスファルトに、錆びた鉄骨とひしゃげた鉄パイプが転がっている。
     山々のように聳える工場群は今やその役割を終え、徐々に朽ち果てつつあるのが、この距離から振り仰いでも明らかだった。
     ひび割れた舗道には雑草が繁り、道の両端に並ぶ建物の外壁にも蔦が這いまわっている。ガラスはどれも汚れており、庇はことごとく破れて垂れ下がっていた。看板やシャッターの文字はほとんど消え失せ、赤茶けた錆だけが無闇と存在を主張している。
     ピッコロが姿を眩ませたのは、両刃の剣を二人で見た直後だった。
     はじめ数日は、悟飯もデンデたちも、どこかで修業に打ち込んでいるのだろう、と考えた。しかし一週間経ち、十日経ち……それでも戻る様子がない。流石に、こんなに長い期間を留守にするのに一言も告げていないのはおかしい。気が全く感じられず、意図的に身を隠していることは明らかだった。
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    summeralley

    DONE客🍚とマスター💅のバーテンダーぴ取り合い

    毎度言ってますが🍚がぴ意識しすぎて💅との距離が気になるだけで、プロの💅は客の前で匂わせはしません。と言い訳して匂わせを書いてます、CPものなので🫶

    ナメ店員いてP受けの匂いを感じる店があるなら通います……週七で……
    【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/05ニコラシカ 『Veil』のカウンターには、ひとつ間を空けてもう一人、客が座っていた。長く通っているらしく、マスターと談笑しながらグラスを傾けている。
     僕は作ってもらったカクテルを飲みながら、言葉少ななピッコロさんにとりとめもない話を聞かせていた。水煙草を共有して以来、ほんの時たま笑顔を見せてくれるのがたまらなく嬉しい。とはいえ先日の路地裏で見た荒んだ雰囲気など、まだ分からないことの方が多かった。
     「何か飲まれますか」
     残り少なくなっている僕のグラスを見て、ピッコロさんが尋ねてくれる。
     「どうしようかな……」
     まだ酔いは回っていないが、酒に詳しくないので何が飲みたいというものもない。いつも「甘いもの」「さっぱりしたもの」というような注文をしている。思案していると、隣の客がマスターへ、ニコラシカを、と言うのが聞こえた。かしこまりました、と答えたマスターが半身だけ振り返り、棚から小さな瓶を取り出す。
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