eimo_ff16
MOURNINGテラディオ前回の独白の続きで、こちらはテランスside
キエルの保護をしたテランスが、ディオンを想い願う話
独白 願い毎晩、日課にしている事がある。
「お帰りなさいテランス。今日も、祈って来たのね」
「ただいま。うん、遅くなってごめん」
それはメティアへ、愛する我が主の無事と帰還を祈る事。
「後は僕が片付けておくから、ゆっくりおやすみ」
「ありがとう。お休みなさい」
我が主ディオンより、前線からの離脱と、たった今寝室に入って行った少女・キエルの保護を言い渡されてから今日まで。長い様で短い日々を自治領から離れた閑静な土地で過ごした。
人々は敵襲に怯えながら、それでも必死にライフラインを整えつつ、しかし酷く消耗していた。
キエルを探し出す事については、ディオンが残したメモのおかげで割と早く事が進んだ。保護をした後は温かい寝床と食事を。その提供ができるかの設備確認は、これもまた、悲しい事にすぐにできた。寝床はあれど被る物は己の服のみ。台所はあれど、水はない。火は外で焚き火のみ。
5145「お帰りなさいテランス。今日も、祈って来たのね」
「ただいま。うん、遅くなってごめん」
それはメティアへ、愛する我が主の無事と帰還を祈る事。
「後は僕が片付けておくから、ゆっくりおやすみ」
「ありがとう。お休みなさい」
我が主ディオンより、前線からの離脱と、たった今寝室に入って行った少女・キエルの保護を言い渡されてから今日まで。長い様で短い日々を自治領から離れた閑静な土地で過ごした。
人々は敵襲に怯えながら、それでも必死にライフラインを整えつつ、しかし酷く消耗していた。
キエルを探し出す事については、ディオンが残したメモのおかげで割と早く事が進んだ。保護をした後は温かい寝床と食事を。その提供ができるかの設備確認は、これもまた、悲しい事にすぐにできた。寝床はあれど被る物は己の服のみ。台所はあれど、水はない。火は外で焚き火のみ。
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MOURNINGテラディオだけど、今回はディオンのみ。オリジン突撃前の隠れ家での一幕。
ディオンがオボルスと湖を見る話。
独白 希望湖が見える。それも当然で、ここは湖に浮かぶ場所だから、それは“嫌でも”視界に入ってくる。
ザンブレクではあまり湖は見かけなかったが、代わりに海があった。海は好きだ。嫌う理由がないと言えばそうだが、その色と音に、思い入れがある。
今となってはもう、思い出したくはないと、思っていたのだが。
「……」
この地はいつも音にあふれていた。その全てが人の声に満ちていて、無機質な音は、それこそ己の着る鎧や戦う者の、その音くらいか。
そして聞こえてくる人の声は、その殆どが温かいそれの様に思えた。
空の色は相変わらずで、その色は見た者の心を沈めてしまう。しかしこの地に生きる人間達は、それでも前を向いて生きている。
そう、かつての自分も、同じ気持ちを持っていた……のだと思う。
5358ザンブレクではあまり湖は見かけなかったが、代わりに海があった。海は好きだ。嫌う理由がないと言えばそうだが、その色と音に、思い入れがある。
今となってはもう、思い出したくはないと、思っていたのだが。
「……」
この地はいつも音にあふれていた。その全てが人の声に満ちていて、無機質な音は、それこそ己の着る鎧や戦う者の、その音くらいか。
そして聞こえてくる人の声は、その殆どが温かいそれの様に思えた。
空の色は相変わらずで、その色は見た者の心を沈めてしまう。しかしこの地に生きる人間達は、それでも前を向いて生きている。
そう、かつての自分も、同じ気持ちを持っていた……のだと思う。
mizutarou22
DONEディオンが不思議な体験をするお話。前半不穏なシーンがありますが、ハピエンなので大丈夫です!青空色の運命 ここは……どこだ?
私はきょろきょろと辺りを見回す。何もない。ただ黒いインクを垂らしたような真っ暗な世界が広がっている。その中でただ一人、私はそこで立ちすくんでいた。しかし立つといっても地面がそこにあるのかさえわからない。自分はもしかしたら浮いているのかもしれない。しかし浮遊感は何故かなかった。本当にただ暗い世界の中でただ一人、ぽつんと私はそこにいた。
「私は……何をしていたのだろう?」
思い出せない。とても大切なことだったように思うが、いくら頑張っても記憶は戻りそうになかった。
「私は……どうすればいいのだろう?」
ここから動けばいいのか? しかしどこへ行けばいいのかわからない。辺りは黒の世界……そんななかどう動けというのか。
3138私はきょろきょろと辺りを見回す。何もない。ただ黒いインクを垂らしたような真っ暗な世界が広がっている。その中でただ一人、私はそこで立ちすくんでいた。しかし立つといっても地面がそこにあるのかさえわからない。自分はもしかしたら浮いているのかもしれない。しかし浮遊感は何故かなかった。本当にただ暗い世界の中でただ一人、ぽつんと私はそこにいた。
「私は……何をしていたのだろう?」
思い出せない。とても大切なことだったように思うが、いくら頑張っても記憶は戻りそうになかった。
「私は……どうすればいいのだろう?」
ここから動けばいいのか? しかしどこへ行けばいいのかわからない。辺りは黒の世界……そんななかどう動けというのか。
malsumi_1416
DONE数時間遅刻の「キスの日」の短編18歳 付き合い始めあたり
休憩時間がどれだけ延長されたかは、彼らのみぞ知る
小休止チュ、チュ、チュ。
麗らかな午後の日差しが差し込む部屋に、何とも可愛らしい音が響いている。
積み上がっている書類仕事の合間に一息いれようと、侍女に頼んで茶器を用意している間にこの人は。
「…ディオン様、あの…」
「おお、テランス」
寝台に腰掛けておかえり、と宣う彼の手には愛らしい熊のぬいぐるみ。
「何をしておいでで?」
可愛らしいのは熊よりも小首を傾げた彼自身だが。
「んー、…キスの練習?」
もこもこの鼻面に向けて、ちう、と小さな音を立てて吸い付いていたディオンは悪びれる様子もなく舌を出した。
ん?といたずらっ子の顔で微笑む彼の思惑は如何ばかりか。
「なんだテランス、羨ましいのか?」
「いえ、その」
いや正直羨ましいが。
1743麗らかな午後の日差しが差し込む部屋に、何とも可愛らしい音が響いている。
積み上がっている書類仕事の合間に一息いれようと、侍女に頼んで茶器を用意している間にこの人は。
「…ディオン様、あの…」
「おお、テランス」
寝台に腰掛けておかえり、と宣う彼の手には愛らしい熊のぬいぐるみ。
「何をしておいでで?」
可愛らしいのは熊よりも小首を傾げた彼自身だが。
「んー、…キスの練習?」
もこもこの鼻面に向けて、ちう、と小さな音を立てて吸い付いていたディオンは悪びれる様子もなく舌を出した。
ん?といたずらっ子の顔で微笑む彼の思惑は如何ばかりか。
「なんだテランス、羨ましいのか?」
「いえ、その」
いや正直羨ましいが。
malsumi_1416
DONE或いは、家名を捨てる話テランス最大の我が儘
テ+デ 12歳
生産元がテラディオなのでテラディオと言い張る
※注意:未成年飲酒表現がありますが、これを推奨するものではありません
『老人と(略』の下敷きにある世界線
弊テデの主従の成り立ちについての妄想
テランスの苗字が分からない件に関して、自分を納得させるべく書いたもの
誠意と覚悟屋敷から乗り付けてきた馬車を降り、無言のまま つかつか足音も高らかに石畳の上を歩いていく。
後ろを慌てたようについてくるもう一つの足音に無視を決め込み、ディオンは貸与されている寄宿舎の部屋に足を向けた。
従者は要らぬと言ったのに、よりにもよって大切にしていたたった一人の親友が昨日とは違う口調、態度で今朝から後ろに控えている。
許されるなら、ただの友達でいたかった。
悲しみは過ぎると怒りに代わり、ディオンの身の内に降り積もる。
彼の大切なものを、自分のために奪いたくなかったのに。
「ディオン様」
「…っ、付いてくるな」
「ですが」
もういっそ文字通り翔んで帰ってしまおうかと何度か頭に過ったが、麗らかな日射しの元、昼前の明るい教会内の敷地には信徒や聖職者がそれなりの数残っていて、驚かせるわけにはいかないと努めて静かにディオンは歩いた。
10280後ろを慌てたようについてくるもう一つの足音に無視を決め込み、ディオンは貸与されている寄宿舎の部屋に足を向けた。
従者は要らぬと言ったのに、よりにもよって大切にしていたたった一人の親友が昨日とは違う口調、態度で今朝から後ろに控えている。
許されるなら、ただの友達でいたかった。
悲しみは過ぎると怒りに代わり、ディオンの身の内に降り積もる。
彼の大切なものを、自分のために奪いたくなかったのに。
「ディオン様」
「…っ、付いてくるな」
「ですが」
もういっそ文字通り翔んで帰ってしまおうかと何度か頭に過ったが、麗らかな日射しの元、昼前の明るい教会内の敷地には信徒や聖職者がそれなりの数残っていて、驚かせるわけにはいかないと努めて静かにディオンは歩いた。
mizutarou22
DONEテラディオで現パロで学パロで転生パロです。ピアノの知識がない状態で書きました。変なところがありましたらすみません…。愛の音色「あ……」
僕は部活をするために学校のグラウンドへと出る扉を開けた瞬間、耳に心地よく入ってきた音に気付き、ふり仰ぐ。そこには音楽室の窓が少しだけ開かれていて、カーテンが風によってふわふわと揺れていた。そこから聴こえてくるピアノの音に、何故か心を掴まれて、僕はぼーっとその音色に身をゆだねてしまった。なんだろう……。この、いつまでも聴いていたい気持ち。このピアノ曲はどんな題名? 誰が弾いているの? この甘く切なくなるような気持ちはいったい……。
そんな気持ちに浸っている僕の肩を、部活仲間が知らずにぽんぽんと叩いてくる。
「何してるんだテランス。はやく部活に行こうぜ」
その仲間の言葉にまるで魔法が解けたかのように、意識が現実へと戻される。
2423僕は部活をするために学校のグラウンドへと出る扉を開けた瞬間、耳に心地よく入ってきた音に気付き、ふり仰ぐ。そこには音楽室の窓が少しだけ開かれていて、カーテンが風によってふわふわと揺れていた。そこから聴こえてくるピアノの音に、何故か心を掴まれて、僕はぼーっとその音色に身をゆだねてしまった。なんだろう……。この、いつまでも聴いていたい気持ち。このピアノ曲はどんな題名? 誰が弾いているの? この甘く切なくなるような気持ちはいったい……。
そんな気持ちに浸っている僕の肩を、部活仲間が知らずにぽんぽんと叩いてくる。
「何してるんだテランス。はやく部活に行こうぜ」
その仲間の言葉にまるで魔法が解けたかのように、意識が現実へと戻される。
mizutarou22
DONEテラディオです。DLC第二弾プレイして思い付いたお話です。一応ネタバレ注意です。そこまでDLCにあった出来事を書いているわけではないのですが一応…。主人公はクライヴです。納得「ん……? ディオン・ルサージュ、香水を変えたのか?」
「え……?」
ディオン・ルサージュは前腕を鼻元に持っていき、匂いを嗅ぐ仕草をする。すんすんと音がした後、ディオン・ルサージュは首を傾げた。
「いや……いつもの私の付けている香水の香りだが……」
「? そうか……気のせいだったか……」
ザンブレクのベアラー兵として生きてきた過去があったため、ザンブレクの香水には多少知識があった。ディオン・ルサージュが仲間になったとき、彼から香る香水に、少しばかり懐かしさを感じた。しかしディオン・ルサージュの付けている香りは今まで嗅いできた香りとは少し違い、どこか品があり、優しい気持ちにさせてくれる、彼の人柄に合った香水だった。そんな彼の香りがふと違うもののように感じたのは気のせいだったのか……?
1629「え……?」
ディオン・ルサージュは前腕を鼻元に持っていき、匂いを嗅ぐ仕草をする。すんすんと音がした後、ディオン・ルサージュは首を傾げた。
「いや……いつもの私の付けている香水の香りだが……」
「? そうか……気のせいだったか……」
ザンブレクのベアラー兵として生きてきた過去があったため、ザンブレクの香水には多少知識があった。ディオン・ルサージュが仲間になったとき、彼から香る香水に、少しばかり懐かしさを感じた。しかしディオン・ルサージュの付けている香りは今まで嗅いできた香りとは少し違い、どこか品があり、優しい気持ちにさせてくれる、彼の人柄に合った香水だった。そんな彼の香りがふと違うもののように感じたのは気のせいだったのか……?
ayatoro2go_2sei
DONE前に「テデ本🔞を拾ったテデ…」って話をフォロワーさんとしてまして…のネタです。えちちの練習のつもりが、咥えてるだけ…2ページ目はちゃんと履いてます!!(柄が面倒で…)
※念のためのパス:恋仲になった年齢 3
mizutarou22
DONEテラディオで『二人共女装』のお話です。お題をウェブボにて募集しまして、その時に頂きましたお題のお話になります。この度はネタを提供してくださりありがとうございました!お待たせいたしました!ディオンは生徒会長、テランスは生徒会副会長です。女装攻め、現パロ、学パロです。ご注意ください。 3064mizutarou22
DONEぐりまるさんのツイートhttps://twitter.com/RianeisOdhiuru/status/1767471739129512052?t=e9f62LmOxo829ISqHysRMw&s=19 が元ネタの母乳が出るディオンのお話です。とても短い作品です。 789mizutarou22
DONEテラディオで早いですがホワイトデーのお話です。前回書いたバレンタインデーhttps://poipiku.com/275712/9891732.htmlの続きですが読まなくても大丈夫です。現パロで転生パロです。
君と過ごすホワイトデー「どうしようかな……」
時刻は休日の昼。僕は街を歩きながら、ホワイトデーにディオンに贈るものについて悩んでいるところだった。ディオンも僕についていきたいと言っていたが、これではサプライズにならないと思い、「ちょっと仕事の用事で出かけなきゃいけないところがあるから」と嘘をついてしまった。ディオンは「そうか」と眉尻を下げて残念そうに俯く。僕はその様子に胸が痛んだが、心を鬼にしてそこから逃げるかのように外出をした。ディオン……ごめんね。そのかわり、絶対に素敵なホワイトデーにしてみせるから。僕は掌を握りしめ、街に並ぶお店を順番に見ていくことにした。
先月、バレンタインの日はディオンにチョコレートを作ろうとしたが、ボウルの中に入っていた溶かしたチョコレートをディオンに奪われてしまい、ディオンがそのチョコレートを自分の身体に塗りつけてしまった。裸のディオン、甘い香りが漂うチョコレート……その艶やかなディオンの魅力に完敗してしまい、僕たちは朝まで愛し合ってしまった。翌朝僕はバレンタインを過ぎてしまったことに文字通り頭を抱えてしまったが、ディオンは「なに。今日私と一緒に作ればよいではないか」と言って僕と一緒にキッチンに立って共にチョコレートのカップケーキを作った。僕はディオンに、ディオンは僕に作り、お互いにカップケーキを贈りあった。ディオンの作ったカップケーキは甘く、まるで昨日のディオンのようだ……と、つい食べながら思い出してしまった。思わず僕はディオンを見る。幸せそうにカップケーキを食べるディオンと目が合った。ディオンは微笑み、僕もまた目を細めた。好きな人と一緒に食べるチョコレートは格別に美味しかった。
2649時刻は休日の昼。僕は街を歩きながら、ホワイトデーにディオンに贈るものについて悩んでいるところだった。ディオンも僕についていきたいと言っていたが、これではサプライズにならないと思い、「ちょっと仕事の用事で出かけなきゃいけないところがあるから」と嘘をついてしまった。ディオンは「そうか」と眉尻を下げて残念そうに俯く。僕はその様子に胸が痛んだが、心を鬼にしてそこから逃げるかのように外出をした。ディオン……ごめんね。そのかわり、絶対に素敵なホワイトデーにしてみせるから。僕は掌を握りしめ、街に並ぶお店を順番に見ていくことにした。
先月、バレンタインの日はディオンにチョコレートを作ろうとしたが、ボウルの中に入っていた溶かしたチョコレートをディオンに奪われてしまい、ディオンがそのチョコレートを自分の身体に塗りつけてしまった。裸のディオン、甘い香りが漂うチョコレート……その艶やかなディオンの魅力に完敗してしまい、僕たちは朝まで愛し合ってしまった。翌朝僕はバレンタインを過ぎてしまったことに文字通り頭を抱えてしまったが、ディオンは「なに。今日私と一緒に作ればよいではないか」と言って僕と一緒にキッチンに立って共にチョコレートのカップケーキを作った。僕はディオンに、ディオンは僕に作り、お互いにカップケーキを贈りあった。ディオンの作ったカップケーキは甘く、まるで昨日のディオンのようだ……と、つい食べながら思い出してしまった。思わず僕はディオンを見る。幸せそうにカップケーキを食べるディオンと目が合った。ディオンは微笑み、僕もまた目を細めた。好きな人と一緒に食べるチョコレートは格別に美味しかった。
Sarururu
DONEED後生存ifのテラディオです。未来への進み方とは。※pixiv掲載中のシリーズから続いています。
夢の合鍵 あとで巻き込むからな。
隠れ家の主が放った言葉は、確かにきっかけではあった。驚く気配を見せた彼の隣で、そう思った。
思った、のだが。
──こんな展開になるとは。
デッキでの光景を眺めながら、テランスはここに至るまでの経緯を思い出した。
茶を喫していたのだった。
ラウンジの卓を共に占めたのは、初対面のダルメキアの青年。褐色の肌の持ち主は昇降機前で出会った当初こそ警戒した様子を見せたが、名乗ったテランスには何か思い当たるふしがあったようで、「ああ、あんたが」と頷いた。そしてすぐに「あんたってのはまずいか。なんて呼べばいいんだい? テランス卿、テランス様、テランス殿……」と唸り始めたので、テランスは少し笑ってしまった。
14406隠れ家の主が放った言葉は、確かにきっかけではあった。驚く気配を見せた彼の隣で、そう思った。
思った、のだが。
──こんな展開になるとは。
デッキでの光景を眺めながら、テランスはここに至るまでの経緯を思い出した。
茶を喫していたのだった。
ラウンジの卓を共に占めたのは、初対面のダルメキアの青年。褐色の肌の持ち主は昇降機前で出会った当初こそ警戒した様子を見せたが、名乗ったテランスには何か思い当たるふしがあったようで、「ああ、あんたが」と頷いた。そしてすぐに「あんたってのはまずいか。なんて呼べばいいんだい? テランス卿、テランス様、テランス殿……」と唸り始めたので、テランスは少し笑ってしまった。
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DONEテラディオの二人がコスタ・デル・ソルへバカンスに行く話です。謎時空な現パロです。FF7リバースをプレイしていたら二人にも行ってほしくて…。リバースのネタバレは無いと思いますが一応注意してください。あなたが一番綺麗 遠くからさぁ……と音が聞こえる。その音は私を落ち着かせ、身体が勝手に胎児のように丸くなろうとする。しかし足を丸めようとしたところで、ふと温かい何かに当たった。そこで私は意識が少しずつ覚醒していく。目をふっと開け、視界に映ったのは……。
「おはようディオン……目、覚めた?」
目を開いた先にいたのは私の最愛の夫、テランスだった。テランスが微笑みながら私の髪をそっと撫でる。私はその撫でられる気持ちよさにうっとりとして、テランスがしてくれている腕枕に唇を近づけ、キスをする。
「ああ……波の音で目が覚めてしまったようだ」
「綺麗な音だね、ディオン」
「ああ……」
そう、私たちは今コスタ・デル・ソルというリゾート地へ来ている。温かい……というよりカッと太陽が照り付ける暑い気温で、ここにいる人々は薄着や水着で街中を歩いたりしていた。街も活気があり、皆楽しそうに催し物に参加したり、また様々なお店が軒を連ねており、そのなかでショッピングを楽しむ者もいた。
2983「おはようディオン……目、覚めた?」
目を開いた先にいたのは私の最愛の夫、テランスだった。テランスが微笑みながら私の髪をそっと撫でる。私はその撫でられる気持ちよさにうっとりとして、テランスがしてくれている腕枕に唇を近づけ、キスをする。
「ああ……波の音で目が覚めてしまったようだ」
「綺麗な音だね、ディオン」
「ああ……」
そう、私たちは今コスタ・デル・ソルというリゾート地へ来ている。温かい……というよりカッと太陽が照り付ける暑い気温で、ここにいる人々は薄着や水着で街中を歩いたりしていた。街も活気があり、皆楽しそうに催し物に参加したり、また様々なお店が軒を連ねており、そのなかでショッピングを楽しむ者もいた。
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DONE今日は猫の日なので猫耳としっぽが生えてしまったディオンの短編です。安心してね「ディオン……どうしたの……それ……?」
「わ、わからぬ……! いつのまにか、こうなって……!」
僕たちは呆然と、お互いを見やった。まさか、こんなこと、あるはずがない。
しかし、現実に起こっている現象に、僕たちは唖然とするしかなかった。
そう、耳と、しっぽがあるのだ。猫の。ディオンの身体に。何故か。
「ち、ちょっと……触れても、良い……?」
僕は好奇心を抑えたまま、ディオンに安心させるように尋ねてみる。ディオンは「う、うむ……」と頷き、僕にそっと触れられるように身を預けてくれる。
「ちょっとごめんね。ディオン」
僕はまずディオンの頭部に生えた猫耳にそっと触れてみた。ふわふわとしていて触ると気持ちが良い。
2400「わ、わからぬ……! いつのまにか、こうなって……!」
僕たちは呆然と、お互いを見やった。まさか、こんなこと、あるはずがない。
しかし、現実に起こっている現象に、僕たちは唖然とするしかなかった。
そう、耳と、しっぽがあるのだ。猫の。ディオンの身体に。何故か。
「ち、ちょっと……触れても、良い……?」
僕は好奇心を抑えたまま、ディオンに安心させるように尋ねてみる。ディオンは「う、うむ……」と頷き、僕にそっと触れられるように身を預けてくれる。
「ちょっとごめんね。ディオン」
僕はまずディオンの頭部に生えた猫耳にそっと触れてみた。ふわふわとしていて触ると気持ちが良い。
mizutarou22
DONEテラディオで転生パロ、現パロです。冒頭にディオンが亡くなるシーンがありますので苦手な方は注意してください。何かありましたらこちらまで→https://wavebox.me/wave/3sm05q1byh901yfk/たくさんの星々よりも 落ちていく……。
真っ逆さまに落ちていく。下へ、下へと……。耳元で風が轟轟と音を立てて私の身体を過ぎ去っていく。きっとこの高さから落ちたら助からないだろう。
「……」
最期に思うのは私がこの手で殺してしまった父の事、そして……。
「テランス……、そなたを置いていってしまうことを、どうか許してほしい……」
後のことは残る二人……。オリジンにいるイフリートと、ジョシュアに任せる。どうかこの世界を、変えてほしい……。そして、テランスが、私がいなくなってもどうか、良い人生を今後も歩んでいけるように……。
「さようなら……、テランス……」
私は愛する人のことを想いながら、私の人生に、別れを告げた。
◆◇◆◇
「ディオン? ディオン?」
6105真っ逆さまに落ちていく。下へ、下へと……。耳元で風が轟轟と音を立てて私の身体を過ぎ去っていく。きっとこの高さから落ちたら助からないだろう。
「……」
最期に思うのは私がこの手で殺してしまった父の事、そして……。
「テランス……、そなたを置いていってしまうことを、どうか許してほしい……」
後のことは残る二人……。オリジンにいるイフリートと、ジョシュアに任せる。どうかこの世界を、変えてほしい……。そして、テランスが、私がいなくなってもどうか、良い人生を今後も歩んでいけるように……。
「さようなら……、テランス……」
私は愛する人のことを想いながら、私の人生に、別れを告げた。
◆◇◆◇
「ディオン? ディオン?」
mizutarou22
DONE今日という日が『不思議』という花言葉だったので。不思議をテーマにした短編です。不思議な人「不思議だ……」
「……? ディオン様、どうかなさいました?」
私は、まだ敬語を使うテランスの口元を指でそっと押さえる。
「テランス、私はもうザンブレクの皇子ではない。ただの流浪の旅人だ。お前も私の従者ではない。私と共に新しい世界を見ていく者だ」
「しかし、ディオン様……」
「慣れないのはわかっている。しかし、私たちはもう……、何物にも縛られなくなった、パートナー同士、だろう?」
そう、世界はオリジンの崩壊で新たな世界に生まれ変わった。先ほども焚火をつけるのにも時間がかかった。もう魔法もクリスタルも、何もない。全て自分たちでやらなくてはいけないのだ。
しかしそれが、どこか楽しく感じている私がいる。以前イフリートたちがいる隠れ家で世話になったときも、皆が新たな世界で奮闘していた。皆がそれぞれやるべきことを自分で見つけ、世界に混乱が起きないように努力をしていた。私もそれに倣い、隠れ家を出て、新たな世界となった今、私に出来ることがないか、テランスと共に旅をしようと決心したのだ。そして今、私は……こうして、恋人と一緒に焚火の揺らめく炎をみつめながら思考の海に沈んでいた。
1440「……? ディオン様、どうかなさいました?」
私は、まだ敬語を使うテランスの口元を指でそっと押さえる。
「テランス、私はもうザンブレクの皇子ではない。ただの流浪の旅人だ。お前も私の従者ではない。私と共に新しい世界を見ていく者だ」
「しかし、ディオン様……」
「慣れないのはわかっている。しかし、私たちはもう……、何物にも縛られなくなった、パートナー同士、だろう?」
そう、世界はオリジンの崩壊で新たな世界に生まれ変わった。先ほども焚火をつけるのにも時間がかかった。もう魔法もクリスタルも、何もない。全て自分たちでやらなくてはいけないのだ。
しかしそれが、どこか楽しく感じている私がいる。以前イフリートたちがいる隠れ家で世話になったときも、皆が新たな世界で奮闘していた。皆がそれぞれやるべきことを自分で見つけ、世界に混乱が起きないように努力をしていた。私もそれに倣い、隠れ家を出て、新たな世界となった今、私に出来ることがないか、テランスと共に旅をしようと決心したのだ。そして今、私は……こうして、恋人と一緒に焚火の揺らめく炎をみつめながら思考の海に沈んでいた。
mizutarou22
DONEほんっっっとうに久しぶりに小説を書きました。テラディオ恐ろしい子…!なので小説めっちゃ下手くそです。痴漢が登場するのでご注意ください。大学生パロディです。FFで男性同士のCPが登場したことが嬉しくて嬉しくて何か私に出来ることないかな~と思って作ったのがコレでした。ありがとうテラディオ…。雨と夕日 僕とディオンは幼馴染だ。小さい時から家が隣同士だったためよく一緒に遊んだり、通う学校も一緒だった。
だけど、ディオンは時々、小さなときから儚げな表情をすることがたまにあった。小学校時代の時はわからなかったが今ならわかる。ディオンの家庭は崩壊していたのだと。後から気づいた。テランスの家族を見てディオンは「テランスの家族は良い家族だな」としきりに言っていたのを思い出す。それが大学生となった今ではそのことを思い出すたび胸が苦しくなるのを感じた。
ディオンになにか、できないか。救ってやることはできないか。そんなことを思うたびに彼への想いが膨れ上がっていくのを感じていた。
だけど、ディオンは時々、小さなときから儚げな表情をすることがたまにあった。小学校時代の時はわからなかったが今ならわかる。ディオンの家庭は崩壊していたのだと。後から気づいた。テランスの家族を見てディオンは「テランスの家族は良い家族だな」としきりに言っていたのを思い出す。それが大学生となった今ではそのことを思い出すたび胸が苦しくなるのを感じた。
ディオンになにか、できないか。救ってやることはできないか。そんなことを思うたびに彼への想いが膨れ上がっていくのを感じていた。
お互いに大学生になっていた。気のおけない友人同士となったが、まだこの『好き』という気持ちをどう処理すればいいのかわからなかった。
mizutarou22
DONEもう小説書かないだろうな…と思ったらまた書いてしまいました。テラディオ恐るべし…。しかも男性妊娠パロです!ご注意ください!また作者は育児の経験がありません!すみません…。ジョシュクラも登場します。愛情と子供「ううむ……この場合どうすれば良いのだ?」
「大丈夫ですか……? ディオン」
ディオンとテランスは悪戦苦闘していた。ほぎゃあほぎゃあと泣く、ディオンの腕の中にいる、この小さな赤ん坊に。
「大丈夫ですか……? ディオン」
ディオンとテランスは悪戦苦闘していた。ほぎゃあほぎゃあと泣く、ディオンの腕の中にいる、この小さな赤ん坊に。
話は数日前にさかのぼる。同じアイドル仲間のジョシュアとその結婚相手、クライヴが育児による過労で二人とも倒れてしまったとの連絡が入った。ディオンとジョシュアは同じ歌手グループとしてデビューし、クライヴはジョシュアのマネージャー、テランスはディオンのマネージャーとして忙しい日々を過ごしていた。
そんなある日ジョシュアがクライヴと結婚し、満たされた人生を歩み、そんな日々が続き、そしてクライヴがジョシュアとの子供を産んだのだ。
mizutarou22
DONEテラディオ1W様のお題、「誓い」「長い夜」「これからの話」を小説にした短編です。これが私が書く初めての原作軸のお話です。ディオンが生きていた場合、テランスはどうするのだろうと思いながら書きました。未来への涙「ディオン!」
突如空に浮かび現れた謎の蒼く輝く『オリジン』という場。そしてそこへ飛び立つ見慣れた……、愛する竜の姿が遠くからでも見えた。見間違えるはずがない。もう小さなときから傍にいて、何度も見てきた。あれは、最愛の人ディオンの姿だ。
ディオンはオリジンから現れた敵と戦い、殲滅してからオリジンの中へと入っていった。
そしてしばらくして…………バハムートの姿ではないディオン自身が、オリジンから離れ下へ、下へと落ちていくのが見えた。落ちていくその先は――。
「ディオン!!」
自分の出した声が悲鳴の様だった。早く、早くディオンの落ちてしまった場所へ行かなくては!
長い……、長い夜だった。
1588突如空に浮かび現れた謎の蒼く輝く『オリジン』という場。そしてそこへ飛び立つ見慣れた……、愛する竜の姿が遠くからでも見えた。見間違えるはずがない。もう小さなときから傍にいて、何度も見てきた。あれは、最愛の人ディオンの姿だ。
ディオンはオリジンから現れた敵と戦い、殲滅してからオリジンの中へと入っていった。
そしてしばらくして…………バハムートの姿ではないディオン自身が、オリジンから離れ下へ、下へと落ちていくのが見えた。落ちていくその先は――。
「ディオン!!」
自分の出した声が悲鳴の様だった。早く、早くディオンの落ちてしまった場所へ行かなくては!
長い……、長い夜だった。
mizutarou22
DONE今日はテラディオの日ということで…ツイッター(X)にも投稿しました短編です。テディベアとオムライス「よし……出来たぞ」
私はフライパンに丸く円となったふわふわの卵を敷いた。その上にチキンライスをそっと乗せていく。あとはデミグラスソースをかければ今日の晩御飯、オムライスの完成だ。
出来たオムライスをお皿に入れ、サラダも盛り付ける。あともう一品、ミネストローネのスープを用意する。これで今日の夜ごはんの準備完成だ。
私はテランスの分と自分の分の食事をテーブルに慎重に運びながらそっと置いていく。テランスからはトークアプリで「今日は仕事が忙しいから先にごはん食べてて」と言われていたが、どうしても二人で一緒に食べたかった。だからもうそろそろテランスが帰りそうな時間に合わせて晩御飯の準備を始めたのだ。
1329私はフライパンに丸く円となったふわふわの卵を敷いた。その上にチキンライスをそっと乗せていく。あとはデミグラスソースをかければ今日の晩御飯、オムライスの完成だ。
出来たオムライスをお皿に入れ、サラダも盛り付ける。あともう一品、ミネストローネのスープを用意する。これで今日の夜ごはんの準備完成だ。
私はテランスの分と自分の分の食事をテーブルに慎重に運びながらそっと置いていく。テランスからはトークアプリで「今日は仕事が忙しいから先にごはん食べてて」と言われていたが、どうしても二人で一緒に食べたかった。だからもうそろそろテランスが帰りそうな時間に合わせて晩御飯の準備を始めたのだ。
mizutarou22
DONEテラディオで現パロ、大学生、ジョシュクラも少しいる。恋占いの話。感想等頂けると嬉しいです!→https://wavebox.me/wave/3sm05q1byh901yfk/恋占い「じゃあ、また明日ね。ディオン」
「うむ、テランスも。また明日」
僕はディオンにばいばい、と手を振った。ディオンも手を振り返してくれて、そしてディオンは家の玄関の扉を開けた。そこから「お兄ちゃん、おかえり~」と声が聞こえてきた。きっとディオンの弟のオリヴィエくんだろう。「帰ったぞ」とディオンが家の中に入るまで、僕はつい黙って見届けてしまう。
「はぁ……」
僕は今日もディオンにこの気持ちを伝えられないまま、学校を終えて帰ってきてしまった。僕も自分の家の扉を開けて、「ただいま」と声をかける。
「あら、おかえりテランス。ご飯もう出来てるけど、食べる?」
「うん。ちょっと待ってて」
僕は家の二階に上がり、自分の部屋へと向かう。そして自分の部屋の扉を開けて、学校に使う鞄を、自分の机のそばに置いた。
4061「うむ、テランスも。また明日」
僕はディオンにばいばい、と手を振った。ディオンも手を振り返してくれて、そしてディオンは家の玄関の扉を開けた。そこから「お兄ちゃん、おかえり~」と声が聞こえてきた。きっとディオンの弟のオリヴィエくんだろう。「帰ったぞ」とディオンが家の中に入るまで、僕はつい黙って見届けてしまう。
「はぁ……」
僕は今日もディオンにこの気持ちを伝えられないまま、学校を終えて帰ってきてしまった。僕も自分の家の扉を開けて、「ただいま」と声をかける。
「あら、おかえりテランス。ご飯もう出来てるけど、食べる?」
「うん。ちょっと待ってて」
僕は家の二階に上がり、自分の部屋へと向かう。そして自分の部屋の扉を開けて、学校に使う鞄を、自分の机のそばに置いた。
mizutarou22
DONEなんちゃって明治、大正、昭和初期パロのテラディオです。ごちゃまぜの昔の日本が舞台です。間違ってるところばかりだと思うので雰囲気で読んでください。テランスとディオンはフランス人という設定です。感想等頂けると嬉しいです!→https://wavebox.me/wave/3sm05q1byh901yfk/異国の地にて「デカンショ デカンショで 半年暮らす アヨイヨイ」
入学式を終えた今日、寮で就寝していたとき、ガタガタと遠くから突如耳につんざく太鼓を叩く音や歌が聞こえてくる。私は何が起きたのかわからず、起き上がり、同じ部屋に寝ているテランスに慌てて近づいた。テランスもがばりと起き、「ディオン様!」と私を守るように盾になった。同時に同じ部屋で寝ていた生徒が起き、叫びだした。
「ストームだ!」
「これが先輩たちが言っていたあの……!?」
ストーム? なんだそれは? 私とテランスはわけがわからず呆然としていると、部屋の扉がバタンッ、と大きな音を立てて開け放たれた。
「新入生だな!?」
「この学校に入学した抱負を訊かせてもらおうか!」
3885入学式を終えた今日、寮で就寝していたとき、ガタガタと遠くから突如耳につんざく太鼓を叩く音や歌が聞こえてくる。私は何が起きたのかわからず、起き上がり、同じ部屋に寝ているテランスに慌てて近づいた。テランスもがばりと起き、「ディオン様!」と私を守るように盾になった。同時に同じ部屋で寝ていた生徒が起き、叫びだした。
「ストームだ!」
「これが先輩たちが言っていたあの……!?」
ストーム? なんだそれは? 私とテランスはわけがわからず呆然としていると、部屋の扉がバタンッ、と大きな音を立てて開け放たれた。
「新入生だな!?」
「この学校に入学した抱負を訊かせてもらおうか!」
ヤマダハジメ。
DONE毎日テラディオ。本日のお品書き DTを○すセーターの前が見たいとのリクエストだったので描いて見たら、ディ様脚がほら逞しいから…めちゃ上がっちゃって…見えちゃ…🫣(いつものナイトがいます)
これも3いいねで推しに赤面させるを兼ねてのアップ!いいねRPありがとうございました😊
18↑?(yes_no)+2人の年齢
ayatoro2go_2sei
DONE2RTで女装。のお題ですが「春麗」のリクエストいただいたのでコスプレです。(テデなので話題の「殺し屋のはは」を連れてきました😅)※何でも許せる心の広い方向けです!!
malsumi_1416
DONE初書きテラ+ディオクリスマスからの大遅刻
習作 現パロ 二人とも5歳くらいの設定
テの家族構成や口調呼び名等捏造有
続いたらきっとテデになるはず
降誕祭の魔法使い(ノエルくらい、一緒にいられるとおもったんだけど)
「…とうさま…」
窓の外にちらちら舞う雪を見ながら、窓の縁に組んだ腕をのせて涙目のディオンは独りごちた。
3週間前に過ぎたサン・ニコラの日に願った贈り物は、今年も果たされることがないようで悲しくなってくる。
この国でルサージュといえば誰もが知っているような大企業ではあったし、その社を統べる社長その人が自分の唯一の肉親であるのも事実だ。
それ自体はとても誇らしいことなのだけれど、生憎この父親はなかなか家に寄り付かず、たまさか帰って来たところで一言二言言葉を交わせたらいい方だ。
それでいて、仕事上の体面は大切なのか客の訪問があった際には着飾ったディオンを伴って、事も無げに自慢の息子だ、と宣うのだ。
5852「…とうさま…」
窓の外にちらちら舞う雪を見ながら、窓の縁に組んだ腕をのせて涙目のディオンは独りごちた。
3週間前に過ぎたサン・ニコラの日に願った贈り物は、今年も果たされることがないようで悲しくなってくる。
この国でルサージュといえば誰もが知っているような大企業ではあったし、その社を統べる社長その人が自分の唯一の肉親であるのも事実だ。
それ自体はとても誇らしいことなのだけれど、生憎この父親はなかなか家に寄り付かず、たまさか帰って来たところで一言二言言葉を交わせたらいい方だ。
それでいて、仕事上の体面は大切なのか客の訪問があった際には着飾ったディオンを伴って、事も無げに自慢の息子だ、と宣うのだ。