銀高ss「帰った」
「……おかえり」
朝起きて、一人ぼーっとテレビを見ていたら玄関チャイムが響いた。朝っぱらから誰だよと悪態を付いてガラリと扉を引けば、なんと高杉の姿が。
「あれ、もういいの?」
「ああ」
「け、結局なんだったの?大丈夫なの?」
「ああ」
洗っといてと何日分かの洗濯物が入っているであろう風呂敷を押し付け、高杉は入院なんてなかったかの様にするりと俺の横を抜けて、さっさと居間に入って行った。
「ええ……」
先日から何一つ状況が分からない俺を放置して、高杉ソファーにごろりと横になると穏やかに胸を上下させ始める。
いや、家出してた猫か。
色々と聞きたい事はたくさんあるのに、眠る顔は今までにないくらい穏やかで。一先ず帰って来れたわけだからと、暫くその寝顔を見守った。
2012