Recent Search

    わたがし大動脈ラメラメ

    @mgd_htrgt

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 43

    わたがし大動脈ラメラメ

    DONEフォロワーさんの発想から書きました
    現パロのガミイルです
    出会いは始発電車にて 夜勤明けの朝、朝日が妙に眩しく感じられて、ガミジンは普段よりも眉間のシワを深くした。現在時刻は午前6時を少し過ぎた頃。既に会社員や学生が詰まった電車がホームに滑り込んできて、車体の腹から陰気な顔の人波が吐き出される。一日の始まりだというのに、誰も彼もが疲れきった顔をしていて、妙に暗い気持ちにさせられる。
    ガミジンは朝の電車が嫌いだった。狭い車内にすし詰めにされるのが特にダメだ。他人の気配がそこら中にあるのが良くない、落ち着かないし様々な香水やら柔軟剤やら体臭やらの匂いが交ざって最悪だ。そんなに色々漂わせなくたっていいだろう。吐き気をこらえながら、ガミジンは車両の端へと移動する。
    ゆっくりと電車がホームから滑り出し、二駅ほど通過した頃、ガミジンは少し隣の女の咳き込む声が妙に気になった。社内に響くほどの大きな咳ではないのだが、そばにいればしっかりと聞こえてしまう程度の音量だ。そちらを見ると、肩口あたりまで髪を伸ばしている女が俯きながら咳き込んでいた。女は丈の長いスカートと薄手のカーディガンを羽織っていて、地味で落ち着いた装いをしていた。髪の毛で顔は見えないが、やたらと苦しそうだった。しかも、よく聞けば啜り泣くような嗚咽も交ざっている。
    8755