昔も今もこれからも。もう少し、あと少しと思いながらも楽しい時間は無情にもあっという間に過ぎ去って行く。
明日は講義が早い時間から入っているし準備も必要なので遅くならないうちに帰宅した方がいいという事は誰よりも自分がわかっているのに不満が出てきてしまう。
過去に比べたらヘクターの部屋に泊まりだなんて断固拒否されていたので今が恵まれすぎているのに慣れてしまったのかもしれないとジェラールの内心は今日の朝からずっとモヤモヤしっぱなしだ。
玄関で自分の靴を履き、いつものバッグを肩にかけてジェラールの帰宅の途につく準備は万端となった。
...心の中はもう少しだけでも一緒にいたいというわがままが渦巻いているがヘクターだって明日は平日で仕事だろう、無理を言う訳にはいかない。
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