コマンドワァンワァンワァン──
「お!」
「あれはプライド様が気にしていた犬だな」
アランと外を歩いていると向こうから大きくフサフサの犬が笑顔で尻尾を振って自分達、いや、アランに吠えている。
「ああ、前にプライド様が言っていた犬だ。飼い主に聞いたら撫でていいって、で、懐かれた」
「なぜそういう行動は早いんだ、お前は」
カラムの言葉も無視しアランはズカズカと家の敷地に入り柵越しに手を出して撫でる。本当に人懐っこいのだろう、ハァハァハァと息を吐いて尻尾をブンブン振りアランの手に身体を擦り付けている。
「コイツ芸達者で利口なんだよ。ほらお手!」
アランが手を出せば片前足を乗せ、次にもう片方も出す。
「おかわりと言う前に出しているな」
2372