朗報 明るく「アンニョン」と言いながら入ってきたジェヒョクは、ヒョンスと目が合うと優しげに笑んだ。
物腰や声は落ち着いているので、そこまで陽気な印象ではないのだが、生命力や諸々のパワーが強い人である。長年すれ違ったお互いの好意と信頼感を確認し合った今では、ことさらに眩しい。
「やっと退院か」
「ええ」
肺や気管の炎症が回復するまで少し時間がかかったが、幸い目立った後遺症は無く、退院日が決まった。
病室に溢れていた花もほとんど枯れてしまって、退院が決まったので、きれいに片付けた。
あれからジェヒョクとは、主にテキストメッセージでやりとりしていた。退院を知らせるとすぐに通話を求められ、誰より早く祝福された。
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