ザ・ミステイクショー「愛弟子、いってらっしゃい」
カムラの集会所、出立口の前。今から狩猟に行く人間に対し、ウツシははつらつと……そして何処か甘さを含んだように声を掛けた。準備をしていた少女はそれに一つ頷くと、ウツシはそっと彼女を抱きしめた。まるで恋人同士のようなやり取りである。だが、抱きしめた本人は気にせずに、準備を終えた少女の背中をそっと押して出発したのを見送った後、自身も仕事に戻るべく納涼床から跳躍し姿を消すのだった。
「ねえ、アヤメさん」
「なんだい」
そんなやり取りを見ていたアヤメは、声をかけられた方に首を動かす。そこには最近カムラの里にやって来た、女性ハンターの姿が。彼女は自分の爪紅を見つつ、先ほどまでウツシがいた方に視線を向ける。
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