恋の遺書 拝啓、愛する貴方へ。
これを読む機会はないと信じておりますが、それでも気持ちの整理として書かねばならないのだろうと思い、筆を執っています。
思えばいつでも世話を焼き、私が辛い時もずっとそばにいてくれましたね。時々、料理を失敗しても笑って作り直したり、誰かを守るために必死に狩猟技術を考案したりと、常に背中を追っていたような気がします。
だからこそ、初恋は貴方でした。
けれど、同時に叶わぬ恋だと思っていました。
何分年齢に差があり、私が恋心を抱いても、貴方は幼い時の気の迷いだと伝えてくれると思ってしまったのです。初恋は叶わないというのは、恐らくこういう事を指すのだと、幼いながらにも感じてしまったものです。
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