自分を大事に 「イーオン、ごめんね。せっかくの非番の日なのに手伝ってもらったりして」
「自分が好きでやってることだ、ティファリアが謝る必要はない」
「イーオン…」
イーオンの真っ直ぐな優しさに頷くとイーオンが作ったばかりの日替わりランチプレートをトレイに乗せホールへとティファリアは向かっていった。
「お待たせしました!注文の日替わりランチプレート、こちらがAセット。そしてそちらのお客様にはBセットでございます」
テーブルの上へと配膳されたプレートを見て、女性二人の客は顔を喜びの色に染める。美味しそう、写真撮ってもいいですか?の言葉に満面の笑みを浮かべティファリアは頷いた。
「ごゆっくり、お過ごしください」
そしてキッチンの方へと戻ろうとしたティファリアだったがカランと金属音がしたことにより条件反射のように振り向き、落ちた食器を拾い落とした客に謝った。相手は二人の男性客でありいつも決まってこの時間に来ては忙しい時間であることを理解してティファリアに構ってもらいにくる、迷惑な客であった。そしてそれをキッチンの方から見ていたイーオンはわなわなと肩を震わせた。
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