クロロ
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MAIKINGクロロレ。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート。
有情たちの夜.19「その後・中」 七年近く失踪していた代償は大きかった。無事、パルミラの大王である父への目通りが叶い、王宮での身分は復活したが、昔と同じく心の置き場がない。血筋の良いシャハドが大して軍功を積んでいなかったことだけが救いだが、先方もそう考えていることだろう。野垂れ死していなかったのは残念だが、華々しい戦果を上げていないのなら許容範囲のはずだ。
均衡を崩したくて大勝負に出たのに王宮内での状況は全く変わっていない。生還を喜ぶ母にせがまれてパルミラと違って熾烈な変化を遂げたフォドラの話をしたが、どうしても祖父、そしてジュディッドの死が影を落とす。不死隊をも打ち破ったエーデルガルトとベレスにどうすれば勝てたのか。苦い記憶は日々、心を蝕むが、それでも───みっともなくベレスとエーデルガルトの慈悲に縋らなかったら母をどれほど悲しませていただろうか。
3316均衡を崩したくて大勝負に出たのに王宮内での状況は全く変わっていない。生還を喜ぶ母にせがまれてパルミラと違って熾烈な変化を遂げたフォドラの話をしたが、どうしても祖父、そしてジュディッドの死が影を落とす。不死隊をも打ち破ったエーデルガルトとベレスにどうすれば勝てたのか。苦い記憶は日々、心を蝕むが、それでも───みっともなくベレスとエーデルガルトの慈悲に縋らなかったら母をどれほど悲しませていただろうか。
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有情たちの夜.18「その後・上」 ローレンツを解放した翌日、ヒューベルトは帝国が接収したデアドラ港で遠眼鏡を手にしていた。クロードがちょっかいを出している沖合の島は遠眼鏡を使えばかろうじて目視が出来る。
「ヒューベルト、私にも貸してくれないか?」
好奇心旺盛なフェルディナントが差し出した手に遠眼鏡を渡した。ヒューベルトの主君エーデルガルトが中央教会に宣戦布告するまで、レンズを縦に二枚並べることは禁忌だった。心底くだらない規制だったと思う。
「艀(はしけ)も使うのでしょうがこれは……」
デアドラ港を管理しているのは帝国本土から派遣された官吏たちだ。彼らは帝国の双璧が語り合う様子を緊張した面持ちで見つめている。一人歩きする噂をヒューベルトたちは放置していた。怖がられている方が便利な時もある。
3335「ヒューベルト、私にも貸してくれないか?」
好奇心旺盛なフェルディナントが差し出した手に遠眼鏡を渡した。ヒューベルトの主君エーデルガルトが中央教会に宣戦布告するまで、レンズを縦に二枚並べることは禁忌だった。心底くだらない規制だったと思う。
「艀(はしけ)も使うのでしょうがこれは……」
デアドラ港を管理しているのは帝国本土から派遣された官吏たちだ。彼らは帝国の双璧が語り合う様子を緊張した面持ちで見つめている。一人歩きする噂をヒューベルトたちは放置していた。怖がられている方が便利な時もある。
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有情たちの夜.17「枠の外へ5_5」 残念ながらローレンツはテフが嫌いなのだ───いつだったか定かではないが、寝物語にフェルディナントが語ってくれたことがある。戯れに、褥を共にしているのに他の男の話など、とヒューベルトが返したらフェルディナントはなんともいえない顔をしていた。
親友であるフェルディナントにテフを振る舞われた時もこんな風に笑みを浮かべていたのだろう。態度は友好的に、だが口にする意見は明確でなくてはならない。ゆっくりと口角をあげ、ローレンツはヒューベルトに微笑んでみせた。見るものによっては妖艶、とすら感じるかもしれない。彼は確実に名家の嫡子として教育を受けて育っている。
「奴と僕は断じて、友人などではない」
紋章石絡みの話題が出た時と違い、声が上擦るようなことはなかった。だが、その芝居が続く限りは旧同盟領の安全が保たれる。ローレンツは何重にもクロードに守られていて───フェルディナントの言うとおり、その奥にはきっとクロードの感情が秘められているのだ。
1711親友であるフェルディナントにテフを振る舞われた時もこんな風に笑みを浮かべていたのだろう。態度は友好的に、だが口にする意見は明確でなくてはならない。ゆっくりと口角をあげ、ローレンツはヒューベルトに微笑んでみせた。見るものによっては妖艶、とすら感じるかもしれない。彼は確実に名家の嫡子として教育を受けて育っている。
「奴と僕は断じて、友人などではない」
紋章石絡みの話題が出た時と違い、声が上擦るようなことはなかった。だが、その芝居が続く限りは旧同盟領の安全が保たれる。ローレンツは何重にもクロードに守られていて───フェルディナントの言うとおり、その奥にはきっとクロードの感情が秘められているのだ。
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有情たちの夜.16「枠の外へ4_5」 タルティーンの野で敵がかつての再現を狙う様にヒューベルトは失笑してしまった。教会はネメシスを破り、王国は帝国軍を破っている。そんな夢に縋るくらい追い詰められた時点で負けなのだ。
「復興は道半ばですな。王が冷静であればああなっていないでしょう」
紫の瞳がヒューベルトをじっと見つめている。病的なまでに冷静だったクロードとディミトリを比べているのだろうか。ディミトリはタルティーンに出てくる必要などなかった。進軍するふり、だけに留めておけば王都フェルディアを守れただろう。
「僕は魔道学院にいたことがある。情勢が悪化して入学早々、帰国せざるを得なかったが」
「ローレンツには焼け落ちる前のフェルディアの記憶があるのだな。我々と違って」
1704「復興は道半ばですな。王が冷静であればああなっていないでしょう」
紫の瞳がヒューベルトをじっと見つめている。病的なまでに冷静だったクロードとディミトリを比べているのだろうか。ディミトリはタルティーンに出てくる必要などなかった。進軍するふり、だけに留めておけば王都フェルディアを守れただろう。
「僕は魔道学院にいたことがある。情勢が悪化して入学早々、帰国せざるを得なかったが」
「ローレンツには焼け落ちる前のフェルディアの記憶があるのだな。我々と違って」
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有情たちの夜.15「枠の外へ3_5」 クロードの腹立たしい点はいくつもある。まず、ヒューベルトたちと考えが重なる点があったことが腹立たしい。英雄の遺産に頼らずやってのけようとしたこと、全力を尽くさなかったこと、そのどちらも神経に触る。
「クロードは人の手だけで何とかしようとしたのだ……。知識は間違っていることがあるし、信頼も儚い。未来は観察できないからな」
親友の淹れた紅茶を口にして気が緩んだのか、ローレンツはそう呟いた。領主は即決する力と判断を保留する力、矛盾する二つの力をどちらも求められる。
「ローレンツ、これは私見でしかない。だが私が思うに……最後に残るのは感情や想像力なのだ」
当事者である自分なしに全てが決まっていくことへの憤り、そして悲しみがヒューベルトの主君エーデルガルトの原動力だ。ローレンツは彼自身が傷つかぬよう、得するようにクロードからお膳立てされたがそれでもひどく馬鹿にされた気分だろう。
1727「クロードは人の手だけで何とかしようとしたのだ……。知識は間違っていることがあるし、信頼も儚い。未来は観察できないからな」
親友の淹れた紅茶を口にして気が緩んだのか、ローレンツはそう呟いた。領主は即決する力と判断を保留する力、矛盾する二つの力をどちらも求められる。
「ローレンツ、これは私見でしかない。だが私が思うに……最後に残るのは感情や想像力なのだ」
当事者である自分なしに全てが決まっていくことへの憤り、そして悲しみがヒューベルトの主君エーデルガルトの原動力だ。ローレンツは彼自身が傷つかぬよう、得するようにクロードからお膳立てされたがそれでもひどく馬鹿にされた気分だろう。
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MAIKINGクロロレ。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜.14「枠の外へ2_5」 資格のないものが英雄の遺産に触れると何が起きるのか、ヒューベルトもフェルディナントも目撃している。そしてレアは破裂の槍を手中に収めようとしていた。今思えばベレスはあの時から中央教会に対して不信感を覚えていたのかもしれない。シルヴァンに直接、破裂の槍を返却していた。タルティーンではそのせいでヒューベルトたちは苦労することになる。
だからこそ自分もフェルディナントもローレンツの言うことが俄かには信じがたかった。英雄の遺産は禍々しい面もあるが使用者の力を千人力にする。悪用を恐れて弱体化させておくなど考えられない。
「クロードは英雄の遺産に興味を持っていたが、機序が理解出来ないものを切り札にするつもりはなかったのだ」
1714だからこそ自分もフェルディナントもローレンツの言うことが俄かには信じがたかった。英雄の遺産は禍々しい面もあるが使用者の力を千人力にする。悪用を恐れて弱体化させておくなど考えられない。
「クロードは英雄の遺産に興味を持っていたが、機序が理解出来ないものを切り札にするつもりはなかったのだ」
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有情たちの夜13.「枠の外へ1_5」 せっかく手に入れたデアドラを闇に蠢くものたちに荒らされたくなかったヒューベルトは後事を軍務卿であるベルグリーズ伯に託した。自領を長男に任せられるとは言え、それでも多忙な彼は親帝国派の諸侯の領地には殆ど立ち入っていない。故に領主が親帝国派であった場合、その土地の平民の暮らしは戦前と全く変わらなかった。そのことを親帝国派の領主たちは誇っても構わない、とヒューベルトは思う。
ベルグリーズ伯は元よりアミッド大河を挟んで、領地が隣り合うグロスタール家とは長年の消極的な交流があった。そんな蓄積のある彼から見たグロスタール伯エルヴィンは信頼に足るようで、リーガン領はほぼ全域がグロスタール家預かりになりつつある。戦わずして豊かな地域を手に入れたグロスタール家、戦時中に掴んだ商機と利権をいまだに手放さないエドマンド家は妬まれていた。
1706ベルグリーズ伯は元よりアミッド大河を挟んで、領地が隣り合うグロスタール家とは長年の消極的な交流があった。そんな蓄積のある彼から見たグロスタール伯エルヴィンは信頼に足るようで、リーガン領はほぼ全域がグロスタール家預かりになりつつある。戦わずして豊かな地域を手に入れたグロスタール家、戦時中に掴んだ商機と利権をいまだに手放さないエドマンド家は妬まれていた。
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜.11「幕間2_3」 フェルディナントとローレンツはガルグ=マクで出会ってすぐに意気投合した。理想の貴族の在り方を語り合った日々は未だに愛おしい。共に何かを成し遂げよう、と言われた時のこともよく覚えている。父親が失脚しても主君を恨むことはなく、彼の帝国への忠誠心は揺らがなかった。フェルディナントの理想として特に不自然なところはない。
不本意ではあったが帝国出身の学生たちが修道院を去ったあと、ローレンツはクロードと共に彼の部屋を漁った。計画的とは思えなかったが、それでも何か手掛かりがあるかもしれない。フェルディナントの部屋は彼らしく整理整頓されていたが、あくまでも日常の延長、という印象を受けた。あの時、彼がエーデルガルトについていったのは咄嗟の判断だったのだろう。クロードと二人でそう、結論を出した。
3353不本意ではあったが帝国出身の学生たちが修道院を去ったあと、ローレンツはクロードと共に彼の部屋を漁った。計画的とは思えなかったが、それでも何か手掛かりがあるかもしれない。フェルディナントの部屋は彼らしく整理整頓されていたが、あくまでも日常の延長、という印象を受けた。あの時、彼がエーデルガルトについていったのは咄嗟の判断だったのだろう。クロードと二人でそう、結論を出した。
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意ください。紅花ルート有情たちの夜.10「幕間1_3」 ヒューベルトはデアドラの軍港近くにある館へと足を運んだ。デアドラの街中にあるリーガン邸も接収したが、クロードによってどんな罠が仕掛けられているか分からない建物を本部として使うわけにいかない。それに移動距離の短さがありがたかった。
すぐ拠点としているガルグ=マクへ戻り、今度は王国へ北上する手筈となっている。だが同盟軍の武装解除とクロードの尋問に続けてベルグリーズ伯への引き継ぎも終えたため、ヒューベルトは体力の限界を迎えつつあった。主への報告を終えたら、出発までの数刻で構わないから身体を横たえて瞼を閉じたい。そう考えていたのだが黒鷲遊撃軍の将たちはリンハルトとベレスを除いてとにかく声が大きかった。
3331すぐ拠点としているガルグ=マクへ戻り、今度は王国へ北上する手筈となっている。だが同盟軍の武装解除とクロードの尋問に続けてベルグリーズ伯への引き継ぎも終えたため、ヒューベルトは体力の限界を迎えつつあった。主への報告を終えたら、出発までの数刻で構わないから身体を横たえて瞼を閉じたい。そう考えていたのだが黒鷲遊撃軍の将たちはリンハルトとベレスを除いてとにかく声が大きかった。
Moonyman
TRAINING冬のクロクラ❄⛄️クロロがクラピカにベタ惚れですのでシリアスが好きな方は注意⚠️クラピカも無邪気で兄弟愛のほうが近いかも…。現パロでも和解後でもどちらでも解釈できます。性別も指定していません。私が小説を書くと前置きが長くなってしまう…。ホントは夕食の辺りを書きたかっただけなのに。。ちなみに一度手違いで消えてしまったので書き直してます。。クロクラなので頑張れた^^支部に修正版載せてます
泡雪の君 確かにそこにいるのに目を離した隙に消えてしまいそうな君。今降るこの雪と何ら変わらない。雪は春になると跡形もなく溶けていってしまう。君も俺が見ない隙に溶けて消えてしまうような、儚くて、朧げな雰囲気の中、そこに佇んでいる。ただ、真っ直ぐに。
ここの町は雪が降る地域だ。私ももう何年もここに住んでいるからここの地形や気候が分かってきた。なぜこんな所に住んでるのかなんて、この男に聞けばわかるのだろうが忘れてしまった。私にはもうそんなことは記憶に残すような事ではないからだ。
今年は記録に残るほどの大雪で見たこともないくらい積もっていた。私はしんしんと降るような粉雪が好きなのだが、目の前の光景は全然違うようだ。昔住んでいた地域ではあまり雪は降らなかったため、この光景は絶景だ。私は目を光らせ、外に出ようと足を動かした。ニットだけでは寒いか、ならカーディガンを羽織ろう。クローゼットに手袋もあったな。それも持って行くか!
2655ここの町は雪が降る地域だ。私ももう何年もここに住んでいるからここの地形や気候が分かってきた。なぜこんな所に住んでるのかなんて、この男に聞けばわかるのだろうが忘れてしまった。私にはもうそんなことは記憶に残すような事ではないからだ。
今年は記録に残るほどの大雪で見たこともないくらい積もっていた。私はしんしんと降るような粉雪が好きなのだが、目の前の光景は全然違うようだ。昔住んでいた地域ではあまり雪は降らなかったため、この光景は絶景だ。私は目を光らせ、外に出ようと足を動かした。ニットだけでは寒いか、ならカーディガンを羽織ろう。クローゼットに手袋もあったな。それも持って行くか!
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜.9「枠の中7_7」 聖墓での誓いなど反故にしてやりたい。この距離で椅子に括り付けられたクロードにダークスパイクを直撃させてやったらどれだけ気分がいいだろうか。だがこれまでに嵩んだ戦費の件が絡んでいる。主君であるエーデルガルトがベレスの提案を受け入れたのはそういうことだ。ほぼ無傷の同盟領はともかく荒廃した王国を併合すれば復興費用がかかる。それをパルミラとの貿易で賄う算段がついて安堵できたことは否定できない。
ベレスが黒鷲遊撃軍に合流して以来───あと一押し何かあれば、一気に戦局を傾けられるのに───という主君エーデルガルトの口癖はすっかり鳴りを潜めていた。正直言ってヒューベルトにはベレスが何を考えいるのかさっぱり分からない。分からないがそれで構わないとも思っている。ヒューベルトにとってそんな存在は彼女しかいなかった。
1707ベレスが黒鷲遊撃軍に合流して以来───あと一押し何かあれば、一気に戦局を傾けられるのに───という主君エーデルガルトの口癖はすっかり鳴りを潜めていた。正直言ってヒューベルトにはベレスが何を考えいるのかさっぱり分からない。分からないがそれで構わないとも思っている。ヒューベルトにとってそんな存在は彼女しかいなかった。
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意ください。紅花ルート有情たちの夜.8「枠の中6_7」 ヒューベルトは主君であるエーデルガルトの身の安全が脅かされること以外怖いものはない。中央教会も闇に蠢くものたちも強大な敵だが対処できる。いや、対処できるように手を打ってきた。
頭は心にそのように感じよという命令を出すが、心は理屈通りにいかない。無理やりねじ伏せた心は次第に何も感じなくなっていったが、近頃はその心に肉迫する者たちがいる。
工作のため主君に付き従って入学した士官学校時代の知己たちは皆、個性的で誰一人として重なるところがない。名前と姿を奪われたアランデル公やモニカのことを思えば、良くないことだとわかっていてもこの五年間ですっかり級友たちに情が湧いてしまった。一度緩んだ蓋はすぐ開いてしまう。だが、諦めにも似た予測を、予測より遥かに上をいくことで驚かされるのは嬉しいのだ。尋問の前にわざわざ時間を作ってヒューベルトを訪ねてくれたフェルディナントの言葉が脳裏に浮かぶ。彼の言う通りクロードのような人間を打ち解けさせる鍵は素直さや誠実さかもしれない。
1670頭は心にそのように感じよという命令を出すが、心は理屈通りにいかない。無理やりねじ伏せた心は次第に何も感じなくなっていったが、近頃はその心に肉迫する者たちがいる。
工作のため主君に付き従って入学した士官学校時代の知己たちは皆、個性的で誰一人として重なるところがない。名前と姿を奪われたアランデル公やモニカのことを思えば、良くないことだとわかっていてもこの五年間ですっかり級友たちに情が湧いてしまった。一度緩んだ蓋はすぐ開いてしまう。だが、諦めにも似た予測を、予測より遥かに上をいくことで驚かされるのは嬉しいのだ。尋問の前にわざわざ時間を作ってヒューベルトを訪ねてくれたフェルディナントの言葉が脳裏に浮かぶ。彼の言う通りクロードのような人間を打ち解けさせる鍵は素直さや誠実さかもしれない。
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜.7「枠の中5_7」 クロードはセイロス教の影響を受けずに育っているので時に思いもよらないようなことを言う。
「再現性ですか」
「俺やヒューベルトだってやろうと思えば人間が魔獣に変化する条件を整えられるんじゃないのか?」
それには紋章石が必須で白きものの血液もあるに越したことはない。だから彼らはフレンを拐かしたのだ。レアの要請がなければセテスとフレンはガルグ=マクにやって来なかったのだから、彼らだけに責を負わせるのは間違っている。それでもヒューベルトはどうして人里離れた土地で安全を確保してくれなかったのか、と思ってしまう。
「それともあれはトマシュさんの顔を奪ったような連中にしか出来ないのか?」
ヒューベルトの答えを待たずに話し続けたクロードは暗に取り上げられたフェイルノートとフライクーゲルのことを言っている。紋章を持たない者に英雄の遺産を握らせれば魔獣になるだろう。だがヒューベルトの脳裏に浮かんだのは闇に蠢くものたちの拠点のことだった。奪ったら即座に破壊せよ、と主君であるエーデルガルトから命じられている。だが───
1716「再現性ですか」
「俺やヒューベルトだってやろうと思えば人間が魔獣に変化する条件を整えられるんじゃないのか?」
それには紋章石が必須で白きものの血液もあるに越したことはない。だから彼らはフレンを拐かしたのだ。レアの要請がなければセテスとフレンはガルグ=マクにやって来なかったのだから、彼らだけに責を負わせるのは間違っている。それでもヒューベルトはどうして人里離れた土地で安全を確保してくれなかったのか、と思ってしまう。
「それともあれはトマシュさんの顔を奪ったような連中にしか出来ないのか?」
ヒューベルトの答えを待たずに話し続けたクロードは暗に取り上げられたフェイルノートとフライクーゲルのことを言っている。紋章を持たない者に英雄の遺産を握らせれば魔獣になるだろう。だがヒューベルトの脳裏に浮かんだのは闇に蠢くものたちの拠点のことだった。奪ったら即座に破壊せよ、と主君であるエーデルガルトから命じられている。だが───
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜.6「枠の中4_7」 クロードは一気に杯を空けるようなことはせず、一口ずつ味わって飲んだ。喉を潤せた礼のつもりか両手首をヒューベルトに差し出している。
「結構です」
どうせ尋問が終わったら解放するのだ。親指に鎖を巻き直すより聞き取りを再開したい。ロナート卿の事件の後、ベレスが天帝の剣を手にした。あれこそが淀んだ空気が入れ替わる予兆だったのかもしれない。ガルグ=マクに潜入していた自分に何の断りもなく手を突っ込んできた者たちが失敗したのは愉快だった。
「水の礼をしたいが今は手持ちがなくてね」
「憶測で構いません」
クロードが帝国の者に直接語りかける機会は当分訪れない。ヒューベルトに回答を用意する義務はないが、彼が英雄の遺産についてどんなことを考えているのかは知りたかった。それに統一後はパルミラとも国交を樹立することになる。クロードの考えを把握しておくのは必要なことだ。
1704「結構です」
どうせ尋問が終わったら解放するのだ。親指に鎖を巻き直すより聞き取りを再開したい。ロナート卿の事件の後、ベレスが天帝の剣を手にした。あれこそが淀んだ空気が入れ替わる予兆だったのかもしれない。ガルグ=マクに潜入していた自分に何の断りもなく手を突っ込んできた者たちが失敗したのは愉快だった。
「水の礼をしたいが今は手持ちがなくてね」
「憶測で構いません」
クロードが帝国の者に直接語りかける機会は当分訪れない。ヒューベルトに回答を用意する義務はないが、彼が英雄の遺産についてどんなことを考えているのかは知りたかった。それに統一後はパルミラとも国交を樹立することになる。クロードの考えを把握しておくのは必要なことだ。
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜.5「枠の中3_7」 同盟と帝国が手を取る未来もあったのかもしれない。アミッド大河とデアドラを血に染めておきながらそんな妄想をした、とフェルディナントに知られたら彼はどんな顔をするだろうか。
エーギル公失脚後、彼は五年間辛酸を舐めたが真っ直ぐなままだ。折れた骨は強くなるのだ、と言って朗らかに笑う。ヒューベルトに嬉しい驚きをもたらした彼は元から親帝国派であったグロスタール伯そしてエドマンド辺境伯に宛てた書状を書いている。ヒューベルトが前もって作った文面を確認したエーデルガルトがこれでは威圧的すぎる、と眉を顰めたからだ。
「カトリーヌさんはレアさんお気に入りだったが俺としてはああいうのが一番困るんだよ」
彼女はロナート卿の息子クリストフを中央教会に突き出した張本人で、雷霆を振るってセイロス教会に仇なす者を屠る。
1703エーギル公失脚後、彼は五年間辛酸を舐めたが真っ直ぐなままだ。折れた骨は強くなるのだ、と言って朗らかに笑う。ヒューベルトに嬉しい驚きをもたらした彼は元から親帝国派であったグロスタール伯そしてエドマンド辺境伯に宛てた書状を書いている。ヒューベルトが前もって作った文面を確認したエーデルガルトがこれでは威圧的すぎる、と眉を顰めたからだ。
「カトリーヌさんはレアさんお気に入りだったが俺としてはああいうのが一番困るんだよ」
彼女はロナート卿の息子クリストフを中央教会に突き出した張本人で、雷霆を振るってセイロス教会に仇なす者を屠る。
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜.4「枠の中2_7」 同胞の血で染まった谷を見て赤い、と感じたのは白きものたちだ。やはりクロードは恐ろしく勘が良い。レアのあの姿は見ていないはずなのに。
「その件に関して推測をお話ししたいのであればお聞きしましょう」
「拒否する。それよりロナート卿の話をしようぜ」
緑色の瞳がゆらぐ蝋燭の灯りを受けている。新品のものを用意させたので尽きてしまうことはないだろう。西方教会関連の工作を担当していたのはアランデル公たちだ。彼らに利用された者たちは皆、捨て石にされまともな取り調べも裁判もなしに処刑されている。ダスカーの際もそうだったが、セイロス騎士団と中央教会の乱暴なやり方を目の当たりにしたヒューベルトは改めて彼らを味方に付ける気を失った。神がかった言いがかりをつけ後ろから背中を刺しかねない。
1701「その件に関して推測をお話ししたいのであればお聞きしましょう」
「拒否する。それよりロナート卿の話をしようぜ」
緑色の瞳がゆらぐ蝋燭の灯りを受けている。新品のものを用意させたので尽きてしまうことはないだろう。西方教会関連の工作を担当していたのはアランデル公たちだ。彼らに利用された者たちは皆、捨て石にされまともな取り調べも裁判もなしに処刑されている。ダスカーの際もそうだったが、セイロス騎士団と中央教会の乱暴なやり方を目の当たりにしたヒューベルトは改めて彼らを味方に付ける気を失った。神がかった言いがかりをつけ後ろから背中を刺しかねない。
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜3.「枠の中1_7」 春の日差しの中、礼服に身を包んだ学生たちが大聖堂に集まる様をヒューベルトは他人事のように眺めていた。今となっては遠い昔のように感じる。実りある一年を過ごして欲しい、と語るレアの言葉に吐き気を覚えた。
「ではまず一年のはじめである春から、話していただきましょう」
「春が一年の初め?誰がそんなことを決めたんだ?暦に対する違和感は今も残ってるぜ」
クロードはもう隣国出身であることを隠そうともしない。ヒューベルトも夜目が効く方だがそれでもあの時の彼が何故あんなことが出来たのか、本当に謎だった。クロードは答え合わせの機会など与えてやる気はなかっただろう。
先ほど意識を失ったクロードの身体を検めた際、ゆったりとした袖の中にフォドラで禁じられている遠眼鏡を見つけた。レンズが縦に並び、フォドラで流通しているものよりもはるか遠くを見渡せる。星を見て方角を把握していたから彼はあの時、駆け出せたのだ。
1717「ではまず一年のはじめである春から、話していただきましょう」
「春が一年の初め?誰がそんなことを決めたんだ?暦に対する違和感は今も残ってるぜ」
クロードはもう隣国出身であることを隠そうともしない。ヒューベルトも夜目が効く方だがそれでもあの時の彼が何故あんなことが出来たのか、本当に謎だった。クロードは答え合わせの機会など与えてやる気はなかっただろう。
先ほど意識を失ったクロードの身体を検めた際、ゆったりとした袖の中にフォドラで禁じられている遠眼鏡を見つけた。レンズが縦に並び、フォドラで流通しているものよりもはるか遠くを見渡せる。星を見て方角を把握していたから彼はあの時、駆け出せたのだ。
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜.2「箱の中」 もしフォドラにクロード=フォン=リーガンが現れなかったらレスター諸侯同盟はどうなっていただろうか。オズワルド公亡き後はエルヴィン=フリッツ=グロスタール伯が盟主の座に就いたはずだ。親帝国派の彼をどのように遇するか、で意見が割れたかもしれない。闇に蠢く者たちが彼に成り代わった可能性もあった。
その場合、彼の嫡子ローレンツはヒューベルトたちと同じ地獄を見ただろう。彼はクロードのもたらした混沌に救われている。そんなローレンツは───クロードを見極めねばならない─── そう言ってベレスの勧誘に対し、首を頑として振らなかった。不規則な彼女の意志は混沌を呼び、世界は撹拌され不規則な救いをもたらす。
目の前で口角を上げている緑の瞳の男が、金継ぎしやすい形で皿を割れたのはグロスタール家の協力があってこそだが、その協力も或いは───という気持ちになる。腹立たしいのが帝国の国庫を当てにしてデアドラの軍港を派手に壊したことだ。これから直接、王国と戦うには海上における補給路を確保せねばならない。黒鷲遊撃軍の中では比較的港湾経営に明るいフェルディナントにこの件を任せる必要があった。
1710その場合、彼の嫡子ローレンツはヒューベルトたちと同じ地獄を見ただろう。彼はクロードのもたらした混沌に救われている。そんなローレンツは───クロードを見極めねばならない─── そう言ってベレスの勧誘に対し、首を頑として振らなかった。不規則な彼女の意志は混沌を呼び、世界は撹拌され不規則な救いをもたらす。
目の前で口角を上げている緑の瞳の男が、金継ぎしやすい形で皿を割れたのはグロスタール家の協力があってこそだが、その協力も或いは───という気持ちになる。腹立たしいのが帝国の国庫を当てにしてデアドラの軍港を派手に壊したことだ。これから直接、王国と戦うには海上における補給路を確保せねばならない。黒鷲遊撃軍の中では比較的港湾経営に明るいフェルディナントにこの件を任せる必要があった。
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MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート有情たちの夜.1「檻の中」 黒い仮面を付けた部下二人が扉の両脇に立っている。ヒューベルトが片手を挙げると左側に立っている部下が恭しく扉を開けた。
物理的に距離を作るために置かれた机の反対側には背もたれ付きの椅子がある。この背もたれは着席する者が快適に過ごすために存在するわけではない。縛りつけるための物だ。そしてそこにはクロード=フォン=リーガンが座って───いや、座らされている。腰を椅子の背もたれに、足首を椅子の脚に縛り付けられても尚、余裕ある態度を崩さない。
「これなら死ぬ前の最後の祈りも捧げられそうだ。身包みも剥がされなかったし案外慈悲深いな」
緑色の瞳にはまだ強い意志の光が宿っている。時間の感覚を奪うため窓を潰したこの部屋を照らす洋燈よりも輝いていた。デアドラでの戦闘が終わり、戦闘不能となった彼はベレスの意志で助命されている。
1658物理的に距離を作るために置かれた机の反対側には背もたれ付きの椅子がある。この背もたれは着席する者が快適に過ごすために存在するわけではない。縛りつけるための物だ。そしてそこにはクロード=フォン=リーガンが座って───いや、座らされている。腰を椅子の背もたれに、足首を椅子の脚に縛り付けられても尚、余裕ある態度を崩さない。
「これなら死ぬ前の最後の祈りも捧げられそうだ。身包みも剥がされなかったし案外慈悲深いな」
緑色の瞳にはまだ強い意志の光が宿っている。時間の感覚を奪うため窓を潰したこの部屋を照らす洋燈よりも輝いていた。デアドラでの戦闘が終わり、戦闘不能となった彼はベレスの意志で助命されている。
あめもち
DONEクロクラ♀漫画クルタ村の視察に来たクロロと何も知らないロリぴかちゃんのやりとり。
12歳少女と21歳男ですか・・・・・・
あ~~~~、、団長ロリコン😂😂😂
続き一応あるんですけど、気力あれば描くかも・・・ 2
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MAIKINGクロロレ飼ってる犬がきっかけでくっつかねえかなあという現パロです。
(作曲家×パタンナー)
二人が飼っている犬はサルーキです。
犬の話(仮).5 故郷の砂漠を駆け回る犬が石畳の敷き詰められた街にいることが信じがたい。クロードはネヴァと街中のペットショップで出会った。運命に従うことを躊躇してはならない。客の視線に気づいた店員が彼女をケージから出してくれた結果、クロードは一般受けするような曲をいくつか書いた。そこそこヒットしたそれらの曲はいまだにクロードの生活を潤してくれる。
こうしてネヴァはまだふくふくと丸く将来の細長さを感じさせない子犬の頃に鼻先から尻尾の先までクロードのものとなり、クロードの助手席はネヴァのものとなった。ケージを使っていても犬を乗せるとどうしても車は汚れる。ここ数日、何故かネヴァは散歩に行きたがらなかったのでクロードは久しぶりに車の面倒を見ていた。
1996こうしてネヴァはまだふくふくと丸く将来の細長さを感じさせない子犬の頃に鼻先から尻尾の先までクロードのものとなり、クロードの助手席はネヴァのものとなった。ケージを使っていても犬を乗せるとどうしても車は汚れる。ここ数日、何故かネヴァは散歩に行きたがらなかったのでクロードは久しぶりに車の面倒を見ていた。
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MAIKINGクロロレ飼ってる犬が理由でくっつかねえかなあという現パロです。
(作曲家×パタンナー)
二人が飼っている犬はサルーキです。
犬の話(仮).4 ローレンツはネヴァに似ている。まだ一歳になるかならないか、という愛犬より成人男性であるローレンツの方がもっと前からこの世に存在しているが、クロードが存在を認識した順番の話なのでこれで正しい。
どこもかしこも細長く、それでいて筋肉質な身体つきやじっと何かを観察している時の首の傾げ方が似ている。それに見ただけでさらさらだ、と分かる真っ直ぐな紫の髪はネヴァの飾り毛のように風になびく。悪意に晒されずに育ったのか、天真爛漫なところも似ている。
「普通、助走つけて棒投げたりしないよな?」
きりの良いところまで作業を終えたクロードは大きなビーズクッションに埋まっているネヴァの毛並みに顔を埋めつつ、そう語りかけた。今は傷ひとつない身体だが、そろそろ避妊手術を受けさせねばならない。ノーリードが許可されている場所で遊ばせるには様々な条件がある。あの公園でローレンツに棒を投げてもらうのが大好きなネヴァからその機会を奪いたくない。
2018どこもかしこも細長く、それでいて筋肉質な身体つきやじっと何かを観察している時の首の傾げ方が似ている。それに見ただけでさらさらだ、と分かる真っ直ぐな紫の髪はネヴァの飾り毛のように風になびく。悪意に晒されずに育ったのか、天真爛漫なところも似ている。
「普通、助走つけて棒投げたりしないよな?」
きりの良いところまで作業を終えたクロードは大きなビーズクッションに埋まっているネヴァの毛並みに顔を埋めつつ、そう語りかけた。今は傷ひとつない身体だが、そろそろ避妊手術を受けさせねばならない。ノーリードが許可されている場所で遊ばせるには様々な条件がある。あの公園でローレンツに棒を投げてもらうのが大好きなネヴァからその機会を奪いたくない。
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MAIKINGクロロレ飼っている犬がきっかけでくっつかねえかなあという現パロです。
(作曲家×パタンナー)
二人が飼っている犬はサルーキです。
犬の話(仮).3 ネヴァは自分と同じくらい足の早いパブロのことが気に入ったらしい。匂いも鳴き声も完璧に覚えていて公園で会うたびに握れんばかりに尻尾を振っている。パブロのパパ、であるローレンツにもすっかり懐いていた。パブロもクロードに懐いているので別に不思議ではない。
「ほら、取ってこい!」
「陸上でもやってたのか?」
クロードは持参したピクニックシートに横たわりつつ、わざわざ助走つきで棒を遠投するローレンツに語りかけた。長身の彼が身体全体を使って投げるとクロードが腕の力だけで投げる時より遥か遠くに棒が飛んでいく。ローレンツは二匹が風のように駆けていく姿を見てからクロードの隣に腰を下ろした。
「高校で陸上をやっていた」
1987「ほら、取ってこい!」
「陸上でもやってたのか?」
クロードは持参したピクニックシートに横たわりつつ、わざわざ助走つきで棒を遠投するローレンツに語りかけた。長身の彼が身体全体を使って投げるとクロードが腕の力だけで投げる時より遥か遠くに棒が飛んでいく。ローレンツは二匹が風のように駆けていく姿を見てからクロードの隣に腰を下ろした。
「高校で陸上をやっていた」
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MAIKINGクロロレ飼っている犬が理由でくっつかねえかなぁという現パロ
(作曲家×パタンナー)
二人が飼っているのはサルーキです
犬の話(仮).2 生垣の向こうにも犬連れがいるらしい。息遣いや飼い犬に話しかける飼い主特有の優しい声が聞こえて来て、自然と視線がそちらに向いてしまう。
角を曲がって入って来た犬連れの男性はかなりの長身でおそらくクロードより背が高い。紫の瞳に真っ直ぐな紫の髪、白く長い手足と華やかな見た目だがそれよりも連れている犬が気になる。近所ではあまり見かけない犬種なのだ。先方も全く同じことを思ったらしい。
「パブロ、あの子を見たか?君にそっくりだ!」
性別が違うと体格や顔立ちは異なってくるが、それでも飾り毛の色や生え方がよく似ている。犬種が同じであってもスムースコートと耳や後ろ足、そして尻尾に飾り毛のあるフェザーコートでは見た目が違う。飼い主から愛おしげに名を呼ばれていたパブロもネヴァと同じくクリーム色のフェザーコートだった。
1980角を曲がって入って来た犬連れの男性はかなりの長身でおそらくクロードより背が高い。紫の瞳に真っ直ぐな紫の髪、白く長い手足と華やかな見た目だがそれよりも連れている犬が気になる。近所ではあまり見かけない犬種なのだ。先方も全く同じことを思ったらしい。
「パブロ、あの子を見たか?君にそっくりだ!」
性別が違うと体格や顔立ちは異なってくるが、それでも飾り毛の色や生え方がよく似ている。犬種が同じであってもスムースコートと耳や後ろ足、そして尻尾に飾り毛のあるフェザーコートでは見た目が違う。飼い主から愛おしげに名を呼ばれていたパブロもネヴァと同じくクリーム色のフェザーコートだった。
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MAIKINGクロロレ飼ってる犬が理由でくっつかねえかなあという現パロです。
(作曲家×パタンナー)
二人が飼っている犬はサルーキです。
犬の話(仮).1 犬は飼い主の見た目を判断しない。収入を、身分を、立場を問わずひたすら飼い主を愛する。クロードを故郷や実家と繋ぎ止めていたのは愛犬だった。どんなに居心地が悪く、嫌な思いをさせられても残していった愛犬に会わずにはいられない。
子供時代を支えてくれた尻尾のある親友はクロードが進学で国を離れた頃から老いが目立つようになった。撫でるといぼの感触がして会うたびに目の白さが増していく。遠方での暮らしに耐えられそうにない、と分かっていたからこまめに帰省した。
残していった犬が亡くなって以来、クロードは里帰りをしていない。
「ネヴァ!」
クリーム色の大きな犬がクロードの声を聞いて長い飾り毛が生えた耳を動かした。大きなビーズクッションの上で寛いでいる姿は猟犬に見えない。だがいくつかの単語を聞いた瞬間の俊敏さは見事なものだ。
2022子供時代を支えてくれた尻尾のある親友はクロードが進学で国を離れた頃から老いが目立つようになった。撫でるといぼの感触がして会うたびに目の白さが増していく。遠方での暮らしに耐えられそうにない、と分かっていたからこまめに帰省した。
残していった犬が亡くなって以来、クロードは里帰りをしていない。
「ネヴァ!」
クリーム色の大きな犬がクロードの声を聞いて長い飾り毛が生えた耳を動かした。大きなビーズクッションの上で寛いでいる姿は猟犬に見えない。だがいくつかの単語を聞いた瞬間の俊敏さは見事なものだ。
ゆり🍀
MEMO⚠️腐推しカプさんたち(ヒューフェル|ディミドゥ|シルフェリシル|ユリアシュ|クロロレ)で、夜のお相手に痕を…諸々妄想
こちらをお借りしました✨ありがとうございます!
▶︎https://x.com/akt_sousaku/status/1679119556546117634?s=46&t=1OnUcDPldunNkDtbiEZSuA 2
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DONEゆる〜い現パロ(警察官×教師)ですクロロレ
離婚して再婚するやつ(仮)20 残業を終えたクロードに真っ先に反応してくれたのは玄関の照明だった。廊下の向こうに見えるリビングから明かりが漏れているのでローレンツはまだ仕事をしているようだ。一応ただいま、と声をかけてみたが気がついているかどうかは怪しい。
クロードにとって試験は受けるものだがローレンツにとっては作って採点するものだ。高学年向けの記述式のものともなると採点にはかなり時間がかかる。クロードは手を洗ってからリビングのドアを開けた。
「おかえり。やはり日は跨いでしまったか」
ローレンツは顔を上げ保護者たちからの結婚祝いに目をやった。彼の勤務校には何故か連名で壁掛け時計を贈る伝統があるらしい。
後で束ねたまっすぐな紫の髪が顔に合わせて軽やかに動く。問題作りも含めた試験期間中は美容院に行く暇などない。日頃から授業中は結んでいるらしいのだが自宅では繁忙期にしかみられない髪型だ。
962クロードにとって試験は受けるものだがローレンツにとっては作って採点するものだ。高学年向けの記述式のものともなると採点にはかなり時間がかかる。クロードは手を洗ってからリビングのドアを開けた。
「おかえり。やはり日は跨いでしまったか」
ローレンツは顔を上げ保護者たちからの結婚祝いに目をやった。彼の勤務校には何故か連名で壁掛け時計を贈る伝統があるらしい。
後で束ねたまっすぐな紫の髪が顔に合わせて軽やかに動く。問題作りも含めた試験期間中は美容院に行く暇などない。日頃から授業中は結んでいるらしいのだが自宅では繁忙期にしかみられない髪型だ。