ヒュンケル
ImmortalWindil
DONE随分前に書いた短文が出てきたので。理性の消失美しくしなやかなその身体に、ヒュンケルの理性は吹き飛んだ。
たまらず彼は強引に抱きしめ、おもむろに首筋に顔を埋め、匂いを嗅ぎ出した。
腕の中の存在は、たまらず身を捩り束縛から抜け出すと、彼の顔を思い切り引っ掻いて、逃げ去った。
彼はただ、悲しい顔でその姿を見つめることしかできなかった。
「…すまなかった…猫…」
160たまらず彼は強引に抱きしめ、おもむろに首筋に顔を埋め、匂いを嗅ぎ出した。
腕の中の存在は、たまらず身を捩り束縛から抜け出すと、彼の顔を思い切り引っ掻いて、逃げ去った。
彼はただ、悲しい顔でその姿を見つめることしかできなかった。
「…すまなかった…猫…」
なりひさ
DOODLEマトとヒュンケル恩讐 賑やかな宴の席で、マトリフは久しぶりに酒を飲んでいた。魔王の侵攻のせいで酒も手に入りづらくなっており、しかもタダ酒とあって遠慮なく飲んでいた。
助かったパプニカの姫と、小さな勇者の感動の再会を遠目に見ながらグラスに口をつける。二度と関わるまいと思っていたパプニカ王室に、タダ酒欲しさに宴会に乗り込んだ自分の軽薄さに笑えもしない。十数年前のいざこざを今も忘れていないが、即物的で低俗だと罵られた言葉通りの行いをしていた。
マトリフはふと目についた青年に目を向ける。戦いから帰ってきたポップたちと一緒にいた青年だ。銀髪で見栄えのする顔立ちで、鍛えられた体に、腰には剣があった。
その顔に見覚えがあったが、青年が名乗ったことで確信に変わった。あの地底魔城にいた人間の子ども。アバンに引き取られて、そして行方知れずになっていたはずだ。どうやら魔王軍に身を置いていたらしい。
1778助かったパプニカの姫と、小さな勇者の感動の再会を遠目に見ながらグラスに口をつける。二度と関わるまいと思っていたパプニカ王室に、タダ酒欲しさに宴会に乗り込んだ自分の軽薄さに笑えもしない。十数年前のいざこざを今も忘れていないが、即物的で低俗だと罵られた言葉通りの行いをしていた。
マトリフはふと目についた青年に目を向ける。戦いから帰ってきたポップたちと一緒にいた青年だ。銀髪で見栄えのする顔立ちで、鍛えられた体に、腰には剣があった。
その顔に見覚えがあったが、青年が名乗ったことで確信に変わった。あの地底魔城にいた人間の子ども。アバンに引き取られて、そして行方知れずになっていたはずだ。どうやら魔王軍に身を置いていたらしい。
ムーンストーン
DONEダイの大冒険 ラー→ヒュン(まだ友情)の姿を借りたダイポプです。ヒュンケルとラーハルトとポップの考察と年単位で捏ね回した捏造設定のコラボです。
klares Gift/澄みきった毒~ラーハルトパプニカ王国
農民ハロルドの子 ダン 13才 家具職人スレイの子 ホセ 16才
ロモス王国
商人ガルバの子 ディー 14才 僧侶ヘレズの子 フレイ 17才
カール王国
薬師ダレスの子 ドール 15才 薬師ダレスの子 ポール 18才
ベンガーナ王国
オーザムからの避難民 ダヌ 16才 オーザムからの避難民 ヘンリー 19才
リンガイア王国
オーザムからの避難民 ヒューバート 23才
オーザムからの避難民 ラインハルト 24才
これらはバーン大戦終結後に大魔道士ポップが入手した偽造身分証と近年確定されたものである。
かつて勇者アバンや竜の騎士バランが使命を果たしたのち辿った迫害の歴史を鑑み、勇者ダイが一般人として生きる道を残す手段として、または密かにいずれかの国の後ろ盾を得る為に用意したものと推察される。
62132農民ハロルドの子 ダン 13才 家具職人スレイの子 ホセ 16才
ロモス王国
商人ガルバの子 ディー 14才 僧侶ヘレズの子 フレイ 17才
カール王国
薬師ダレスの子 ドール 15才 薬師ダレスの子 ポール 18才
ベンガーナ王国
オーザムからの避難民 ダヌ 16才 オーザムからの避難民 ヘンリー 19才
リンガイア王国
オーザムからの避難民 ヒューバート 23才
オーザムからの避難民 ラインハルト 24才
これらはバーン大戦終結後に大魔道士ポップが入手した偽造身分証と近年確定されたものである。
かつて勇者アバンや竜の騎士バランが使命を果たしたのち辿った迫害の歴史を鑑み、勇者ダイが一般人として生きる道を残す手段として、または密かにいずれかの国の後ろ盾を得る為に用意したものと推察される。
dosukoi_hanami
DONEヒュン右Lab./Hyun-Migi Lab.展示作品
ある日のラーヒュン。
ダイの帰還後、
思いを通わせたヒュンケルとラーハルトは共に暮らし始めた。
戦後の二人のある一日。 18
dosukoi_hanami
DONEヒュン右Lab./Hyun-mini Lab.展示作品
我が家のラーヒュンのヒュンケルと、アバヒュン(カプ)のヒュンケルが出会った!
しかし なにも おこらなかった! 2
ImmortalWindil
DONEスポーツの日のTLに触発されて描いた、ヒュとラーとエイの現パロ。絵本調。仲の悪いラーとエイを描書いたのは初めてじゃないかな。
当該スポーツをやったことがないので描写ははほぼありません。
タイトルはどうしても思いつかなかったので仮のものです。
テニスの不死身様(仮) テニス部所属のヒュンケルくんは、男子ダブルスのときは同級生のラーハルトくんと組み、男女混合ダブルスのときは、後輩のエイミちゃんとペアを組みます。
ラーハルトくんとエイミちゃんは、とてもすぐれた選手ですが、何故かとっても仲が悪く、よく「自分の方がヒュンケルのペアにふさわしい」と喧嘩をしております。
しかしヒュンケルくんは、そんな二人を見て「とっても仲が良いんだな」と思っておりました。
◇◇◇
今日は男女混合ダブルスの試合の当日です。
ヒュンケルくんはいつも通り早めに家を出て会場へ向かいます。
横断歩道で立ち止まり、信号が青になるのを待っていると、一匹の猫がヒュンケルくんの横を通り、道路へ飛び出して行きました。
1740ラーハルトくんとエイミちゃんは、とてもすぐれた選手ですが、何故かとっても仲が悪く、よく「自分の方がヒュンケルのペアにふさわしい」と喧嘩をしております。
しかしヒュンケルくんは、そんな二人を見て「とっても仲が良いんだな」と思っておりました。
◇◇◇
今日は男女混合ダブルスの試合の当日です。
ヒュンケルくんはいつも通り早めに家を出て会場へ向かいます。
横断歩道で立ち止まり、信号が青になるのを待っていると、一匹の猫がヒュンケルくんの横を通り、道路へ飛び出して行きました。
siroinari
TRAININGポップが長兄と末っ子に既視感覚えた話。アバンの使途は師であるアバンを父としてたびたび兄弟のように例えられる。
長兄に一番弟子であるヒュンケル、長姉にして二番弟子のマァム、次兄に三番弟子ポップ、厳密には弟子ではないが次女にレオナを置き、末っ子に最後の弟子ダイとなる。
レオナとダイは順番的には逆なのだが年齢や性格もひっくるめてなんとなく末っ子にダイとなっているし、本人たちもそこは特に気にしていないようだ。
それをいうと全員が順番をあまり気にしていないのだが、とりあえず一番上がヒュンケルという点だけは共通していた。
とにかく彼らはよく兄弟に例えられるのだが、もちろん全員血のつながりは微塵もないし、何なら生まれも育ちもてんでばらばらだ。強いて言えば長兄と末っ子が似たような境遇であることくらいである。
2631長兄に一番弟子であるヒュンケル、長姉にして二番弟子のマァム、次兄に三番弟子ポップ、厳密には弟子ではないが次女にレオナを置き、末っ子に最後の弟子ダイとなる。
レオナとダイは順番的には逆なのだが年齢や性格もひっくるめてなんとなく末っ子にダイとなっているし、本人たちもそこは特に気にしていないようだ。
それをいうと全員が順番をあまり気にしていないのだが、とりあえず一番上がヒュンケルという点だけは共通していた。
とにかく彼らはよく兄弟に例えられるのだが、もちろん全員血のつながりは微塵もないし、何なら生まれも育ちもてんでばらばらだ。強いて言えば長兄と末っ子が似たような境遇であることくらいである。
siroinari
MOURNING原作後ダイ帰還済。ヒュが素直になるケモ化した話。支部にあげたけど気に食わなくて供養。『探さないでください』
簡潔なそれが切実だということは居合わせた全員が察した。同時に探し出さねば死ぬまで彼が姿を消し続けるであろうことも。
蜂の巣をつついたような大騒ぎになっている周囲を余所にポップは空を見上げる。
彼の兄弟子はいま何処へ。
暫くはそっとしておいてやるのも優しさじゃねぇかなぁとは思っても口には出さない。不可抗力により散々に好意を全開にし尽くしたのだ。せいぜい抱えきれないくらいのお返しに圧し潰されてしまえば良い。
それはそれとしてまあ少しばかりは気の毒だと思うところもあるので、ひっそり胸中にて兄弟子へと合掌した。
**
さて何が起きたのか時間を遡る。事の起こりは数時間前、お忍びで出掛けたレオナとマァムの荷物持ちをヒュンケルが買って出たところからだ。
9606簡潔なそれが切実だということは居合わせた全員が察した。同時に探し出さねば死ぬまで彼が姿を消し続けるであろうことも。
蜂の巣をつついたような大騒ぎになっている周囲を余所にポップは空を見上げる。
彼の兄弟子はいま何処へ。
暫くはそっとしておいてやるのも優しさじゃねぇかなぁとは思っても口には出さない。不可抗力により散々に好意を全開にし尽くしたのだ。せいぜい抱えきれないくらいのお返しに圧し潰されてしまえば良い。
それはそれとしてまあ少しばかりは気の毒だと思うところもあるので、ひっそり胸中にて兄弟子へと合掌した。
**
さて何が起きたのか時間を遡る。事の起こりは数時間前、お忍びで出掛けたレオナとマァムの荷物持ちをヒュンケルが買って出たところからだ。
siroinari
DOODLEレオナが雄ぱいに陥落する話。健全です。健全です。絶対にカプにならない二人が好き。ヒュンはレオナに絶対逆らえないし、レオナはヒュンに無茶ぶりも我儘もいう権利があるので遠慮なく行使する。
モミモミモミモミモミモミ
「・・・・・・・」
もみもみもみもみもみもみ
「・・・・・・・あの、」
「だまって」
「ハイ」
もにゅもにゅもにゅ
一心不乱に胸を揉むレオナをヒュンケルは黙って見守った。見守ったというか虚無顔で佇んでいるだけだが。
何がどうしてそうなったのかはさっぱりわからないが、事の発端は濃い隈をくっきりつけたレオナがヒュンケルと正面衝突したことだ。正しくはふらついたレオナをヒュンケルが抱き留めたのだが、その時レオナがヒュンケルの胸に顔を埋める形となった。
「陛下?大丈夫ですか?」
うんともすんとも言わず微動だにしないレオナを引き剥がせず、さりとて抱き締めるわけにもいかず、途方に暮れたヒュンケルだったがレオナが突然ガッと肉を鷲掴みにした。
1299「・・・・・・・」
もみもみもみもみもみもみ
「・・・・・・・あの、」
「だまって」
「ハイ」
もにゅもにゅもにゅ
一心不乱に胸を揉むレオナをヒュンケルは黙って見守った。見守ったというか虚無顔で佇んでいるだけだが。
何がどうしてそうなったのかはさっぱりわからないが、事の発端は濃い隈をくっきりつけたレオナがヒュンケルと正面衝突したことだ。正しくはふらついたレオナをヒュンケルが抱き留めたのだが、その時レオナがヒュンケルの胸に顔を埋める形となった。
「陛下?大丈夫ですか?」
うんともすんとも言わず微動だにしないレオナを引き剥がせず、さりとて抱き締めるわけにもいかず、途方に暮れたヒュンケルだったがレオナが突然ガッと肉を鷲掴みにした。
siroinari
DONEダイ大転生もの。フレイザードとヒュンケルが再会するだけ。最後が書きたかっただけです。
騒音紛いの喧騒に、眉をしかめながら人混みを掻き分ける。
恵まれ過ぎた体格と人相のおかげで他の者よりは格段に歩きやすいが、それでも辟易するくらいには視界が人間で埋め尽くされていた。煩わしさにすべてを薙ぎ払いたくなるが、かつてのようにはいかない。
左右の熱は平等だし、人の頭を握りつぶすほどの力もない。
動けば腹が減るし、食わねばただ死ぬだけだ。
人間とはなんと不便なものか。すべてを思い出して前との差異を感じた時、度々思うことだ。
やることもなくだらだら過ごすには時間が有り余っていて、スポーツも格闘技も一通り試したがどれも本気にはなれなかった。
生きがいを求めて彷徨った挙句、所謂裏社会に足を踏み入れかけもしたが早々に退散した。
1493恵まれ過ぎた体格と人相のおかげで他の者よりは格段に歩きやすいが、それでも辟易するくらいには視界が人間で埋め尽くされていた。煩わしさにすべてを薙ぎ払いたくなるが、かつてのようにはいかない。
左右の熱は平等だし、人の頭を握りつぶすほどの力もない。
動けば腹が減るし、食わねばただ死ぬだけだ。
人間とはなんと不便なものか。すべてを思い出して前との差異を感じた時、度々思うことだ。
やることもなくだらだら過ごすには時間が有り余っていて、スポーツも格闘技も一通り試したがどれも本気にはなれなかった。
生きがいを求めて彷徨った挙句、所謂裏社会に足を踏み入れかけもしたが早々に退散した。
siroinari
DONE思いつきの書き殴り。推敲なし。名前も出てない。CMでカウンターバー見てギャルソン服はヒュンケル似合いそうだな。からが始まり。
花言葉で依頼とかオシャレだな。バーならカクテル言葉かな。H×Hの合言葉だなこれ。そもそもこれは何する人かな。いつの間にか殺し屋になってるな?
ニコラシカ大通りから一つ、脇に逸れた通り道。古くからある商店街の裏に位置する場所からさらに奥。二つ曲がった路地裏にその店はある。
カラン、と涼やかな鐘の音が来訪者を告げた。
カウンターでは一人のバーテンダーがグラスを磨いている。店内に音楽はなく、何処からか水音だけが響いていた。テーブル席は円卓が二つ。他の客はいないようだ。
「いらっしゃいませ」
お世辞にも愛想が良いとは言えないが、一見して氷雪のような美貌に瞬間呆けた。僅かに傾いた首元で、白銀の髪がさらりと揺れる。
「お好きな席へどうぞ」
勧められるがまま、彼の正面から少しズレた奥へと腰掛けた。整った造詣は元より、その眼光の強さが正面から直視するには少々ツライものがあったのだ。
1221カラン、と涼やかな鐘の音が来訪者を告げた。
カウンターでは一人のバーテンダーがグラスを磨いている。店内に音楽はなく、何処からか水音だけが響いていた。テーブル席は円卓が二つ。他の客はいないようだ。
「いらっしゃいませ」
お世辞にも愛想が良いとは言えないが、一見して氷雪のような美貌に瞬間呆けた。僅かに傾いた首元で、白銀の髪がさらりと揺れる。
「お好きな席へどうぞ」
勧められるがまま、彼の正面から少しズレた奥へと腰掛けた。整った造詣は元より、その眼光の強さが正面から直視するには少々ツライものがあったのだ。
siroinari
MOURNING某曲がヒュンケルぽくてそれベースのものを書いてみたいと血迷ったもの。勇者アバンの正義とヒュンケルについて。ロカと小さいマァムが少し。ミストが拾いものについて思うこと。原作後レオナやラーハルトとの会話?とにかくいろいろ書き散らしてまとまってない。徒花の涙大魔王の脅威が去り、皆がそれぞれの道を選ぶ中で迷っていた彼に声を掛けた。
”時間をくれませんか”と懇願した私から本当は逃げたかっただろう。
あの頃、大切な記憶をひた隠して静かに独りで泣いていた姿を思い出す。
もっと早く、あの別離が訪れる前に向き合わねばならなかったのだ。
私の正義が揺らいだあの頃に。
カール城の一室、そのバルコニーには夜の城下町を一人見下ろす影があった。
勇者の帰還と勝利を受け、城も街も灯りと歓声に満ちている。
大戦の一番の功労者は喜びの声を背に昏い目で夜空を見上げた。
戦いは確かに終わった。しかし、戦いが終わっても変化は止まらない。
望まずとも事変の荒波が静かに畝りをあげてゆく。
昨日まで親しくしていたはずの身近な魔物や魔族たちでさえ、瞬く間に危険視され、迫害された。
4805”時間をくれませんか”と懇願した私から本当は逃げたかっただろう。
あの頃、大切な記憶をひた隠して静かに独りで泣いていた姿を思い出す。
もっと早く、あの別離が訪れる前に向き合わねばならなかったのだ。
私の正義が揺らいだあの頃に。
カール城の一室、そのバルコニーには夜の城下町を一人見下ろす影があった。
勇者の帰還と勝利を受け、城も街も灯りと歓声に満ちている。
大戦の一番の功労者は喜びの声を背に昏い目で夜空を見上げた。
戦いは確かに終わった。しかし、戦いが終わっても変化は止まらない。
望まずとも事変の荒波が静かに畝りをあげてゆく。
昨日まで親しくしていたはずの身近な魔物や魔族たちでさえ、瞬く間に危険視され、迫害された。
siroinari
DONEヒュンケル、ラーハルト、エイミの三人旅の一幕。ヒュンケルを独り占めしようとしてかっ攫われる話です。ヒュンケルと獣を絡ませたい。頭上でチチッと鳥の声がした。まだ下手くそな鳴き方だったからこのあたりに巣があるのかもしれない。
空を見上げると雲がゆったりと流れていく。
ああ、あの雲はこの間見た悪魔の目玉に似ているな。
あちらはスライムによく似ている。
分かれ道の脇にある大きめの岩に腰掛けて、ぼんやりと雲を眺める。他にすることがないからだ。
微かに聞こえる話し声はまだまだ終わりそうにない。
そっとため息をこぼすと足元に何か触れた。
視線を下に向ければつぶらな瞳と眼が合う。
口元を緩めて手を伸ばすと頭を擦り付けて甘えてきた。
精一杯背伸びして膝に足を突っ張っていたので、抱き上げてやればグルグルと喉を鳴らす。
柔なか毛並みを堪能しているとピンと怒気が張り積めた。手のひらに感じる毛が逆立っている。
1607空を見上げると雲がゆったりと流れていく。
ああ、あの雲はこの間見た悪魔の目玉に似ているな。
あちらはスライムによく似ている。
分かれ道の脇にある大きめの岩に腰掛けて、ぼんやりと雲を眺める。他にすることがないからだ。
微かに聞こえる話し声はまだまだ終わりそうにない。
そっとため息をこぼすと足元に何か触れた。
視線を下に向ければつぶらな瞳と眼が合う。
口元を緩めて手を伸ばすと頭を擦り付けて甘えてきた。
精一杯背伸びして膝に足を突っ張っていたので、抱き上げてやればグルグルと喉を鳴らす。
柔なか毛並みを堪能しているとピンと怒気が張り積めた。手のひらに感じる毛が逆立っている。
siroinari
DONE贖罪に生きる男が実は割と強かだったら。神妙な面が処世術な長兄に半端に気づいた半魔が悩む話。深く考えたら負け。「ふ、ははっ」
いつもより少し高い声が空気を震わせた。明るい笑い声は目の前の人物とは到底結びつかないものだ。
随分な間抜け面を晒しただろう。そんな風に笑うだなんて思ってもみなかった。
何が面白かったかはさっぱりわからないが余程ツボを突いたのだろう。涙まで浮かべての大笑いだ。
「お前、そんな大声出せるんだな」
「初めて会った時も割りと大声で叫んだと思うが?」
確かに。呟けば呆れたように見られた。だがお前、戦闘時は別人みたいなとこあるだろうが。
思っても口には出さずに飲み込んだラーハルトを不思議そうに見たヒュンケルは、しかしまだ笑いの波が収まらないらしく再び肩を震わせ始める。どうにか声を殺そうと口を覆って顔を背けているが、随分と苦しそうだ。
1716いつもより少し高い声が空気を震わせた。明るい笑い声は目の前の人物とは到底結びつかないものだ。
随分な間抜け面を晒しただろう。そんな風に笑うだなんて思ってもみなかった。
何が面白かったかはさっぱりわからないが余程ツボを突いたのだろう。涙まで浮かべての大笑いだ。
「お前、そんな大声出せるんだな」
「初めて会った時も割りと大声で叫んだと思うが?」
確かに。呟けば呆れたように見られた。だがお前、戦闘時は別人みたいなとこあるだろうが。
思っても口には出さずに飲み込んだラーハルトを不思議そうに見たヒュンケルは、しかしまだ笑いの波が収まらないらしく再び肩を震わせ始める。どうにか声を殺そうと口を覆って顔を背けているが、随分と苦しそうだ。
siroinari
DONE原作後ラーヒュン。ラーとポプが盗賊討伐請け負ったらヒュンが狙われてた話。シリアスではない。魔の森で森の管理人してるヒュンと半同棲してるラー。周囲の景色が一瞬で後方へと遠ざかる。驚いた人か獣かの悲鳴も置き去りにただただ走った。
呼吸音が耳障りでどれだけ眼を凝らそうとも一向に見たい景色は見えてこない。
気持ちばかりが先行して足が縺れそうになるが、ここで転びでもすればそれだけタイムロスとなる。
無駄にできる時間なんて一秒たりともないのだ。
冷たい汗が背を伝い、ひらすらに何故気付かなかったと繰り返す。
だが結局のところ思うのは一つだ。
(頼む。頼むから。)
何に祈れば良いかもわからずにただそれだけを繰り返す。
大丈夫だと。あいつは強いからきっと大丈夫。
大丈夫、だからどうか。
よくある盗賊団の討伐依頼だった。
違うのはその盗賊団の頭が魔族だということ、活動範囲がギルドメイン大陸全土に及ぶということ。
2260呼吸音が耳障りでどれだけ眼を凝らそうとも一向に見たい景色は見えてこない。
気持ちばかりが先行して足が縺れそうになるが、ここで転びでもすればそれだけタイムロスとなる。
無駄にできる時間なんて一秒たりともないのだ。
冷たい汗が背を伝い、ひらすらに何故気付かなかったと繰り返す。
だが結局のところ思うのは一つだ。
(頼む。頼むから。)
何に祈れば良いかもわからずにただそれだけを繰り返す。
大丈夫だと。あいつは強いからきっと大丈夫。
大丈夫、だからどうか。
よくある盗賊団の討伐依頼だった。
違うのはその盗賊団の頭が魔族だということ、活動範囲がギルドメイン大陸全土に及ぶということ。
コウノセイヤ@ダポの絵置き場
DOODLE僕はヒムヒュンが好きなんですが、ヒムという男は絶対にディーラー服が似合うと思ったんですよ。ディーラーの横にはやっぱりバニーが必須なんですが、初めて描いたヒュンケルがこれでいいのかと言われたら俺は「ハイ」としか…ImmortalWindil
DONE40分ライティング。パートナーをうまく誘えないポップがヒュンケルに相談に行く話し。ポップの相手は出てきません。男性でも女性でも誰でも当てはまるように書きました。
最近書いたヒュンエイとは別時空。自分の中の二人の基本解釈はこう。
ヒュンケルが生々しい発言をします。
誘い方おれは昨夜、パートナーと初めての夜を迎えるはずが、誘い方をしくじってしまい、現在絶賛気まずい状況にある。
そこで、最近結婚したばかりの年長者を、藁にもすがる思いで訪ねた。
ポプ「…あのさヒュンケル、エイミさんを誘いたいとき、何つって誘うんだ…?」
ヒュ「誘う?行きたい場所と目的を伝えて、都合が良いかと聞くだけでは?」
ポプ「そうじゃねえ!…その…何だ…夜……セッ………するときよぉ…」
ヒュ「ああ」
ヒュ「『今日したい』と伝えるだけだが?」
ポプ「うわっ…まじか…!(エイミさん怒ってるんじゃねーの…?)」
ポプ「…それでエイミさんから何て言われるんだ…?」
ヒュ「都合が良ければ『◯時頃からしましょう』と返されるだけだが?」
778そこで、最近結婚したばかりの年長者を、藁にもすがる思いで訪ねた。
ポプ「…あのさヒュンケル、エイミさんを誘いたいとき、何つって誘うんだ…?」
ヒュ「誘う?行きたい場所と目的を伝えて、都合が良いかと聞くだけでは?」
ポプ「そうじゃねえ!…その…何だ…夜……セッ………するときよぉ…」
ヒュ「ああ」
ヒュ「『今日したい』と伝えるだけだが?」
ポプ「うわっ…まじか…!(エイミさん怒ってるんじゃねーの…?)」
ポプ「…それでエイミさんから何て言われるんだ…?」
ヒュ「都合が良ければ『◯時頃からしましょう』と返されるだけだが?」
真紀瑠唯
DONE前作「ほし祭り」と対で、1作目で書いたネイル村にやってきた師弟設定です。対比させる為に色々書き込んでたら長くなってしまった。(浮かんだ場面を描写するタイプの字書き)今月の獄🔥が出たらまた悩みそうなので公開しちゃいます。パパずー!!!😭星まつりもうこの村で暮らすつもりなのかもしれない。
先生の知り合いの家にやって来てから数週間が過ぎた。年の近い子ども達が集まって勉強をしている「学校」と呼ばれてる場所へ、先生は教えるために、おれは教わるために通うようになった。勿論、戦士になる修行は学校から帰って来た後でやっている。
“友達”っていうのが出来ると良いですねって先生は言うけど、周りに人間が沢山いるのは慣れなくて。休み時間は、人間の文字で書かれた子ども向けの書物を、ひとり読んで過ごすのが殆どだった。
そんな中、近いうちに“まつり”が行われるという。その準備を学校でもすることになったのだけど、まつりの名前ーー星まつりーーを耳にした途端、おれがプレゼントした勲章を手にした父さんの姿が浮かんで。あの時の悲しい気持ちが身体全体に広がって。
3146先生の知り合いの家にやって来てから数週間が過ぎた。年の近い子ども達が集まって勉強をしている「学校」と呼ばれてる場所へ、先生は教えるために、おれは教わるために通うようになった。勿論、戦士になる修行は学校から帰って来た後でやっている。
“友達”っていうのが出来ると良いですねって先生は言うけど、周りに人間が沢山いるのは慣れなくて。休み時間は、人間の文字で書かれた子ども向けの書物を、ひとり読んで過ごすのが殆どだった。
そんな中、近いうちに“まつり”が行われるという。その準備を学校でもすることになったのだけど、まつりの名前ーー星まつりーーを耳にした途端、おれがプレゼントした勲章を手にした父さんの姿が浮かんで。あの時の悲しい気持ちが身体全体に広がって。
きのこ
DONEラーヒュン。独占欲強めのラーVS長兄に頼られたい先生。
美味しいがよくわかってないヒュンケルの流れっぽい感じです。
ヒュンは純粋に心から先生に迷惑をかけるわけにはいかないと思っています。 8
yuma
DONE【ごくパ!展示】魔王とヒュンケル(とアバン)ごくえんで描かれたことで、ヒュンの魔王への思いやその後に思いを馳せてしまう……今日この頃です。
その1)ふしきヒュンと魔王。
おまけ ふしきヒュンとゴスト
その2)生存IFハドアバの自宅に招かれたヒュン。ヒュンしか描いてませんが、他にもいろんなメンバーが遊びにきている日、というイメージ。戦後、こんな一幕があってもいいのでは、というかなり楽観的な妄想。
元魔王が渋い顔をしているのは、特に話すこともなく手持ち無沙汰だから。
ヒュンが話している相手はお好きにどうぞ。 3
なりひさ
DONE【ごくパ展示】ヒュンポプ。キャンプに来てからヒュンケルの様子がおかしい。ポップが訝しんでいると、ヒュンケルにテントに連れ込まれて……【ごくパ展示】触れるだけ「あちっ」
ポップは焼き魚の熱さに思わず声を上げる。齧り付いた魚は焼きたてで熱々だった。
「ほら、気をつけないか」
言いながらこちらを見てくるヒュンケルにポップはプイと顔を背けた。
「わかってら!」
ポップはふうふうと息を吹きかけて魚を冷ます。今度こそ大丈夫だと思って齧り付けば、ふわりと柔らかい身と香ばしい味が口いっぱいに広がった。
あたりはすっかり日が暮れて暗くなっている。いくつかの焚き火があたりを照らしていた。大人数でのキャンプは賑やかで、それぞれが思い思いに過ごしている。
野宿なら旅の途中で何度もしたが、今は倒すべき魔王もいない。というか元魔王のハドラーもこのキャンプに参加している。アバン先生が結界を張っているから魔物に怯える心配もなかった。
2401ポップは焼き魚の熱さに思わず声を上げる。齧り付いた魚は焼きたてで熱々だった。
「ほら、気をつけないか」
言いながらこちらを見てくるヒュンケルにポップはプイと顔を背けた。
「わかってら!」
ポップはふうふうと息を吹きかけて魚を冷ます。今度こそ大丈夫だと思って齧り付けば、ふわりと柔らかい身と香ばしい味が口いっぱいに広がった。
あたりはすっかり日が暮れて暗くなっている。いくつかの焚き火があたりを照らしていた。大人数でのキャンプは賑やかで、それぞれが思い思いに過ごしている。
野宿なら旅の途中で何度もしたが、今は倒すべき魔王もいない。というか元魔王のハドラーもこのキャンプに参加している。アバン先生が結界を張っているから魔物に怯える心配もなかった。
なりひさ
DONE【ごくパ展示】ガンマト。キャンプに行く少し前の話。ヒュンケルの恋愛相談に乗るガンガディアとマトリフ。ヒュンポプ、ハドアバ同軸設定。【ごくパ展示】恋愛指南「好きな相手にどう接すればいいか、かね」
ガンガディアは眼鏡を押し上げて目の前のヒュンケルを見下ろした。ヒュンケルは真剣に面持ちで頷く。あの小さかったヒュンケルがそんな悩みを口にするほどに成長したとは感動を覚える。
「そういう相談ならガンガディアに、と父さんが」
言ってヒュンケルはちらりとマトリフを見た。マトリフは我関せずという風に本を読んでいる。ガンガディアとマトリフがパートナーであることは皆が知っていることだった。
「私で良ければ相談に乗ろう」
「よろしく頼む」
「好きな相手にどう接すれば良いか、だったな。もちろん一概に言えることではない。ひとは様々だ」
ガンガディアは当たり障りがないことを言いながら思考を巡らせる。相談に乗ると言ったものの、恋愛は得意な事柄ではなかった。マトリフとパートナーになったが、彼以外に恋愛感情を持ったことすらない。
3221ガンガディアは眼鏡を押し上げて目の前のヒュンケルを見下ろした。ヒュンケルは真剣に面持ちで頷く。あの小さかったヒュンケルがそんな悩みを口にするほどに成長したとは感動を覚える。
「そういう相談ならガンガディアに、と父さんが」
言ってヒュンケルはちらりとマトリフを見た。マトリフは我関せずという風に本を読んでいる。ガンガディアとマトリフがパートナーであることは皆が知っていることだった。
「私で良ければ相談に乗ろう」
「よろしく頼む」
「好きな相手にどう接すれば良いか、だったな。もちろん一概に言えることではない。ひとは様々だ」
ガンガディアは当たり障りがないことを言いながら思考を巡らせる。相談に乗ると言ったものの、恋愛は得意な事柄ではなかった。マトリフとパートナーになったが、彼以外に恋愛感情を持ったことすらない。
真紀瑠唯
DONE(検索避けのため一部絵文字化)『🎋のよるのともだち』という絵本に「七夕の夜にたらいの水に星空を映して眺めるという古くからの風習に着想を得てつくられた」とあったので、同じようにヒュンマで連想してみました。大魔王戦後で書いてたけどうまく纏まらないので義兄妹ヒュンマ設定で。記憶無し子ヒュンと赤マム登場です。遅刻ー!ほし祭り「よるも行ぎだい〜!」
ゔーーーと唸るような声で桃色の頭が駄々をこねている。可愛らしいお願いは度々する子だけれど、こんなに意地になって親の言うことを聞き入れないのは初めてかもしれない。そんなにも強く「ほし祭り」はマァムの心をガッツリ捕らえていた。
カラフルな色の飾りを作ったり、短冊に願い事を書いたり。まだまだ小さな彼女には無理な作業が殆どで、これまでは両親がやってくれていた。しかし今年はヒュンケルが手伝ってあげて一緒にやったことで楽しさが増したのだろう。
子ども達向けの昼の部と、主に若者や大人達が参加する夜の部。その目的も客層もガラッと変わる。そんな理由もあって、両親としては昼間だけの見学で済ませるつもりだった。
1379ゔーーーと唸るような声で桃色の頭が駄々をこねている。可愛らしいお願いは度々する子だけれど、こんなに意地になって親の言うことを聞き入れないのは初めてかもしれない。そんなにも強く「ほし祭り」はマァムの心をガッツリ捕らえていた。
カラフルな色の飾りを作ったり、短冊に願い事を書いたり。まだまだ小さな彼女には無理な作業が殆どで、これまでは両親がやってくれていた。しかし今年はヒュンケルが手伝ってあげて一緒にやったことで楽しさが増したのだろう。
子ども達向けの昼の部と、主に若者や大人達が参加する夜の部。その目的も客層もガラッと変わる。そんな理由もあって、両親としては昼間だけの見学で済ませるつもりだった。
ImmortalWindil
DONE先日UPした「旅先からのメッセージ」の、宛先が誰なのか匂わせているバージョンです。ヒュンケルとラーハルトの現パロ新婚旅行なのは同じです。
旅先からのメッセージ(ver.another)「ふむ…どれが良いだろうか」
土産物屋の入り口で、回転ラックにディスプレイされた絵葉書を眺めながら、ヒュンケルは唸った。
種類が多い。とにかく多い。ざっと見ても50種類はあるのではないか。
人気観光地や、この国固有の動植物の写真、先住民の子孫によるアート作品…そして、それらが様々に組み合わさった物…
──《彼女》は一体どれを好むだろうか?
「おい、まだ悩んでいるのか?」
振り向くと、この蜜月旅の共であるラーハルトの、呆れた顔が目に入った。
「すまない。決められなくて…」
「あいつなら何だって喜ぶだろう。どれでも良いではないか」
そう言うとラーハルトはヒュンケルの目の前の絵葉書を一枚、無造作に取り出した。
1098土産物屋の入り口で、回転ラックにディスプレイされた絵葉書を眺めながら、ヒュンケルは唸った。
種類が多い。とにかく多い。ざっと見ても50種類はあるのではないか。
人気観光地や、この国固有の動植物の写真、先住民の子孫によるアート作品…そして、それらが様々に組み合わさった物…
──《彼女》は一体どれを好むだろうか?
「おい、まだ悩んでいるのか?」
振り向くと、この蜜月旅の共であるラーハルトの、呆れた顔が目に入った。
「すまない。決められなくて…」
「あいつなら何だって喜ぶだろう。どれでも良いではないか」
そう言うとラーハルトはヒュンケルの目の前の絵葉書を一枚、無造作に取り出した。
ImmortalWindil
DONE現パロ ヒュンケルとラーハルトの新婚旅行のお話しを書きました。新婚ぽい描写はありませんが、これは間違いなく新婚旅行です。
※ラーとヒュンが、共通の知り合いである《誰か》について話しています。著者は特定のキャラを想定して書きましたが、誰をイメージして読んで頂いても構いません。
旅先からのメッセージ「ふむ…どれが良いだろうか」
土産物屋の入り口で、回転ラックにディスプレイされた絵葉書を眺めながら、ヒュンケルは唸った。
種類が多い。とにかく多い。ざっと見ても50種類はあるのではないか。
人気観光地や、この国固有の動植物の写真、先住民の子孫によるアート作品…そして、それらが様々に組み合わさった物…
──《あの人》は一体どれを好むだろうか?
「おい、まだ悩んでいるのか?」
振り向くと、この蜜月旅の共であるラーハルトの、呆れた顔が目に入った。
「すまない。決められなくて…」
「何だって喜ぶだろう。どれでも良いではないか」
そう言うとラーハルトはヒュンケルの目の前の絵葉書を一枚、無造作に取り出した。
「そうだとは思うが…」
960土産物屋の入り口で、回転ラックにディスプレイされた絵葉書を眺めながら、ヒュンケルは唸った。
種類が多い。とにかく多い。ざっと見ても50種類はあるのではないか。
人気観光地や、この国固有の動植物の写真、先住民の子孫によるアート作品…そして、それらが様々に組み合わさった物…
──《あの人》は一体どれを好むだろうか?
「おい、まだ悩んでいるのか?」
振り向くと、この蜜月旅の共であるラーハルトの、呆れた顔が目に入った。
「すまない。決められなくて…」
「何だって喜ぶだろう。どれでも良いではないか」
そう言うとラーハルトはヒュンケルの目の前の絵葉書を一枚、無造作に取り出した。
「そうだとは思うが…」
kei_shi28
DONE突然失踪したヒュンケルを追って一軒家に辿り着いたラーハルト。彼がそこで見たものは……。※注意:男性妊娠表現、バーヒュン匂わせがあります。
逃亡 その一軒家は深い森の中に、誰からも忘れられたかのようにポツンと存在していた。
よくもまあ、こんなに人気のない所を見つけたものだと半ば呆れながらもラーハルトは家の敷地内へと足を踏み入れた。
所々に家主が植えたと思われる可愛らしい花が咲いている。
何となく花に触れたくなって手を伸ばすと、木の扉が少し開いて小さな子供がひょいと顔を出した。その容姿を目にしたラーハルトは思わず叫びそうになったが、なんとか平常心を保つことに成功する。
「……パパ?」
自分と同じ肌の色で、目の下に模様がある尖った耳の幼子の問いかけにラーハルトは反射的に返事をした。
「そうだ」
子供は嬉しそうに駆け寄り、両腕を高くあげた。『抱っこしろ』の合図だ。素早くその意味を読み取ったラーハルトは子供をひょいと抱き上げた。
1795よくもまあ、こんなに人気のない所を見つけたものだと半ば呆れながらもラーハルトは家の敷地内へと足を踏み入れた。
所々に家主が植えたと思われる可愛らしい花が咲いている。
何となく花に触れたくなって手を伸ばすと、木の扉が少し開いて小さな子供がひょいと顔を出した。その容姿を目にしたラーハルトは思わず叫びそうになったが、なんとか平常心を保つことに成功する。
「……パパ?」
自分と同じ肌の色で、目の下に模様がある尖った耳の幼子の問いかけにラーハルトは反射的に返事をした。
「そうだ」
子供は嬉しそうに駆け寄り、両腕を高くあげた。『抱っこしろ』の合図だ。素早くその意味を読み取ったラーハルトは子供をひょいと抱き上げた。
はちせ
DOODLEグラクルのエアスケブイラストです。遅くなりましたが、リクエストくださった方々ありがとうございました!
上から
「大勇者のアバン先生とヒュンケルのヒュンアバ」
「ご飯を食べる二人」
です。イベントお疲れ様でした! 2
真紀瑠唯
DONEじょうじさん@jo_jo_joujiが投下されたエルゴヒュが素敵過ぎて、その後のHMFを妄想してしまいました。928号室のじょうじさんと共にHMFを見守る9階の住民設定です。夢小説のように『私』部分を脳内で置き換えてお読み下さいませ。しあわせ子沢山HMF設定の使用許可を下さったじょうじさんに感謝いたします🙏🙏🙏有難うございました!
MDC伝説メゾンドカール。
最近熟年女性の転入が急増しているこのマンションで奇妙な噂が立っていた。
低層階の住民でさえ便利に利用しているエレベーターを
それなりの高層に住んでいながら使っていない人が居ると。
それも複数。
どうやら同じファミリーであるらしい。
「子どもの身体を鍛えるためなのかしらね?」
「でもご夫婦も使っていないらしいわよ」
同じエレベーターに乗り合わせた『私』は
これが例の噂か~
凄い人が居るもんだなと、ぼ~と聞き耳を立てていた。
噂は更に具体的になっていく。
「それで、何階の方なの?」
「確か…9階?」
「ぶほっ!!」
え?マジ!!!???きゅーかい!?
いやいや変な声を出してしまった。
上手い言い訳をしないと円滑なご近所付き合いに差し障りが…;;;
1016最近熟年女性の転入が急増しているこのマンションで奇妙な噂が立っていた。
低層階の住民でさえ便利に利用しているエレベーターを
それなりの高層に住んでいながら使っていない人が居ると。
それも複数。
どうやら同じファミリーであるらしい。
「子どもの身体を鍛えるためなのかしらね?」
「でもご夫婦も使っていないらしいわよ」
同じエレベーターに乗り合わせた『私』は
これが例の噂か~
凄い人が居るもんだなと、ぼ~と聞き耳を立てていた。
噂は更に具体的になっていく。
「それで、何階の方なの?」
「確か…9階?」
「ぶほっ!!」
え?マジ!!!???きゅーかい!?
いやいや変な声を出してしまった。
上手い言い訳をしないと円滑なご近所付き合いに差し障りが…;;;
garuhyu
DONE暦を作ったのに使わないスタイル魔物に誕生日を祝う習慣があるかといえば多分なくてヒュンケルが来た日だねーって自然派生したらいいとか思ってる
ワンドロお題「誕生日」長く徒歩旅をしていると、日にちの感覚が怪しくなる。街に入って日付を確認して今日はこの日だったかということは、よくある。
だから宿のカレンダーを見てラーハルトがおっという反応をするのも、そこまで不思議はない。
「俺の誕生日だったか」
「は?」
目を丸くしたヒュンケルにラーハルトもビックリしたようで、無意識に出た独り言だったようだ。
「それは祝わないといけないのでは?」
「…お前にその習慣があったのか?」
「父さんが俺を拾った日が誕生日ということになっている。皆が色んなプレゼントをくれて歌ってくれて嬉しかったものだ」
蕩けるような笑顔でそう語ったヒュンケルだったが、ふっとその表情が曇る。
「まあ…よく考えたらそれは略奪品だったんだが…」
1220だから宿のカレンダーを見てラーハルトがおっという反応をするのも、そこまで不思議はない。
「俺の誕生日だったか」
「は?」
目を丸くしたヒュンケルにラーハルトもビックリしたようで、無意識に出た独り言だったようだ。
「それは祝わないといけないのでは?」
「…お前にその習慣があったのか?」
「父さんが俺を拾った日が誕生日ということになっている。皆が色んなプレゼントをくれて歌ってくれて嬉しかったものだ」
蕩けるような笑顔でそう語ったヒュンケルだったが、ふっとその表情が曇る。
「まあ…よく考えたらそれは略奪品だったんだが…」