ヒュンケル
garuhyu
MEMO前回の「荷物」の続きぽいものになったプロット的な何かうちはヒュンケルが旅立つのをラーが便乗で助けている二人旅設定です
この二人はまだくっついてない
ワンドロ「添い寝」ヒュンケルはたまに、古傷由来の熱を出す。
そういうときは、野宿ではなく宿を取る。
「謝るのは禁止だ」
目を覚まして何か言おうとする気配を察して先手を打つ。案の定、図星を突かれたために目を白黒させている。…ちょっと可愛い。
「しかし」
「急ぐ旅なら別だが、当てがない…というより当て自体を探す旅だ。お前で足止めを食う事が必ずしもマイナスだとは限らん。」
それでも納得しかねるようなので、少し趣向を変えてみる。
「…まあ、自分から飛び出した手前恰好がつかんという気持ちはわからんでもない」
意地悪い視線で見やってみればわかりやすくぐうっという顔で呻いている。
「心配しなくてもいつも通りしっかり看護してやる。覚悟するがいい」
633そういうときは、野宿ではなく宿を取る。
「謝るのは禁止だ」
目を覚まして何か言おうとする気配を察して先手を打つ。案の定、図星を突かれたために目を白黒させている。…ちょっと可愛い。
「しかし」
「急ぐ旅なら別だが、当てがない…というより当て自体を探す旅だ。お前で足止めを食う事が必ずしもマイナスだとは限らん。」
それでも納得しかねるようなので、少し趣向を変えてみる。
「…まあ、自分から飛び出した手前恰好がつかんという気持ちはわからんでもない」
意地悪い視線で見やってみればわかりやすくぐうっという顔で呻いている。
「心配しなくてもいつも通りしっかり看護してやる。覚悟するがいい」
なりひさ
DONE子ヒュン+旧魔王軍。弟が欲しいヒュンケルと相談に乗る旧魔王軍のみんな弟「弟が欲しい?」
バルトスは驚いて聞き返した。ヒュンケルは期待のこもった眼差しでこくりと頷く。
「父さんは兄弟って知ってる?」
「あ、ああ。そうだな、知っているよ」
同じ親から生まれた者同士を兄弟ということはバルトスも知っている。ヒュンケルの表情から、興味本位で訊ねたのではなく、かなり真剣だと伝わってきた。
「ヒュンケルは弟が欲しいんだな?」
「うん!」
バルトスは二本の腕を組み、一本の手で後頭部を撫でた。
ヒュンケルには兄弟はいない。もしかして兄や姉に当たる人間がいたかもしれない。もしかしたら生き延びた両親が子をつくり、弟に当たる人間がいるかもしれない。だが、それを探すことも、ここへ連れてくることも限りなく不可能だろう。
4533バルトスは驚いて聞き返した。ヒュンケルは期待のこもった眼差しでこくりと頷く。
「父さんは兄弟って知ってる?」
「あ、ああ。そうだな、知っているよ」
同じ親から生まれた者同士を兄弟ということはバルトスも知っている。ヒュンケルの表情から、興味本位で訊ねたのではなく、かなり真剣だと伝わってきた。
「ヒュンケルは弟が欲しいんだな?」
「うん!」
バルトスは二本の腕を組み、一本の手で後頭部を撫でた。
ヒュンケルには兄弟はいない。もしかして兄や姉に当たる人間がいたかもしれない。もしかしたら生き延びた両親が子をつくり、弟に当たる人間がいるかもしれない。だが、それを探すことも、ここへ連れてくることも限りなく不可能だろう。
asamag108
TRAINING唐突に女体化したヒュンと、よく分からないままお世話係になってしまったラー、のようなもの。オチも何もない。ふたりはたぶんただの友達。
2022/11/20 「にょ化ぶれいくで来い!」展示作品 3312
omote_tatsuya
DONEラーハルト×ヒュンケル♀ヒュンケルは先天性の女の子です。付き合ってない。川に落ちたヒュンケルをラーハルトが助け、ずぶ濡れになった2人……震えるヒュンケルをラーハルトはどうするのか?!という話です。成人向け。ヒュンケルの一人称はオレ、です。パスワードは「にょ化ブレの開催日(4桁)」 5366
ぬんちゃん
DONE同槍会開催おめでとうございます!!!エア新刊のラーハルト&ヒュンケルギャグ「オレとお前とダイ五郎」表紙と、
以前描いた映画版モータルコンバットインスタフレンドシップパロ絵の展示となります。
今回出せなかったオレとお前とダイ五郎についてはいつしか本にして出したいと思ってます。(二人が気配斬りをするしょうもないギャグ漫画)
本日は全サークルさんを網羅する予定なのでよろしくお願いします~! 2
kawaO_1008
DONEラーハルト&ヒュンケルWEBオンリーイベント『同槍会』展示作品。折本配布にしようと思っていたら思いの外長くなったのでこちらに。
ラーヒュンというより使徒メンバー+ラーヒュンという感じ。
みんなでカジノに行くことになったお話。 5683
ぬんちゃん
DONEヒュンポプオンリー開催おめでとうございます!囚われのポップを助けるヒュンケルのとんでもバイオレンスギャグマンガを頑張ってご用意致しました。
頭をカラッポにして読んでもらえれば幸いです。
注意事項
★心に優しいギャグ
★とってもマータ゛ーライセンス牙のオマージュ
★ヒュンケルだけ脱ぎます
★やわらか過ぎるバイオレンス表現があります。
大丈夫な方だけどうぞ! 4
kawaO_1008
DONE同槍会参加のおりに行いましたリクエスト企画でいただきましたお題「仮面舞踏会」にて短歌。ラーヒュンです。
仮面……?舞踏会……???
深く考えないでください。
リクエスト有難うございました、あまり反映出来なくてごめんなさいm(_ _;)m
asebi_LarHyun
DONE10/15 ラーヒュン1dr1wr お題「香水」自分は、記憶と結びつく香りを嗅ぐと、一瞬で自分が自分の内面に囲まれて世界と切り離される感覚になるため、ラーハルトの主観で書く形になりました。
現代に転生後、自覚的な記憶なし。
オードパルファム・ヒュンケル→公式から出ているヒュンケルをイメージした香水。
龍涎香→名前に龍が入ってるので。
断片 「香水」***
今…は、いつだ
オレは何者としてここにいるのだったか
ここは世界のどの辺りだ
オレと関わりのない人間ばかりの雑踏で、動く背景となっていた誰かとすれ違いざまに包まれた、その香りが、オレを世界から切り離す。
一瞬で、まわりの景色も音も消え去り、己自身さえ見失う。
正体不明の焦燥感がビッグバンのように膨らんで全身を支配する。
苦しい、痛い。
思わず胸を掴む。
何か見える……。
眼前に迫り来る、土の色の上、銀色の美しい髪と、眩く光る鎖。
風を切る音を掻き消す、気迫に満ちた叫び声、次いで全身に感じる、凄まじい圧力。
この感情は……。
慎重に思い出す。
驚き。感嘆。敗北感。
血管が、強烈に収縮させられる。
思い出すだと……?
オレにそんな劇的な出来事の記憶はない。
2526今…は、いつだ
オレは何者としてここにいるのだったか
ここは世界のどの辺りだ
オレと関わりのない人間ばかりの雑踏で、動く背景となっていた誰かとすれ違いざまに包まれた、その香りが、オレを世界から切り離す。
一瞬で、まわりの景色も音も消え去り、己自身さえ見失う。
正体不明の焦燥感がビッグバンのように膨らんで全身を支配する。
苦しい、痛い。
思わず胸を掴む。
何か見える……。
眼前に迫り来る、土の色の上、銀色の美しい髪と、眩く光る鎖。
風を切る音を掻き消す、気迫に満ちた叫び声、次いで全身に感じる、凄まじい圧力。
この感情は……。
慎重に思い出す。
驚き。感嘆。敗北感。
血管が、強烈に収縮させられる。
思い出すだと……?
オレにそんな劇的な出来事の記憶はない。
simasimadayone
DONEスタバの新作フラペチーノがとても暗黒闘気色なお芋味だったので。ヒュンマをよくわかってるミストは、ヒュンケルの扱いもよくわかっている…。
※これは魔王軍カフェの商品です
2022・10・22
(こんなネタをアニメ最終回日に描いたのですが、当日配信がなくて現実逃避していました)
simasimadayone
DONEオレの天使を傷つけた礼は!ヒュンマフェス・リラン作品
氷魔塔姫抱っこ救出後ifです。
マァムの頬の傷に気づいたヒュンケルは…⁉︎
ヒュンマの2人は至って真面目ですが、そんな2人の世界をまともに浴びる敵味方たち…。
ガーゴイルFが私のお気に入りです…☺️ 5
simasimadayone
DONEヒュンマフェス・リラン作品・氷魔塔姫抱っこ
別に展示した漫画「オレの天使を傷つけた礼は!」の表紙のイメージです。
・生涯の誓いと天使の愛
鬼岩城戦にて誓いを立てたヒュンケルと、恥じらいつつも嬉しそうなマァムです。
・地底魔城の膝枕
過去作ですがお気に入りのため登録しました。 3
ムーンストーン
DONEダイの大冒険 ハドアバ前提のアバン○にネタですご注意ください。バーン大戦から数十年後にアバンの最後を看取るヒュンケルと、地上の人間とモンスターの後を託されたダイとポップです。
待つ人と待たれる人、待っているはずの人たちを綴りました。
もう数時間でダイ大アニメが最終回を迎えるかと思うと一睡もできないのでこのテンションのままアップします! 10769
Jeff
DOODLEお題:「髪」事後の憂鬱。
(捏造設定です)
#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2022/10/09
Beast うつ伏せたままの白い背から、ゆっくりと体を引き剥がす。
粘着質な何かが二人の間に糸を引く、淫らな錯覚と共に。
すでに汚れ切ったブランケットを引き寄せ、なるべく清潔な一角を使って、恋人の身体から体液を拭き取っていく。
だらしなく投げ出された四肢をそのままに愛でて、柔らかい尻に散った噛み跡をなぞり、数日は残りそうな腰の圧迫痕を密かに撫でる。
湿った大腿をざっと綺麗にしてやってから、脊椎の凹凸に静かに唇を寄せた。
一つ一つにキスを落とし、甘く苦い皮膚を味わいながら、首筋まで登っていく。
意識の無い恋人が、小さく喃語のような音を出した。軽いハミングで答えて、銀糸のような髪の生え際に指を通す。
顔を離して、大きく息をつき、彼の後ろ髪をかき分ける。
990粘着質な何かが二人の間に糸を引く、淫らな錯覚と共に。
すでに汚れ切ったブランケットを引き寄せ、なるべく清潔な一角を使って、恋人の身体から体液を拭き取っていく。
だらしなく投げ出された四肢をそのままに愛でて、柔らかい尻に散った噛み跡をなぞり、数日は残りそうな腰の圧迫痕を密かに撫でる。
湿った大腿をざっと綺麗にしてやってから、脊椎の凹凸に静かに唇を寄せた。
一つ一つにキスを落とし、甘く苦い皮膚を味わいながら、首筋まで登っていく。
意識の無い恋人が、小さく喃語のような音を出した。軽いハミングで答えて、銀糸のような髪の生え際に指を通す。
顔を離して、大きく息をつき、彼の後ろ髪をかき分ける。
Jeff
DOODLEお題:食べる#LH1dr1wr
1時間少し超えてしまいました、字数が多くすみません。
なぜか毎朝、卵料理を作るラー。
(ラーヒュンワンドロワンライ参加作品)
2022/09/28
Eggs「見ろ、ラーハルト」
ヒュンケルが寝室から声を張る。
ラーハルトはスープを煮立てる火を弱め、ことさら面倒くさそうに、彼が横たわるベッドに向かった。
「なんだ、朝から。いや、そもそも、きちんと起きて手伝わんか、この怠惰なごくつぶしめ」
「俺は休日だ。忘れたのか。それより、この本、古代の魔導書かと思ったのだが」
サイドテーブルには、昨日仕入れてきた古書が山積みになっている。寝転がったままのヒュンケルが、そのうちの一冊を指し示した。
擦り切れた印刷で、黄色っぽい楕円形がうずたかく積まれている、なんとも緊張感のない表紙。
「訳してみたら、全然違った。卵料理のレシピ集だった」
「だろうな」
見ればわかる気がするが。
5216ヒュンケルが寝室から声を張る。
ラーハルトはスープを煮立てる火を弱め、ことさら面倒くさそうに、彼が横たわるベッドに向かった。
「なんだ、朝から。いや、そもそも、きちんと起きて手伝わんか、この怠惰なごくつぶしめ」
「俺は休日だ。忘れたのか。それより、この本、古代の魔導書かと思ったのだが」
サイドテーブルには、昨日仕入れてきた古書が山積みになっている。寝転がったままのヒュンケルが、そのうちの一冊を指し示した。
擦り切れた印刷で、黄色っぽい楕円形がうずたかく積まれている、なんとも緊張感のない表紙。
「訳してみたら、全然違った。卵料理のレシピ集だった」
「だろうな」
見ればわかる気がするが。
suika
DONEヒュンケルとラーハルトがただただ飲んでいるお話。原作終了後です。ヒュンマとダイレオが結婚している前提なのでご注意ください。
小屋「前にも会ったことがあるな」
沈みかけた夕陽を映して煌めく鱗と瞳の色に覚えがあり、そう竜に話しかけるヒュンケルに鞍の金具を外すラーハルトが言う。
「分かるのか?空竜は気性が荒いがな、国の周りだと飛べる方がなにかと面倒がない」
空竜にしては小型のその竜はヒュンケルのことを金色の眼で見やるとふしゅう、と息を吐いて小屋の隣に体を丸めた。長い尾がぱたりぱたりと動いて収まりの良い位置を探すのを眺める。
「お前のことは気に入っているようだぞ。気に入らない奴は間合いに入れた瞬間に薙ぎ倒す」
パプニカの領地の外れの山あいにあるこの小屋はラーハルトがたまに寝泊まりをしているらしい。
宮殿内にも部屋を与えられているはずだが、ダイに呼ばれた時以外はほとんど寄り付いていない様子だった。
4627沈みかけた夕陽を映して煌めく鱗と瞳の色に覚えがあり、そう竜に話しかけるヒュンケルに鞍の金具を外すラーハルトが言う。
「分かるのか?空竜は気性が荒いがな、国の周りだと飛べる方がなにかと面倒がない」
空竜にしては小型のその竜はヒュンケルのことを金色の眼で見やるとふしゅう、と息を吐いて小屋の隣に体を丸めた。長い尾がぱたりぱたりと動いて収まりの良い位置を探すのを眺める。
「お前のことは気に入っているようだぞ。気に入らない奴は間合いに入れた瞬間に薙ぎ倒す」
パプニカの領地の外れの山あいにあるこの小屋はラーハルトがたまに寝泊まりをしているらしい。
宮殿内にも部屋を与えられているはずだが、ダイに呼ばれた時以外はほとんど寄り付いていない様子だった。
suika
DONEバルトスと赤ちゃんヒュンケルのお話です。2021年12月11日に開催されましたwebオンリーイベント「不死身の長兄」に寄せて。
乳児の育児に関してはフィクションとして書いています&ご理解いただいた上でお読みください。
揺り籠「山羊を何頭か連れてこい。乳が必要だ」
黒煙がそこかしこから立ち登る街から撤収する間際、バルトスは部下の魔物達にそう命じた。
***
「おお、起きたか。腹が減ったのか?」
地底魔城に戻って一刻もしないうちに、目を開けて泣き声を上げ始めた赤子は、しばらくぐずっていたがそのうち火がついたように泣き出す。顔を真っ赤に染めて全身を震わせて泣くその姿は、地獄の剣豪をも慌てさせる勢いだった。
「よしよし。これはまいったな。乳はまだか」
やっと魔物が絞った乳を器に入れて持ってくる。口元に器を付けてやると、赤子は泣きながらもおぼつかない仕草で必死にそれを飲み始めた。しかし母親から直接もらうのとは違って器からではうまく吸えないためか、吸い付く口が離れてはまた泣きじゃくる。
3208黒煙がそこかしこから立ち登る街から撤収する間際、バルトスは部下の魔物達にそう命じた。
***
「おお、起きたか。腹が減ったのか?」
地底魔城に戻って一刻もしないうちに、目を開けて泣き声を上げ始めた赤子は、しばらくぐずっていたがそのうち火がついたように泣き出す。顔を真っ赤に染めて全身を震わせて泣くその姿は、地獄の剣豪をも慌てさせる勢いだった。
「よしよし。これはまいったな。乳はまだか」
やっと魔物が絞った乳を器に入れて持ってくる。口元に器を付けてやると、赤子は泣きながらもおぼつかない仕草で必死にそれを飲み始めた。しかし母親から直接もらうのとは違って器からではうまく吸えないためか、吸い付く口が離れてはまた泣きじゃくる。
suika
DONE先生とヒュンケルの出会いの話。灰 まだ煙があちこちで燻る城内に、遠くから響く泣き声を追いかけた。
階段を駆け降りるその先に見えたのは床にうつ伏せて丸くなった小さな小さな背中。顔を埋める灰の山に混じる崩れた骨のかけら、それも端から溶けて白い灰へと姿を変えていく。あの騎士が胸にかけていた星の飾りがそのうえにぽつりと落ちていた。
魔王の力が消えた。それは即ち、その力によって歪な生を受けたものたちが本来あるべきところに還っていくということ。
虚空に消えゆく骨と灰に縋って泣き叫ぶ子どものその後ろに続く暗い回廊には、累々と横たわる死骸があった。自分が斬り伏せた魔物たちの。――恐らくは、彼のとても親しいものたちの。
――この子か。
足音に気付いたのか子どもがばね仕掛けの絡繰のように顔を上げた。まだ十の半分をやっと超えた程度だろうか。身につけているのは粗末でこそあるが汚れのない服。暗い燭台の灯りを映して弾く銀色の髪も、灰を掻く爪も短く整えられていて、日常の手入れがされた様子がある。まだこの年齢の幼い子どもがこれだけ清潔を保てているというのは、そこに手をかけ世話をしてやる誰かの存在があったということだ。
1383階段を駆け降りるその先に見えたのは床にうつ伏せて丸くなった小さな小さな背中。顔を埋める灰の山に混じる崩れた骨のかけら、それも端から溶けて白い灰へと姿を変えていく。あの騎士が胸にかけていた星の飾りがそのうえにぽつりと落ちていた。
魔王の力が消えた。それは即ち、その力によって歪な生を受けたものたちが本来あるべきところに還っていくということ。
虚空に消えゆく骨と灰に縋って泣き叫ぶ子どものその後ろに続く暗い回廊には、累々と横たわる死骸があった。自分が斬り伏せた魔物たちの。――恐らくは、彼のとても親しいものたちの。
――この子か。
足音に気付いたのか子どもがばね仕掛けの絡繰のように顔を上げた。まだ十の半分をやっと超えた程度だろうか。身につけているのは粗末でこそあるが汚れのない服。暗い燭台の灯りを映して弾く銀色の髪も、灰を掻く爪も短く整えられていて、日常の手入れがされた様子がある。まだこの年齢の幼い子どもがこれだけ清潔を保てているというのは、そこに手をかけ世話をしてやる誰かの存在があったということだ。
suika
DONE子ヒュンケルと先生の話。薄暗いです骨「……っ」
走った痛みに柄を握った手を開くと、指の付け根にできた肉刺が潰れて肉がわずかに覗いていた。滲んだ血が柄を滑らせるのが嫌で、服で乱暴にそれを拭う。
初冬の夕方、気温は相当に下がってきていて、動きを止めるとすぐに冷たい風が汗ばんだ肌から体温を奪っていった。
ぶる、と震える体にヒュンケルは舌打ちしてまた柄を強く握りなおして剣に精神を集中する。
温かいこの肌が嫌だった。弱くて脆くて忌わしい人間の体が。
ヒュンケル、と呼ぶ優しい父の声。抱き上げられるとふわりと宙に浮かぶようで、硬い骨の冷たいはずのその指先は、でも確かに優しく自分を撫でてくれた。
剣を振り下ろすと潰れた肉刺の痛みをびりと感じる。このまま振り続けて皮が破れて肉が抉れたなら、その下の硬い骨が出てくるのだろうか。
1112走った痛みに柄を握った手を開くと、指の付け根にできた肉刺が潰れて肉がわずかに覗いていた。滲んだ血が柄を滑らせるのが嫌で、服で乱暴にそれを拭う。
初冬の夕方、気温は相当に下がってきていて、動きを止めるとすぐに冷たい風が汗ばんだ肌から体温を奪っていった。
ぶる、と震える体にヒュンケルは舌打ちしてまた柄を強く握りなおして剣に精神を集中する。
温かいこの肌が嫌だった。弱くて脆くて忌わしい人間の体が。
ヒュンケル、と呼ぶ優しい父の声。抱き上げられるとふわりと宙に浮かぶようで、硬い骨の冷たいはずのその指先は、でも確かに優しく自分を撫でてくれた。
剣を振り下ろすと潰れた肉刺の痛みをびりと感じる。このまま振り続けて皮が破れて肉が抉れたなら、その下の硬い骨が出てくるのだろうか。
natukimai
DOODLE誇りの一番弟子さん展示品!ヒュンケルとアバンでお墓参りです!二人でいちゃこらして「お父さん、これがオレの嫁です!」的な
晴れたらいいね 荒涼とした大地。遠くでは雷の音が耐えなかった。
自分は名もない、体も影すらもない存在のまま、しかし、ここに在るという意識のままに「それ」は空中を漂っていた。
「お前、意識があるのか!?」
突然に声を掛けられ、風任せとはいえ、ある程度は自分で制御出来ていた動きが止まる。
「あるんだろ? 意識。なるほどーこれが――種、か」
その声は近付いてきて、ないのかあるのか分からない自分の体を触ろうとし、しかし、文字通り霧散してしまうことに不満を述べた。
「目、開けろよ」
目? それは何だろう。
「目だよ、目。魔力が足りないなら、ボクの力を分けてあげるから」
途端、自分の核へと流れ込んでくる強大な魔力。〈目〉を開けるどころか、自分が消し飛んでしまう。私は咄嗟に根を張り、その場に留まると面白おかし気な声が届いて「腹ただしくなる」……そうか、これが怒りの感情か。
6073自分は名もない、体も影すらもない存在のまま、しかし、ここに在るという意識のままに「それ」は空中を漂っていた。
「お前、意識があるのか!?」
突然に声を掛けられ、風任せとはいえ、ある程度は自分で制御出来ていた動きが止まる。
「あるんだろ? 意識。なるほどーこれが――種、か」
その声は近付いてきて、ないのかあるのか分からない自分の体を触ろうとし、しかし、文字通り霧散してしまうことに不満を述べた。
「目、開けろよ」
目? それは何だろう。
「目だよ、目。魔力が足りないなら、ボクの力を分けてあげるから」
途端、自分の核へと流れ込んでくる強大な魔力。〈目〉を開けるどころか、自分が消し飛んでしまう。私は咄嗟に根を張り、その場に留まると面白おかし気な声が届いて「腹ただしくなる」……そうか、これが怒りの感情か。
dosukoi_hanami
MENU誇りの一番弟子開催おめでとうございます㊗️ありがとうございます!ちびヒュンケルと先生が、出会って半年くらいのお話。
ヒュンケルの大切なものを、先生も一緒に大切にしようとしたのではないか思い描きました。 13
下町小劇場・芳流
MEMO以前ふせったーに載せた師弟考察ヒュンケル&アバン。これは、92話「天地魔闘の構え」でのアバンの「誇りです」を中心に書いたもの。師弟考察②ヒュンケル&アバン 「誇りです」の解釈92話「天地魔闘の構え」でのアバンの「誇りです」を振り返る。かなり主観が入りまくっているので、ご注意ください。
令和アニメでは、ヒュンケル視点だったので、アバンがなぜこの言葉を選んだのかは、はっきりと描写されなかった気がする。
そこで、語られなかったアバン視点を考えてみた。
以前も書いたが、アバンにとってヒュンケルは、一番弟子というだけではなく、特殊な立ち位置の弟子だ。
それは、世界を救った勇者アバンが、その救った世界と引き換えに、不幸にしてしまった少年がヒュンケルだということ。
この世界の矛盾を一身に引き受けてしまったわずか6歳の少年を、16歳だった勇者アバンは一番弟子として引き取り、育てることを決意した。
1159令和アニメでは、ヒュンケル視点だったので、アバンがなぜこの言葉を選んだのかは、はっきりと描写されなかった気がする。
そこで、語られなかったアバン視点を考えてみた。
以前も書いたが、アバンにとってヒュンケルは、一番弟子というだけではなく、特殊な立ち位置の弟子だ。
それは、世界を救った勇者アバンが、その救った世界と引き換えに、不幸にしてしまった少年がヒュンケルだということ。
この世界の矛盾を一身に引き受けてしまったわずか6歳の少年を、16歳だった勇者アバンは一番弟子として引き取り、育てることを決意した。
下町小劇場・芳流
MEMO以前、ふせったーであげたヒュンケル&アバンの師弟考察。ふたりの「救済」について。
師弟考察①ヒュンケル&アバン ふたりの「救済」についてヒュンケルはダイのネガとして作られた存在だろうとは思っている。つまり、ダイを裏返した存在。めぐりあわせによっては、こういう運命をたどっていたであろう、ダイの持っていたもう一つの裏の可能性。それが、ダイから見たヒュンケルだと思う。
だけど、アバンを通してみると、もっと違う側面がある。
何度も書いたけど、世界を救ったはずのアバンが救いきれなかった少年が、一番弟子であるヒュンケルというこの皮肉というか、苦悩。子どもは世界の宝だと語り、子どもたちの未来のために戦ってきたのが、勇者としてのアバンだった。そのアバンが世界を救った引き換えに、たった一人の家族を奪って不幸にしてしまった少年が、ヒュンケルなのだ。
アバンの願った「戦火の中で生まれた子どもこそ平和に生きるべき」と思った子どもたちの中には、ヒュンケルもいたはずなのだ。
642だけど、アバンを通してみると、もっと違う側面がある。
何度も書いたけど、世界を救ったはずのアバンが救いきれなかった少年が、一番弟子であるヒュンケルというこの皮肉というか、苦悩。子どもは世界の宝だと語り、子どもたちの未来のために戦ってきたのが、勇者としてのアバンだった。そのアバンが世界を救った引き換えに、たった一人の家族を奪って不幸にしてしまった少年が、ヒュンケルなのだ。
アバンの願った「戦火の中で生まれた子どもこそ平和に生きるべき」と思った子どもたちの中には、ヒュンケルもいたはずなのだ。
asamag108
TRAININGダイラー未満。主従の情しかないつもりだったのに、ダイ様が自分を好きらしいと知って急にすごく意識してしまう部下の話。前半:悪友的なラーハルトとヒュンケル
後半:様子のおかしいラーハルトと通常運転のダイ様 6793
ranatitia
DOODLE色々ダメなおヒュンです!あっ!石を投げないで💦フォロワーさんのこちらの呟きから。
ヒュンケルの装備:『裸』族の槍
https://twitter.com/6jd2l/status/1567515716508844035?s=21&t=jalZYBU8iUPeb4St2_P0gA
Jeff
DOODLE少年期HyunとMst
完全に妄想です。
それと、あのまきまきについて。
2022/08/31
In The Dark「痛そうだね」
と、ドラキーが言う。
ヒュンケルは無言で両腕の包帯を巻き取っていく。
「怪我をしているわけではないんだ」
ぽつりとつぶやく。全て外してしまうと、道具袋をまさぐって新品を取り出した。
「だったら、なんでそんなの着けているの?」
と、好奇心旺盛なドラキー。
通りすがりのくせに、しかもモンスターのくせに、ヒュンケルに対して警戒心が乏しい。出自は魔物だと自認する少年の、特有の匂いのせいかもしれないが。
「ねえ、なんで巻いているの?」
ぱたぱた飛び回るドラキーを、首をすくめて避ける。
「お前に関係ないだろ」とヒュンケルが言う。
「うん、関係ないよ。でも、それって関係ある?」とドラキー。
もっともだ。
2717と、ドラキーが言う。
ヒュンケルは無言で両腕の包帯を巻き取っていく。
「怪我をしているわけではないんだ」
ぽつりとつぶやく。全て外してしまうと、道具袋をまさぐって新品を取り出した。
「だったら、なんでそんなの着けているの?」
と、好奇心旺盛なドラキー。
通りすがりのくせに、しかもモンスターのくせに、ヒュンケルに対して警戒心が乏しい。出自は魔物だと自認する少年の、特有の匂いのせいかもしれないが。
「ねえ、なんで巻いているの?」
ぱたぱた飛び回るドラキーを、首をすくめて避ける。
「お前に関係ないだろ」とヒュンケルが言う。
「うん、関係ないよ。でも、それって関係ある?」とドラキー。
もっともだ。
Jeff
DOODLEメレンゲみたいに幸せな二人の日常。俺の魔法使い。
2022/08/24
Cupcake「……え?」
もと魔王軍幹部とは思えない、わたあめみたいな返事に、少年は何度目かのため息をつく。
「だから。卵をかき混ぜる時には、こっちの道具を使うんだって。それは、スープを掬うためのもの」
「ああ」
ヒュンケルは慌てて、目の前のボウルに注意を戻す。しかし、粉と卵の塊を呆然と突っつきながら、視線はすぐに窓の外へと飛んでいく。
「もう。教えてくれって言うから準備したのにさ」
「……ああ、すまない。どこまで教わっただろうか」
「もういいよ、今日はやめとこ。またちゃんと教えてあげるからさ」
「悪かった。なぜだろう、朝からどうも頭がはっきりしなくて……いや、もう一度お願いしたい。バターを溶かして、それから」
「うん、多分ヒュンケル様はお料理に向いていないよ」
5904もと魔王軍幹部とは思えない、わたあめみたいな返事に、少年は何度目かのため息をつく。
「だから。卵をかき混ぜる時には、こっちの道具を使うんだって。それは、スープを掬うためのもの」
「ああ」
ヒュンケルは慌てて、目の前のボウルに注意を戻す。しかし、粉と卵の塊を呆然と突っつきながら、視線はすぐに窓の外へと飛んでいく。
「もう。教えてくれって言うから準備したのにさ」
「……ああ、すまない。どこまで教わっただろうか」
「もういいよ、今日はやめとこ。またちゃんと教えてあげるからさ」
「悪かった。なぜだろう、朝からどうも頭がはっきりしなくて……いや、もう一度お願いしたい。バターを溶かして、それから」
「うん、多分ヒュンケル様はお料理に向いていないよ」
simasimadayone
DONEアナログ・ヒュンマチャレンジ!ネイル村の結婚式でね、村人たちと一緒にアイリッシュダンスするんだ…。ヒュンケルは踊りを知らないんだけど、マァムのリードで段々踊れるようになって、2人で弾ける笑顔を見せるんだ…。
…早く結婚してくれ!!!! 2
Jeff
DOODLE奪われたから、今度は、こっちが奪おう。2022/08/22
Hope ほとんど上下していないヒュンケルの胸を、じっと見つめる。
汗まみれで横たわる彼の相棒は、浅い眠りに落ちている。
小一時間程熱に魘され、消えない痛みに身を捩りながらのたうって、ようやく静かになったところだ。
ラーハルトはサイドテーブルに肘をついて、片手で自分の額を覆う。
脳に巣食った重たい霧を、この掌に吸い取ってしまえたら。
気を取り直して立ち上がると、古いランプに火を灯した。寝室の窓を閉めようとして、低く垂れさがった曇天に目をやる。
雨になりそうだ。
――潮時だ。
ヒュンケルも、良く分かっているはずだった。
「置いて行け、その時は」
と、当然のように、彼は言った。
二人の歩調は、最初に旅立ったときよりも、ほんの少し緩やかになっている。休息や食事のタイミングも変わった。
3034汗まみれで横たわる彼の相棒は、浅い眠りに落ちている。
小一時間程熱に魘され、消えない痛みに身を捩りながらのたうって、ようやく静かになったところだ。
ラーハルトはサイドテーブルに肘をついて、片手で自分の額を覆う。
脳に巣食った重たい霧を、この掌に吸い取ってしまえたら。
気を取り直して立ち上がると、古いランプに火を灯した。寝室の窓を閉めようとして、低く垂れさがった曇天に目をやる。
雨になりそうだ。
――潮時だ。
ヒュンケルも、良く分かっているはずだった。
「置いて行け、その時は」
と、当然のように、彼は言った。
二人の歩調は、最初に旅立ったときよりも、ほんの少し緩やかになっている。休息や食事のタイミングも変わった。
コノハ(happanical)
DONEスシ・レストランオールキャラのわちゃわちゃです。日常回大好き!
スシ・レストランここはギルドメイン大陸東岸のとある港町。ダイとポップ、そして城を抜け出したレオナは、中心部から少し離れたところに構える寿司店を訪れていた。
手渡されたメニューには親切心なのか単にデザイン上の都合か、魚の生体を背景に、新鮮そうな彩りで寿司が描かれている。
(…姫さんはともかく、ダイのやつ、寿司なんか食べたこと無ぇだろうな…まあそういうおれだって、いつかの誕生日祝いで食べたきりなんだけどよ…)
「おいダイ、コーンマヨとか手巻きナットーはどうだ?」
緊張した面持ちで店内を見渡したあとポップは、メニューの魚の群泳をまじまじと見つめるダイに語りかけた。
「おれ、このマチを頼むよ!」
「ま、マチ?」
魚の1匹を指差して、ダイはきっぱりと告げた。
1997手渡されたメニューには親切心なのか単にデザイン上の都合か、魚の生体を背景に、新鮮そうな彩りで寿司が描かれている。
(…姫さんはともかく、ダイのやつ、寿司なんか食べたこと無ぇだろうな…まあそういうおれだって、いつかの誕生日祝いで食べたきりなんだけどよ…)
「おいダイ、コーンマヨとか手巻きナットーはどうだ?」
緊張した面持ちで店内を見渡したあとポップは、メニューの魚の群泳をまじまじと見つめるダイに語りかけた。
「おれ、このマチを頼むよ!」
「ま、マチ?」
魚の1匹を指差して、ダイはきっぱりと告げた。
コノハ(happanical)
DONE怪談オールキャラのわちゃわちゃです。アニメの文化祭回のノリで書きました。
怪談ーーー戦いから数年後、一同はカールのハロウィンイベントで行う肝試しのトライアル要員として集められたーーー
カール近郊の森にて一同が注目するなか、コホン、と軽く咳払いをするとアバンが説明を始めた。
「えー、我がカール王国のハロウィンでは、肝試しが恒例となっています。今日はその予行演習なワケですが、クジで決まった男女のペアで、森の中を歩いてゴールまでたどりついてもらいます。」
「途中、モンスターに扮した人々が脅かしてくるので、びっくりしたらお菓子をあげてくださいね。」
…ごく普通の街の人々だから、絶対倒しちゃあダメですよ、とアバンは何名かに視線を送った。
「それでは皆さんお待ちかね、クジ引きタイムです!!」
1番手を引き当てたポップとエイミは、ランプひとつの灯りを頼りに砂利道を進んでいた。
3118カール近郊の森にて一同が注目するなか、コホン、と軽く咳払いをするとアバンが説明を始めた。
「えー、我がカール王国のハロウィンでは、肝試しが恒例となっています。今日はその予行演習なワケですが、クジで決まった男女のペアで、森の中を歩いてゴールまでたどりついてもらいます。」
「途中、モンスターに扮した人々が脅かしてくるので、びっくりしたらお菓子をあげてくださいね。」
…ごく普通の街の人々だから、絶対倒しちゃあダメですよ、とアバンは何名かに視線を送った。
「それでは皆さんお待ちかね、クジ引きタイムです!!」
1番手を引き当てたポップとエイミは、ランプひとつの灯りを頼りに砂利道を進んでいた。
コノハ(happanical)
DONE後悔原作終了後の話。
ラーハルトとヒュンケルの旅の終わりです。
後悔後悔などしない。力を尽くしたのだから。
だが、実を結ばなかったこの道のりに、意味はあるのだろうか。
「エイミは宿に送ってきた。酔いが回ったから先に休む、そうだ」
「そうか」
「……気をつかったんだろうな」
ギルドメイン山脈北方の街の小さなバーで、ラーハルトとヒュンケルはグラスを交わした。旅の中で何度となく繰り返された光景だが、今夜は特別な意味を持っている。
明日、ラーハルトは魔界に旅立つ。ポップ、それにクロコダインとともに。
大魔王バーンとの戦いからもうすぐ4年。地上の隅々まで巡りダイの行方を探ってきたが、発見には至らなかった。しかしながら、捜索は先日大きく進展を見せた。失われた古代秘術を封じた勾玉に呼応して、ダイの剣の宝玉がギルドメイン山脈を示して光ったのだ。
3589だが、実を結ばなかったこの道のりに、意味はあるのだろうか。
「エイミは宿に送ってきた。酔いが回ったから先に休む、そうだ」
「そうか」
「……気をつかったんだろうな」
ギルドメイン山脈北方の街の小さなバーで、ラーハルトとヒュンケルはグラスを交わした。旅の中で何度となく繰り返された光景だが、今夜は特別な意味を持っている。
明日、ラーハルトは魔界に旅立つ。ポップ、それにクロコダインとともに。
大魔王バーンとの戦いからもうすぐ4年。地上の隅々まで巡りダイの行方を探ってきたが、発見には至らなかった。しかしながら、捜索は先日大きく進展を見せた。失われた古代秘術を封じた勾玉に呼応して、ダイの剣の宝玉がギルドメイン山脈を示して光ったのだ。
himeka_hp
DONE相互様より、リクエストです!ほのぼのカワイイ系!!
ちょっとギャグっぽい最後はしっとりな全然違う内容になってしまいましたすみません!
不眠症なヒュンケルがポップに膝枕してもらう話です。
眠りに落ちた眠り姫「ポップ…頼みがあるのだが…」
いきなり現れた長兄であるヒュンケルが、また突拍子も無いことを言ってきた。
まあ、二人は恋人関係にあるのだから、いつかはするんだろうなあ、と思っていた事でもあるから、ポップは、二つ返事で引き受けた。
それは、膝枕である。
男であるポップの足なのだから、柔らかくはないし多分硬いはずだから寝心地は良くはないだろう。だが、ヒュンケルは、頑なに「膝枕を」「膝枕してくれ」と最後には懇願するようになり、ポップも段々と、引き気味に引き受けたのは内緒だ。
「とりあえず、部屋ん中入れよ、入口に突っ立ってないでよ」
「ああ…そうさせてもらおう」
とりあえず、部屋の中へとヒュンケルを招き入れ、椅子に座らせた。その間に、中へと引っ込んでいたポップは、温かい飲み物でも、と用意してあったとあるお茶を入れてヒュンケルの前にカップをおいた。
2174いきなり現れた長兄であるヒュンケルが、また突拍子も無いことを言ってきた。
まあ、二人は恋人関係にあるのだから、いつかはするんだろうなあ、と思っていた事でもあるから、ポップは、二つ返事で引き受けた。
それは、膝枕である。
男であるポップの足なのだから、柔らかくはないし多分硬いはずだから寝心地は良くはないだろう。だが、ヒュンケルは、頑なに「膝枕を」「膝枕してくれ」と最後には懇願するようになり、ポップも段々と、引き気味に引き受けたのは内緒だ。
「とりあえず、部屋ん中入れよ、入口に突っ立ってないでよ」
「ああ…そうさせてもらおう」
とりあえず、部屋の中へとヒュンケルを招き入れ、椅子に座らせた。その間に、中へと引っ込んでいたポップは、温かい飲み物でも、と用意してあったとあるお茶を入れてヒュンケルの前にカップをおいた。
Jeff
DOODLE旅の空と片思い。異国の夕食。
20220804
Lime...
「違う。その平たいやつに、野菜や肉を乗せる」
とラーハルトが呆れたように言う。
『平たいやつ』をフォークできちんと畳んで口に放り込んだばかりのヒュンケルは、どうしていいかわからず、そのままむしゃむしゃ平らげた。
「先に言ってくれ」
不味くはないが、どうりで、素朴な穀物の味しかしなかった。
「見ればわかるだろう、普通」
と、ラーハルトが酒場のテーブルに盛られた色とりどりの野菜と、良く煮込まれた肉の塊を手早く取り分ける。そのまま薄いパンのような皮に乗せて巻くと、一口齧った。
そして思い出したように、エメラルドみたいに輝くライムを取ると、すぱりとナイフで両断する。数滴振りかけて、また残りを頬張った。
3046「違う。その平たいやつに、野菜や肉を乗せる」
とラーハルトが呆れたように言う。
『平たいやつ』をフォークできちんと畳んで口に放り込んだばかりのヒュンケルは、どうしていいかわからず、そのままむしゃむしゃ平らげた。
「先に言ってくれ」
不味くはないが、どうりで、素朴な穀物の味しかしなかった。
「見ればわかるだろう、普通」
と、ラーハルトが酒場のテーブルに盛られた色とりどりの野菜と、良く煮込まれた肉の塊を手早く取り分ける。そのまま薄いパンのような皮に乗せて巻くと、一口齧った。
そして思い出したように、エメラルドみたいに輝くライムを取ると、すぱりとナイフで両断する。数滴振りかけて、また残りを頬張った。
asamag108
DOODLEバニーの日かつパンツの日なので両方を合体させねばならないと思ったのです…。付き合っているのかどうかはよく分からないラーとヒュンinモンスターだけの集落。
バニーになったりパンツ盗まれたりするラーがいます。
2022/08/02 6193
simasimadayone
DONEサマスタヒュンマ、ヒュンケルもできました!「この花、お前によく似合うな…」のヒュンです。
彼シャツマァムと対のイメージ。
切り慣れてきたスイカも切ってあげちゃうよ!
最後の一枚は、去年の指描きを放置してたやつ。貝殻と足跡。
ちょうどいいので渚ヒュンマコレクションに納めておきます。 4
nume_numeri
DONEラーハルトとヒュンケルの話。エロ無し健全。
原作後の話になるのでネタバレご注意ください。
灰と燃えさし思えば、その日は朝からろくな事がなかった。
愛用の毛皮には虫が湧き、道具袋の留めは壊れ、携行食にはカビが生えていた。もともと運勢などは信じないほうだが、ここまで不運が続くなら慎重になった方がよかったのかもしれない。
きっかけは、ちょっとした近道だった。
長く曲がった道を省略するために草地を突っ切った後、ヒュンケルが体調を崩すまで数時間もかからなかった気がする。おそらく草地に埋もれて足元がよく見えなかったのだろう、鋭い草や木板の釘で足を切ると、そこから病魔が入るのだと聞いたことがある。
足取りもおぼつかない友の肩をかつぎ、手頃な廃屋に寝かせてよくよく症状を問いつめてみれば、それらしい切り傷と高熱が想定した病と合致した。
2848愛用の毛皮には虫が湧き、道具袋の留めは壊れ、携行食にはカビが生えていた。もともと運勢などは信じないほうだが、ここまで不運が続くなら慎重になった方がよかったのかもしれない。
きっかけは、ちょっとした近道だった。
長く曲がった道を省略するために草地を突っ切った後、ヒュンケルが体調を崩すまで数時間もかからなかった気がする。おそらく草地に埋もれて足元がよく見えなかったのだろう、鋭い草や木板の釘で足を切ると、そこから病魔が入るのだと聞いたことがある。
足取りもおぼつかない友の肩をかつぎ、手頃な廃屋に寝かせてよくよく症状を問いつめてみれば、それらしい切り傷と高熱が想定した病と合致した。
Jeff
TRAINING彼の聖域、小さな書室。情動理論的迷宮に片足をつっこむヒュンと、面倒くさくてもとりあえず聞いてくれるラーとの、ある日の夕暮れの会話。
ふたたび旅立つ前、まだ王宮住まいの二人。(個人の妄想です)
Sanctum 王宮の巨大な図書館は、お気に入りの隠れ場所だった。
誰も読めなかった古代の魔導書も、真偽不明な歴史書も、ヒュンケルにとっては宝の山だ。しかも、滅多に人と会わないで済む。
修行と称して身体を苛め抜く時間が否応なく減ってしまった今、同程度の熱意を傾けて頭脳を酷使できる場所が見つかった。
これでだいぶ生活のバランスが取れるようになった、と本人は納得している。
しかし、何日も書庫に籠るヒュンケルを見かねたのか(あるいは単に目の届く範囲に引っ張り出したかったのか)、女王の指示で書斎をあてがってくれることになった。
久しく使われていなかった楽団の物置。彼専用の読書室に改造せよ、という、大掃除も兼ねた指令だ。
5750誰も読めなかった古代の魔導書も、真偽不明な歴史書も、ヒュンケルにとっては宝の山だ。しかも、滅多に人と会わないで済む。
修行と称して身体を苛め抜く時間が否応なく減ってしまった今、同程度の熱意を傾けて頭脳を酷使できる場所が見つかった。
これでだいぶ生活のバランスが取れるようになった、と本人は納得している。
しかし、何日も書庫に籠るヒュンケルを見かねたのか(あるいは単に目の届く範囲に引っ張り出したかったのか)、女王の指示で書斎をあてがってくれることになった。
久しく使われていなかった楽団の物置。彼専用の読書室に改造せよ、という、大掃除も兼ねた指令だ。