Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    怪談

    ciff_2

    DONEひふみと猫っぽちん?による怪談です。不穏なまま終わる怪談重視エンド。
    猫又パロがベースになっています。

    猫に飼われるがテーマでした。
    成就 独歩が「にゃー」と鳴いた。

     ふつうの猫として生きてきた時間より、ひととして生きてきた時間のほうが長い独歩は、とっくのむかしに鳴き方を忘れている。起き抜けでぼんやりしながら歯をみがいていたから気のせいだったのかもしれない。「おはよぉ独歩ちん」。足もとをうろうろしている独歩に話しかけると、洗面台のふちに飛び乗ってきた。「すーぐ落っこちるんだから、あんまりあぶないことすんなよ」。顔のまわりを撫でながら言い聞かせたけれど、ごろごろ喉を鳴らすばっかりで返事のひとつもしやしない。ほんとうに分かっているんだろうか。やがて俺の手から離れた独歩は、じっと蛇口を見つめた。まるでみずを欲しがっているようだった。でも。「独歩ちん。いっつも自分で出してるじゃん」。独歩はふつうの猫にあらず。ひとのすがたでいなくたって、蛇口くらい自分でひねるし歯だってみがける。はみがきしながら首をかしげた俺を、独歩がふりむいた。ちいさな満月の眸のなかで、俺はなぜだか不安そうな顔をしている。なんだろう。胸のなかでわだかまる、このたとえようのない違和感は。すっきりしない気持ちを洗い流したくて蛇口をひねると、すかさず独歩がみずにくちをつけた。その様子をなんとなくながめているときだった。夢中になって目測を誤ったせいだろうか。流水を直接浴びた独歩が、とても嫌そうに前足で顔をこすったのだ。
    2156

    時緒🍴自家通販実施中

    TRAINING8/13ワンライ
    お題【怪談・山】
    山で不思議なおじいさんを見た狡噛さんが中国の故事を持ち出して色々喋るお話です。
    月夜の壺 任務を終え、月が大きな夜中に、木々の連なる山の中をバンで移動していた時の話だ。
     花城は珍しくアイマスクをして眠り入り、須郷は勤勉にもデバイスで報告書を書いていた。俺は愛用の銃の手入れをしていて、狡噛は古びた本を小さなライトで照らしながらゆったりと読んでいた。運転手はこちらには話しかけて来ず、俺たちの間に会話はなかった。ただ少しおかしいことに、狡噛はどういうわけか、ふとした瞬間からバンの窓の外を見つめて動かなくなってしまった。本のページをめくる手も止まり、彼は夜中の山の景色に釘付けになっているようだった。
    「どうしたんだ?」
     俺は不思議に思って、銃の手入れを中断し、恋人に話しかけた。すると彼は狸にでも化かされたかのように「壺を持った老人を見たんだ」と言い、何かを考えるそぶりを見せた。こんな夜中に、こんな山の中を壺を抱えてすごすごと歩く老人か。案外その壺の中には骨が入っていたりして、と、俺は安い怪談のような空想をして、きっとそれとは全く違う想像をしているだろう狡噛を見た。
    2357

    yugetsu1341

    PROGRESS怪談チャンネルやオカルト系番組を見ていて思いついた話。土佐三振りと審神者と補佐が令和で行われた呪物の展示会で、遡行軍が展示物奪取しようとしているからその防衛を任される話。短編のはずなのにいつも長くなるのなんでだろう(端折りが下手な人)
    呪物展防衛任務の話 時は令和。とある都会の一角に中規模のギャラリーがある。日頃は閑散としているのだが、ここ数日珍しく長蛇の列が出来ていた。開かれているのは動画サイトで人気の怪談師、オカルトコレクター、心霊研究家などが持ち寄った呪物の展覧会。実際に怪異や異変が起きた曰く付きの物や、存在そのものが呪いをかける為に作られた物、古今東西幸運や良縁が来るとあやかられている物など実に様々な物が展示されていた。
     以前から動画サイトなどで実際に起きた出来事や、所持している呪物の解説などが専門チャンネルや番組で取り上げられており今回初登場の物など話題性に溢れたこの展示会は、オカルト、ホラー好きはもちろんのこと、民俗学、文化研究家の著名人やそれらを専攻している学生達、昨今そういった物をテーマに人気を博しているマンガや映画、小説といったエンターテインメントから入り、興味本位や怖いもの見たで来た一般の人など幅広かった。
    4801