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    月島

    棚ca

    DOODLE月島のいじらしさに咽び泣く。そんだけ苦労してんだから長風呂と白米とかいうベーシックプランじゃなくて、毎日デパ地下の惣菜食べててほしい
    鶴月SS「ゆっくり浸かりなさい。その方が体も休まる」
    「ゆっくり……ですか」
    「そうだ、月島。体の芯から温まるまで、だ」

     月島は鶴見中尉に伝えられた通り、湯船に浸かって体が芯から温まるのを待った。体の芯とはどこだ? そこが温まった時、そうと分かるのだろうか?
    「珍しいな、お前が長風呂しているのは」
     同僚に声を掛けられて月島は曖昧に頷く。ソイツはペラペラと好きにお喋りしてから「ああ、あつい。お前ものぼせるなよ」と言い残して上がっていった。月島は自分の体調を観察した。あついが、のぼせてはいない。それから何をするとでもなく入浴を続けた。この時間に何の意味があるのだろう? 長風呂を勧めてきた上官の意図を考えたが、そもそもいつだって何を考えているか分からない人だった。素直に健康のためと思って良さそうだ。周りの人間が何人か入れ替わる。「お前はあつくないのか」と訊かれるなどもしたが、当然あつい。ただ、まだ芯が温まったのか分からなかった。それに、のぼせるような感覚もない。
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    はねた

    DONE志村さんが月島さんに迫るところを見た壬生さんがやきもきする話を書きました。
    ほたつき前提。
    あたみのじけん「月島コーチ、僕と熱海の宿で一夜をともにしていただけませんか」
     いきなり耳に飛びこんできた声に、壬生は手にしたカメラをとり落としかけた。
     おわ、とすんでのところでストラップをひっつかみ、どうにかこうにか高額備品と地面との衝突は免れる。ふうと深い息をつきつつ、さていったい何ごとかとあらためて声のした方角へと目を向けた。
     秋も間近い時分、ユースの練習場はこどもたちの活気で賑わっている。AチームとBチーム、それぞれに切磋琢磨ししのぎを削り合う、その様は清々しくまさに青春と呼ぶにふさわしい。トップチームのむくつけき選手たちの撮影を終えたあとではいっそうに、青少年の爽やかさは目に眩しかった。
     練習場の片隅、AB両チームともに見渡せる位置に陣取って、壬生はカメラを構えているところだった。トップチームとクラブユース、それぞれの練習風景をおさめS N Sにあげるのがちかごろ壬生の日課となっている。練習の光景や日常のちょっとしたひとコマなど、ものめずらしいのかサポーターの反応は上々だったから仕事のモチベーションもそこそこ高い。
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