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    灰原

    yataratonemui46

    TRAINING「誰かの夢の中に生きますか」
     解毒薬は効かず、二年の余命を告げられた灰原に、研究所の医師は奇妙な提案をした。それは組織のボスが探らせた研究のひとつで、誰かの無意識の中に転移して生きることにより、魂の死の回避を可能にするものだった。
     工藤、赤井、降谷ーー。事情と生い立ちに理解のある男達が三人集められ、灰原の残る命の居場所を探す実験が始まった。
    彼の荒野にて「どうぞ、おはいり。なにもないところだけれども」
     彼は非常に恐縮しながら、手をとって私を迎えいれた。
     私は、「おかまいなく」と返事をするのに精一杯で、きょろきょろと身を乗り出して暴れまわる目玉を止めることは出来なかった。
     あなたの部屋はシンプルで、住みわけがきちんとしてそうだったのに。漠然と持っていた先入観を、慌てて子供服の尻ポケットに詰め込んだが、しっかりと見咎められていたらしい。
    「安心して、ランゴリアーズは出ないよ」
    と、嗤われた。
     色はないのに音はある。匂いはないのに、ただ冷たい。遠くでごうごうと風の吹き荒ぶ音が聞こえる、一面の岩場。

     降谷の夢の中は、モノクロームの荒野があるだけだった。



     ひとつきほど前、組織壊滅後から専属で研究を委せていた機関の医者に呼び出された。
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    しんした

    PROGRESS七灰原稿
    あの世で再会した七灰(28×17)
    好きって言ったけどちゅーはしませんでした……なんで……
    中盤がかなり迷走したので書き直すかも……
    (誤字脱字等チェックしてないのであればスルーしてください)

    とりあえずまとめて進捗上げるのはここまでにしようかなと思っています。
    このあとに七海と再会するまでの灰原くんのお話と、初夜のお話と、最後ちょろっと書くつもりでいるので頑張ります。
    夏インテ原稿(七灰)④


    灰原に涙を拭われてから、一度きりだった冬の思い出をぽつぽつと振り返った。
    あの頃、寮でこたつを持っていたのは灰原だけで、一つ上の先輩たちはよくここへやって来た。灰原の部屋にはテレビゲームのハードもソフトもそれなりに揃っていて、四人でゲームをすることも多かった。その時、いつも五条が画面のよく見えるテレビ正面に座りたがり、そこが定位置である灰原は毎回律儀に席を譲って七海の横へ移動していた。
    「あの人は本当に遠慮ってものを知らなかったな」
    「別に僕は気にしてなかったよ?」
    もちろん、灰原がそう思っていたことはあの頃からわかっていた。それに正直なところ、肩が触れる距離で灰原と座れることは七海にとって好都合だった。
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    しんした

    PROGRESS七灰原稿
    あの世で再会した七灰(28×17)
    いろいろ思い出の中を巡る二人。最後の方はセンチメンタルな感じです。
    誤字脱字等チェックしてないのであればスルーしてください。
    夏インテ原稿(七灰)②


    夜の砂浜を歩いていたはずが、徐々にもやが立ち込めて周りの景色は朧げになっていく。そのまま進むともやさらには濃くなり、いつしか辺りは真っ白な空間へと変わっていた。前後左右どころか上も下も白一色で、足を動かしてはいるが本当に歩けているのかわからなくなった。
    「ここは」
    「境目、かな。四季の場所を繋いでるとこ」
    とはいえ、周りはただ真っ白なだけで、他の四季がどこにあるのか見当もつかない。七海がキョロキョロと視線を漂わせていると、灰原は小さく笑って言葉を続けた。
    「大丈夫だよ七海。迷子になんてならないから」
    「別にそんな心配していない」
    「ほんとに?手、繋ごうか?」
    そう言った灰原は、少しだけ悪戯っぽく目を細めて手を差し出してきて、七海は微かに瞳を大きくさせた。あの世で再会してから手を繋ぐどころか抱きしめあったりしているのだから、別に今さらという気持ちは少なからずある。しかし、なんだかこれは子ども扱いされているようで少々不服であり、きちんと自分の気持ちを伝えていない状況で灰原の提案に甘じんてしまうことは、やはりどこか悔しかった。
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    しんした

    MEMO吸血鬼パロ七灰。
    ずっと若いままの灰原くん(吸血鬼)の側で寄り添い続ける七海(少年期〜壮年期)が見たいという願望。
    明治〜大正くらいの日本。
    灰原くんが居るお屋敷は日本家屋。
    灰原くんの外見は15〜6くらいで原作通り綺麗よりも可愛い系なので血をもらうために声をかける相手は女性よりも男性の方が多い。

    七海は12〜3くらいで、父の故郷である日本に移り住んできた。
    外見のことで周りから距離を置かれていて、家族以外とはほとんど交流がない。



    ちょっとした好奇心で入った古いお屋敷の中で出会った黒髪のお兄ちゃんと仲良くなった少年七海。
    彼とはお屋敷の中でしか会えなくて、それに何年たっても初めて会った時と顔が変わらないことに疑問を抱いていく。
    ある日、暗い夜道で彼を見かけた七海は声をかけようと後を追うが、入り組んだ道の先で見たものは、知らない男の首筋に噛み付いている彼の姿だった。
    恐ろしい光景のはずが、今まで見たことのない雰囲気の彼が頭から離れなくなった七海は、後日屋敷を訪れ彼に尋ねた。
    「きみは吸血鬼なのか?」
    「……七海にはバレたくなかったなぁ」
    ──ごめんね。
    困ったように小さく笑った彼を見た七海は、咄嗟に彼を抱きしめてしまう。
    「迷惑じゃないなら今まで通りここに来させてくれ。いや、側に居させてくれ 803

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    MEMO七伊と言い張る。
    呪霊の攻撃を受けて七海と灰原を幼馴染と思い込んでいる伊地知。ナナミンが可哀想なので続かない。供養。
    伊地知くんが呪霊による攻撃を受けて家入さんの治療を受けていると聞いて足早に医務室に向かう。扉を開けると五条さんと家入さんが何か話し込んでいるようだった。
    「失礼します」
    「ああ、七海か」
    「伊地知くんは?」
    「目立った外傷はない。目が覚めてから状態を確認するつもり…」
    「う…ん、五条さん…」
    「伊地知、大丈夫?」
    「目を覚ましたか」
    「あ…家入さん…」
    「状況は分かるか?」
    「はい、確か呪霊に攻撃を受けた所までは…」
    「伊地知くん大丈夫ですか?」
    「あ、建人くん」
    「……建人、くん……?」
    今まで初めて呼ばれた名前に固まっている私に五条さんと家入さんも少し驚きながらもテキパキと状況確認を始める。
    どうやら伊地知くんは呪霊による攻撃で私のことを幼馴染だと思い込んでいるようだった。それ以外は通常の伊地知くんと変わらなかった。
    しばらく様子を見るということになり、幼馴染なんだから!と五条さんに伊地知くんを任されることになった。
    伊地知くん、と呼ぶと前みたいに名前で呼んでくださいって寂しそうに笑って言われてしまったので初めて潔高と呼んだ。
    仕事は支障なくこなせるようだったが大事を見て一週間ほど 746

    しんした

    MEMO七灰
    いちご王子七海といちご農家灰原くん

    ご当地七海のあまおうが可愛い→高専だったらいちご王子七海では?という頭の悪い発想から生まれた、灰原くんが大切に育てたいちごの中からいちご王子の七海(手乗りサイズ)が現れて……というゆるいパロ。

    前半は会話文のみ。
    後半になるにつれてネタメモみたいな感じです。
    🍓

    ゆるゆるな設定

    手乗りサイズ七海はいちごを食べると人間サイズになれる。
    七海はいちごの国の王子なので魔法が使える。
    灰原くんは古い一軒家で一人暮らし。
    いちご栽培は始めたばかりor継いだばかりとか。

    🍓

    「きみの願いを叶えないと国へ帰れないんです」
    「願いなんてないんだけどなぁ」
    「じゃあ、願いが見つかるまでここに居ないと……(乗り気ではない)」
    「全然いいよ!ちょっと古いけど空いてる部屋いっぱいあるから!」
    「は?こんなボロ……いえ、なんとかなるので」
    「遠慮しないでって!」
    「いや、その」
    「えー?いちごの精ってことは僕のいちごそんなに良いいちごだったのかな?嬉しいなぁ!あ!じゃあ収穫したばっかりのいちごご馳走しちゃうね!」
    「……それは頂きます」

    そして絆されていくいちご王子

    🍓

    最初は早く帰りたくて仕方なかった七海だけど、一緒にいちごの世話をしたりしていくうちに灰原くんと一緒にいるのが心地よくなっていく。
    灰原くんは最初の七海の言葉通り、真剣に願い事を探してくれている。けれど、いつしか願い事がずっと見つからなければいいと七海は思うようになる。
    灰原くんも 1639

    しんした

    PROGRESS七灰原稿進捗(2021.04.25頒布予定の生まれ変わり本)
    気に入った部分を細切れにあげていく予定。
    上から新しい→古い順になってます。
    七海視点
    2021.03.01〜


    また巡り会えた。やっと思い出せた。
    二度と失いたくない。絶対、放したくない。
    「灰原、頼むから」
    ──もう、どこにも行かないでくれ。
    七海がそう囁くと、灰原は一瞬大きく目を見開いた。
    濡れた頬を拭い、そこへ静かに唇を寄せる。黒い瞳からまた涙の雫がこぼれたが、七海はそのまま、薄く開いていた灰原の唇をゆっくりと塞いだ。

    2021.03.11




    彼は暗く澱んだ世界で見つけた、唯一の明かりのようだった。
    ハキハキとよく通る声で名前を呼ばれると、頬が勝手に緩んでいく。くるくると表情を変える瞳に見つめられると、胸の奥があたたかくなる。大きな口から発せられる言葉はいつも前向きで、自然と背中を押されていた。
    彼のそばにいると、世界が鮮やかに見えた。辛さや苦しさが、少し楽になる気がした。
    いつの間にか特別になった。誰よりも大切にしたいと思った。ずっと共にありたいと望むようになった。

    2021.03.07




    メッセージだけでも嬉しいというのに、わざわざ写真まで送ってくれたことに胸の奥があたたかくなる。七海は手早く『綺麗に咲きそうだな。明日でも大丈夫だけど灰原はどうだ?』と送った。 1219