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    ぴえ

    yamagawa_ma2o

    PROGRESS花怜現代AU音楽パロ完結編。幸せになあれ~~~!!!!!って魔法をかけながら書きました。ハピエンです。
    すみませんが、③以降は原作(繁体字版とそれに準ずるもの)読んだ人向きの描写がはいっています。

    金曜日くらいに支部にまとめますが、ポイピク版は産地直送をコンセプトにしているので、推敲はほどほどにして早めに公開します。
    よろしくお願いします。
    花を待つ音④(終) コンサート本番、謝憐はどういうわけか花城の見立てで白いスーツを着ていた。
    「哥哥、やっぱり俺の予想通りだ。すごく似合ってる!」
    「本当かい? なんだか主役でもないのに目立ち過ぎないかな?」
    「俺にとっては哥哥が主役だからね」
     そう言って笑う花城はというと、装飾のついたシャツに赤い宝石と銀色の鎖のついたブローチをつけている。ジャケットとスラックスは黒いものだったが、ジャケットの裏地から見える光沢のある赤い生地が華やかさと季節感を演出していた。
     師青玄も白いスーツだったが、彼の方が生成色寄りで謝憐は雪のように白いものという違いがあり、共通点と相違点が適度に見えて舞台映えする。師青玄は中に緑色のシャツを着ていて、謝憐はあまり中が見えないが、薄い水色のシャツを着ていた。
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    まりも

    DOODLE恭ピエ
     ボクが恭二に話しかける度に、触れてる互いの腕から振動が伝わる。恭二は上の空で、それでも焦ったような顔をして、宙を睨んでいた。ボクは知ってる。ボクの右手のすぐそばにある恭二の左手が握ったり開いたりしていることを。

     ボクたちが付き合い始めて1週間。ボクが以前のように恭二に抱きつくと、恭二は固まって顔を真っ赤にしていた。もちろん、付き合う前はそんなことなかった。出会ったばかりの頃はスキンシップにびっくりしていた恭二も、最近では慣れてきたのだ。
     それが付き合い始めて、元通りになってしまった。いや、元通りよりもっとひどいかも。ボクを意識するあまり過剰に反応してしまう恭二に、最初は確かにボクのことを恋愛対象として見てくれているんだ、と嬉しかった。でもそれも、最初の一回二回だけだった。恭二にもみのりにも、慣れるまではスキンシップは控えめに、と言われてしまって、ボクは正直恭二不足だった。だから、頬を赤く染めた恭二がしどろもどろになりながらも、一緒に映画を観ようと誘ってくれて、チャンスだと思った。恭二の家で二人っきりなら、誰の目も気にすることなく恭二に触れられる。そして、恭二にも慣れてもらうんだ。気合い十分なボクを、みのりが心配そうに見ていたことには、気がつかなかった。
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    まりも

    DOODLE季節外れの海にいる恭ピエ
    「恭二!海だよ!」
    そう言って楽しそうに俺の手を引く恋人に、誘ってよかった、と思う。
     俺たちは今、撮影のため、この近くのホテルに泊まっている。数ヶ月後に流れるCMだから、季節外れの海で撮影をするのだ。人のいない海辺は寒いし、少し寂しくもある。おまけに日も暮れ始めている。それでもなんとなく、撮影の終わった後、ピエールを誘ってしまった。みのりさんも誘ったけれど、「デートの邪魔するほど野暮じゃないよ」とからかうように断られてしまった。デートのつもりはなかったけれど、ピエールはそのみのりさんの言葉に嬉しそうにしていたから、訂正もしなかった。
     そんなことを考えていたから、ピエールが海の向こうを見つめ、黙っているのに気がつくのが遅れた。その顔を見ただけで、何を考えているのかわかってしまった。きっと、ピエールは国を離れたくて離れたわけじゃないと、止むに止まれぬ事情があったのだと、直接聞いたことはないけど、思っていた。それは、ピエールの言葉の端々から、母国を恋しく思う気持ちが伝わってきたからだ。きっと、Beitとして活動していて、315プロのにぎやかな仲間に囲まれていて、寂しいわけではないのだろう。でも、それとは別の感情であることは、俺にはわからなくても、察することはできた。
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