mbyu6182
DONE※CP要素は低めですがミヤ主描写あります※御安眠妨害 その夜、ふと目を覚ますと、腕の中に主が居なかった。少しでも主が動いたら起きるようにしていたのに。少し焦って上体を起こすと、主はベッドの足元に座り込んで月を見上げていた。
「主様…どうかしたのかい?」
返事は無い。
「主様…?」
近付いて、そっと肩に触れる。動く事無く、硝子玉の瞳は窓の外の月を映していた。
「主様、眠れないのかい?」
そっと抱き寄せ、あやすように撫でる。
「誰か他の執事を呼んでこようか」
「…いい、別に、大丈夫。寝てて。」
「私は主様がゆっくりと眠れる様にここに居るんだよ」
見ると、手元のタオルが血に染まっていた。
「…鼻血かな?」
「うん」
「起こしてくれていいんだよ…」
「せっかく寝てるのに、悪いから」
754「主様…どうかしたのかい?」
返事は無い。
「主様…?」
近付いて、そっと肩に触れる。動く事無く、硝子玉の瞳は窓の外の月を映していた。
「主様、眠れないのかい?」
そっと抱き寄せ、あやすように撫でる。
「誰か他の執事を呼んでこようか」
「…いい、別に、大丈夫。寝てて。」
「私は主様がゆっくりと眠れる様にここに居るんだよ」
見ると、手元のタオルが血に染まっていた。
「…鼻血かな?」
「うん」
「起こしてくれていいんだよ…」
「せっかく寝てるのに、悪いから」
nico_yumeaka
MOURNING〜担当執事に手作りアクセサリーを身につけた自分を見せてみた〜せっかく作ったのだからと本人に見せたくなってくる。
その好奇心からは不安など微塵も無かった、褒めてくれるだろう、喜んでくれるだろうと楽しみにしながら指にリングを通す。
着いた先には目当ての執事がいた。 577
猫目ゆこ
DONEaknkまとめ⑦⚠︎後半に創作主♀がいます(ベリ主♀/ハウ主♀/テディ主♀/バス主♀/ハナ主♀/ユハ主♀)
単体絵(ルカス/ラト/アモン/フェネス)
(2024/03/29〜06/16) 12
猫目ゆこ
DONEaknkまとめ⑥⚠︎後半に創作主♀がいます(ボス主♀/ルカ主♀/ハナ主♀)
単体絵(ユーハン/フェネス/テディ/ハウレス/バスティン/ハナマル/ナック)
(2024/02/13〜03/25) 12
mbyu6182
DOODLE🐏たちのキス事情(恋仲)主と恋仲になったときのキス事情🫖
キスは好き。優しく啄むようなキスを何度もする。顔中に、身体中に、何度も何度も、名前を呼びながら「お慕いしております」「こんなにも愛おしい人は他におりません」「私だけの…」結構饒舌。キスの合間に甘く囁いて頬を優しく撫でる。愛されてる感が凄い。大切にされてる感もえげつない。寧ろもっと強気でもいいのよ。
🍽
めちゃくちゃ好き。許されるのならば事ある毎にキスしたい。けど、恥ずかしいから我慢。主の気分次第ですぐにソノ気にさせられる。最初は触れるだけのキスだが、段々と足りなくなって唇を舐め軽く吸って、もっと、と強請ってくる。応えて唇を軽く口を開けると舌を捩じ込んでくる。かなりねちっこい。勿論、キスだけで終わるわけがない。
2748キスは好き。優しく啄むようなキスを何度もする。顔中に、身体中に、何度も何度も、名前を呼びながら「お慕いしております」「こんなにも愛おしい人は他におりません」「私だけの…」結構饒舌。キスの合間に甘く囁いて頬を優しく撫でる。愛されてる感が凄い。大切にされてる感もえげつない。寧ろもっと強気でもいいのよ。
🍽
めちゃくちゃ好き。許されるのならば事ある毎にキスしたい。けど、恥ずかしいから我慢。主の気分次第ですぐにソノ気にさせられる。最初は触れるだけのキスだが、段々と足りなくなって唇を舐め軽く吸って、もっと、と強請ってくる。応えて唇を軽く口を開けると舌を捩じ込んでくる。かなりねちっこい。勿論、キスだけで終わるわけがない。
住めば都
DONEあくねこ、ルカス夢。いつもドキドキさせられて悔しい主様が、意趣返しのつもりで「ルカスは冗談ばっかり」と返したら、実は全部本気の本心だったと暴露される話。
交渉係を務めて長い男が、自分の思いに振り回されて本音を隠せず、苦し紛れに冗談だよって見え見えの誤魔化し方しかできないのめちゃくちゃ萌えるなと思うなどしました
いっそ全部、冗談にしてしまえたら 目の覚めるような美人ではない。愛嬌があるわけでも、聴衆を沸かせる話術を持つわけでもない。
至って普通。どこにでもいそうな、地味で目立たないタイプ。――それが私だ。
おおよそ三十年かけて築き上げた自己認識は、異世界で出会ったイケメン執事たちに「主様」と呼ばれ大切にされたところで、簡単に揺らぐようなものではない。
「フフ、主様といられる時間は、本当に幸せです♪ この時間が、永遠に続けばいいのになあ……」
「はいはい。全く……ルカスったら、冗談ばっかり言うんだから」
上機嫌に微笑む担当執事を、私は半眼で睨みつけた。
ルカスとアモンは、口説くようなセリフをよく言ってくる。恋愛経験の少ない私はそのたび顔を赤くしてドギマギしてしまうのだが、彼らの思惑どおりに翻弄されるのを、最近は悔しいと感じるようになっていた。
1884至って普通。どこにでもいそうな、地味で目立たないタイプ。――それが私だ。
おおよそ三十年かけて築き上げた自己認識は、異世界で出会ったイケメン執事たちに「主様」と呼ばれ大切にされたところで、簡単に揺らぐようなものではない。
「フフ、主様といられる時間は、本当に幸せです♪ この時間が、永遠に続けばいいのになあ……」
「はいはい。全く……ルカスったら、冗談ばっかり言うんだから」
上機嫌に微笑む担当執事を、私は半眼で睨みつけた。
ルカスとアモンは、口説くようなセリフをよく言ってくる。恋愛経験の少ない私はそのたび顔を赤くしてドギマギしてしまうのだが、彼らの思惑どおりに翻弄されるのを、最近は悔しいと感じるようになっていた。
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DONEハナマルの夜遊びと自覚《caution》娼館描写あり
Night out of Hanamaru ハッキリ言って、俺の生活は、前よりは裕福になった。給料もちゃんとあるし、休暇もちゃんとある。育児には給料や休暇は無い。その点、今の俺には色々と余裕がある。そして俺は、その余裕の潰し方も知っている。酒に賭博に女、金があれば余計な事は要らない。酒を呑みながら、そんな事を考える。
「それで、お兄さんは貴族の方なのかしら?」
「いや、俺がそんなお堅い身分なわけないっしょ〜」
「そうなの?お衣装も素敵だし、何より品のある顔してるから…貴族の方がお忍びで来てるのかと思っちゃった」
まぁ、そういう奴が多いんだろう。俺が昔出入りしてた娼館とは格が違う。仄暗い裏路地で客引きもやってなけりゃ、落ち窪んで疲れた目もしてない。きらびやかに着飾って、美貌を武器に、搾り取るタイプだろう。
2294「それで、お兄さんは貴族の方なのかしら?」
「いや、俺がそんなお堅い身分なわけないっしょ〜」
「そうなの?お衣装も素敵だし、何より品のある顔してるから…貴族の方がお忍びで来てるのかと思っちゃった」
まぁ、そういう奴が多いんだろう。俺が昔出入りしてた娼館とは格が違う。仄暗い裏路地で客引きもやってなけりゃ、落ち窪んで疲れた目もしてない。きらびやかに着飾って、美貌を武器に、搾り取るタイプだろう。
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DOODLE執事以上・恋人未満各🐏抱っこ事情🫖
王道の姫抱き。「肩に腕を回してくださいね」って、あんた、これから結婚アルバム写真でも撮るんです?
🍽
ガッツリ俵肩乗せ抱き。主は食材かぇ?担がれとんのだが。運び方としては効率的か?なんか、お相撲さんに抱えられている気もしてきた…
⚔
謎の肩車。主の指差す方に動きます。たまに主の頭の高さを考えずに動くので、主の顔面に色々とクリーンヒットします。騎馬戦のような感覚だよ…
✝️
サクッと姫抱き。後から赤面するタイプ。「しっかり掴まっていてください」って言う割に、後で主が触れた辺りの服をサスサスして赤面してます。
🦋
縦抱き膝位置。主が肩に掴まっているわけだが、いつもと違う景色にワクワクしますね。主が頭をぶつけないようにとても注意深く動きます。
1000王道の姫抱き。「肩に腕を回してくださいね」って、あんた、これから結婚アルバム写真でも撮るんです?
🍽
ガッツリ俵肩乗せ抱き。主は食材かぇ?担がれとんのだが。運び方としては効率的か?なんか、お相撲さんに抱えられている気もしてきた…
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謎の肩車。主の指差す方に動きます。たまに主の頭の高さを考えずに動くので、主の顔面に色々とクリーンヒットします。騎馬戦のような感覚だよ…
✝️
サクッと姫抱き。後から赤面するタイプ。「しっかり掴まっていてください」って言う割に、後で主が触れた辺りの服をサスサスして赤面してます。
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縦抱き膝位置。主が肩に掴まっているわけだが、いつもと違う景色にワクワクしますね。主が頭をぶつけないようにとても注意深く動きます。
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DOODLE執事以上・恋人未満のハグ事情各🐏のハグ事情🫖
そっと包み込むようなハグ。あたたかい。紅茶のと、ちょこっとだけマドレーヌの甘い、香りがする。胸元に額を押し付けると優しく撫でてくれる。少し聖母を感じる。貴方様は処女妊娠して私を産んだお母様ですね
🍽
ガシィッと抱き締めてグルグルするので遠心力で足が外側に反れます。コレはアレだ、アレで見たよ、ジブリ。多分、ジブリ。ラピュタかな。ハウルかな。魔女宅かな。まあ、多分、宮さんだよ。多分ね。ロノの前向きさと素直さと感情的は、どことなくジブリ味あるよね。ロノ、ジブリ出れるんじゃない。ハグシーン用で。
⚔
強い。痛い。肋骨折る気かな?主、頑張ってカルシウム摂るね。バスティンのハグに負けない強い骨を手に入れるように頑張るよ。でも、無言だと、感情がわからないよ。怒ってるの?寂しかったの?嫉妬してる?言ってくれないかなぁ。話して欲しいなぁ。心を暴きたいなぁ。
1613そっと包み込むようなハグ。あたたかい。紅茶のと、ちょこっとだけマドレーヌの甘い、香りがする。胸元に額を押し付けると優しく撫でてくれる。少し聖母を感じる。貴方様は処女妊娠して私を産んだお母様ですね
🍽
ガシィッと抱き締めてグルグルするので遠心力で足が外側に反れます。コレはアレだ、アレで見たよ、ジブリ。多分、ジブリ。ラピュタかな。ハウルかな。魔女宅かな。まあ、多分、宮さんだよ。多分ね。ロノの前向きさと素直さと感情的は、どことなくジブリ味あるよね。ロノ、ジブリ出れるんじゃない。ハグシーン用で。
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強い。痛い。肋骨折る気かな?主、頑張ってカルシウム摂るね。バスティンのハグに負けない強い骨を手に入れるように頑張るよ。でも、無言だと、感情がわからないよ。怒ってるの?寂しかったの?嫉妬してる?言ってくれないかなぁ。話して欲しいなぁ。心を暴きたいなぁ。
住めば都
DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 より、お題をお借りしました「内緒にしようね」でハウレス夢
主様がお土産を買ってくる話
今日、カフェでチョコバナナケーキを食べながら、これたぶんハウレス好きだよなと思ったのを形にしました。おあつらえ向きにぴったりのお題があったので……
甘やかなひみつ「ハウレス! グッドタイミングだよ!」
いつもの時刻に屋敷へやってきた主人は、出迎えたハウレスの顔を見るなりそう言って親指を立てた。
「寝室行ったら一旦あっちに戻るけど、すぐに帰ってくるから、コーヒーの用意をお願い。ポットで、カップは二つね!」
そう言って、彼女は階段を駆け上がっていく。
わけもわからぬまま、けれど主人の頼まれごとを放っておくわけにもいかない。ハウレスは言われたとおりにコーヒーを用意するべく、別邸にいるテディの元へ向かった。
紅茶ならばハウレスだって、ベリアンには及ばずとも、それなりに入れられる。それは、執事として長い時間を過ごす中で、身につけた技術だ。
だがコーヒーに関しては、最近勉強を始めたばかりで。コーヒー好きのテディが入れるものにはまだまだ敵わない。
2379いつもの時刻に屋敷へやってきた主人は、出迎えたハウレスの顔を見るなりそう言って親指を立てた。
「寝室行ったら一旦あっちに戻るけど、すぐに帰ってくるから、コーヒーの用意をお願い。ポットで、カップは二つね!」
そう言って、彼女は階段を駆け上がっていく。
わけもわからぬまま、けれど主人の頼まれごとを放っておくわけにもいかない。ハウレスは言われたとおりにコーヒーを用意するべく、別邸にいるテディの元へ向かった。
紅茶ならばハウレスだって、ベリアンには及ばずとも、それなりに入れられる。それは、執事として長い時間を過ごす中で、身につけた技術だ。
だがコーヒーに関しては、最近勉強を始めたばかりで。コーヒー好きのテディが入れるものにはまだまだ敵わない。
住めば都
DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしました「そばにいて」でテディ夢
風邪を引いて熱を出した主様を、看病するテディの話です。体調悪い時って心細くなりますよね。
寒暖差と気圧の変化がエグい日々が続きますね。皆さま体調にはお気をつけて……!
ここにいるよ テディがその場に居合わせたのは、偶然以外のなにものでもなかった。なにしろ屋敷の女主人が玄関に姿を現したのは、彼女の帰宅予定よりずっと早い時間だったので。
「あ! 主様、お帰りなさいませ!」
平日の、日の高いうちに会えるなんてラッキー!
そんなふうに、テディが喜びに顔を綻ばせていられたのは、ほんの束の間だった。ぼんやりと彼の名を呼んだ主人が、くずおれるように座り込んでしまったからだ。
「主様!?」
慌てて駆け寄ったテディは、今にも倒れてしまいそうな体を支える。体調が悪いのではと考え触れた額は、案の定、燃えるように熱かった。
「ごめん……ルカスを呼んでもらえる……?」
弱々しい声で言った主人が、気だるげに息をつく。途中で苦しそうに咳き込んだ彼女の背を摩ると、テディはそのままぐったりした体を抱え上げた。
1578「あ! 主様、お帰りなさいませ!」
平日の、日の高いうちに会えるなんてラッキー!
そんなふうに、テディが喜びに顔を綻ばせていられたのは、ほんの束の間だった。ぼんやりと彼の名を呼んだ主人が、くずおれるように座り込んでしまったからだ。
「主様!?」
慌てて駆け寄ったテディは、今にも倒れてしまいそうな体を支える。体調が悪いのではと考え触れた額は、案の定、燃えるように熱かった。
「ごめん……ルカスを呼んでもらえる……?」
弱々しい声で言った主人が、気だるげに息をつく。途中で苦しそうに咳き込んだ彼女の背を摩ると、テディはそのままぐったりした体を抱え上げた。
Asa
DOODLEハナマルのあれの大きさについて真剣に考えた結果。どんどん迫り来るあれ。
あれについて真剣に考えたらあれの歴史などについてまで調べ始めてしまって😇
真面目なんだよ真面目!!!!😇🫠
近いうちに色つけて完成させますね。 3
mbyu6182
DONE畳はやっぱり昼寝に最適。御昼寝 ある日の別邸にて。それぞれの仕事や訓練を終えた執事たちは、昼休憩を取ろうと、自室に戻って来た。
「今日の訓練は上手くやれた気がします!」
「そうですね、ハウレスさんも終始にこやかでしたし、日々の成果が見えてきましたね。」
「でも、主様を守るためにはもっと強くならなきゃですよね」
「はい、私もそう思います。私たちは経験値を買って頂いて悪魔執事になったのですから、少しでも早く戦力にならなくては。」
「それよりも…今日も来なかったですね、ハナマルさん。何か別のお仕事があったのでしょうか?」
「あの方は…どうせサボりなのでは───」
戸を開けると、ハナマルが唇に人差し指を当てていた。静かにしろ、と言いたげに、視線を畳の方に流す。テディとユーハンがハナマルの視線を追うと、その先には、畳の上で丸まって寝ている主とムーが居た。
653「今日の訓練は上手くやれた気がします!」
「そうですね、ハウレスさんも終始にこやかでしたし、日々の成果が見えてきましたね。」
「でも、主様を守るためにはもっと強くならなきゃですよね」
「はい、私もそう思います。私たちは経験値を買って頂いて悪魔執事になったのですから、少しでも早く戦力にならなくては。」
「それよりも…今日も来なかったですね、ハナマルさん。何か別のお仕事があったのでしょうか?」
「あの方は…どうせサボりなのでは───」
戸を開けると、ハナマルが唇に人差し指を当てていた。静かにしろ、と言いたげに、視線を畳の方に流す。テディとユーハンがハナマルの視線を追うと、その先には、畳の上で丸まって寝ている主とムーが居た。
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DONE教材配布ができたらいいのに。※CP要素は低めですがミヤ主描写あります※
御教材 ある日、主が欲しいものがある、と言ったのは、かなり珍しい事だ。
「活版印刷機が欲しいんだけど」
そう告げられたナックは、少しの間、思考が停止した。
「えっと…な、なるほど、印刷機ですか。何にお使いになるのでしょうか?」
「良かった、この世界はやっぱり活版印刷なんだね」
「そうですね、私たちが住む中央の大地を中心に、印刷技術は活版印刷が主となっております」
「でもまぁ、印刷機なんて産業用だよねぇ」
「そうですね…個人的に御使用になる事は不可能ではございませんが…主様は印刷機を何にお使いになるのですか?」
「そうだよね、高いよねぇ。そんな予算無いよなぁ」
「いいえ、このナック、主様の御所望とあれば、何でも手に入れましょう!」
1420「活版印刷機が欲しいんだけど」
そう告げられたナックは、少しの間、思考が停止した。
「えっと…な、なるほど、印刷機ですか。何にお使いになるのでしょうか?」
「良かった、この世界はやっぱり活版印刷なんだね」
「そうですね、私たちが住む中央の大地を中心に、印刷技術は活版印刷が主となっております」
「でもまぁ、印刷機なんて産業用だよねぇ」
「そうですね…個人的に御使用になる事は不可能ではございませんが…主様は印刷機を何にお使いになるのですか?」
「そうだよね、高いよねぇ。そんな予算無いよなぁ」
「いいえ、このナック、主様の御所望とあれば、何でも手に入れましょう!」
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DONE当日に全員分は無理そうなので取り敢えず1階組だけで( ´・֊・` )1階組と Happy Halloween その日、主の良い事を思い付いた、という顔をして
「Happy halloween I'll trick devil」
叫びながら恋人を追いかけ回した。追い詰めた結果、
「悪魔には紋章にキスしちゃうぞー♡」
とニンマリ笑ったのだった。
【ベリアン・クライアンの場合】
自室へと追い詰めた主は、戸の鍵をそっと閉める。
「ほ、本当に、その…なさるおつもりですか…?」
「ハロウィンだからね、悪魔にはイタズラしないとね♡」
そういうものだろうか、とベリアンは思う。
「わ、わかりました…主様がそう仰るのなら…」
仕方なく、服を脱ごうとすると
「待って、それも私がやる!」
愉しそうに主はベリアンの服に手をかけた。
「そんな、主様のお手を煩わせるわけには」
2167「Happy halloween I'll trick devil」
叫びながら恋人を追いかけ回した。追い詰めた結果、
「悪魔には紋章にキスしちゃうぞー♡」
とニンマリ笑ったのだった。
【ベリアン・クライアンの場合】
自室へと追い詰めた主は、戸の鍵をそっと閉める。
「ほ、本当に、その…なさるおつもりですか…?」
「ハロウィンだからね、悪魔にはイタズラしないとね♡」
そういうものだろうか、とベリアンは思う。
「わ、わかりました…主様がそう仰るのなら…」
仕方なく、服を脱ごうとすると
「待って、それも私がやる!」
愉しそうに主はベリアンの服に手をかけた。
「そんな、主様のお手を煩わせるわけには」
猫目ゆこ
DONEaknk絵まとめ②⚠︎最後の1枚にアモ主♀があります(主顔無し)
単体絵(テディ/ボスキ/ユーハン/フェネス/ラト/ラムリ/ハウレス/ベリアン)
(2023/10/11〜10/29) 10
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DONEアモンの舌ピで遊ぶ主。御貫穿 昼下がりの庭園。紫外線アレルギーの主は木陰に座り、なるべく陽射しを避けながら、ガゼボで日陰浴をしていた。スケッチしていた手を止め、少し考えるように耳のピアスを弄る。
主は、ピアス穴が多い。首上のピアスホールは12ヶ所だ。それでもまだ足りない、と云う。飽きたのか、主はスケッチを投げ出し、アモンを呼ぶ。
「アモン、お口あーん」
「んぁ、なんっひゅは?」
ぱかぁ、と開けたアモンの口の中に主は親指を突っ込む。残りの4本と掌で顎を支え、舌を捏ねる。
「ひゃ、るひ…はまぁ…」
舌裏を撫でられ、ピアスをグリグリと弄られ、アモンの瞳は少し濡れた。
「舌ピいいなー。べろチューきもちーんだって。私も開けようかな?」
「は、ぁ…ひゃっへ、ふぁ…」
719主は、ピアス穴が多い。首上のピアスホールは12ヶ所だ。それでもまだ足りない、と云う。飽きたのか、主はスケッチを投げ出し、アモンを呼ぶ。
「アモン、お口あーん」
「んぁ、なんっひゅは?」
ぱかぁ、と開けたアモンの口の中に主は親指を突っ込む。残りの4本と掌で顎を支え、舌を捏ねる。
「ひゃ、るひ…はまぁ…」
舌裏を撫でられ、ピアスをグリグリと弄られ、アモンの瞳は少し濡れた。
「舌ピいいなー。べろチューきもちーんだって。私も開けようかな?」
「は、ぁ…ひゃっへ、ふぁ…」
住めば都
DONEあくねこ、ミヤジ夢。夕日に照らされるミヤジを見て不安になった主様と、彼女の不安を優しく払うミヤジの話。
中村雨紅『夕焼け小焼け』より引用
ほんとはストールネタを入れたかったんだけど、書き始めてから、散歩ってことは運動着だよな?ということに気づき、入れられなかったのでした……
手を繋いで帰ろう♪〜夕焼け小焼けで日が暮れて
♪〜山のお寺の鐘がなる
秋は、日毎に深まっている。
悪魔執事の主人は、担当執事を務めるミヤジに誘われて、屋敷の裏に広がる森の小路を散策していた。
乾いた空気に晒された下草や落ち葉が、足を動かすたびにかさかさと音を立てる。姿を隠した鳥たちや虫たちも、澄んだ声を響かせており、森の中はちょっとした音楽会のようだ。
「主様、疲れてはいないかい?」
先導するミヤジが問うが、屋敷を出てからまだ十分も立っていない。心配性の執事に、女は「やっと体が温まってきたところだ」と元気いっぱい答えた。
二人はゆっくりと森を進んでいく。予定では、湖畔まで行って、少し休憩をしてから屋敷に戻ることになっていた。
1805♪〜山のお寺の鐘がなる
秋は、日毎に深まっている。
悪魔執事の主人は、担当執事を務めるミヤジに誘われて、屋敷の裏に広がる森の小路を散策していた。
乾いた空気に晒された下草や落ち葉が、足を動かすたびにかさかさと音を立てる。姿を隠した鳥たちや虫たちも、澄んだ声を響かせており、森の中はちょっとした音楽会のようだ。
「主様、疲れてはいないかい?」
先導するミヤジが問うが、屋敷を出てからまだ十分も立っていない。心配性の執事に、女は「やっと体が温まってきたところだ」と元気いっぱい答えた。
二人はゆっくりと森を進んでいく。予定では、湖畔まで行って、少し休憩をしてから屋敷に戻ることになっていた。
住めば都
DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしました使用お題「スイーツ」。メインはロノと主様、友情出演でハナマル、ユーハンという感じ。夢要素は香る程度。
今年のパレスはさつまいもがやたらと豊作。処理に困っているロノに、主様がアドバイスをしたようです。
パレスの日常の一部を切り取るようなつもりで書きました。
秋の味覚の楽しみ方 本日のおやつであるスイートポテトを前に、デビルズパレスの女主人は目を瞬かせた。
昨日はさつまいものマフィンで、一昨日は食後のデザートがさつまいものモンブランだった。その前の日は、確か夕食にさつまいものサラダが出たし、さらにその前はポタージュだったか。さすがに三日以上前ともなると記憶が怪しい。
彼女はさつまいもが大好きなので、連日でも全く構わない。だがいくら旬の食材とはいえ、こうも同じ食材を使ったメニューが続くと、台所事情が気になってしまう。
「最近、さつまいもの料理やスイーツが続くね。旬だから?」
「……やっぱ、気づきますよね?」
「まあ、これだけ続けばさすがにね」
「だよなあ……」
訊ねた女に、厨房の主であるロノは渋い顔になった。どうやらさつまいもメニューが続いていることを気にしていたらしい。
2604昨日はさつまいものマフィンで、一昨日は食後のデザートがさつまいものモンブランだった。その前の日は、確か夕食にさつまいものサラダが出たし、さらにその前はポタージュだったか。さすがに三日以上前ともなると記憶が怪しい。
彼女はさつまいもが大好きなので、連日でも全く構わない。だがいくら旬の食材とはいえ、こうも同じ食材を使ったメニューが続くと、台所事情が気になってしまう。
「最近、さつまいもの料理やスイーツが続くね。旬だから?」
「……やっぱ、気づきますよね?」
「まあ、これだけ続けばさすがにね」
「だよなあ……」
訊ねた女に、厨房の主であるロノは渋い顔になった。どうやらさつまいもメニューが続いていることを気にしていたらしい。
住めば都
DONEあくねこ、ボスキ夢※2023BDカードのストーリーの内容にかなり触れています。読んで感じたことをこねこねしたので…
ボスキの誕生日にとある不安を感じた主様が、ボスキと約束を交わす話
そんな"いつか"が来ませんように 仲間たちに囲まれ、盛大に祝われているボスキの姿を眺めながら、女はふと顔を曇らせた。
祝いの席にはふさわしくない表情であることも、気づいた執事たちが心配することもわかっている。けれどどうしても、わき上がる不安を心の中に留めておけなかった。
考えていたのは、今日の主役であるボスキのことだ。
パーティーが始まる前のこと。彼女はボスキと二人で話をする時間を得た。その場で用意していたプレゼントを渡し、話の流れで、彼の髪のセットを手伝うことになった。
ボスキの過去の話を聞くこともできて、とても有意義な時間だったのだが……ボスキという男の本質をまた一つ知った分、考えずにいられないことがあった。
ボスキ・アリーナスというひとは、それが自分に唯一できることで、かつ大切なひとのためになるとわかれば、相手を悲しませることになるとわかっていても、実行に移してしまう。そういう意志の強さがある。
2789祝いの席にはふさわしくない表情であることも、気づいた執事たちが心配することもわかっている。けれどどうしても、わき上がる不安を心の中に留めておけなかった。
考えていたのは、今日の主役であるボスキのことだ。
パーティーが始まる前のこと。彼女はボスキと二人で話をする時間を得た。その場で用意していたプレゼントを渡し、話の流れで、彼の髪のセットを手伝うことになった。
ボスキの過去の話を聞くこともできて、とても有意義な時間だったのだが……ボスキという男の本質をまた一つ知った分、考えずにいられないことがあった。
ボスキ・アリーナスというひとは、それが自分に唯一できることで、かつ大切なひとのためになるとわかれば、相手を悲しませることになるとわかっていても、実行に移してしまう。そういう意志の強さがある。
住めば都
DONEばーせか2023秋、開催おめでとうございます!展示作品です。楽しんでいただけたら嬉しいです。
ボスキ夢。両片思いの二人がすれ違って傷つけあって、仲直りする話。
明確な言葉はないけど、今のところボスキさんは十分のようです。
ボスキさんお誕生日おめでとう! あなたは「執事として魅力がない」ってよく言うけど、そんなことは全くないよ!とても魅力的なひとで、自慢の執事です!
愛の言葉にかえて 入浴を終え、さっぱりした気分で二階の執事室へ戻る途中のこと。ボスキは階段を登りきったところで、主人の寝室から小柄な人影が出てくるのに気づいた。無意識に口角が上がる。かつて負った怪我のせいで片目しか見えていないボスキだが、彼女の姿を見紛うことはないという自信があった。
声をかけようとして自分の服装を思い出したボスキは、登ってきたばかりの階段を数段降りた。羽織っただけのシャツのボタンを、可能な限り急いで止めていく。
主人が屋敷で生活を始めたばかりのころは、風呂上がりに上半身裸のままうろついて、気まずそうな顔をさせたものだ。さすがにまずいかと思い、最近は脱衣場を出る際にシャツを羽織るようになったが、暑いのと面倒なのとで、前を閉めずにいることが多かった。
14008声をかけようとして自分の服装を思い出したボスキは、登ってきたばかりの階段を数段降りた。羽織っただけのシャツのボタンを、可能な限り急いで止めていく。
主人が屋敷で生活を始めたばかりのころは、風呂上がりに上半身裸のままうろついて、気まずそうな顔をさせたものだ。さすがにまずいかと思い、最近は脱衣場を出る際にシャツを羽織るようになったが、暑いのと面倒なのとで、前を閉めずにいることが多かった。
マシロルリ
DONEBirthday for 2nd Floor Surprise Autumnの展示作品です。ハウ主現パロ転生(記憶あり)のまったりとした話です。
帰り道 授業が終わり、放課後の時間へとなると教室の中が一気に騒がしくなった。
部活へ行く者、アルバイトへ急ぐ者、友人達と喋り教室に残る者。
いつもと変わらぬ平和を絵に描いたような風景。
悪魔執事をやっていた俺が、今は平凡な高校生をやっていると言ったら、過去の自分はどう思うだろうか。
そんな事をぼんやりと考えていると、クラスメートに不意に声を掛けられた。
「ハウレス~。彼女さん、迎えに来てるよ」
「彼女……あっ」
ドアへと視線を向ければ。
主様がひょっこりと、半分開いたドアから顔を覗かせていた。
小動物を思わせる仕草に思わず微笑ましくなる。
クラスメートに礼を言い、彼女の元へと向かった。
「あるじさ、」
「わー!わー! ここ(学校)では、それ禁止だってば!」
1096部活へ行く者、アルバイトへ急ぐ者、友人達と喋り教室に残る者。
いつもと変わらぬ平和を絵に描いたような風景。
悪魔執事をやっていた俺が、今は平凡な高校生をやっていると言ったら、過去の自分はどう思うだろうか。
そんな事をぼんやりと考えていると、クラスメートに不意に声を掛けられた。
「ハウレス~。彼女さん、迎えに来てるよ」
「彼女……あっ」
ドアへと視線を向ければ。
主様がひょっこりと、半分開いたドアから顔を覗かせていた。
小動物を思わせる仕草に思わず微笑ましくなる。
クラスメートに礼を言い、彼女の元へと向かった。
「あるじさ、」
「わー!わー! ここ(学校)では、それ禁止だってば!」
マシロルリ
DONEBirthday for 2nd Floor Surprise Autumnの展示作品です。ハウ主がボスキの誕生日をお祝いする話です。
Happy birthday 誰かの誕生日を祝う事は特別な事だ。
生まれてきてくれてありがとう。私と出会ってくれてありがとうって、ちゃんと伝えたいから。
今日のデビルズパレスは少しソワソワと浮き足立っている。
理由は簡単。明日は執事の一人であるボスキの誕生日だからだ。
皆、彼をお祝いしようと準備をしているのだろう。
私も勿論、お祝いするつもりだが……。彼にプレゼントをあげるとしたら、何が良いのだろうか。
私は恋人であるハウレスに相談してみる事にした。
「ボスキの好きなもの……ですか?」
「うん。明日、誕生日でしょう? だから、何をあげようかなって」
「そうですね……。ボスキの好きなものといったら……」
「肉」
ハウレスと私の声がピッタリと重なる。
1699生まれてきてくれてありがとう。私と出会ってくれてありがとうって、ちゃんと伝えたいから。
今日のデビルズパレスは少しソワソワと浮き足立っている。
理由は簡単。明日は執事の一人であるボスキの誕生日だからだ。
皆、彼をお祝いしようと準備をしているのだろう。
私も勿論、お祝いするつもりだが……。彼にプレゼントをあげるとしたら、何が良いのだろうか。
私は恋人であるハウレスに相談してみる事にした。
「ボスキの好きなもの……ですか?」
「うん。明日、誕生日でしょう? だから、何をあげようかなって」
「そうですね……。ボスキの好きなものといったら……」
「肉」
ハウレスと私の声がピッタリと重なる。
住めば都
DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしました「逃げてもいいんだよ」バスティン夢
※秋のホーム会話のネタバレを一部含みます
向こうでいろいろあった主様が、バスティンと馬に乗っているうちに元気を取り戻す話
主様といるときか、動物を相手しているときだけ、柔らかい空気を纏うバスティンに夢を見ています。彼は穏やかな表情の奥に激重感情を隠してるのがずるいですよね……
安息の地を探して 天高く、馬肥ゆる秋。
近頃の馬たちは元気いっぱいで、よく食べ、よく走り、よく眠る。前後の話の流れは忘れたが、先日バスティンは主人にそんな話をした。
彼女がいたく興味を引かれた様子だったので、ならばとバスティンは提案したのだ。次の休日に、馬たちの様子を見に来るか、と。
それを聞いて、元より動物好きの主人は目を輝かせた。馬たちのストレスにならないのなら、触ったり乗ったりしてみたい。そう話す彼女はすでに楽しそうで、無表情が常のバスティンまで、つられて笑みを浮かべてしまうくらいだった。
だというのに――これは一体、どうしたことだろう。
「……主様」
「あ……うん。ごめん、ちょっとボーっとしてた。せっかく時間を取ってくれてるのに、ごめんね。今度はちゃんと聞いてるから、もう一回説明してもらえる?」
2707近頃の馬たちは元気いっぱいで、よく食べ、よく走り、よく眠る。前後の話の流れは忘れたが、先日バスティンは主人にそんな話をした。
彼女がいたく興味を引かれた様子だったので、ならばとバスティンは提案したのだ。次の休日に、馬たちの様子を見に来るか、と。
それを聞いて、元より動物好きの主人は目を輝かせた。馬たちのストレスにならないのなら、触ったり乗ったりしてみたい。そう話す彼女はすでに楽しそうで、無表情が常のバスティンまで、つられて笑みを浮かべてしまうくらいだった。
だというのに――これは一体、どうしたことだろう。
「……主様」
「あ……うん。ごめん、ちょっとボーっとしてた。せっかく時間を取ってくれてるのに、ごめんね。今度はちゃんと聞いてるから、もう一回説明してもらえる?」
住めば都
DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしました。「綺麗になったね」ベリアン夢。恋人設定でいちゃいちゃしてます。
恋をすると綺麗になるよね、という話。
あなたのおかげ 隣で作業をする女の横顔を眺めて、ベリアンは小さく感嘆の息をついた。
普段、穏やかに笑みを湛えていることの多い顔は、真剣そのもの。手元の書物に落とされた瞳が、忙しなく文章を追っている。ゆらゆらと揺れるロウソクの火に照らされたその姿には、得も言われぬ美しさがあった。
「……ベリアン?」
「っ、はい」
見つめていた横顔が、ベリアンのほうを向く。彼女はちょっと困ったように、眉尻を下げていた。
「どうかなさいましたか?」
「そういうわけじゃないけど……なんというか、あの……ちょっと、こっちを見すぎじゃない?」
女はずいぶんと躊躇ってから、恥ずかしそうにもごもごと言った。どうやら、熱い視線を注いでいたことに気づかれていたらしい。
1559普段、穏やかに笑みを湛えていることの多い顔は、真剣そのもの。手元の書物に落とされた瞳が、忙しなく文章を追っている。ゆらゆらと揺れるロウソクの火に照らされたその姿には、得も言われぬ美しさがあった。
「……ベリアン?」
「っ、はい」
見つめていた横顔が、ベリアンのほうを向く。彼女はちょっと困ったように、眉尻を下げていた。
「どうかなさいましたか?」
「そういうわけじゃないけど……なんというか、あの……ちょっと、こっちを見すぎじゃない?」
女はずいぶんと躊躇ってから、恥ずかしそうにもごもごと言った。どうやら、熱い視線を注いでいたことに気づかれていたらしい。
住めば都
DONEあくねこ、ラト夢。夜遅くに帰ってきた主様が、ラトと夜食を食べる話。どうやらラトは上手く寝つけなかったようで……?
当初の想定とは全然違う内容になってしまいましたが、過去の悪夢で感情をざわつかせているラトを主様が宥めるという本筋のところは書けたので良しとします。
本当は誕生日に間に合わせたかったけどムリでした。ラト、誕生日おめでとう!
ライナスの毛布 金の指環を指に嵌め、途端に襲い来る世界がねじれるような感覚を、目を閉じてやり過ごす。ゆっくり三秒数えて目を開けると、景色は見慣れた屋敷の玄関ホールに様変わりしていた。
「……主様」
帰ってきたことにほっと息をついた女に、暗がりから声をかけるものがいた。夜目の効かない彼女は、そこで初めてホール中央の大階段に腰掛ける執事の姿に気づいた。
「あれ、ラト?」
「はい……おかえりなさい」
「うん、ただいま」
名を呼ぶと、ラトはふらりと立ち上がった。濃いピンク色の髪が、彼の動きに合わせて揺れる。いつも三つ編みに結われている長い髪は下ろされており、シャンプーのコマーシャルかのようにさらりとたなびいた。
「ラトがこの時間まで起きてるの、珍しいね」
4012「……主様」
帰ってきたことにほっと息をついた女に、暗がりから声をかけるものがいた。夜目の効かない彼女は、そこで初めてホール中央の大階段に腰掛ける執事の姿に気づいた。
「あれ、ラト?」
「はい……おかえりなさい」
「うん、ただいま」
名を呼ぶと、ラトはふらりと立ち上がった。濃いピンク色の髪が、彼の動きに合わせて揺れる。いつも三つ編みに結われている長い髪は下ろされており、シャンプーのコマーシャルかのようにさらりとたなびいた。
「ラトがこの時間まで起きてるの、珍しいね」
住めば都
DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしています。「おかえり」ユーハン夢。
予定の時間を過ぎても帰ってこない主様を待ち続けるユーハンの話。
翌朝、ほかの執事からもユーハンがずっと待ってたと話を聞いて、主様は某ワンちゃんを思い浮かべたとかいないとか。
待てと言うならいつまでも 主人の帰宅時刻五分前になったのを確認し、ユーハンは出迎えのため本邸の玄関へ向かった。
今朝、主人は「帰宅はいつもどおりだと思う」と告げ出掛けていった。彼女が「いつもどおり」というときは、十分から二十分くらいの誤差はあるものの、だいたいこのくらいの時間に帰ってくる。
ユーハンは姿勢よく立ったまま、主人の帰宅を待った。だが、十分経っても、二十分経っても、彼女が戻ってくる気配はない。尤も、不思議な指環の力で二つの世界を行き来する彼女の帰還は、予兆も気配もなく、突然であるのが常なのだけれど。
そのうち帰ってくるだろうと思っていたユーハンだったが、予定の時間から一時間が経って、さすがに不安を感じた。
事件や事故に巻き込まれたのではないか。突然の病気や怪我で、身動きが取れなくなっているのかもしれない。彼女を狙う不届きな輩に襲われて、恐ろしい目に遭っていたとしたら。
3615今朝、主人は「帰宅はいつもどおりだと思う」と告げ出掛けていった。彼女が「いつもどおり」というときは、十分から二十分くらいの誤差はあるものの、だいたいこのくらいの時間に帰ってくる。
ユーハンは姿勢よく立ったまま、主人の帰宅を待った。だが、十分経っても、二十分経っても、彼女が戻ってくる気配はない。尤も、不思議な指環の力で二つの世界を行き来する彼女の帰還は、予兆も気配もなく、突然であるのが常なのだけれど。
そのうち帰ってくるだろうと思っていたユーハンだったが、予定の時間から一時間が経って、さすがに不安を感じた。
事件や事故に巻き込まれたのではないか。突然の病気や怪我で、身動きが取れなくなっているのかもしれない。彼女を狙う不届きな輩に襲われて、恐ろしい目に遭っていたとしたら。
住めば都
DONEあくねこ、ボスキ夢。ひょんなことから担当執事のボスキがいつも自分の右側にいることに気づいた主様が、その理由を考えて斜め上の勘違いをする話。
最後は「雨降って地固まる」です。
守護者の定位置 ある日の、夕食後のことだった。
屋敷の主人である女は、団欒室で執事たちとトランプに興じていた。ババ抜きから始まり、神経衰弱、大富豪を経て、そのときはちょうど七並べをしている最中だった。
「よお、盛り上がってるみたいだな」
顔を出したのは、主人の担当執事を務めるボスキ・アリーナスだ。ボスキは食事をとるため一旦女の傍を離れており、その間は同じ二階の執事室に暮らすフェネスが担当を代わっていた。
「あ、ボス〜、お疲れ〜」
手札とにらめっこをしていたラムリが顔を上げて、ボスキに手を振る。軽く手を上げて応じたボスキは、フェネスの座るソファに歩み寄って、背もたれに手をついた。
「お疲れさま、ボスキ。食事は落ち着いて取れた?」
5744屋敷の主人である女は、団欒室で執事たちとトランプに興じていた。ババ抜きから始まり、神経衰弱、大富豪を経て、そのときはちょうど七並べをしている最中だった。
「よお、盛り上がってるみたいだな」
顔を出したのは、主人の担当執事を務めるボスキ・アリーナスだ。ボスキは食事をとるため一旦女の傍を離れており、その間は同じ二階の執事室に暮らすフェネスが担当を代わっていた。
「あ、ボス〜、お疲れ〜」
手札とにらめっこをしていたラムリが顔を上げて、ボスキに手を振る。軽く手を上げて応じたボスキは、フェネスの座るソファに歩み寄って、背もたれに手をついた。
「お疲れさま、ボスキ。食事は落ち着いて取れた?」
住めば都
DONEあくねこ、ハウレス夢。恋人設定。夜の見張り台でハウレスと星を見る話。
特にヤマもオチも深い意味もない。イチャイチャしてるハウ主が書きたかっただけ。
星の夜 星を見に行かないかという誘いに、ハウレスの主人であり恋人でもある女は、にっこり笑って頷いた。拒否されるとは思っていなかったが、それでも受け入れられると嬉しいものだ。ハウレスは微笑みを返し、彼女に手を差し出した。
陽はとうに落ちて、屋敷には夜闇が蟠っている。ロウソクだけが光源の視界では足元が疎かになるからと、女が夜の屋敷を歩くときは、その日の担当執事が手を引いてエスコートするのが常となっていた。
主人の部屋のある二階から階段を上がり、三階の細い廊下を奥へと進む。見張り台へと続く階段を上がって扉を開け放てば、一気に視界が開けた。
「屋敷の中より、外のほうが明るいんだね」
歓声に続けて、女が言う。彼女の視線はすでに、数多の宝石を散りばめたような星空に釘づけだった。
1824陽はとうに落ちて、屋敷には夜闇が蟠っている。ロウソクだけが光源の視界では足元が疎かになるからと、女が夜の屋敷を歩くときは、その日の担当執事が手を引いてエスコートするのが常となっていた。
主人の部屋のある二階から階段を上がり、三階の細い廊下を奥へと進む。見張り台へと続く階段を上がって扉を開け放てば、一気に視界が開けた。
「屋敷の中より、外のほうが明るいんだね」
歓声に続けて、女が言う。彼女の視線はすでに、数多の宝石を散りばめたような星空に釘づけだった。
住めば都
DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 よりお題をお借りしました。使用お題「魔法みたいだね」
ロノ夢。美味しい料理を作ってくれるロノの手は魔法の手だね、という話です。
魔法の手 自身の城とも言うべき厨房で、包丁を握り、フライパンを振り、お玉で鍋をかき混ぜる。ロノにとっては、悪魔執事となり調理担当の仕事をもらってからというもの、毎日繰り返した作業だ。
慣れた手つきで料理を作りながら、ロノは落ち着かない気持ちだった。厨房内をくるくると動き回る彼の背は、じっと注がれる視線を受け止めている。視線の主がほかの執事たちであれば歯牙にもかけないが、ロノの動きを熱心に見つめているのは、彼にとって唯一無二の主人だ。
ロノは浮ついてしまいそうな気持ちを押さえつけるために、平常心、平常心と口の中で唱える。しかし正直に言えば、効果は無いに等しかった。
「主様、お待たせしました! 簡単なもので申し訳ないですけど、夜食ができましたよ」
2761慣れた手つきで料理を作りながら、ロノは落ち着かない気持ちだった。厨房内をくるくると動き回る彼の背は、じっと注がれる視線を受け止めている。視線の主がほかの執事たちであれば歯牙にもかけないが、ロノの動きを熱心に見つめているのは、彼にとって唯一無二の主人だ。
ロノは浮ついてしまいそうな気持ちを押さえつけるために、平常心、平常心と口の中で唱える。しかし正直に言えば、効果は無いに等しかった。
「主様、お待たせしました! 簡単なもので申し訳ないですけど、夜食ができましたよ」
住めば都
DONEあくねこ、ミヤジ夢。「愛の出来損ない」の蛇足的ななにか。
↑からしばらく経って、二人が恋人になったあとのできごと。相変わらずぐるぐる悩んでる先生を主様がすくいあげるような話です。
ちなみにこれは本当に蛇足の蛇足ですが、ピロートークのつもりで書きました!
愛と呼ばせてくれ「ミヤジ」
「いっ!?」
名前を呼ばれると同時に額を弾かれて、ミヤジは痛みに呻いた。腕の中の愛しいひとに向けて、批難混じりに「痛いよ」と訴える。彼女は苦笑して、ほっそりとした指先で労るようにミヤジの額を撫でてくれた。
「だって、ミヤジが一人で悩んでいても仕方のないことをぐるぐる考えていそうな顔をしていたから」
「そ、そうか……」
それは一体どんな顔なのだろうと考えてみるが、ミヤジには想像もつかない。そもそも、ミヤジは自分のことを表情の乏しい男だと思っていた。僅かな表情の変化から、細かな心情を察することのできる、彼女の洞察力がすごいのだ。
「それで?」
「うん?」
「なにを考えていたのか、教えてはくれないの?」
1660「いっ!?」
名前を呼ばれると同時に額を弾かれて、ミヤジは痛みに呻いた。腕の中の愛しいひとに向けて、批難混じりに「痛いよ」と訴える。彼女は苦笑して、ほっそりとした指先で労るようにミヤジの額を撫でてくれた。
「だって、ミヤジが一人で悩んでいても仕方のないことをぐるぐる考えていそうな顔をしていたから」
「そ、そうか……」
それは一体どんな顔なのだろうと考えてみるが、ミヤジには想像もつかない。そもそも、ミヤジは自分のことを表情の乏しい男だと思っていた。僅かな表情の変化から、細かな心情を察することのできる、彼女の洞察力がすごいのだ。
「それで?」
「うん?」
「なにを考えていたのか、教えてはくれないの?」
住めば都
DONEあくねこ、ミヤジ夢。手を離すことが愛ならば、自分が抱えている感情はなんなのだろうかとぐるぐるするミヤジ先生の話。
薄暗くなってしまったけど、ネタがネタなので仕方ないと言えばそう。
穏やかで自分より周りを優先するひとに見えるけれど、実際は、頑固だし愛情が重いし我を通しがちな先生が好きです。
愛の出来損ない「次はわたし!」
「ぼくが先だよ!」
子どもたちの騒ぐ声が聞こえて、ミヤジは慌てて部屋のドアを開けた。今回、教室として使わせてもらった孤児院の一室には、まだ生徒たちと彼の主人がいるはずだった。
ミヤジは休日を利用して、子どもたちに勉強を教えるため街を訪れていた。
教室となる場所はその時々によっていろいろだが、今日は以前から、町外れにあるこの孤児院の部屋を使わせてもらう約束になっていた。ひととおりの授業のあと、ミヤジは子どもたちを主人に任せ、挨拶と次回の約束のため院長の元を訪ねていたのだが。
「なにかあったのかい!?」
思いのほか大きな音を立てて開いた扉に、中にいた者は皆、驚いたようだった。言い争っていた二人の子どもも口を噤んで、ぽかんとミヤジを見つめている。
2399「ぼくが先だよ!」
子どもたちの騒ぐ声が聞こえて、ミヤジは慌てて部屋のドアを開けた。今回、教室として使わせてもらった孤児院の一室には、まだ生徒たちと彼の主人がいるはずだった。
ミヤジは休日を利用して、子どもたちに勉強を教えるため街を訪れていた。
教室となる場所はその時々によっていろいろだが、今日は以前から、町外れにあるこの孤児院の部屋を使わせてもらう約束になっていた。ひととおりの授業のあと、ミヤジは子どもたちを主人に任せ、挨拶と次回の約束のため院長の元を訪ねていたのだが。
「なにかあったのかい!?」
思いのほか大きな音を立てて開いた扉に、中にいた者は皆、驚いたようだった。言い争っていた二人の子どもも口を噤んで、ぽかんとミヤジを見つめている。
住めば都
DONEあくねこ、ボスキ夢。冷房の効きすぎた電車が寒すぎて、途中下車して帰ってきた主様をボスキが出迎える話。
ボスキは、自己肯定感はそれなりだけど、自己評価はあんまり高くなさそうだなと思っています。
気遣いは細やかだし、ひとのことを全然見てないようで、一番見ているのは実は彼なんじゃないかなと思います。
気づけばあんたのことばかり いつ主人が帰ってきてもいいよう部屋を整えたボスキは、作業を終えると手持ち無沙汰になって、時計を見やった。
時刻は二十時をすぎたところだ。いつもならあちらの世界で仕事を終えた主人が帰ってくるころだが、今日は予め、遅くなると聞かされている。少なくともあと一時間は帰ってこないだろう。
つい「早く帰ってこねえかな」と独り言ち、ボスキは慌てて周囲を見回した。屋敷の主人の帰宅を待ちわびているのは彼だけではないが、それをほかの執事に聞かれるのは面映ゆい。ましてや本人に聞かれてしまったら、しばらくはどんな顔をすればいいのかわからなくなるだろう。
緩んだ気を引き締め直すように深呼吸を一つ。待っている間にトレーニングでもしようかと思ったところで、まだしばらく帰らないはずの主人が帰ってきた。
2420時刻は二十時をすぎたところだ。いつもならあちらの世界で仕事を終えた主人が帰ってくるころだが、今日は予め、遅くなると聞かされている。少なくともあと一時間は帰ってこないだろう。
つい「早く帰ってこねえかな」と独り言ち、ボスキは慌てて周囲を見回した。屋敷の主人の帰宅を待ちわびているのは彼だけではないが、それをほかの執事に聞かれるのは面映ゆい。ましてや本人に聞かれてしまったら、しばらくはどんな顔をすればいいのかわからなくなるだろう。
緩んだ気を引き締め直すように深呼吸を一つ。待っている間にトレーニングでもしようかと思ったところで、まだしばらく帰らないはずの主人が帰ってきた。
住めば都
DONEあくねこ、ルカス夢。善意が裏目に出たというか、藪をつついて蛇を出したというか、そういう話。もう逃げられない。
雉も鳴かずば撃たれまい「私にできることがあれば、なんでも言ってください」
片手を胸に当て、担当執事のルカスが言った。それは、女が不思議な縁で彼ら悪魔執事たちの主人となってから、何度も聞いた言葉だった。
出会ったころは、単なる社交辞令だと聞き流していた。しかし、いくつもの困難をともに乗り越えた今では、彼らが偽らざる真心からそう言っていることを女は知っている。だからこそ心配で、彼女は初めて、その台詞を聞くたびに思っていたことをぶつけてみることにした。
「ずっと、思っていたんだけどさ。そんなに簡単に"なんでも"って、言わないほうがいいんじゃない?」
「おや、どうしてですか?」
ルカスは金色の瞳を瞬かせた。聡い彼のことだから、女が言いたいことは理解しているだろうに。彼女はちょっとムッとして語気を強めた。
1634片手を胸に当て、担当執事のルカスが言った。それは、女が不思議な縁で彼ら悪魔執事たちの主人となってから、何度も聞いた言葉だった。
出会ったころは、単なる社交辞令だと聞き流していた。しかし、いくつもの困難をともに乗り越えた今では、彼らが偽らざる真心からそう言っていることを女は知っている。だからこそ心配で、彼女は初めて、その台詞を聞くたびに思っていたことをぶつけてみることにした。
「ずっと、思っていたんだけどさ。そんなに簡単に"なんでも"って、言わないほうがいいんじゃない?」
「おや、どうしてですか?」
ルカスは金色の瞳を瞬かせた。聡い彼のことだから、女が言いたいことは理解しているだろうに。彼女はちょっとムッとして語気を強めた。
住めば都
DONEあくねこ、アモン夢。花を育てたい主様と、手伝いをするアモンの話。
アモンの小悪魔っぽさを全然表現できませんでした。難しい……でもまた挑戦したい……
作中の花の育て方については、ウェブで調べながら書きましたが、間違っているところもあるかもしれません。ご容赦ください。
開花のためのプレリュード「私もなにか育ててみたいなあ」
アモンが主人の私室に飾る花を変えようと、瑞々しく咲いた庭の花を持っていたときのこと。その花たちを見た主人が、ぽつりと漏らした。
遠慮ばかりのアモンの主人が、執事たちの仕事を手伝う以外で自らなにかをやりたいと言い出すのは、とても珍しいことだった。幸運にも、彼女の希望を聞く栄誉に与ったアモンとしては、是が非でも叶えてやりたいところだ。
しかし、いくら本人の要望とはいえ、主人に土いじりをさせるのはいかがなものか。外で育てるのであれば、陽光に晒されるのは免れないし、虫だって出る。少し考えただけでも、多方面から反対をくらいそうだ。例えば日焼け対策にうるさい衣装係とか、虫嫌いのマナー指導係とか。
4027アモンが主人の私室に飾る花を変えようと、瑞々しく咲いた庭の花を持っていたときのこと。その花たちを見た主人が、ぽつりと漏らした。
遠慮ばかりのアモンの主人が、執事たちの仕事を手伝う以外で自らなにかをやりたいと言い出すのは、とても珍しいことだった。幸運にも、彼女の希望を聞く栄誉に与ったアモンとしては、是が非でも叶えてやりたいところだ。
しかし、いくら本人の要望とはいえ、主人に土いじりをさせるのはいかがなものか。外で育てるのであれば、陽光に晒されるのは免れないし、虫だって出る。少し考えただけでも、多方面から反対をくらいそうだ。例えば日焼け対策にうるさい衣装係とか、虫嫌いのマナー指導係とか。
住めば都
DONEあくねこ、テディ夢。階段を上る気力を失って段差に腰掛けていた主様を、テディが部屋まで抱き上げて運ぶ話。テディがオープンすけべになってしまったような気がしないでもない……
パレス広すぎるよ…ネタ第二弾です
甘える姿はSSR 玄関ホールの大階段に小柄な人影を見つけて、テディは内心、ラッキーと喜びの声を上げた。彼は厨房での手伝いを終えて、別邸に戻るところだった。慣れない作業をこなすのは大変だったが、その疲れも、彼女に会えば途端に吹き飛んでしまう。
「主様、おかえりなさいませ!」
「あ……テディ。うん、ただいま」
元気いっぱい出迎えたテディとは対照的に、主人は疲れきった様子だ。応える声も、どこかぼんやりとしている。
こんなにお疲れなのに、仕事のあとわざわざ屋敷に顔を出してくださるのだから、主様は本当に優しい人だなあ。そんなふうに思って、テディは自然と笑顔になる。
「主様、こんなところで、なにをしていらっしゃるんですか?」
「いやあ……特になにをしていたわけでもないんだけど……」
2345「主様、おかえりなさいませ!」
「あ……テディ。うん、ただいま」
元気いっぱい出迎えたテディとは対照的に、主人は疲れきった様子だ。応える声も、どこかぼんやりとしている。
こんなにお疲れなのに、仕事のあとわざわざ屋敷に顔を出してくださるのだから、主様は本当に優しい人だなあ。そんなふうに思って、テディは自然と笑顔になる。
「主様、こんなところで、なにをしていらっしゃるんですか?」
「いやあ……特になにをしていたわけでもないんだけど……」
住めば都
DONEあくねこ、ハウレス夢。夏の終わりにセンチメンタルになってしまった主様とハウレスの話。
企画「貴方が紡ぐ物語_弍」参加作品。「もうすぐ、夏が終わる」という書き出しで作品を作るという企画でした。楽しく参加させていただきました。ありがとうございました!
愛しき日々よ、続け もうすぐ、夏が終わる。
私たちはフガヤマでの滞在を終え、屋敷に戻ってきていた。かの地での賑やかなお祭りは、夏という季節の楽しさを凝縮したようで、慣れた場所へ帰ってきた安心感より、寂しさのほうが勝ってしまう。
夏の終わりは、どうにもセンチメンタルになってしまっていけない。
「主様、大丈夫ですか?」
「え?」
「いえ、ため息をついていらしたので」
傍に控えてくれていた担当執事のハウレスは、そう言うと心配そうに眉尻を下げた。私は元気そうに見えるよう笑顔を作って、大丈夫だよと答える。きちんと誤解を解いておかないと、この過保護な執事はどこまでも心配を加速させてしまうのだ。
「ただ……ちょっと寂しいなって思っただけなの。フガヤマで過ごした時間が、とても楽しかったから」
2034私たちはフガヤマでの滞在を終え、屋敷に戻ってきていた。かの地での賑やかなお祭りは、夏という季節の楽しさを凝縮したようで、慣れた場所へ帰ってきた安心感より、寂しさのほうが勝ってしまう。
夏の終わりは、どうにもセンチメンタルになってしまっていけない。
「主様、大丈夫ですか?」
「え?」
「いえ、ため息をついていらしたので」
傍に控えてくれていた担当執事のハウレスは、そう言うと心配そうに眉尻を下げた。私は元気そうに見えるよう笑顔を作って、大丈夫だよと答える。きちんと誤解を解いておかないと、この過保護な執事はどこまでも心配を加速させてしまうのだ。
「ただ……ちょっと寂しいなって思っただけなの。フガヤマで過ごした時間が、とても楽しかったから」
住めば都
DONEあくねこ、ユーハン夢。屋敷の玄関で寝落ちしている主様を見つけて取り乱すユーハンの話。
この後ユーハンは「主様には別邸で生活してもらうのがいいのでは?」という結論に達し、テディやハナマルも巻き込んで策略を巡らすも、本邸の執事たちの猛反対にあう、なーんて騒ぎがあったとかなかったとか。
主様の悪癖 入浴を終えて別邸に戻ろうとしていたユーハンは、玄関にうつ伏せで倒れている主人を見つめて目を剥いた。
「主様!!」
大音声で呼ばわって、傍に駆けつける。頭を揺らさぬようにとそれだけは十二分に気をつけて、ぐったりとした体を抱き起こした。
「主様、主様……!」
肩を叩いて呼びかけるが、反応はない。見たところ外傷は無さそうだが、主人の身になにがあったのか――ケガなのか病なのかそれとも他のなにかなのかは、医者ではないユーハンには判断がつかなかった。
「ルカスさん……ルカスさんをお呼びしないと……」
ああ、けれどユーハンが傍を離れた途端に状態が悪化して、主人が帰らぬ人となってしまったら。
その可能性に思い至ってしまったユーハンは、その場に凍りついたように動けなくなった。
2868「主様!!」
大音声で呼ばわって、傍に駆けつける。頭を揺らさぬようにとそれだけは十二分に気をつけて、ぐったりとした体を抱き起こした。
「主様、主様……!」
肩を叩いて呼びかけるが、反応はない。見たところ外傷は無さそうだが、主人の身になにがあったのか――ケガなのか病なのかそれとも他のなにかなのかは、医者ではないユーハンには判断がつかなかった。
「ルカスさん……ルカスさんをお呼びしないと……」
ああ、けれどユーハンが傍を離れた途端に状態が悪化して、主人が帰らぬ人となってしまったら。
その可能性に思い至ってしまったユーハンは、その場に凍りついたように動けなくなった。
住めば都
DONEあくねこ、ハナマル夢。飄々として掴みどころのないハナマルを掴みたい主様の話。
今日のログストを読んで思ったことを書きなぐっただけ。捏造と妄想100%。解釈違いだったらそっと閉じてください。
つかまえた「おーい、主様?」
思考の大海を漂っていた悪魔執事の主は、本日の担当を務めるカワカミ・ハナマルの呼びかけで我に返った。視界いっぱいに整った顔が飛び込んできて、彼女は思わず背を仰け反らせる。
こんなに近くまで来られても気づかなかったのかと、女は内心、自分自身に呆れてしまった。考え事に没頭すると周りが見えなくなってしまうのは、彼女の昔からの悪癖だ。しかしさすがに、ここまで近づかれても気がつかないというのは、今までになかった。
それだけこの屋敷が安心できる場所で、気を抜いて過ごしているということなのだろう。それがいいことなのか、悪いことなのかはさておき。
「主様ってば、このハナマル様が一緒にいるっていうのに、ほか事に浮気か〜? まったく、妬けちまうねえ」
1561思考の大海を漂っていた悪魔執事の主は、本日の担当を務めるカワカミ・ハナマルの呼びかけで我に返った。視界いっぱいに整った顔が飛び込んできて、彼女は思わず背を仰け反らせる。
こんなに近くまで来られても気づかなかったのかと、女は内心、自分自身に呆れてしまった。考え事に没頭すると周りが見えなくなってしまうのは、彼女の昔からの悪癖だ。しかしさすがに、ここまで近づかれても気がつかないというのは、今までになかった。
それだけこの屋敷が安心できる場所で、気を抜いて過ごしているということなのだろう。それがいいことなのか、悪いことなのかはさておき。
「主様ってば、このハナマル様が一緒にいるっていうのに、ほか事に浮気か〜? まったく、妬けちまうねえ」