3章 エピローグ「おう、お疲れさん」
桜夜が天界に戻ると、一番最初に出迎えてくれたのは空希だった。
「……空希さん? どうしてここに」
「んーや、なんとなくな。にしたって、お前ちょっとお人好しが過ぎるんじゃないか?」
「……それを空希さんが言いますか」
桜夜が目を伏せて小さく笑うと、空希クックと笑い返す。
「魂の持ち主たちのことも、未来がどうにかよくなるように動いてくれていたんでしょう?」
「……バレてたか。まあな、色々と動いてたぜ」
「少し不自然さを感じるところはありましたけど、アズリカや梓が違和感を感じるほどではないと思います」
「……それより、あの呪いを受け継いだやつ」
「……」
少しだけ黙って、桜夜は天を仰いだ。
「……可哀想だ、って思ったんです。あの人と同じだから」
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