合コン「白石くん、大丈夫?」
「うーん……」
「店員さーん。お水くださーい」
小洒落た居酒屋のテーブルの端の席で、私はカクテルに刺さったマドラーをくるりと回した。
─今日の合コン、当たりだと思ったんだけどなぁ。
向かいの席では、某大学の薬学生という白石くんが、潰れてテーブルに突っ伏している。かろうじて意識はあるが、今にも寝落ちしそうなくらいにはぼんやりとしている。
「白石くーん」
「……」
「ダメかぁ」
いつもだったら、合コンで飲み過ぎて潰れている男だなんて、絶対に放置する。医学生だったらまだしも、それ以外は絶対にない。
でも、白石くんは違う。
─肌、キレイ。まつ毛、びっしり。
捨て置くには、あまりにも美しい。
「おーい。私、帰っちゃうよ?」
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