手を出してもらえない王様▽人理修復終わった頃の話
▽ちょっといかがわしい
▽ぐだキャスギル
すべてが順調だった、とは言えないが立香たちの長いような短いような人理修復の旅は一応の終わりを見せた。人理焼却は破却され、人類史はこれからも存続する事が確定した。そんな久方振りに訪れた安寧の中で、ギルガメッシュは(立香の)自室にてその帰りを待っていた。出撃からの帰りを待っているのではない。単純に、立香が風呂から戻るのを待っている。
人理修復後、カルデアのサーヴァントたちはお役御免とばかりに座へと帰還する者と、見た目だけならまだまだ頼りなく見える立香の行く末を案じカルデアに留まる事を選んだ者とに別れた。カルデアに残ったその誰もが立香を気にかけている者である事からも察するにあまりあるが、人理修復後の立香は引っ張りだこだった。やれ祝いだ宴だ飲み会だ酒だ呑めないなら飯だと連日連夜大騒ぎで、それに引きずり回された立香は自室に戻ってもただいまとおやすみなさいを言うだけですぐに泥のように眠ってしまうばかりで、せっかく想いが通じたのいうのに睦み合うなど夢のまた夢に思えた。
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