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    800

    甘味。/konpeito

    TRAINING本日の800文字チャレンジ!ちっちゃくなったリ
    Ⅳエンディング後/幼さに残る面影
    「おいおい、なんでリィンがちっこくなってるんだよ」
     黄昏を終え、女神の至宝から思いがけない追加ステージを与えられたクロウ・アームブラストは、同じベッドのうえでシャツに埋もれ丸くなっているかたまりに頭を痛めていた。あどけない寝顔を晒す彼は、昨日トールズ士官学院リーヴス第Ⅱ分校へ帰ったはずのリィン・シュバルツァーだった。
     そう、リィンとはリーヴスで別れたはずだった。クロウは一度死亡していた存在であるためいまだ不用意に出歩けず、ローゼリアとともに魔女の里と呼ばれるここ、エリンの里に身を寄せていた。
    「なんじゃ、うるさいのう。シュバルツァーなら昨夜遅くにエマから連絡があってな。妾が連れてきた」
     階下にいたはずの魔女の長、ローゼリアがいまだ寝ているリィンの頬をつつく。いつのまに入室したのだろう。考えるより先にむずかるリィンの姿に慌てて魔女の手を掴んだ。
    「へえ、なるほど。いや、なんで俺のベッドに入れんだよ」
    「泣きやんだからじゃが。しかし改めて見てもちんまくなったのう。妾より小さくなっておる」
     かっかっかっ、と笑う彼女には現状がそう逼迫したものに感じないらしい。緊張感のない様に肩の力が抜 803

    444yomotu

    TRAINING1日800文字のやつ。今日のが結構気に入ったのでテキストをアップするとどうなるかのテストと、マイタグのテストを兼ねて。
    ブ主だけどブラウンがいない。うちのピアスはおくちがわるい。
    上杉は目立つ。
     学校のあちこちに出没するが、彼がどこにいてもすぐ気が付けてしまうほどに。奴の言動の全てがやかましいとは、南条の言葉だ。

     今も廊下の向こう側から、でっひゃっひゃ! と馬鹿笑いが響いてくる。どうせあの角を曲がった先に奴がいるのだろう、と視線をやった。
    「まーた見てら」
     呆れきったマークの声が俺の背にぶつけられる。振り返り、何が、と吐き捨てる。
    「ほんとあいつのこと好きだよなー」
    「だから。別にそういうんじゃなくて。上杉がうるさいから」
    「キレんなよ」
     先ほどまで呆れきっていたマークの顔は、ニンマリと笑っていた。クソ、こいつ俺のことからかってやがる。
     不愉快さを隠さず、廊下に背を預けて腕を組み、じとりとマークを睨む。だが、彼は「おおこわ」なんて言いながらも肩を竦めるだけだ。効いちゃいない。
    「お前がしつこいからだろ」
    「オマエがブラウンに毎日毎日毎回毎っ回反応すっからだろー。飽きねえもんかね」
    「うるさい。あいつが目立つから」
    「でもよ、わざわざあいつの方見ることあるか?」
    「……」
     見ない理由もあるか? と返そうとし、いやいや、見ないのが普通だと言葉を飲み込む 1220

    甘味。/konpeito

    TRAINING今朝の800文字チャレンジ。佳人は尋ね人を待つ
    ノマ√リィンくんのその後のお話。モブ視点
    「本当なんです。本当に砂漠の真ん中にオアシスがあったんです」
     緑が青々と茂っていて、水も湧いていました。そう熱弁する少年を周囲は笑った。それもそのはず。ゼムリア大陸の東には、人を拒むような広大な砂漠地帯が広がっている。近年は砂漠の緑化に努めてきたお陰か侵食は進んでいないものの、それはごく一部の話だった。
     少年はそれきり口を閉ざした。
     いつしか幼少の時分にそんなこともあったなと妻子とともに暮らしながら不思議な思い出として振り返るようになった頃、少年だった男を訪ねてきた者がいた。
    「なあ。砂漠のど真ん中にあるオアシスを見たっつーのはあんたか」
     訪ねてきた男は血のような真っ赤な目をしていた。こちらの地方では珍しい銀髪なのできっと旅行者だろう。
    「ああ。そんな話もしたな。なんだ、ホラ吹き少年でも見に来たか」
     妻に少し出てくると声をかけ、人の目が気にならない宿酒場の裏手へ回った。旅行者もついてくる。
    「オアシスの話を詳しく聞きたい」
     彼の目は、今までこの話題を出したときに向けられたことがない色味をしている。砂漠で迷ってしまったあの日、助けてくれた人とよく似たそれに背中を押され、男はこ 747