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    弁護士

    @t_utumiiiii

    DOODLE※謎時空探偵パロ(1990年代を想定)
    Mr.ミステリーが男やもめのレオ・ベイカーの依頼を受けて失踪した娘の行方を探す二次妄想です(還…パロ)

    リサの行方を調査するMr.ミステリーがリサの実母からの証言を聞く為、フレディ・ライリー弁護士事務所を訪れる回です。
    7 現状の容疑者の一人でもあるレオの元妻・マーシャに話を聞くため、Mr.ミステリーが照会情報を元に彼女の現住所(隣の州だ)の電話番号に掛けてみたところ、誰かしらが電話口に出はしたのだが、名乗りもしない。
     沈黙に耐えかねる、というよりはこのまま黙り込んでいたずら電話とされても困るという心地から、Mr.ミステリーが「こちら、マーシャ・レミントンさんのお電話で間違いないですか」と当たり障りのない文句を唱えてみると、聞き良い程度にハリのある男の声が、しかし不躾な調子で「誰だ?」と言う。
     問われてしまっては仕方がない。Mr.ミステリーが渋々、「……こちらMr.ミステリーの探偵事務所」と続けるや否や、「しつこくかけてくるようであれば、通報を検討する」という旨を早口に告げられた後、にべもなく電話を切られた。向こうは受話器を叩きつけたに違いなく、ガチャン!と轟くような終話音に、Mr.ミステリーは顔を顰める。
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    @t_utumiiiii

    DOODLE一枚の広告「フレディ・ライリーは不良債権処理及び買収のプロとして、あなたのビジネスと成功のために尽力します。」/フレディ・ライリーがマーシャ・ベイカーに出会わず敏腕弁護士として活躍しているifルート 工場長のレオと時々レオの経営に口を出すマーシャ、明るく元気な一人娘のリサ(少女たちの確執衣装をイメージ)
    頼れるビジネスパートナー(弁護士遡及妄想時空のマーシャとリサ) 戦争が終結してからというもの、国際欄には和平の記事が目立ち、多少の小競り合いはあっても、少なくとも本土やそれに近い場所で「ライフルが飛ぶように売れる事態」には、およそ発展しそうにもない状況を報じる朝刊を見るにつけ、マーシャは自分の判断――そして、自分の説得を受け入れてくれた夫の寛容さ――に、心から安心するのだった。
     今も縫製工場を営み、余裕があるという程ではないものの、慎ましくも楽しい暮らしを維持するには十分な、そこそこの稼ぎを得ている彼女の夫・レオは、いっとき縫製業界での熾烈な競争にうんざりしたのか、或いは、当時まだ小さかった娘を抱え、先行きの不透明な縫製業界よりは、もっと「割のいい儲け」を得るべきだと、彼なりに使命感に駆られでもしたのか、その頃には業界外でも「奇跡」ともてはやされた軍需工場の購入、そして軍需産業への転身に関心を示していたのだ。その時の夫の浮かれようといったら無くて、明日にでも契約書にサインをしかねない勢いがあったところ、彼は寸でのところで落ち着きを取り戻したのか、「戦争が終わったらライフルなんて見向きもされませんけれど、人々が服を買わなくなることはないでしょう」という、マーシャが再三繰り返してきた説得を聞き入れ、奇跡の軍需工場の買収を取りやめ、渋々ながら縫製業界に留まることにした。それが今から、だいたい七年ぐらい前のことだ。もしあそこで判断を誤っていたら、夫を説得することができなかったら、私達は今頃、どうなっていたのだろう……。マーシャはそのことを考えるにつけ、背筋がぞっと竦む程だった。
    2007

    palco_WT

    PROGRESS冬コミ新刊の水王の、水上の過去の捏造設定こんな感じ。
    まあそれでも入会金十万円+月一万余出してくれるんだからありがてえよな……(ワが2013年設定だとたぶんんぐが小学生で奨励会にあがったとしてギリギリこの制度になってるはず。その前はまとめて払ってダメだったら返金されるシステム)
    実際、活躍してるプロ棋士のご両親、弁護士だったり両親ともに大学教授だったり老舗の板前だったりするもんね……
    「ん、これ、天然モンやで」
     黄昏を溶かしこんだような色合いの、ふさふさした髪の毛の先を引っ張りながら告げる。
     A5サイズのその雑誌の、カラーページには長机に並べられた将棋盤を前に、誇らしげに、或いは照れくさそうに賞状を掲げた小学生らしき年頃の少年少女が何人か映っていた。第〇〇回ブルースター杯小学生名人戦、とアオリの文字も晴れやかな特集の、最後の写真には丸めた賞状らしき紙とトロフィーを抱えた三白眼気味の、ひょろりと背の高い男の子と、優勝:みずかみさとしくん(大阪府代表/唐綿小学校・五年生)との注釈があった。
    「でも黒いやん、こん時」と生駒が指摘する。
     彼の言葉通り、もっさりとボリュームたっぷりの髪の毛は今のような赤毛ではなく、この国にあってはまずまずありがちな黒い色をしていた。
    1983

    waremokou_2

    DOODLE今日から暫く違う人類史のはなし。
    リッチマン(金持ち限定の弁護士)の黒柳が、誘いを断れない相手に誘われた先で、ストリッパーのバイトをしている三毛縞と出会う話。これはネヤネ:マイルドでかくはなし。
     ほら、と差し出されたマグカップは雑に入れられたティーバッグが僅かに色を滲ませながらも、まだほとんど湯のままの状態に近かった。ただ全身の骨まで刺すような寒さの中で、三毛縞が寄越したマグカップの湯気をもくもくとたてるそれは、手のひらの凍ってしまった細胞を溶かし尽くすような確かな温もりを持っている。歯の根が合わないなんて生まれて初めての経験だった。小さな小さな――とはいえ黒柳が見た中では冗談かと疑うほど大きなマグカップだけが、今黒柳を生かす温もりのようにさえ感じられて、ただ必死で、その最低最悪の紅茶にしがみついていた。
     紅茶は嫌いじゃない。それでも黒柳が好むものは女子供が好んで飲むような甘ったるく、着せられたような華やかさのあるフレーバー・ティーではない。厳選された産地、選び抜かれた茶葉、そしてその素材を人の手により加工する技術。その芸術と叡智を最も完璧な状態で抽出する一滴にこだわる美しさが好きだった。今、目の前に浮かぶ茶葉は甘ったるく強すぎる人工的な香りが茶葉本来の風味をぶち壊し、無駄に加えられたスパイス――おそらく、シナモンだろうその香りが全てを誤魔化すためだけに使われている。黒柳は再び、今度はせっせと毛布を運んできた三毛縞を一度睨むと、もうじゅうぶん色のでたティーバッグを引き上げて見せながら、その置き場を口外に要求した。
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