カピ(あね)が掘った墓穴
DONEちょはん 初めての年越し(後編)仕事は多分さぼりました。
施設の名前を調べるために7の攻略本を読んでました。つまり年越しイベントのスポンサーは一番HDなのでは。さすが横浜の第4勢力!
試験が終わったら、前後編ちゃんと整理していい感じに仕上げたい。
ちょはん 初めての年越し(後編) 神代駅の裏のコンビニで肉まんを2個とビールを二本。袋は別々にしてもらった。
今年も恒例の年越しの花火と除夜の汽笛があるとかで、浜北公園に向かう人たちの流れに逆らって歩く。馬車街道まで出ると、ギャラクシーランドとREDパークへ向かう人波にあたる。それに紛れて流れの通りに進めば、いつもより明かりが少ないバッティングセンターが見えてきた。
ギャラクシーランドでカウントダウンイベントがあるらしい。まだ観覧車はいつも通りで、代り映えしない。そうだ今は何時だっただろうと、画面を開くと数字が23時30分に変わった。
サッカーコート横の自動販売機でたむろする若者たちを横目に、趙のもとへ足を速める。
施設の明かりが落ちた、バッティングセンターの建物の裏。絶妙にギャラクシーランドもREDパークも見えない趙総帥のお気に入りスポットは静かで穴場だった。ここに監視カメラは無い。
2190今年も恒例の年越しの花火と除夜の汽笛があるとかで、浜北公園に向かう人たちの流れに逆らって歩く。馬車街道まで出ると、ギャラクシーランドとREDパークへ向かう人波にあたる。それに紛れて流れの通りに進めば、いつもより明かりが少ないバッティングセンターが見えてきた。
ギャラクシーランドでカウントダウンイベントがあるらしい。まだ観覧車はいつも通りで、代り映えしない。そうだ今は何時だっただろうと、画面を開くと数字が23時30分に変わった。
サッカーコート横の自動販売機でたむろする若者たちを横目に、趙のもとへ足を速める。
施設の明かりが落ちた、バッティングセンターの建物の裏。絶妙にギャラクシーランドもREDパークも見えない趙総帥のお気に入りスポットは静かで穴場だった。ここに監視カメラは無い。
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MAIKINGちょはん 初めての年越し(前編)どうしても今日中にアップしたかったので前後編に分けました。そんなわけで明日もチートデー決定です。水曜から本気出す。※いつも以上に誤字脱字が多いと思います(´・ω・`)
ちょはん 初めての年越し(前編) コミジュルと横浜流氓が新体制になって早一年。
たかが一年、されど一年。昨年の異常事態に比べれば、時間の流れは緩やかだった。
離れていく者もいれば、この機会にと寄ってくる者もいる。これまでの事は脇に置いて、ここ異人町に流れ着いた異邦人同士上手くやっていこうとする者も僅かながら現れてきた。
趙は『流氓とコミジュルは水と油』だといい風に言ってくれているが、実際の所、コミジュルの方が圧倒的に弱い。油に火が着けば、水なんてあっという間に弾け飛んで霧散しまう。馬淵のクーデターがあったにもかかわらず、横浜流氓は横浜最大の武闘派中華マフィアである。いくらコミジュルが情報と暗殺に長けているとしても物量にはかなわない。それは、ブリーチジャパンと近江連合の襲撃で証明されている。
2371たかが一年、されど一年。昨年の異常事態に比べれば、時間の流れは緩やかだった。
離れていく者もいれば、この機会にと寄ってくる者もいる。これまでの事は脇に置いて、ここ異人町に流れ着いた異邦人同士上手くやっていこうとする者も僅かながら現れてきた。
趙は『流氓とコミジュルは水と油』だといい風に言ってくれているが、実際の所、コミジュルの方が圧倒的に弱い。油に火が着けば、水なんてあっという間に弾け飛んで霧散しまう。馬淵のクーデターがあったにもかかわらず、横浜流氓は横浜最大の武闘派中華マフィアである。いくらコミジュルが情報と暗殺に長けているとしても物量にはかなわない。それは、ブリーチジャパンと近江連合の襲撃で証明されている。
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MOURNING趙ハンです。クリスマスの話が間に合わなかったのでクリスマス1週間前の話のSSを上げます。当日何があったのかは補完願います。ちょはん 12月18日、深夜 入り口のシャッターを下ろして、外に出ると吐く息が白くなった。うみねこ座のレイトショーも終わって、通りは見慣れた輩が行き来している。彼らはすれ違う都度頭を下げてくるので、右手を半分あげてやりすごす。
12月は忙しい。神室町に殴り込みに行ったのは昨年の今頃だっただろうか。昨年も忙しかったが、今年はかなり種類の違う忙しさである。
異人町のために方々を走り回った2019年とは打って変わって、店と自宅の往復で一日を終える日が続いている。これまで『横浜流氓御用達のちょっと怪しげでスリルのある路地裏の店』から、『うみねこ座近くの知る人ぞ知る町中華』にイメージチェンジを行った効果が出てきたようで、一般のお客が増えたのだ。春日や足立のおかげで口コミで評判が広がって、流氓の若い奴らに「佑天飯店でもめごとを起こしたら……」と釘を刺したことも良かったようだ。もちろん今も流氓の若手に料理を振舞っているので、『ちょっと怪しげでスリルのある路地裏の店』という事実は変わらないのだが。
297712月は忙しい。神室町に殴り込みに行ったのは昨年の今頃だっただろうか。昨年も忙しかったが、今年はかなり種類の違う忙しさである。
異人町のために方々を走り回った2019年とは打って変わって、店と自宅の往復で一日を終える日が続いている。これまで『横浜流氓御用達のちょっと怪しげでスリルのある路地裏の店』から、『うみねこ座近くの知る人ぞ知る町中華』にイメージチェンジを行った効果が出てきたようで、一般のお客が増えたのだ。春日や足立のおかげで口コミで評判が広がって、流氓の若い奴らに「佑天飯店でもめごとを起こしたら……」と釘を刺したことも良かったようだ。もちろん今も流氓の若手に料理を振舞っているので、『ちょっと怪しげでスリルのある路地裏の店』という事実は変わらないのだが。
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DONEあとしまつ編⑦ 短い!!どこかでちゃんとまとめないとね。レポート輪廻からはやく解放されたい。
あとしまつ編⑦ サバイバーの1階には春日くんとナンバ。そして、さっちゃんとえりちゃん。この建物内ではあの時のメンバーが一応全員集合していた。2階の奴には後で伝えておくとして、俺は春日くん達と神室町でのあれからの出来事と異人町での出来事についてお互いの情報を交換した。
春日くん達は、青木の秘書の計らいもあって、彼を看取ることができたそうだ。ただ東京23区内の傷害事件であるため、荒川真斗の遺体は青木遼の遺体として司法解剖に回されたという。本当に大変なのはこれからだろう。荒川真斗と青木遼、そして久米に小笠原。そしてブリーチジャパンと近江連合と極道大解散のつながり。思い出すだけでも壮大であまり現実味がない。春日くんがどこまで介入するのかは話を聞く限りでは分からなかったが、きっと全部背負うつもりなんだろう。
1808春日くん達は、青木の秘書の計らいもあって、彼を看取ることができたそうだ。ただ東京23区内の傷害事件であるため、荒川真斗の遺体は青木遼の遺体として司法解剖に回されたという。本当に大変なのはこれからだろう。荒川真斗と青木遼、そして久米に小笠原。そしてブリーチジャパンと近江連合と極道大解散のつながり。思い出すだけでも壮大であまり現実味がない。春日くんがどこまで介入するのかは話を聞く限りでは分からなかったが、きっと全部背負うつもりなんだろう。
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DONEちょはん 隠れ家宅飲み編もしかしたら選挙前にこんなやりとりしてたら良いなという話。微ホラーかもしれない。話に出てくる人物の話や感情は私の妄想です。
ちょはん 隠れ家宅飲み編「趙の……いえ先代の総帥はどのような方だったんですか?」
冷たい声とは裏腹に、ハンくんの表情は穏やかである。これはやってしまったな、というのがひとつ。もうひとつは、もしかしたら自分の話を聞いて欲しいという前振りかもしれないという期待だ。
ハン・ジュンギは、あまり自分自身のルーツに繋がることを話さない。それは、”ハン・ジュンギ”として生きる決意の表れかもしれないし、俺に話す必要がないと線引きされているのかもしれない。
ハンくんもなかなか家族関係が複雑そうである。マフィアに身を落としている時点で、複雑も何もないのだが。ソンヒ曰く、彼は元々はジングォン派の構成員では無かったという。じゃあ整形させたのは誰なのだというところで、お互いに気まずい空気が流れた覚えがある。
3208冷たい声とは裏腹に、ハンくんの表情は穏やかである。これはやってしまったな、というのがひとつ。もうひとつは、もしかしたら自分の話を聞いて欲しいという前振りかもしれないという期待だ。
ハン・ジュンギは、あまり自分自身のルーツに繋がることを話さない。それは、”ハン・ジュンギ”として生きる決意の表れかもしれないし、俺に話す必要がないと線引きされているのかもしれない。
ハンくんもなかなか家族関係が複雑そうである。マフィアに身を落としている時点で、複雑も何もないのだが。ソンヒ曰く、彼は元々はジングォン派の構成員では無かったという。じゃあ整形させたのは誰なのだというところで、お互いに気まずい空気が流れた覚えがある。
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DONEあとしまつ編⑥せっかくなので平和的な解決方法編の要素をぶち込みました。趙ハンぽくなってきた気がする。現場からは以上です。
あとしまつ編⑥ 19時に差し掛かるころ。「さすがに何か食わせた方が良いだろう」と、いつまでも降りてくる気配のなハンくん用の食事をマスターから託された。点滴が必要なほど疲労が溜まっているのだから、とマスターが用意してくれたのは塩粥と玉子豆腐に蜂蜜レモンのお湯割りだ。そこは、たまご酒ではないのだな、と考えながら膳を運ぶ。
和室の電気を点けてみれば、彼は定位置である、和室の手前隅でカシューナッツのようになっていた。またミノムシと化している。
「ハンくん起きて〜。マスターが夕飯作ってくれたよ〜」
俺の声が虚しく響く。この程度で起きるとは思っていないし、正直なところ起こすのは悪いなと少し悩んでさえいる。
彼の場合、単純に「仕事に精を出しすぎて3徹明けで倒れた」のでは無い。神室町での自由行動で散々楽しんだ後から寝てないというのはさすがに……いや自業自得か。俺も悪いが、あいつも悪い。最後は珍しく足に来てたし帰るのが大変だった。
2418和室の電気を点けてみれば、彼は定位置である、和室の手前隅でカシューナッツのようになっていた。またミノムシと化している。
「ハンくん起きて〜。マスターが夕飯作ってくれたよ〜」
俺の声が虚しく響く。この程度で起きるとは思っていないし、正直なところ起こすのは悪いなと少し悩んでさえいる。
彼の場合、単純に「仕事に精を出しすぎて3徹明けで倒れた」のでは無い。神室町での自由行動で散々楽しんだ後から寝てないというのはさすがに……いや自業自得か。俺も悪いが、あいつも悪い。最後は珍しく足に来てたし帰るのが大変だった。
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DONEちょはん 質問編たまにはかわいいやつを書きたかったので練習したやつです
ちょはん 質問編「そういえば、素の私ってどんな感じなんですかね」
なんとも哲学的な話を振ってきたな、と酒をテーブルに置いた。いつものピアノ席でハン・ジュンギと情報交換をしつつ、いつも通り酒を飲んでいた。仕事の話、仕事の話、ソンヒの話。そして、たまに春日くんの話。新規性のある話題は大体春日くん経由の出来事である。
「いえね、趙。先日春日さんに、たまにはハン・ジュンギの仮面を脱いで素の自分になってもいいんじゃないか〜って言われましてね」
人馴れすると案外お喋りな奴なのである。脈絡のない突飛なフリではあるが、春日くんと何の話をしているのか気になるところではあった。心内は少々複雑ではあるが、とりあえず最後まで話を聞いてみるか、と相槌をうつ。
2752なんとも哲学的な話を振ってきたな、と酒をテーブルに置いた。いつものピアノ席でハン・ジュンギと情報交換をしつつ、いつも通り酒を飲んでいた。仕事の話、仕事の話、ソンヒの話。そして、たまに春日くんの話。新規性のある話題は大体春日くん経由の出来事である。
「いえね、趙。先日春日さんに、たまにはハン・ジュンギの仮面を脱いで素の自分になってもいいんじゃないか〜って言われましてね」
人馴れすると案外お喋りな奴なのである。脈絡のない突飛なフリではあるが、春日くんと何の話をしているのか気になるところではあった。心内は少々複雑ではあるが、とりあえず最後まで話を聞いてみるか、と相槌をうつ。
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DONEあとしまつ編⑤ 俺たちはヨンスヤの重装備に対してもっと疑った方がいい。47さんもあんなに重装備ではないというのに。ここは日本だぞ。あとしまつ編⑤ コーヒーを飲んでなおうつらうつらとするハンくんを一旦2階で寝かせて、俺と足立さんもマスターのコーヒーをご馳走になっていた。
「コーヒー1杯で目が覚める、とは思ってなかったけど布団かけたらぐっすりだったよ。かなり疲れてるね。あれは」
そう投げかけて、マスター特製ブレンドの香りを楽しむ。
「コーヒーには安眠効果もあるからな。昼寝の前に飲むのがいいんだぜ」
「いやいや足立さん、それは逆に目が冴えちゃうでしょ。どうなのマスター。足立さんが言ってることって本当?」
「そうらしいぞ。町内会でも話題になってたからな。まぁハン・ジュンギの場合は別の理由だろうな。そもそもがお前が無理矢理起こして連れてきんだろうが。それでもお前らのために無理して起きてたんだろうよ」
2184「コーヒー1杯で目が覚める、とは思ってなかったけど布団かけたらぐっすりだったよ。かなり疲れてるね。あれは」
そう投げかけて、マスター特製ブレンドの香りを楽しむ。
「コーヒーには安眠効果もあるからな。昼寝の前に飲むのがいいんだぜ」
「いやいや足立さん、それは逆に目が冴えちゃうでしょ。どうなのマスター。足立さんが言ってることって本当?」
「そうらしいぞ。町内会でも話題になってたからな。まぁハン・ジュンギの場合は別の理由だろうな。そもそもがお前が無理矢理起こして連れてきんだろうが。それでもお前らのために無理して起きてたんだろうよ」
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DONEあとしまつ編④ 7ラストバトル後の妄想解説回です。個人的にそうじゃないとEDと8に進めないだろうという妄想100%で構成されています。細かいところ間違っていそうなので先に誤っておきます。メンゴ。あとしまつ編④ 3徹明けでダメダメなハンくんに、どうしてサバイバーに無理やり連れてこられたのか理由を説明する。実は足立さんが荒川組事務所からパソコンを持ち帰っていたこと、その違法に持ち帰ったパソコンから荒川組と堀ノ内十郎の繋がりの証拠を手に入れてほしいことを端的に伝えた。
一応聞いてはいるが、サバイバーのボックス席で目を瞑って難しい顔をしている。眠気を我慢しているようで眉間の皴が深くなっていた。そこへすかさずマスターがコーヒーを差し入れる。
「……マスター、ありがとうございます」
半分目を開いて、彼はコーヒーを一口飲んだ。カチャリとソーサーが音をたて、ハン・ジュンギが本当に困った時にしか見せない顔をした。
「事情は分かりました。納期はかなりタイトですが、できなくはないと思います」
3792一応聞いてはいるが、サバイバーのボックス席で目を瞑って難しい顔をしている。眠気を我慢しているようで眉間の皴が深くなっていた。そこへすかさずマスターがコーヒーを差し入れる。
「……マスター、ありがとうございます」
半分目を開いて、彼はコーヒーを一口飲んだ。カチャリとソーサーが音をたて、ハン・ジュンギが本当に困った時にしか見せない顔をした。
「事情は分かりました。納期はかなりタイトですが、できなくはないと思います」
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DONEあとしまつ編③ヨンスヤ寝起きドッキリ編
あとしまつ編③ 指定された場所には覚えがあった。そこは横浜流氓御用達の診療所である。なるほど、医療リソースが増えることはお互いにとってありがたい。医療と看護への適性がある人間は慢性的に不足している。それに、コミジュルの医療スタッフが優秀であることは良く知っていた。
適当に空いているスペースに車を横付けして、建物内に入った。そこは一般住民———とはいっても地元の中国系の住民が殆どだ———も利用する診療所だ。子どもの頃から顔なじみのスタッフと目が合うとすぐにすっ飛んできた。
「久しぶり~元気してた?」
「天佑様、お待ちしておりました。すぐにご案内いたします」
天佑様かぁ……と言葉を噛みしめる。久しぶりの肩書の無い呼ばれ方が心地よい。こういった些細なことで、開放感を得られるのは不思議なことだった。
2574適当に空いているスペースに車を横付けして、建物内に入った。そこは一般住民———とはいっても地元の中国系の住民が殆どだ———も利用する診療所だ。子どもの頃から顔なじみのスタッフと目が合うとすぐにすっ飛んできた。
「久しぶり~元気してた?」
「天佑様、お待ちしておりました。すぐにご案内いたします」
天佑様かぁ……と言葉を噛みしめる。久しぶりの肩書の無い呼ばれ方が心地よい。こういった些細なことで、開放感を得られるのは不思議なことだった。
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DONEあとしまつ編② 妄想ネタバレもりもりです。あの後多分こうだっただろうなぁ~というふんわりした感じの仕上がりです。今回は趙と足立が喋っているだけです。※趙ハン生産ラインで製造されています。ご注意ください。 2376カピ(あね)が掘った墓穴
DONEあとしまつ編① ※生産者が趙ハンなのでCPタグつけました。7ラストバトル~EDまでの妄想詰め合わせセット。ネタバレあり、妄想ありのどんとこい創作寿司セット。300万円編からの続きです。 2473
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DONEちょはん 2019年の初め頃編もしかしたらアニバーサリー反応に振り回されていたかもしれない7本編前のヨンスヤのお話。しんどい。
ちょはん 2019年の初め頃編 次々とスイッチする画面は年が明けても相変わらず、異人町の様子を映している。せいぜいが画面越しの装飾がクリスマスから正月に変わって、飾りを片付け始めた店が出てきたくらいか。横浜流氓のシマの正月は旧正月だから、まだまだみんな浮かれていてお祭り騒ぎだ。年末年始の挨拶回りが終わったと思ったら自分の身内のご機嫌取りに奔走しなくてはならない。できれば今日の仕事もさっさと終わらせて、帰って風呂入って寝たい。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、俺はモニタールームで30分待ちぼうけをくらっている。
ゴツゴツ、と重い音がした。この部屋には今、俺以外はいない。
ゴツゴツと聞き慣れない音が「近づいてくる」ことに違和感を覚えた。毎度そつなくスマートで小憎たらしいコミジュルの参謀ハン・ジュンギは足音を立てないのだ。おそらく彼だとは思うが確信が持てない。万が一別人である可能性も踏まえて、手元の搬入書類を左手に持ち直し背に隠しながら慎重に振り返る。
1972そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、俺はモニタールームで30分待ちぼうけをくらっている。
ゴツゴツ、と重い音がした。この部屋には今、俺以外はいない。
ゴツゴツと聞き慣れない音が「近づいてくる」ことに違和感を覚えた。毎度そつなくスマートで小憎たらしいコミジュルの参謀ハン・ジュンギは足音を立てないのだ。おそらく彼だとは思うが確信が持てない。万が一別人である可能性も踏まえて、手元の搬入書類を左手に持ち直し背に隠しながら慎重に振り返る。
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DONEちょはん カタギ?編明日朝はやいのでとっても短いです。右視点でも書けるように練習するよ。
ちょはん カタギ?編 仕事をして、空いた時間にここに立ち寄り、時間が合えば夜を共にする。そんな普通の人間のような生活にやっと慣れてきた。趙のマンションに気兼ねなく出入りできるようになって季節は変わり、もう冬になっていた。
去年の今頃は本当に大変だった。多くを失って、何もかも変わった。初めて得た仲間のことを考えて、ソンヒはカタギの人間から距離を置くようにと言明した。春日さんたちはあの騒動が無ければ関わることすらなかった人たちだ。我々のような家業の人間は、どうしてもまっとうな人間の足を引っ張ってしまう。寂しいけれど、妥当な判断だ。
自分が異人町に来た時と比べると、少しずつ「仕事」は減っている。今は専ら組織運営と若手の育成に回っていて、意識的にトレーニングの時間を作らなければ体が錆びていくほど平和だ。事務仕事は嫌いではないが、得意ではない。簡単すぎてつまらない。
1376去年の今頃は本当に大変だった。多くを失って、何もかも変わった。初めて得た仲間のことを考えて、ソンヒはカタギの人間から距離を置くようにと言明した。春日さんたちはあの騒動が無ければ関わることすらなかった人たちだ。我々のような家業の人間は、どうしてもまっとうな人間の足を引っ張ってしまう。寂しいけれど、妥当な判断だ。
自分が異人町に来た時と比べると、少しずつ「仕事」は減っている。今は専ら組織運営と若手の育成に回っていて、意識的にトレーニングの時間を作らなければ体が錆びていくほど平和だ。事務仕事は嫌いではないが、得意ではない。簡単すぎてつまらない。
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DONEちょはん 知り合いの知り合い編④弊社では、ちょさんは色々と考えてないようで考えすぎな人という解釈の元、ちょはんを製造しています
ちょはん 知り合いの知り合い編④ 不機嫌を隠さずに、一錠、彼は水で流し込んだ。500mlのペットボトルを半分以上飲んでテーブルに置く。あらためて右側を下に、ハン・ジュンギは横になった。深いため息とともに目を瞑り、静かになった。それを見届け、スマホを取り出し通知を確認した。春日くんからのメッセージによると、マスターが冷麺振舞ってくれるらしい。俺は、特段やることがないのでスマホでニュースを確認する。これといって目新しいニュースはない。季節に関係なく冷麺を推すマスターのセンスは未だに謎だ。だが、あの冷麺に乗るキムチと料理の相性はとにかく良い。とはいえ、ハンくんを置いていくわけにもいかない。少し考えて、もう30分くらいで戻ると返信した。
2352カピ(あね)が掘った墓穴
DONEちょはん 知り合いの知り合い編③ロケハンしてあららな部分があったので、あとでまとめて加筆修正するよ!私はギスギスなちょはんを書く方が楽しいです。
ちょはん 知り合いの知り合い編③ 建前上、他に何かないか調べる体でやってきたが、これと言って何かがあるわけではない。
選挙事務所には書類が少し置かれている程度。仮に個人情報だったとしても、ブリーチジャパンの支持者の情報だ。今は余計な情報を持ち帰る必要はない。とはいえ、この部屋にあるのは応接セットと執務机。あとは表彰状と新聞記事の額装だ。机の上のファイルも書類も今じゃなければ使いようはいくらでもあったのだろう。流氓のメンバーに流すことも一瞬脳裏によぎったが、もう総帥ではないぞ自分の理性が働いた。
唯一表彰状ではない額の中では、少し若い頃の青木と小笠原が握手を交わしている。そういえば俺は荒川真斗を知らない。青木だろうが荒川だろうが、その人自身が変わるわけではない。むしろ名前と戸籍が変わっただけで、人生を変えられたのは青木本人の努力も大きいだろう。できれば違う方面でその才能を発揮してくれれば、少しは違ったかもしれない。
1795選挙事務所には書類が少し置かれている程度。仮に個人情報だったとしても、ブリーチジャパンの支持者の情報だ。今は余計な情報を持ち帰る必要はない。とはいえ、この部屋にあるのは応接セットと執務机。あとは表彰状と新聞記事の額装だ。机の上のファイルも書類も今じゃなければ使いようはいくらでもあったのだろう。流氓のメンバーに流すことも一瞬脳裏によぎったが、もう総帥ではないぞ自分の理性が働いた。
唯一表彰状ではない額の中では、少し若い頃の青木と小笠原が握手を交わしている。そういえば俺は荒川真斗を知らない。青木だろうが荒川だろうが、その人自身が変わるわけではない。むしろ名前と戸籍が変わっただけで、人生を変えられたのは青木本人の努力も大きいだろう。できれば違う方面でその才能を発揮してくれれば、少しは違ったかもしれない。
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DONEちょはん 知り合いの知り合い編②当方、正確な医学の知識はありませんが、アクション映画とミリタリー映画が大好きです。
ちょはん 知り合いの知り合い編② ブリーチジャパン神奈川県支部兼久米そうた候補選挙事務所。その事務所の中は春日くんたちの言う通りもぬけの殻、と言うに相応しい状態だった。選挙期間が始まって、まだ3日目。なのに電話活動の痕跡すら見当たらない。あいつらは本当にブリーチジャパンの支持者の力だけで当選するつもりなのだろうか。日本の選挙にそこまで明るくはないが、普通は朝から晩まで人海戦術で支持者に「応援よろしくお願いします」と電話を掛けるものではないのだろうか。そこまで、自分たちの勝利に自信があるのか、本当の活動拠点は別の場所なのか実態はよく分からないままだ。
いつかニュース番組でみたような祭壇が設けられている。野党の推薦候補もいなかったことだし、初めから勝った気で居るのだろう。飛ぶ鳥を落とす勢いの青木幹事長の古巣に加え、韓国人不法占拠集団抗議活動に伴うブリーチジャパン代表小笠原の事故死。青木遼はヤクザよりヤクザらしく立場と命を上手く使う。星野会長まで崩され、いよいよ打てる手が限られてきたところで『夜にコミジュルに来い』か。これでも表向きは普通の選挙なのだと気づき、薄気味悪さを覚えた。
1823いつかニュース番組でみたような祭壇が設けられている。野党の推薦候補もいなかったことだし、初めから勝った気で居るのだろう。飛ぶ鳥を落とす勢いの青木幹事長の古巣に加え、韓国人不法占拠集団抗議活動に伴うブリーチジャパン代表小笠原の事故死。青木遼はヤクザよりヤクザらしく立場と命を上手く使う。星野会長まで崩され、いよいよ打てる手が限られてきたところで『夜にコミジュルに来い』か。これでも表向きは普通の選挙なのだと気づき、薄気味悪さを覚えた。
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DONEちょはん 知り合いの知り合い編①一回書いてみたいなって思ったので書きました。とっても短い!!
とりあえず書いた冒頭だけダンクします。続くか分からないけど数字つけてあります。
ちょはん 知り合いの知り合い編① 春日一番の怒りと悔しさが乗った拳を簡単に止めた男は、ハンくんの「知り合いの知り合い」らしい。
グレーのスーツに身を包んだ男と対峙した彼の言葉に、静かな驚きをおぼえた。
『主のために身も心も同化させ、それを一生貫く覚悟を持って生きること』
主のため。彼の主はソンヒではないのか、と影武者の危うい哲学が俺の頭蓋の内側で響いている。
『ハン・ジュンギとは永遠の命を持った存在なのです』
分かったようで全く分からないし、むしろ分からない方がいいまでもある。他人の哲学を批判する趣味はないのだが、こればかりは聞き流すことはできない。
人間には永遠なんて無いし、影は生まれるのではない。ハン・ジュンギの言葉をありのままとらえるなら、目の前の彼は『ハン・ジュンギ』というスクリーンに映る実像であり、俺たちが見ている彼はその虚像である。どこからどう見ても姿かたちは『ハン・ジュンギ』。これはまごうことのない事実で、写真で見た若き頭目と全く同じ姿である。だが、俺の水晶体が網膜に映す彼は、コミジュル参謀のハンくんだ。
1344グレーのスーツに身を包んだ男と対峙した彼の言葉に、静かな驚きをおぼえた。
『主のために身も心も同化させ、それを一生貫く覚悟を持って生きること』
主のため。彼の主はソンヒではないのか、と影武者の危うい哲学が俺の頭蓋の内側で響いている。
『ハン・ジュンギとは永遠の命を持った存在なのです』
分かったようで全く分からないし、むしろ分からない方がいいまでもある。他人の哲学を批判する趣味はないのだが、こればかりは聞き流すことはできない。
人間には永遠なんて無いし、影は生まれるのではない。ハン・ジュンギの言葉をありのままとらえるなら、目の前の彼は『ハン・ジュンギ』というスクリーンに映る実像であり、俺たちが見ている彼はその虚像である。どこからどう見ても姿かたちは『ハン・ジュンギ』。これはまごうことのない事実で、写真で見た若き頭目と全く同じ姿である。だが、俺の水晶体が網膜に映す彼は、コミジュル参謀のハンくんだ。
カピ(あね)が掘った墓穴
DONE新幹線編 番外ちょさんと足立さんが喋っているだけ。ヨンスヤは爆睡してます。
前回が趙ハンだったので、タグは趙ハンです。
新幹線編 番外 俺たち3人は、どちらかというと体つきがしっかりしている方だ。その3人横並びで新幹線の狭い座席に押し込まれている。幸いだったのは、お互い全く知らない者同士ではなかったということくらいか。
新横浜のホームで予め決めた通り、足立さんが窓側席、ハン・ジュンギが中央席、俺は通路側に座った。ホームでのアクシデントを思い返すと、指定席でなければ少々面倒なことになっていた。どうやらうっかり自分で地雷を踏んだらしく、ハン・ジュンギがうんともすんとも言わなくなってしまった。動きはするものの目は虚ろで、俺たちの声は聞こえていないらしい。先日サバイバーの2階の戸棚でカトラリーをいじっていた時と同じだ。
「まぁ、だいぶお疲れみたいだね」
3820新横浜のホームで予め決めた通り、足立さんが窓側席、ハン・ジュンギが中央席、俺は通路側に座った。ホームでのアクシデントを思い返すと、指定席でなければ少々面倒なことになっていた。どうやらうっかり自分で地雷を踏んだらしく、ハン・ジュンギがうんともすんとも言わなくなってしまった。動きはするものの目は虚ろで、俺たちの声は聞こえていないらしい。先日サバイバーの2階の戸棚でカトラリーをいじっていた時と同じだ。
「まぁ、だいぶお疲れみたいだね」
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DONEちょはん 新幹線編さすがに直そうかと思ったけど、とりあえすUP。消さない代わりに加筆修正はする予定です。いつも以上に読みにくいですぞ。
なお、私は東海道新幹線は名古屋米原間しか乗ったことがありません。
ちょはん 新幹線編 春日くんが早速、星野会長に金を渡すというので無理やり着いて行き、文句を言われながらも俺たちは全員一緒に神内駅から新幹線駅まで移動した。
さすが帰宅ラッシュの時間帯だけあって駅の乗り換え口は混みあっている。できれば当日券を7人分、自由席で取りたいね、と行きの車内で話していた。先に確保しようという話の流れで、アプリや交通系ICカードの説明をしたが、無職の3人のおっさんにはハードルが高かったようだ。仕方がないので平等に券売機で購入しようと話はまとまり、はぐれることなく無事新幹線駅に到着した。
「なぁ足立さん、ションベン近いから指定席のほうがいいんじゃねぇか?」
このナンバの心優しい気遣いからの一声で、我々7人は新幹線当日券売り場の前で立ち尽くすこととなった。新横浜から新大阪まで2時間強。俺たちとしては、春日を見失わないように席を確保したい。新大阪に着いたとしても更に乗り換えが必要だ。慣れない土地にこの人数での移動となると、誰かがはぐれるか乗り過ごしてもおかしくない。
2192さすが帰宅ラッシュの時間帯だけあって駅の乗り換え口は混みあっている。できれば当日券を7人分、自由席で取りたいね、と行きの車内で話していた。先に確保しようという話の流れで、アプリや交通系ICカードの説明をしたが、無職の3人のおっさんにはハードルが高かったようだ。仕方がないので平等に券売機で購入しようと話はまとまり、はぐれることなく無事新幹線駅に到着した。
「なぁ足立さん、ションベン近いから指定席のほうがいいんじゃねぇか?」
このナンバの心優しい気遣いからの一声で、我々7人は新幹線当日券売り場の前で立ち尽くすこととなった。新横浜から新大阪まで2時間強。俺たちとしては、春日を見失わないように席を確保したい。新大阪に着いたとしても更に乗り換えが必要だ。慣れない土地にこの人数での移動となると、誰かがはぐれるか乗り過ごしてもおかしくない。
カピ(あね)が掘った墓穴
DONEちょはん 1週間前編今更ですがG相当な表現があるので、ワンクッションにしておきます。
ビル爆発から選挙日までの妄想です。6の設定うろ覚えです。小指置いておきます!! 2686
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DONEちょはん 麻婆豆腐編 キムチ編のアンサーになります今回も理不尽に好物を聞き出す描写があります。立場を利用した詰問はハラスメントととられる恐れがありますので、決してソンヒの真似をしないようご注意ください。
ちょはん 麻婆豆腐編 ソンヒが椅子に座ったまま、そっくり返って爆笑している。
「いや、そんなに笑わなくてもいいじゃん」
「趙、無理を言うな!こんな……ふふっ……」
コミジュルの執務室は壁も扉も厚い。だがソンヒの笑い声は何もかもを貫通する勢いだった。ここまで騒いでいれば何事かと、扉一枚隔てた向こうで控えている参謀がすっ飛んできそうなものである。
「それで?あいつは何て答えたって?」
もう何回目だ。3回、いや4回は話した気がする。
『好きな食べ物ですか?……ありません』
一言でばっさりとやられてしまった。中華料理が得意だと会話の継続を試みたが、
『中華料理は脂質と糖質が多すぎるため、私の身体づくりには適しておりません』
と、二度目の袈裟斬りときたものだ。下心もなければ毒を盛るつもりもない。純粋な好意を袖にされるというのは、ここまで悲しいものなのかと思い知らされた。
3801「いや、そんなに笑わなくてもいいじゃん」
「趙、無理を言うな!こんな……ふふっ……」
コミジュルの執務室は壁も扉も厚い。だがソンヒの笑い声は何もかもを貫通する勢いだった。ここまで騒いでいれば何事かと、扉一枚隔てた向こうで控えている参謀がすっ飛んできそうなものである。
「それで?あいつは何て答えたって?」
もう何回目だ。3回、いや4回は話した気がする。
『好きな食べ物ですか?……ありません』
一言でばっさりとやられてしまった。中華料理が得意だと会話の継続を試みたが、
『中華料理は脂質と糖質が多すぎるため、私の身体づくりには適しておりません』
と、二度目の袈裟斬りときたものだ。下心もなければ毒を盛るつもりもない。純粋な好意を袖にされるというのは、ここまで悲しいものなのかと思い知らされた。
カピ(あね)が掘った墓穴
DONEちょはん キムチ編どうしても地元のキムチを食べたいちょさんの7本編前のお話。
見方によってはイチャイチャしているかもしれない。だが、このちょさんの詰め方は立場を利用したハラスメントに該当する恐れがあるので参考にしないでください。
ちょはん キムチ編 例えば、自分の好物が自身のルーツと異なるものだとしよう。普通は自由に選択して食べられる。日本はそうゆう事由が許される国だ。ハンバーガー、グラタン、パフェ、他に何がある?とにかく「好きな食べ物は?」と尋ねられたところで、日本人は日本食を答えないといけないという決まりは無い。
だが、俺は違う。確かに中華料理は日常的に食べているし、食べ慣れている。ただ、横浜流氓の総帥が表向きは敵対関係に組織に関連する食べ物が好物だとは言いにくい。俺はキムチが好きだ。スーパーの市販の奴じゃなくて、本格的なキムチを食べたい。
総帥になる前の若い頃は、コミジュルのシマにずけずけと入って適当に荒らしてキムチを調達してきた。馬淵にからかわれ激辛キムチ炒飯の試食に付き合わせたのも、今となっては懐かしい。
3484だが、俺は違う。確かに中華料理は日常的に食べているし、食べ慣れている。ただ、横浜流氓の総帥が表向きは敵対関係に組織に関連する食べ物が好物だとは言いにくい。俺はキムチが好きだ。スーパーの市販の奴じゃなくて、本格的なキムチを食べたい。
総帥になる前の若い頃は、コミジュルのシマにずけずけと入って適当に荒らしてキムチを調達してきた。馬淵にからかわれ激辛キムチ炒飯の試食に付き合わせたのも、今となっては懐かしい。
カピ(あね)が掘った墓穴
DONEちょはん 300万円編(後)ちょっと不穏な感じ。CP表記はあるけど、そんなでもないです。ギスギス編の後日談が少しだけ分かります。
ちょはん 300万円編(後)「趙、話がある。ハン・ジュンギ、お前は先に出ていろ」
「かしこまりました、ソンヒ」
ある場所の、ある部屋。内部の引継ぎも終え、ようやく体を動かせるようになったので春日一番と合流する予定となっていた。馬淵と高部の件に加えて、己が肉の壁の崩壊の片棒を担いでしまった後ろめたさもあり、彼らとの合流は考えていなかった。だが彼女の優秀な参謀は、春日一番にはあなたの力が必要になると珍しく喧しいわ、宿泊に関しても絶対に断らない人物に話は通してあるから大丈夫だと譲らない。
春日一番達をコミジュルに応援に行かせたのは、ナンバの件もあった。俺たちはナンバを追わないし、あの日は「追えなくなった」が正しい。コミジュルに向かわせた方が異人三全体の利益になると判断したからだった。
5062「かしこまりました、ソンヒ」
ある場所の、ある部屋。内部の引継ぎも終え、ようやく体を動かせるようになったので春日一番と合流する予定となっていた。馬淵と高部の件に加えて、己が肉の壁の崩壊の片棒を担いでしまった後ろめたさもあり、彼らとの合流は考えていなかった。だが彼女の優秀な参謀は、春日一番にはあなたの力が必要になると珍しく喧しいわ、宿泊に関しても絶対に断らない人物に話は通してあるから大丈夫だと譲らない。
春日一番達をコミジュルに応援に行かせたのは、ナンバの件もあった。俺たちはナンバを追わないし、あの日は「追えなくなった」が正しい。コミジュルに向かわせた方が異人三全体の利益になると判断したからだった。
カピ(あね)が掘った墓穴
DONEちょはん 300万円編(前)長くなっちゃったので分割しました。続きはまた明日。弊社のちょはんは基本的にギスギスから始まっています。糖度ゼロです。(11章スタートまでの日数は約10日として扱っています)ちょはん 300万円編 作戦会議が飲み会になって数時間経っていた。選挙300万円をどうやって調達するか。おおよその方向性が見えたところで、足立さんが「ビールでも飲みながら考えようぜ!」と冷蔵庫から6缶パックを2つ取り出して全てが終わった。
ハン・ジュンギと共にサバイバーで寝泊まりすることを許可してもらった昨日の夜、乙姫ランドでひと悶着あり全員疲れ果てていた。今日は今日で、選挙の供託金は春日一番御一行が準備する流れに決まった。出来ることからやっていこう、と昼はバイトヒーローの依頼で走り回ったものの、そう簡単にまとまった金額が用意できる訳がなかった。
そこで“とりあえず”サバイバーで作戦会議という名の飲み会が始まったというわけである。昨日し損ねた俺の歓迎会を兼ねているつもりらしい。気持ちはありがたいが、これでも一応病み上がりである。心身ともにそれなりにダメージは残っていた。今、酒を入れると変な酔い方をする気がして躊躇している。
3416ハン・ジュンギと共にサバイバーで寝泊まりすることを許可してもらった昨日の夜、乙姫ランドでひと悶着あり全員疲れ果てていた。今日は今日で、選挙の供託金は春日一番御一行が準備する流れに決まった。出来ることからやっていこう、と昼はバイトヒーローの依頼で走り回ったものの、そう簡単にまとまった金額が用意できる訳がなかった。
そこで“とりあえず”サバイバーで作戦会議という名の飲み会が始まったというわけである。昨日し損ねた俺の歓迎会を兼ねているつもりらしい。気持ちはありがたいが、これでも一応病み上がりである。心身ともにそれなりにダメージは残っていた。今、酒を入れると変な酔い方をする気がして躊躇している。
カピ(あね)が掘った墓穴
DONE趙ハン出会い編。龍7の1年ちょっと前の雰囲気です。6の頃のコミジュルや新人儀式は妄想の産物です。CP表記はあるものの描写はありません。むしろギスギスしています。ギスギスのギスです。ギシギシしません。
ちょはん ギスギス出会い編 一人多い。
この場では初めて会う男が、眼を伏せてコミジュル総帥の後ろに、いつものすまし顔で控えている。これは聞いていないな、と大げさに首を傾げてみた。
「あれぇ?椅子が一つ足りないんじゃないのぉ?俺の席はどこかなぁ」
そう挨拶すると、いつものように部屋の奥の窓際に立ち深夜の中華街を眺めていた星野龍平が深いため息をついた。
「まぁ、お前は良い顔しねぇとは思っていたが。大層なご挨拶じゃあねえか、趙よ」
「さっすが星野会長!挨拶は大事だよねぇ。ちゃんとしないと」
星野が眺めているのは線路の向こうの見えない壁。通称「肉の壁」だ。ここは壁の内側ではなく、俺たちが争う理由は無い。平安樓のこの部屋は特別だ場所である。
4839この場では初めて会う男が、眼を伏せてコミジュル総帥の後ろに、いつものすまし顔で控えている。これは聞いていないな、と大げさに首を傾げてみた。
「あれぇ?椅子が一つ足りないんじゃないのぉ?俺の席はどこかなぁ」
そう挨拶すると、いつものように部屋の奥の窓際に立ち深夜の中華街を眺めていた星野龍平が深いため息をついた。
「まぁ、お前は良い顔しねぇとは思っていたが。大層なご挨拶じゃあねえか、趙よ」
「さっすが星野会長!挨拶は大事だよねぇ。ちゃんとしないと」
星野が眺めているのは線路の向こうの見えない壁。通称「肉の壁」だ。ここは壁の内側ではなく、俺たちが争う理由は無い。平安樓のこの部屋は特別だ場所である。
カピ(あね)が掘った墓穴
DONESS趙ハン(アメコミ編)アメコミ沼に落とした犯人はちょさんじゃないの?という疑惑から。
誤字脱字は見逃してください。
ちょはん アメコミ編それなりに、やってることはやっている趙ハンです
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海からの風が混ざってなお蒸し暑い帰り道、習慣になってしまった程に見上げた続けた部屋に遂に明かりが灯っていた。
いざその光景を見ると案外と他人事のような感想しか浮かんでこない。どうしたものかと、両腕を組んでマンションの最上階にある明るい光が漏れる我が家を眺める。
確かに彼にはカギを渡してあるし、いつでも来ても良いとは伝えた。それでもなんやかんやで律儀なハン・ジュンギは必ず一言連絡を入れたうえで、上がり込む。カギを渡してある意味を分かっていないとは思えないが、伝わっていないのかもしれない。彼の言葉を借りれば「甲斐のない人」である。
厄介な侵入者の可能性もゼロではないが、わざわざ明かりを点けて待ち伏せる程度の刺客は俺のところには来ない。
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海からの風が混ざってなお蒸し暑い帰り道、習慣になってしまった程に見上げた続けた部屋に遂に明かりが灯っていた。
いざその光景を見ると案外と他人事のような感想しか浮かんでこない。どうしたものかと、両腕を組んでマンションの最上階にある明るい光が漏れる我が家を眺める。
確かに彼にはカギを渡してあるし、いつでも来ても良いとは伝えた。それでもなんやかんやで律儀なハン・ジュンギは必ず一言連絡を入れたうえで、上がり込む。カギを渡してある意味を分かっていないとは思えないが、伝わっていないのかもしれない。彼の言葉を借りれば「甲斐のない人」である。
厄介な侵入者の可能性もゼロではないが、わざわざ明かりを点けて待ち伏せる程度の刺客は俺のところには来ない。