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    #K暁

    32honeymoon

    DONE◇#毎月25日はK暁デー ◇お題:匂い
    ・久しぶりのあまいちゃ糖度120ぱーせんとなので苦手な方は要注意!
    ・KKと暁人くんが同棲してる世界のおはなし
    ・相変わらずKKが暁人くん大好きマン

    長編をあげた後だったので、今回は短くさらっと。
    豪雨つづくここ最近、太陽が恋しくなって書いた作品です。
    台風の余波で大変な思いをしている皆さまの地域に、
    はやく気持ちいい秋晴れが届きますように。
    おひさまのにおいはしあわせの匂い。ーそれは秋晴れがさわやかな、とても良い天気のとある一日のおはなし。


    「KKー、布団下ろすの手伝ってー」
    「お?ああ、分かった」

    ソファでくつろいでいた休日のとある夕方。ベランダから聞こえてきた柔らかな声に、KKはよっこらせ、と立ち上がる。

    「布団、干してたのか。いつの間に・・・」
    「そうだよ。気づかなかった?」
    「・・・気づかなかった」

    少しだけばつが悪そうに目をそらす姿にはにかみながら、
    「だって今日はお日様の機嫌が良い一日だったからね。あやからなきゃ」と暁人が言う。

    「お日様の機嫌ねえ・・・また随分と可愛い事言うじゃねえか、」
    オレにしてみりゃただの暑い日って感じだったがな、と続けようとしたのを、KKが済んでの所で飲み込む。
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    na2me84

    DOODLE #毎月25日はK暁デー
    参加させていただきました。お題は『匂い』
    厭世的で嫌煙家の暁人くんのお話。
    sensory adaptation 雨の夜が明け家族とも一夜の相棒とも別れて、僕は日常に戻ってきた。妹を取り戻すことは出来なかったから、今までと全く同じという訳にはいかないだろうけれど、とにかく僕は一人生き残ったわけだ。それに意味があるかはまだ分からない。それでも、とりあえず僕がやらなければいけない事がまだ残っている。向こうで両親と共に旅立つのを見送った妹の現世での抜け殻に病院で対面し、身体も両親の元へと送り出した。その日は青空にふわりと薄い雲が浮かぶ、良く晴れた日だった。この世のしがらみを全て捨てて軽くなった妹は、きっと両親と共に穏やかに笑っているだろう。そうであって欲しい。

     追われるように過ごした日々が終わってふと気が付くと、これからどう生きていけばいいのかすら何も考えつかなくて、自分が空っぽになったように感じた。ほとんど物の無い空虚な部屋を見回して、置きっぱなしになっていたパスケースに目が止まる。すっかり忘れていた。あの夜の相棒の形見、最期に託された家族への伝言。これを片付けなくては。彼とは出会いから最悪で途中も色々あったが、最終的にはその関係は悪くなかったと思う。結局のところ、僕にとっても彼にとっても失うものばかりで、得るものの少ない結果だったとしても。
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