下書き何が正義かを決めるのは他でもない自分自身だ。
『ヒップホップは害悪である』
社会の理不尽さに無力に立ち尽くしていた過去の風景が目の前から突風のように迫り、あっという間にトンネルを抜けるように後ろへと流れていく。自分だけがその場所に立ち止まり続けたまま、景色は『今』に変わっていく。
この世界は残酷だ。
信号無視をして交差点に進入した乗用車が、トップスピードで人混みに突っ込んでいく。跳ね飛ばされて、下敷きになって、倒れる人々の狭間で運転席から降りた青年はいくつもの刃物を振り回して手当たり次第に人を刺す。
駆けつけた救急隊はすべての人を救うことは出来ないと判断する。
命の選別。取捨選択。
救われる命と救われない命。選ばれた命と選ばれなかった命。
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