Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ぐぐ

    miki_gkm

    DONE縛壱さんのお宅の式神パロ鯉月の超解釈三次創作です。
    ぽちを。さんと休日さんにエンクロージャーされて書きました。
    平安と江戸と明治のほぼ全部乗せ設定な上にググりながら書いた代物なので、何も信じずに読んでください。
    これでMMD沼に帰らせてもらえるんですよね!? そうなんですよね!?
    護国の鳥 まだ鶏も鳴かぬ夜半に、広げた翼の一丈にも届かんばかりの鳥が庭に降り立った。
     月の欠けた夜である。足元は闇に溶けて、夜露が蹴られて音を立てて散った。音を立てたから初めて夜露と知れるほど暗い中に、しかしもう舞い降りた鳥はいなかった。ぼんやりと白く霞むような狩衣の男が項垂れたまま、草を分ける音だけを立てて屋敷へと向かっている。紙燭も持たずに濃い夜の中をまっすぐに歩く男は、菅笠を被った上に俯いているから前の見えるはずもない。それどころか笠のうちには雑面が垂れていた。
     男は庭から直接濡れ縁に上がったが、白い足袋は濡れても汚れてもいなかった。相変わらず項垂れて、滑るように縁側を進んでいく。やがて障子から灯火の明かりが透けて見える部屋の前に至ると、待ち構えたようにすうと障子が開いた。見れば赤子ほどの背丈の細面の男が二人、それぞれ左右の障子の縁を掴んでいた。雑面の男が中に入ると、小さな男達は外から障子を閉めて消えた。
    2544

    masasi9991

    DONEキャンディーひとつでいちゃいちゃしてるデググラキャンディーとほっぺ


     さっき妹のロッタナからもらったキャンディーを口の中に放り込んでから、キミの顔はさらに幸せでいっぱいになった。口の中でキャンディーが右に左に転がっている。横で見てるだけで、もごもご動いている唇や頬を眺めているだけで、こっちまで楽しくなってくる。キミは今日も幸せそうだ。
    「キャンディーを食べているだけでかわいいからキミはずるいな」
    「ンン?」
     と返事をしてから丸い目をして少し慌てて、口元が動いて頬が丸く膨らむ。今はそこにキャンディーが入っているらしい。とてもわかりやすい。
    「ム……なんだって?」
    「なんでもないさ。いつものやつだ」
    「ん?」
     頬にキャンディーが入ったままじゃ喋りにくそうで、ちょっと舌っ足らずになっている。困ったな。こんな些細なことでも、おれは今日も幸せだ。
    「リスみたいになってるぜ」
     膨らんだ方の頬を指でつつくと、キミは大いにくすぐったそうにぎゅっと目を閉じる。それからまた口がもごもご動いて、キャンディーを口の中で転がし始めた。
     またこっち側の頬に来たらつついてしまおうかな。狙いをつけて人差し指を立てていると、キミはそれを不思議そうに眺め 504

    masasi9991

    DONEキスの日のデググラです『キス』の日


    「グランツ、今日はキスの日らしいぞ!」
     急に思いもよらないことを言われて、思わずそこに立ち止まった。隣を歩いていたキミの顔を見上げる。キミはそのままトコトコと先に歩いていってしまった。道の曲がり角まで行ってから、「あれ?」と首を傾げて立ち止まったキミを、おれは慌てて追いかけた。
    「どうしたんだ? 急に立ち止まったりして。残像かと思ったぞ」
    「ぷはっ。ふふ、だってキミが急にそんなことを言い出すからさ」
    「そうかそうか、やっぱりおまえも今日がキスの日だとは知らなかったんだな」
    「祝日とかではないしな。どうする、デグダス? 今日の晩飯は魚にするか」
    「魚?」
     また隣に並んで歩き出したデグダスは、顎に手を当てて首をひねる。あんまりひねる過ぎると前が見えなくなりそうで危ないな、と顎に当ててない方の手を握って、手をつないで歩くことにした。
    「ほら、海で釣れる鱚のことだ。違ったか?」
    「ああ! なるほどなるほど! キスと鱚……うぷぷっ。違うぞぉ、キスと言ったら、いつもおまえとしている……ムフフ。ムフフな方らしい! おれも今日知ったんだがな。それにしてもグランツがうっかりしている 849