Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    セフレ

    nmrapis

    MAIKING聖人野郎を恨む彼と、そんな彼を密かに慕う聖人野郎がセフレになるおはなし前編。いかがわしい展開一歩手前くらい。
    何もかもうやむやのまま爛れた関係になる二人が書きたかったなどと申しており。HiMERUが完全に無自覚なのでかろうじて執着以上両片想い未満みたいな関係。諸々自己解釈が含まれます。色々と好き勝手書いてますので閲覧は自己責任。格好いい完璧なHiMERUなんて弊社にはいませんご留意ください。
    It's all my fault.① ──その日は朝から厄災の連続だった。
     人身事故が原因で、乗車予定だった新幹線が遅延。やっと乗れたかと思えば、ドラマの共演女優が仕事のブッキングで急遽合流できなくなったと連絡があった。せっかく長ゼリフを昨夜一晩かけて完璧に覚えてきたというのに、だ。
     代わりに次の五話のゲストの子、来れるよう頼めたからよろしく〜😆変更になった撮影シーンの台本原稿添付で送っといたから確認しといてね!
     秋空に浮かぶひつじ雲よりもふわふわと軽い、監督からの二文メール。握り締めすぎてミシミシと軋むスマホを鞄の上に放り、車窓に映る自分の顰め面へ嘆息を吐き捨てた。
     四時間弱程揺られ、ロケ地に到着した。送られてきた台本は、どうにか頭に入れ直した。せっかく広島くんだりまで赴いたところで、撮影シーンが潰れればすぐさま帰される。駆け出しのアイドル相手に、代わりの撮影シーンが用意されただけマシだろう。そう自分を言い聞かせるように、指定された展望台へ向かうと──
    8992

    kinoko12069

    MOURNING・好きな曲から連想して書いた当社比重めなイデ監。何の縁もない田舎の駅で会話する二人の話。この二人は付き合ってはいないです。
    ・人を選ぶ内容なので気をつけてください。卒業後設定、セフレ的な関係と妊娠の描写があります。
    ・夏が終わったばかりですが冬の話です。
    ・書き終わってから思い出しましたがこの曲、別れの歌なんですよねぇ……。良かったら聴いてみてください。
    There will never be another you「外はやっぱり寒いね」

    何もない駅のベンチでうずくまっていると、頭上から声が降って来た。今もっとも聞きたくなかったような、それなのに聞きたくて仕方がなかったような声だ。

    けれど顔を上げる気にはなれず、俯いたままそれに答える。

    「……出てこなければ良かったのでは?」

    もともと出不精な人だから、輪をかけて寒い今日などは世界が終わっても部屋を出てこないと思っていた。そういえば今朝はこの冬一番の冷え込みになるとラジオでは言っていたっけ。
    それも含めて皮肉を言うと、その人は困ったようにため息をついた。

    「君ねぇ……」

    彼は何か言いかけて、しかし止めた。そして着ていた外套を脱ぐと、私の肩に掛けて羽織らせた。冷えた身体に、そのあたたかさは染み入っていくようだ。
    6588