伽羅
ちーずけーき
DONE『それを奇跡と呼ぶのなら』零號悪魔と天使候補生番外編(R18 最後まではしていません)
※2022年5月3日に配布したペーパー用小説でした
2023/1/19 一般公開開始しました。 12
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DONE伽羅ちゃんが年長さん→小学生の謎時空ネタ4作目。何でも許せる方向けのちび🌰を愛でたいだけの小話です。今回は小学校入学編。
全話通して、かっこいい長谷部が好きな方には向かない傾向があります。
あ、でももしかしたら、今回は拙作イチかっこいい長谷部かもしれません。(当社比です)
からちゃんがっこうへいくへし切長谷部は頭を抱えたかった。いや、心のうちではとっくに頭を抱えていた。
ここはちいさな大倶利伽羅が通っている小学校の一室である。
部屋の入り口を、時折副校長が通りががかる。
時刻は9:20。始業時間の8:20はとっくに過ぎていた。
「どうするんだ、俺も本丸に戻って仕事があるんだが」
そう声をかけると、部屋の片隅の椅子の上に乗っていた塊がぴくりと動いた。ちいさな大倶利伽羅である。
「…あと10分。で長谷部とお別れする…」
視線が合わないまま絞り出された頼りなげな声に、長谷部は罪悪感でいっぱいになった。
だが、近侍である己が戻らねば職務が滞る。すぐにさぼりたがる何某がたくさんいるのだ、幣本丸には。
心を鬼にして10分後に部屋を出ると、やり取りが聞こえていたのか、副校長が現れた。長谷部が暇を告げると、
3417ここはちいさな大倶利伽羅が通っている小学校の一室である。
部屋の入り口を、時折副校長が通りががかる。
時刻は9:20。始業時間の8:20はとっくに過ぎていた。
「どうするんだ、俺も本丸に戻って仕事があるんだが」
そう声をかけると、部屋の片隅の椅子の上に乗っていた塊がぴくりと動いた。ちいさな大倶利伽羅である。
「…あと10分。で長谷部とお別れする…」
視線が合わないまま絞り出された頼りなげな声に、長谷部は罪悪感でいっぱいになった。
だが、近侍である己が戻らねば職務が滞る。すぐにさぼりたがる何某がたくさんいるのだ、幣本丸には。
心を鬼にして10分後に部屋を出ると、やり取りが聞こえていたのか、副校長が現れた。長谷部が暇を告げると、
31huji_tou
MAIKING5/29に出したいくりみつ現パロ/狼でひとの大倶利伽羅くんと大学講師の光忠さん、の後日談予定
★無校正の書きっぱなしです、ご愛嬌。
==========
ふい、と顔を上げて空を見るのに釣られ、光忠も視線を上げた。明るく澄んだ青が広がっている。ところどころに散らばる雲の白さがそろそろ眩しい。もう夏はすぐそこだ。いい天気だけど、と思うのを待っていたかのように大倶利伽羅が口を開く。
「…雨だ」
「すぐに降るかい?」
「――あぁ、近い」
なにかを確かめるようにじいと一点を見つめていた金色が光忠を映した。頷く動きで髪が揺れる。頬に落ちる影は色濃く、日差しの強さを教えてくれていたが、雨が降るらしい。
大倶利伽羅が言うのなら確実に降る。初めて教えてくれたときから外れたことなんて一度もなかった。
「じゃあ、急いで帰ろうか」
「………、」
もしかすると、急いだとしてもマンションに着くまでに降るのかもしれない。大倶利伽羅の眉根が少しばかり寄っているのに気づき、光忠は小さく笑う。狼であっても、人であっても、雨に濡れるのはあまり好きではないようなのだ。むつりと口を噤む大倶利伽羅の腕をゆるく引いて促し、足早に坂道を下りた。
1376「…雨だ」
「すぐに降るかい?」
「――あぁ、近い」
なにかを確かめるようにじいと一点を見つめていた金色が光忠を映した。頷く動きで髪が揺れる。頬に落ちる影は色濃く、日差しの強さを教えてくれていたが、雨が降るらしい。
大倶利伽羅が言うのなら確実に降る。初めて教えてくれたときから外れたことなんて一度もなかった。
「じゃあ、急いで帰ろうか」
「………、」
もしかすると、急いだとしてもマンションに着くまでに降るのかもしれない。大倶利伽羅の眉根が少しばかり寄っているのに気づき、光忠は小さく笑う。狼であっても、人であっても、雨に濡れるのはあまり好きではないようなのだ。むつりと口を噤む大倶利伽羅の腕をゆるく引いて促し、足早に坂道を下りた。
佐々本
DOODLEお風呂上がりの大倶利伽羅に遭遇したらいちごミルクくれたの図どうも髪の毛バッとひと拭きしておしまいにしちゃうイメージがある…
それでみっちゃんや貞ちゃんに怒られて捕まる日は捕まって乾かされる
水気放っていれば誰も近寄ってこないだろうと思っているのか、
それが逆に伊達の刀にはかまちょの種になっているのは確信犯か
ながら(半分収納場)
MOURNING顕現した鶴丸とお目付け役の大倶利伽羅。月間つるくりゆるゆる創作さんの12月お題「仏の顔も三度まで」 で没にした、自分に意味を見出さない鶴丸とそれが納得できない大倶利伽羅の話。
せめてひとよのかれむぐら「きみと再び見えるだなんて、随分と都合のいい夢じゃないか」
は、と乾いた笑いの欠片とともにその唇から洩れ出た言葉に、ああ、これは確かにあの刀だと確信する。かつて、暫くの間、同じ家にあった太刀の付喪神。
「…そうだな。いつかは醒める夢だ」
同意の言葉にぱちりと双つの黄水晶が瞬く。それを置き去りにして、大倶利伽羅は審神者の元へと足を向けた。
「自分の手足で動けるというのもなかなか不思議なものだな」
面を通した審神者の隣には旧知の刀。一通りの説明を受けたのちに、その旧知に連れてこられたのは板張りの道場であった。木刀が一本、投げて寄越される。
「真剣じゃあないのかい」
「ここは抜刀禁止だ」
「そりゃあ残念」
「…はじめは此処で手合わせだ。その器に慣れろ。刀を握るのはそれからだ」
2811は、と乾いた笑いの欠片とともにその唇から洩れ出た言葉に、ああ、これは確かにあの刀だと確信する。かつて、暫くの間、同じ家にあった太刀の付喪神。
「…そうだな。いつかは醒める夢だ」
同意の言葉にぱちりと双つの黄水晶が瞬く。それを置き去りにして、大倶利伽羅は審神者の元へと足を向けた。
「自分の手足で動けるというのもなかなか不思議なものだな」
面を通した審神者の隣には旧知の刀。一通りの説明を受けたのちに、その旧知に連れてこられたのは板張りの道場であった。木刀が一本、投げて寄越される。
「真剣じゃあないのかい」
「ここは抜刀禁止だ」
「そりゃあ残念」
「…はじめは此処で手合わせだ。その器に慣れろ。刀を握るのはそれからだ」
greenhercles
SPOILERあぐりさんに回してもらったハンドカフト!がめっちゃ楽しかったというソレ。「俺の流儀は『やりたいことをやりたいように、欲しいものを欲しいままに。』」
「俺はお前が欲しい。お前、俺の女になれ。」
大した俺様ヤローですよ。まあ伽羅ちゃんが可愛すぎたのがいけないんでホント。
ちっちゃくて元気で健気な良い娘だが、仮にも犯罪集団のリーダーと付き合うことになってしまった彼女の明日はどっちだ。
906
DONE伽羅ちゃんが年長さんくらいの謎時空ネタ3作目。何でも許せる方向けの卒園式話。
全話通して、かっこいい長谷部が好きな方には向かない傾向があります。
日本号&福島光忠が出ます。
おもいでのアルバム松の内も明け、本丸は日常を取り戻していた。
ちいさな大倶利伽羅は、無事ランドセルの準備も終わり、春から小学校に通うのを楽しみにしていた。無論、本人は嬉しそうな素振りだなど見せているつもりはないが、ランドセルを見つめると、思い出したように舞う薄紅色の花弁は、ごまかしようのない大倶利伽羅の気持ちを表していた。
「「「出席は2人まで!?」」」
常日頃から賑やかな伊達組の部屋に、3人分が重なった声が木霊する。
正面に座るちいさな大倶利伽羅は、その勢いに吹き飛ばされそうで、腹に力を込めて、なんとか持ちこたえた。
「…せんせいが、今は密になるのはいけないからだ、と言っていた」
キリっとした表情に「伽羅ちゃんはやっぱりカッコいいねぇ」と相好を崩しているのは燭台切光忠だ。
3885ちいさな大倶利伽羅は、無事ランドセルの準備も終わり、春から小学校に通うのを楽しみにしていた。無論、本人は嬉しそうな素振りだなど見せているつもりはないが、ランドセルを見つめると、思い出したように舞う薄紅色の花弁は、ごまかしようのない大倶利伽羅の気持ちを表していた。
「「「出席は2人まで!?」」」
常日頃から賑やかな伊達組の部屋に、3人分が重なった声が木霊する。
正面に座るちいさな大倶利伽羅は、その勢いに吹き飛ばされそうで、腹に力を込めて、なんとか持ちこたえた。
「…せんせいが、今は密になるのはいけないからだ、と言っていた」
キリっとした表情に「伽羅ちゃんはやっぱりカッコいいねぇ」と相好を崩しているのは燭台切光忠だ。
ちゅきこ
DONE(みつくり×現パロ)ヨルシカさんの「爆弾魔」の雰囲気なんとなくで描き始めた終わりの見えない妄想です。
リーマン光忠さん×高校生大倶利伽羅
実在の地名が出てきますが緩めのファンタジーとして見てください。
大倶利伽羅の身体の一部に欠損の描写が出ます。
大丈夫な方だけどうぞ!
瞬く星は終に爆ぜない渋谷で捕まえた男の子を家まで連れ帰った。名前は知らない、住んでいるところも、今は何歳で、どこの学校に通っているかも聞いていない。いくつかの質問は聞こえなかったかのように流されて、続きを問うのを諦めた。
タクシーを降りてマンションのエントランスに入る。少し足を引き摺っているような動きだ。怪我でもしているのだろうか。
はじめは職場の隣のビルで起こった小火だった。終業過ぎ、かなり立て込んだ案件で深くまで残業した日の夜だった。
消防のサイレンを聞きつけ、野次馬となり外へ出た時に、その群衆に彼がいたのを見たのだ。小火が出たビルの上階をじっと見て、慌てる様子もなくそこへ佇んでいた。
次に見かけたのはセンター街だった。金曜の夜に同僚と飲んだ帰り、潰れた同期を支えながら駅までだらだらと歩いていく。その時になぜ嗅ぎ分けられたのかは分からないが、急にきな臭さを感じた。
8658タクシーを降りてマンションのエントランスに入る。少し足を引き摺っているような動きだ。怪我でもしているのだろうか。
はじめは職場の隣のビルで起こった小火だった。終業過ぎ、かなり立て込んだ案件で深くまで残業した日の夜だった。
消防のサイレンを聞きつけ、野次馬となり外へ出た時に、その群衆に彼がいたのを見たのだ。小火が出たビルの上階をじっと見て、慌てる様子もなくそこへ佇んでいた。
次に見かけたのはセンター街だった。金曜の夜に同僚と飲んだ帰り、潰れた同期を支えながら駅までだらだらと歩いていく。その時になぜ嗅ぎ分けられたのかは分からないが、急にきな臭さを感じた。
もえこくん🐻❄️のピク
PROGRESS麻雀🀄貘さん描きます(多分)ずっと貘さんに麻雀して欲しいと思ってたので頑張る、、
役はめちゃ迷うけど九連宝燈で。絶対役満であがって欲しいけど、国士無双とかであがる感じじゃないよな〜と思って、、、
九連宝燈はあがったら次の日死ぬって言われてるくらいめちゃくちゃレアな役らしいので貘さんにぴったりだよね🥰
貘さん麻雀には触れてきて無さそうだから生まれ的に知ってそうな伽羅さん教えてあげてくれ♡
kuusui
TRAINING本丸で光忠のお兄ちゃんの歓迎会が開かれ、そこで日本号との回想が繰り広げられて、それを大倶利伽羅が目撃したというIFくりみつ。光忠回想も合わせて目撃しています。梅の木で逢いましょうのお話の続き。
拗らせ大倶利伽羅さんがその特別に気付いちゃったお話。
※ちゃん呼びを最初は嫌がっていたという捏造を含みます。
※同室くりみつのいるとある本丸設定のお話。
梅の木で逢いましょう 04 俺の好きな奴には、その両手で抱きしめるほどの世界がある。
朝起きておはようの声とともに、腹の減るような米の匂いがする。飯椀を無言で押し付ければ、にこやかな笑顔とともに炊き立てのご飯がこんもりと返って来る。アイツが洗濯物を干せば、調子の外れたよくわからない唄を口ずさむ。あまりにも楽しそうなのでそれを茶化すものもいない。
そのあたたかな、郷愁すら呼び起こしそうな温もりのあるやさしい世界。それはアイツにはよく似合っていると心から思う。光忠はそんな世界に必要とされている。
だから――そんなお前の、”世界”を取り上げることができたらなんて。
俺は一体、何度その傲慢を思い描いて来たことだろうか。
活気のある宴会部屋を離れ、縁側の廊下を伝って静かな自室へと帰って来た。
7038朝起きておはようの声とともに、腹の減るような米の匂いがする。飯椀を無言で押し付ければ、にこやかな笑顔とともに炊き立てのご飯がこんもりと返って来る。アイツが洗濯物を干せば、調子の外れたよくわからない唄を口ずさむ。あまりにも楽しそうなのでそれを茶化すものもいない。
そのあたたかな、郷愁すら呼び起こしそうな温もりのあるやさしい世界。それはアイツにはよく似合っていると心から思う。光忠はそんな世界に必要とされている。
だから――そんなお前の、”世界”を取り上げることができたらなんて。
俺は一体、何度その傲慢を思い描いて来たことだろうか。
活気のある宴会部屋を離れ、縁側の廊下を伝って静かな自室へと帰って来た。
永劫ミカン
TRAININGくりんばワンドロワンライ一本勝負様よりお題をお借りしました第3回 お題【バレンタイン】
自本丸設定。大倶利伽羅がちょろすぎて心配(笑)
お題【バレンタイン】元来"なれつも"が信条の大倶利伽羅にとって今年の二月某日は非常に大きな意味があった。
例年この日と言えば、燭台切光忠をはじめ加州や短刀たちから寄越される"チョコレート"をウンザリしながらしぶしぶ受け取り一ヶ月後には素っ気なく返礼の菓子を渡し、その後数ヶ月かけてやっとの思いで大量過ぎるチョコをただ黙々と消費する、それだけのやっかいな催しだった。
だが今回は違う。密かに想いを抱いてきた相手との恋をついに実らせ付き合うに至った、そう山姥切国広がいる。
この日に彼の方からチョコレートを貰おうなどと浅はかな望みは毛頭なかった。自分から嬉々として贈り物をしてくる性格でないのは端から承知している。ただ、山姥切も大倶利伽羅同様貰ったチョコは無下にせずきちんと返しているのも知っていた。
2579例年この日と言えば、燭台切光忠をはじめ加州や短刀たちから寄越される"チョコレート"をウンザリしながらしぶしぶ受け取り一ヶ月後には素っ気なく返礼の菓子を渡し、その後数ヶ月かけてやっとの思いで大量過ぎるチョコをただ黙々と消費する、それだけのやっかいな催しだった。
だが今回は違う。密かに想いを抱いてきた相手との恋をついに実らせ付き合うに至った、そう山姥切国広がいる。
この日に彼の方からチョコレートを貰おうなどと浅はかな望みは毛頭なかった。自分から嬉々として贈り物をしてくる性格でないのは端から承知している。ただ、山姥切も大倶利伽羅同様貰ったチョコは無下にせずきちんと返しているのも知っていた。
かさちこ
DONE大倶利伽羅の真剣必殺の台詞とくりひぜに思いを馳せた結果。帰 土埃、硝煙の香り、地鳴りのような怒号、鍔迫り合いの音、立ち込める血の臭い。
脇腹を掠めた刃が思ったよりも深く肉を抉り白いシャツに夥しい赤を滲ませているが、既に痛みを越えじくじくとした熱さしか感じない。それよりも肌の彼方此方に付けられた大小の傷が土埃に触れる度の鈍い痛みに軽く眉をひそめ、つくづく何故、戦う為の受肉に人の身と同じような痛覚や血が必要だったのかと思考の片隅で思いながら、刀に纏った瘴気のような敵の血を振って払う。上がった呼吸を整え、ぼやけ始めた視界で敵を見据える。
どうやら身から流れた血が多過ぎたようだ。だが、ここで倒れる訳には行かない。
滑らないよう柄をきつく握り直し、口をついて出る言葉は、
1066脇腹を掠めた刃が思ったよりも深く肉を抉り白いシャツに夥しい赤を滲ませているが、既に痛みを越えじくじくとした熱さしか感じない。それよりも肌の彼方此方に付けられた大小の傷が土埃に触れる度の鈍い痛みに軽く眉をひそめ、つくづく何故、戦う為の受肉に人の身と同じような痛覚や血が必要だったのかと思考の片隅で思いながら、刀に纏った瘴気のような敵の血を振って払う。上がった呼吸を整え、ぼやけ始めた視界で敵を見据える。
どうやら身から流れた血が多過ぎたようだ。だが、ここで倒れる訳には行かない。
滑らないよう柄をきつく握り直し、口をついて出る言葉は、
永劫ミカン
TRAININGくりんばワンドロワンライ一本勝負(@krnb_1dr1wr)様よりお題をお借りしました第2回より『節分』『豆まき』
大倶利伽羅目線、モダモダとじれったいくりんば(笑)
【節分】 とある本丸。月が冴える如月の夜空を見上げる影が二つ。
今日は節分。昼間は本丸総出で豆まき大会、日が暮れてからは燭台切や歌仙の指揮の下、彩り良く仕上げられた太巻きと御神酒が供され、宴のただ中。一時の間抜け出してきた大倶利伽羅と山姥切国広だった。
特に言葉を交わさずとも、大倶利伽羅は傍らに国広の気配を感じながらの静寂を愉しんでいた。
その時予測だにしなかった事が起こった。
「…大倶利伽羅?」
おや?という様子で大倶利伽羅に視線を向けた国広がそっとうなじの辺りの髪、そう癖が強いその辺りに手を差し入れてきたのだ
ざわり
瞬間、大倶利伽羅は自分でも訳が分からないほどに込み上げてきた感覚に動揺し、身を固くした。それは国広にも伝わってしまい、
1418今日は節分。昼間は本丸総出で豆まき大会、日が暮れてからは燭台切や歌仙の指揮の下、彩り良く仕上げられた太巻きと御神酒が供され、宴のただ中。一時の間抜け出してきた大倶利伽羅と山姥切国広だった。
特に言葉を交わさずとも、大倶利伽羅は傍らに国広の気配を感じながらの静寂を愉しんでいた。
その時予測だにしなかった事が起こった。
「…大倶利伽羅?」
おや?という様子で大倶利伽羅に視線を向けた国広がそっとうなじの辺りの髪、そう癖が強いその辺りに手を差し入れてきたのだ
ざわり
瞬間、大倶利伽羅は自分でも訳が分からないほどに込み上げてきた感覚に動揺し、身を固くした。それは国広にも伝わってしまい、
佐々本
DOODLE刀ステ映画義伝見に行った勢いで黒鶴さんと黒伽羅ちゃん妄想あそこで鶴さんがヲンドリャアってしてなければ黒伽羅が生まれたのかな…って妄想してみたけど
元々黒めの格好だからインパクトほとんどなかった… 2
Norskskogkatta
DOODLE猫になった大倶利伽羅が主のところに結局来てしまう話大倶利伽羅、猫になったってよ「大倶利伽羅が猫になってしまったらしい……」
「……今度は猫かぁ」
刀剣男士はなにかと不安定なのだろうか。女の子の次は猫になったらしい。
「その当事者はどうした?」
「主に面会するよう言ったのだけど、どうせ言葉は話せないのだからと断られてしまったよ」
初期刀が申し訳なさそうにするのをあいつだから仕方ないさと肩を叩く。
運がいいのか悪いのか、今日は大倶利伽羅は出陣部隊ではなかった。顔を見せてくれないのは信頼されてないのかとほんの少し胸の内がもやつくが、この本丸の古参で伊達男の打刀だ。無様な姿を晒したくないと考えているのかもしれない。
「あとで俺のほうから様子を見に行くからさ、そこまで気にするなよ蜂須賀」
「そうだね、まずは今日の仕事を片付けてしまおう」
3440「……今度は猫かぁ」
刀剣男士はなにかと不安定なのだろうか。女の子の次は猫になったらしい。
「その当事者はどうした?」
「主に面会するよう言ったのだけど、どうせ言葉は話せないのだからと断られてしまったよ」
初期刀が申し訳なさそうにするのをあいつだから仕方ないさと肩を叩く。
運がいいのか悪いのか、今日は大倶利伽羅は出陣部隊ではなかった。顔を見せてくれないのは信頼されてないのかとほんの少し胸の内がもやつくが、この本丸の古参で伊達男の打刀だ。無様な姿を晒したくないと考えているのかもしれない。
「あとで俺のほうから様子を見に行くからさ、そこまで気にするなよ蜂須賀」
「そうだね、まずは今日の仕事を片付けてしまおう」
榛野🌸
DONE某たまごっち本丸の男士をお世話している伽羅ちゃんとその彼氏さん「ねえからち…」
「今みつただっちとさだむねっちを鍛錬に送り出すところだ。忙しい」
「……」
伽羅ちゃんは僕の方を振り向きもせず、てのひらの上の2つの球体を食い入るように見ている。
「そうだ、今日は畑当番だな。ああ…天気も良いな。体力づくりにも畑仕事は適している。さだむねっち、さぼるのは粋じゃないぞ。みつただっちを見習え」
「…………」
「ああ…よくやったな。随分とふくよかに実ったトマトだ。お前たちが日々頑張って世話した成果だ。このトマトはどうやって料理に使えば良い?みつただっち」
「今日はトマトたっぷりハヤシライスだよ」
「そうだハヤシラ………光忠、いたのか」
「ずいぶん前からね」
驚いたようにぼくを見つめる伽羅ちゃんの瞳は驚くほど澄んでいて、どうやら本気で僕の存在を今になって初めて認識したらしい。
1045「今みつただっちとさだむねっちを鍛錬に送り出すところだ。忙しい」
「……」
伽羅ちゃんは僕の方を振り向きもせず、てのひらの上の2つの球体を食い入るように見ている。
「そうだ、今日は畑当番だな。ああ…天気も良いな。体力づくりにも畑仕事は適している。さだむねっち、さぼるのは粋じゃないぞ。みつただっちを見習え」
「…………」
「ああ…よくやったな。随分とふくよかに実ったトマトだ。お前たちが日々頑張って世話した成果だ。このトマトはどうやって料理に使えば良い?みつただっち」
「今日はトマトたっぷりハヤシライスだよ」
「そうだハヤシラ………光忠、いたのか」
「ずいぶん前からね」
驚いたようにぼくを見つめる伽羅ちゃんの瞳は驚くほど澄んでいて、どうやら本気で僕の存在を今になって初めて認識したらしい。
mitsu_ame
DONEお付き合いしてるくりんばちゃん。伽羅さんの刀種変更ネタ(平成の記憶)
1/25 ちょっと追記しました。
『見えない』を愉しむ.
新月の晩、星灯だって心許ない夜。
そんなのは大俱利伽羅の視覚にはひどく煩わしい。鳥目という程のことはないけれど、総じて太刀の刀剣男士は暗闇に弱い。短刀らが容易く色形を識別する薄闇にも不便さを感じ、脇差達がスルリ侵入する屋根裏は体躯の問題だけでなく窮屈で。
そして打刀――山姥切国広が、先を行く暗闇の廊下を、その足音に頼って着いて回るより他なかった。
「おい、国広っ」
しんと冷えた廊下では、ひそめたはずの声は意外なほどよく響いた。だというのに、呼ばわった方は応えない。もしかしたら視線くらいは遣ったのかもしれないが、今の大俱利伽羅には知りようもなかった。なにせ物の輪郭がなんとか拾えるか、という程度の見え方なのだから。
3352新月の晩、星灯だって心許ない夜。
そんなのは大俱利伽羅の視覚にはひどく煩わしい。鳥目という程のことはないけれど、総じて太刀の刀剣男士は暗闇に弱い。短刀らが容易く色形を識別する薄闇にも不便さを感じ、脇差達がスルリ侵入する屋根裏は体躯の問題だけでなく窮屈で。
そして打刀――山姥切国広が、先を行く暗闇の廊下を、その足音に頼って着いて回るより他なかった。
「おい、国広っ」
しんと冷えた廊下では、ひそめたはずの声は意外なほどよく響いた。だというのに、呼ばわった方は応えない。もしかしたら視線くらいは遣ったのかもしれないが、今の大俱利伽羅には知りようもなかった。なにせ物の輪郭がなんとか拾えるか、という程度の見え方なのだから。
Norskskogkatta
DOODLE以前に書いた飲み会に残って主を待ってる大倶利伽羅の面倒を見ていた鶴丸、のその後の主くり酔っ払ってふにゃふにゃしてる大倶利伽羅がいます
だれのもの酔っ払った大倶利伽羅に肩を貸して大広間を抜け出す。体格差はほとんどないとはいえ、半分意識のない引き締まった肉体は重い。
「ほら、部屋帰るぞ」
鶴丸に知らない振りをしてくれと言ったが酔っ払い相手をどうこうするつもりはなかった。だから自室とは逆方向にある大倶利伽羅の部屋へと方向転換しようとしたのだが身体が動かない。ぐでんと力なくうなだれていると思った大倶利伽羅が足を踏ん張ったのだ。
「おーい、起きてるなら自分で歩けー」
「……やだ」
「やだって……」
「あんたのへやにいく」
子どもみたいにぐずり始めたが力は大倶利伽羅の方が強いし体幹が良すぎて引きずっていくこともできない。
口調はふにゃふにゃとしているのにぐいぐいとこちらを引っ張っていく。引きずられながらどうやってこの酔っ払いを寝かしつけようかと考えているうちに足が止まった。
2469「ほら、部屋帰るぞ」
鶴丸に知らない振りをしてくれと言ったが酔っ払い相手をどうこうするつもりはなかった。だから自室とは逆方向にある大倶利伽羅の部屋へと方向転換しようとしたのだが身体が動かない。ぐでんと力なくうなだれていると思った大倶利伽羅が足を踏ん張ったのだ。
「おーい、起きてるなら自分で歩けー」
「……やだ」
「やだって……」
「あんたのへやにいく」
子どもみたいにぐずり始めたが力は大倶利伽羅の方が強いし体幹が良すぎて引きずっていくこともできない。
口調はふにゃふにゃとしているのにぐいぐいとこちらを引っ張っていく。引きずられながらどうやってこの酔っ払いを寝かしつけようかと考えているうちに足が止まった。
榛野🌸
MAIKING御百度参りするDK伽羅くんとカフェオーナー光忠さん冬はなんだかそわそわと落ち着かない気持ちになる。
白くどよっとした薄曇りの空のせいかもしれないし、クリスマスや正月といった浮き足立つ行事を子どもの頃から繰り返しているせいかもしれない。なんにせよ、今年の冬は殊更胸がどきどきしていてもたってもいられない日々が続いていた。弟の貞宗が高校受験を控えているのだ。
志望校はすでに射程圏内に入っており、よほどのことがない限り合格は堅いだろうと貞は笑っていた。確かに見せられた模試の成績は合否のボーダーラインをゆうに超え、言葉の通りよほどのことがない限りは合格間違いなしだろう。だがその「よほどのこと」が起きないとも限らないと、伽羅は白い息を吐きながら目の前に広がる境内をぼんやりと見つめた。
1300白くどよっとした薄曇りの空のせいかもしれないし、クリスマスや正月といった浮き足立つ行事を子どもの頃から繰り返しているせいかもしれない。なんにせよ、今年の冬は殊更胸がどきどきしていてもたってもいられない日々が続いていた。弟の貞宗が高校受験を控えているのだ。
志望校はすでに射程圏内に入っており、よほどのことがない限り合格は堅いだろうと貞は笑っていた。確かに見せられた模試の成績は合否のボーダーラインをゆうに超え、言葉の通りよほどのことがない限りは合格間違いなしだろう。だがその「よほどのこと」が起きないとも限らないと、伽羅は白い息を吐きながら目の前に広がる境内をぼんやりと見つめた。
holic_comic
DONE社会人パロです。くりんばとにゃんちょぎが並行する世界観です。国広くんと長義くんは某メーカーのシステム部に所属しています。仲良しです。
国広くんと伽羅さんは中距離恋愛でお付き合いをしています。
宅配業者の南泉くんは、国広くんと長義くんの会社へ集荷へ行きます。
長義くんと南泉くんはお付き合いしています。
そんなパロディです。
情報システム部の国広くんと長義くんの話 マシンルームから帳票の束を持って戻ってくると、朝から挨拶周りで出ずっぱりだった長義がデスクに戻っていた。
「あれ。長義。もう終わりなのか」
俯いて何か作業をしているらしい長義のつむじに声をかける。キーボードを叩くときはいつも椅子の背にもたれかかって寝転ぶような姿勢だから、こんなふうに俯いているのはそういえば珍しい。一体何をやっているんだ……。
「げっ。字、書いてる」
「うるっさい。今、話しかけるな! 字が歪む」
「あんたの字、元々歪んで――、あいたっ」
新年早々同じパターンである。素早く手を伸ばした長義に、脇腹をグーパンされた。どうして長義は美人なのに口も回るのに、最終的には真っ先に手が出るのだろう。
3322「あれ。長義。もう終わりなのか」
俯いて何か作業をしているらしい長義のつむじに声をかける。キーボードを叩くときはいつも椅子の背にもたれかかって寝転ぶような姿勢だから、こんなふうに俯いているのはそういえば珍しい。一体何をやっているんだ……。
「げっ。字、書いてる」
「うるっさい。今、話しかけるな! 字が歪む」
「あんたの字、元々歪んで――、あいたっ」
新年早々同じパターンである。素早く手を伸ばした長義に、脇腹をグーパンされた。どうして長義は美人なのに口も回るのに、最終的には真っ先に手が出るのだろう。