くらむ
DOODLE🌟🎈2023.06.24
露呈 いつもは賑やかで楽しげな歌声が聞こえて来るセカイは、夜だからか静まり返っている。
普段立寄る広場やステージを通り抜け少し遠くまで足を運んだ先にある小さな花畑が、今回の目的地だ。
たまたま見つけた、人が立寄ることの無いこの花畑は、二人が周りに内緒で過ごすのに都合が良かった。
この花畑は最初から存在していたのか、二人きりの空間が欲しいと願った彼の想いの反映なのかは、わかっていない。
「おや、早いね。まだ、時間まであるんじゃないかい?」
「思ったより早く時間が出来てしまってな。ここでのんびりさせて貰っていた」
予定ではまだ存在していないはずの金色に向かって声を掛ける。
横たわっていた彼が返答とともに体を起こしたので、その隣に腰を下ろした。
2224普段立寄る広場やステージを通り抜け少し遠くまで足を運んだ先にある小さな花畑が、今回の目的地だ。
たまたま見つけた、人が立寄ることの無いこの花畑は、二人が周りに内緒で過ごすのに都合が良かった。
この花畑は最初から存在していたのか、二人きりの空間が欲しいと願った彼の想いの反映なのかは、わかっていない。
「おや、早いね。まだ、時間まであるんじゃないかい?」
「思ったより早く時間が出来てしまってな。ここでのんびりさせて貰っていた」
予定ではまだ存在していないはずの金色に向かって声を掛ける。
横たわっていた彼が返答とともに体を起こしたので、その隣に腰を下ろした。
くらむ
DOODLE🌟🎈【surprise】思いがけない出来事。
ワンライ『サプライズ』(2023/06/21) 司が動かすシャーペンの芯が紙を擦る音が、類の部屋中に響いていた。
普段のテストを一夜漬けで挑む彼だが、英語に関してはテストのためではなく自分の為に身に付けたいようで、こうしてたまに予習の手伝いをしている。
そろそろ受験勉強へ向けて持続的な勉強も必要になってくるのではと思いながらも、彼もそれを理解していると信じて今は深く突っ込まないようにしていた。
英語を日本語のような話せるようになるべき言語と認識している人は少なく、学校で勉強する分野としか認識していない人の方が圧倒的だ。
そんな環境で英語力を高めていくには、英語を身近なものにしていく努力を自ら行っていかなくてはならない。
そんな彼が現在力を入れているのは、授業を受ける前に行う英語の教科書の翻訳作業だった。
2187普段のテストを一夜漬けで挑む彼だが、英語に関してはテストのためではなく自分の為に身に付けたいようで、こうしてたまに予習の手伝いをしている。
そろそろ受験勉強へ向けて持続的な勉強も必要になってくるのではと思いながらも、彼もそれを理解していると信じて今は深く突っ込まないようにしていた。
英語を日本語のような話せるようになるべき言語と認識している人は少なく、学校で勉強する分野としか認識していない人の方が圧倒的だ。
そんな環境で英語力を高めていくには、英語を身近なものにしていく努力を自ら行っていかなくてはならない。
そんな彼が現在力を入れているのは、授業を受ける前に行う英語の教科書の翻訳作業だった。
Yeeeeeeeee
MAIKING寫不下去了,所以就這樣了(喂!)因為結尾看著像be,所以是be。
雖然我很想寫he,希望哪天我能再繼續擴寫…以上!
《百合》 ★★★
「真是漂亮的花呢!」
青年伸出潔白的手,想要觸碰那黝黑的花朵,卻被一旁伸出的帶著黑絲的手給輕輕地握住。
「不行!你會被詛咒的…」
那人說著,未被蓋住的左眼緊緊盯著無知的青年,深怕他會碰到帽子上那帶有危險的黑百合。
「不會的!這麼美麗的花怎麼可能詛咒人呢!」
「那是你不懂。」
他回答道,緊握住的手依舊沒有打算收回的樣子。
兩人就這樣僵持了許久。
這時,青年突然將另一隻沒有被限制住的手伸向他。
「…!」
不知是不是因為太過突然,這次他沒能阻止成功,微涼的臉頰被染上了些許溫度。
他下意識的想將對方給推開,卻又擔心自己身上的“詛咒”會傳染給他而不敢輕舉妄動。
「看吧!沒事的。」
1487「真是漂亮的花呢!」
青年伸出潔白的手,想要觸碰那黝黑的花朵,卻被一旁伸出的帶著黑絲的手給輕輕地握住。
「不行!你會被詛咒的…」
那人說著,未被蓋住的左眼緊緊盯著無知的青年,深怕他會碰到帽子上那帶有危險的黑百合。
「不會的!這麼美麗的花怎麼可能詛咒人呢!」
「那是你不懂。」
他回答道,緊握住的手依舊沒有打算收回的樣子。
兩人就這樣僵持了許久。
這時,青年突然將另一隻沒有被限制住的手伸向他。
「…!」
不知是不是因為太過突然,這次他沒能阻止成功,微涼的臉頰被染上了些許溫度。
他下意識的想將對方給推開,卻又擔心自己身上的“詛咒”會傳染給他而不敢輕舉妄動。
「看吧!沒事的。」
くらむ
DOODLE🌟🎈メンテナンスを、忘れずに。
ワンライ『梅雨』(2023/06/14) トン、トン、トトン……ガレージの屋根が不規則な旋律を奏で始める。
この時期は外で作業する機会がほとんど無くなってしまうが、この音をBGMに作業するのも嫌いではなかった。
長時間集中してしまったせいか少し固まってしまった体を解すべく立ち上がる。
背を伸ばしたり屈伸をしたりと体を動かしていると、部屋の中央が少し湿っている事に気がつく。
「……おや」
恐る恐る見上げた天井から、水が滴っているのは見るまでもなく。
まさかガレージが雨漏りするなんて……呆然と天井を見上げていることしか出来なかった。
「――いやあ、すまなかったね。手伝わせてしまって」
「いや、別に構わないのだが……お前が呆然と立ち尽くしているから何事かと思ったぞ……」
2195この時期は外で作業する機会がほとんど無くなってしまうが、この音をBGMに作業するのも嫌いではなかった。
長時間集中してしまったせいか少し固まってしまった体を解すべく立ち上がる。
背を伸ばしたり屈伸をしたりと体を動かしていると、部屋の中央が少し湿っている事に気がつく。
「……おや」
恐る恐る見上げた天井から、水が滴っているのは見るまでもなく。
まさかガレージが雨漏りするなんて……呆然と天井を見上げていることしか出来なかった。
「――いやあ、すまなかったね。手伝わせてしまって」
「いや、別に構わないのだが……お前が呆然と立ち尽くしているから何事かと思ったぞ……」
くらむ
DOODLE🌟🎈飲み込まれて、呑み込んで。
ワンライ『海』(2023/06/07) 何も、無い。
普段であれば時間を忘れるほどに湧き続けるはずの、何かが。
(……どうしたものか)
明日からは新しい演目へ向け動き出す大事な時だというのに。
皆、自分の考える演出を楽しみにしてくれているというのに。
(こんなことは、これまであっただろうか)
何も生み出さない脳内に焦りが募り始める。
何が思考を妨げている?
将来世界へ羽ばたく彼らの為には――
(尚の他こんなことで立ち止まる訳には……)
己のエゴのためにも、まずはいつも通りにこなしていかなくてはならない筈だというのに。
考えれば考えるほど何かが遠のいていく感覚に、血の気が引いていく。
(――)
『いいと思うよ』
明日の為に簡単に書き起こした演目の概要を送り、漸く返事が来たと思ったら何だか珍しく素っ気ない内容で。
2264普段であれば時間を忘れるほどに湧き続けるはずの、何かが。
(……どうしたものか)
明日からは新しい演目へ向け動き出す大事な時だというのに。
皆、自分の考える演出を楽しみにしてくれているというのに。
(こんなことは、これまであっただろうか)
何も生み出さない脳内に焦りが募り始める。
何が思考を妨げている?
将来世界へ羽ばたく彼らの為には――
(尚の他こんなことで立ち止まる訳には……)
己のエゴのためにも、まずはいつも通りにこなしていかなくてはならない筈だというのに。
考えれば考えるほど何かが遠のいていく感覚に、血の気が引いていく。
(――)
『いいと思うよ』
明日の為に簡単に書き起こした演目の概要を送り、漸く返事が来たと思ったら何だか珍しく素っ気ない内容で。
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DOODLE🌟🎈想いが溢れて止まらなくなってしまう。
ワンライ『距離感』(2023/05/31)「あっ」
「あっ」
類が持ってきた演出案ノートを元に、次の演目で使用できそうな演出を考えていた時。
ページをめくろうとした彼の指と、それに気づかず一つの案を指差そうとした自分の指が、ほんの少しだけ触れ合って。
それまで順調に進んでいた会話がパッタリと途切れ、存外恥ずかしがり屋らしい彼は「御手洗に行ってくるよ」と逃げるように屋上から姿を消した。
肩が触れ合ったり、髪が絡み合ったり……指が、触れ合ったり。
こんな事、これまで何度もあったはずだと言うのに。
触れ合い等気にならないほどにショーについての話を続けることが出来ていたはずの関係は、互いの想いを通わせた事によりズレが生じてしまった。
最初は互いに恥ずかしい程顔を赤くして視線を逸らしあったりしていたが、そんな日々を過ごすうちにそれ以上に触れ合いたい気持ちが上回り、思い切って手を握ってみた時もあった。
2248「あっ」
類が持ってきた演出案ノートを元に、次の演目で使用できそうな演出を考えていた時。
ページをめくろうとした彼の指と、それに気づかず一つの案を指差そうとした自分の指が、ほんの少しだけ触れ合って。
それまで順調に進んでいた会話がパッタリと途切れ、存外恥ずかしがり屋らしい彼は「御手洗に行ってくるよ」と逃げるように屋上から姿を消した。
肩が触れ合ったり、髪が絡み合ったり……指が、触れ合ったり。
こんな事、これまで何度もあったはずだと言うのに。
触れ合い等気にならないほどにショーについての話を続けることが出来ていたはずの関係は、互いの想いを通わせた事によりズレが生じてしまった。
最初は互いに恥ずかしい程顔を赤くして視線を逸らしあったりしていたが、そんな日々を過ごすうちにそれ以上に触れ合いたい気持ちが上回り、思い切って手を握ってみた時もあった。
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DOODLE🌟🎈わからないものを、わからないままにしないために
ワンライ『なんでもない日』『研究』(2023/05/24) 想いを通わせ晴れて恋人という関係になってから数日経ったある日から、類の様子に違和感を感じるようになった。
ある日の朝、登校していた時後ろから声を掛けられたので振り返ると、こちらへ駆け寄っていた類はその動きを止めた。突然立ち止まった様子に体調が悪いのかと駆け寄ると、彼は何事も無かったかのように学校へ向けて駆けて行ってしまった。
ある時は、類に披露された演出案を次の演目に活かせないかと談義していると、突然黙り込み上の空になっていたり。
またある時は、手相占いをするから手を出すように言われ、差し出した手に沢山触ってきたかと思うとイマイチ的の得ない事を言って終わらせたり。
どこか、求められた事と目的が違う様なことがしばしば繰り返されていた。
2242ある日の朝、登校していた時後ろから声を掛けられたので振り返ると、こちらへ駆け寄っていた類はその動きを止めた。突然立ち止まった様子に体調が悪いのかと駆け寄ると、彼は何事も無かったかのように学校へ向けて駆けて行ってしまった。
ある時は、類に披露された演出案を次の演目に活かせないかと談義していると、突然黙り込み上の空になっていたり。
またある時は、手相占いをするから手を出すように言われ、差し出した手に沢山触ってきたかと思うとイマイチ的の得ない事を言って終わらせたり。
どこか、求められた事と目的が違う様なことがしばしば繰り返されていた。
くらむ
DOODLE🌟🎈キスの日
授業の終了を知らせるチャイムが鳴り響く。
教師が教室を去ったことで始まった昼休憩に、クラスメートは各々の行動を開始した。
司も例に漏れることなく、鞄からペンが挟まっている台本と弁当箱を取り出し教室を後にする。
目的地はもはや昼食を摂る際の定位置となっている屋上だ。
「類、居るか?」
自分もなかなか早いタイミングで教室を出ていると思っているのだが、いつも屋上に辿り着くのは二番目だった。
今日もいつものようにフェンスに寄りかかって座っている彼の元へと足を向けようとし、彼が居ないことに気がつく。
先程彼の教室を覗き、あの目立つ藤色が無いことを確認してから屋上へ来ている。
どこか別に用があって少し遅れているのだろう……一先ず定位置で彼が来るのを待とうと足を進めた時、物音が耳に届いた。
2382教師が教室を去ったことで始まった昼休憩に、クラスメートは各々の行動を開始した。
司も例に漏れることなく、鞄からペンが挟まっている台本と弁当箱を取り出し教室を後にする。
目的地はもはや昼食を摂る際の定位置となっている屋上だ。
「類、居るか?」
自分もなかなか早いタイミングで教室を出ていると思っているのだが、いつも屋上に辿り着くのは二番目だった。
今日もいつものようにフェンスに寄りかかって座っている彼の元へと足を向けようとし、彼が居ないことに気がつく。
先程彼の教室を覗き、あの目立つ藤色が無いことを確認してから屋上へ来ている。
どこか別に用があって少し遅れているのだろう……一先ず定位置で彼が来るのを待とうと足を進めた時、物音が耳に届いた。
くらむ
DOODLE🌟🎈共に余韻に浸ろう。
ワンライ『君の産まれた日』(2023/05/17) カチ、カチ、と時を刻む音だけが鳴り響く。
数時間前までそんな音には気づくことの出来ないような程に賑やかな空間にいたおかげか、湯に浸かり夕食を食べガレージへと戻ってきた今もどこか気分が浮ついていた。
本日の主役が見せてくれた笑顔を思い浮かべながら、もう少しだけ『今日』の余韻に浸るべくソファに横になる。
まるでその時を待っていたかのように振動した端末の画面を表示すると、そこには今まさに顔を思い浮かべていた彼の名前が浮かび上がっていた。
『この後セカイへ来てくれないか』という端的な内容が表示されていたため、断る理由もなく承諾の旨を送信すると『待っている』と返ってきた。
「すまないな、夜分遅くに」
「気にしないでくれ。他ならぬ司くんからのお誘いだからね」
1338数時間前までそんな音には気づくことの出来ないような程に賑やかな空間にいたおかげか、湯に浸かり夕食を食べガレージへと戻ってきた今もどこか気分が浮ついていた。
本日の主役が見せてくれた笑顔を思い浮かべながら、もう少しだけ『今日』の余韻に浸るべくソファに横になる。
まるでその時を待っていたかのように振動した端末の画面を表示すると、そこには今まさに顔を思い浮かべていた彼の名前が浮かび上がっていた。
『この後セカイへ来てくれないか』という端的な内容が表示されていたため、断る理由もなく承諾の旨を送信すると『待っている』と返ってきた。
「すまないな、夜分遅くに」
「気にしないでくれ。他ならぬ司くんからのお誘いだからね」
くらむ
DOODLE🌟🎈大地を揺らさんばかりの轟音まで、あと……
ワンライ『いちご狩り』(2023/05/10)「ああ、そういえば。手、出してくれ」
特に深い内容もない世間話が一段落し空いた、なんてことない間。
その間で思い出したと言わんばかりのトーンと動作で、彼はポケットから飴を取り出した。
言われた通りに手を差し出すと、透明なビニールに包まれている真っ赤なガラスのようなそれが掌の上に置かれる。
「美味かったから類にもやろう。まだあるから、欲しかったら言うといい!」
突然の供給に呆気にとられてしまったが、ありがたく頂戴し昼食の続きを再開した。
その晩その飴は、演出案を生み出し続けた頭に糖分を運び込んでくれた。
「うん、美味いな。類もどうだ?」
別の日、昼食が食べ終わり片付けも終えたところで声が掛けられる。
声のした方へ視線を向けると、彼は親指と人差し指で摘んだグミを差し出していた。
1730特に深い内容もない世間話が一段落し空いた、なんてことない間。
その間で思い出したと言わんばかりのトーンと動作で、彼はポケットから飴を取り出した。
言われた通りに手を差し出すと、透明なビニールに包まれている真っ赤なガラスのようなそれが掌の上に置かれる。
「美味かったから類にもやろう。まだあるから、欲しかったら言うといい!」
突然の供給に呆気にとられてしまったが、ありがたく頂戴し昼食の続きを再開した。
その晩その飴は、演出案を生み出し続けた頭に糖分を運び込んでくれた。
「うん、美味いな。類もどうだ?」
別の日、昼食が食べ終わり片付けも終えたところで声が掛けられる。
声のした方へ視線を向けると、彼は親指と人差し指で摘んだグミを差し出していた。
HajimeJime_prsk
DOODLE勝手気ままな類の本質を勝手に愛する司の話。・司から類への一方的かつ結構重めな『『親愛』』。
・類に対し嫌悪を示すモブがいる。
・時系列はリバドリ後。
勝手 類が手慣れた仕草で扉を開けば、ごん、と重めの衝突音が呻き声とともに聞こえた。
まさか人がいるとは思わず早急にドアノブを離せば、閉まっていく扉から徐々に姿が現れる。「お、おぉ、類か」と、司がひきつった笑みで類を出迎えた。
「すまないね、強く打ってはいないかい? 痛みが続くようなら保健室に行った方が良い」
「いや、そんな大げさなものじゃない。ひじに当たっただけだからな」
「……うん、確かに大丈夫そうだね。今後はそこに座らないことをおすすめするよ」
類は右腕を掲げる彼の様子を注意深く見つめてからひとつ頷き、フェンス側へと移動を促す。司はそばに置いていたランチボックスを持って、先に座った類の隣へ腰を降ろした。屋上の、フェンスに沿った一角で昼食を摂る、そして時折ショー談議を展開する。そこが彼らの定位置で、それが彼らのルーティンだ。
6429まさか人がいるとは思わず早急にドアノブを離せば、閉まっていく扉から徐々に姿が現れる。「お、おぉ、類か」と、司がひきつった笑みで類を出迎えた。
「すまないね、強く打ってはいないかい? 痛みが続くようなら保健室に行った方が良い」
「いや、そんな大げさなものじゃない。ひじに当たっただけだからな」
「……うん、確かに大丈夫そうだね。今後はそこに座らないことをおすすめするよ」
類は右腕を掲げる彼の様子を注意深く見つめてからひとつ頷き、フェンス側へと移動を促す。司はそばに置いていたランチボックスを持って、先に座った類の隣へ腰を降ろした。屋上の、フェンスに沿った一角で昼食を摂る、そして時折ショー談議を展開する。そこが彼らの定位置で、それが彼らのルーティンだ。
くらむ
DOODLE🌟🎈その鯉は、黄金色に輝いて龍に変化し、天高く昇って行ったのだそうな。
ワンライ『鯉のぼり』『都市伝説』(2023/05/03) ふと気がつくと、夜のセカイで一人立っていた。
どうして、どのような目的で…ここに来たのかを思い出せないまま、夜になり静まり返ったセカイを歩く。
宛も無く歩いていると、花畑に見知った姿を見つけた。
「類!お前も来ていたのか?」
その姿に声をかけると、何かの作業の為か座り込んでいた少年が立ち上がったので近付く。
此方を視認したのか、笑みを浮かべると口を開いく。
「つかさくん」
「またオレ達に内緒で作業しているのか?一人で抱え込むんじゃないぞ」
「はやく形にしてしまいたかったから」
少年に近付きその先を見ると、何やら大きな機械が足元に存在していた。
タイミング良く雲に遮られていた月明かりがその機械を照らし出す。
2264どうして、どのような目的で…ここに来たのかを思い出せないまま、夜になり静まり返ったセカイを歩く。
宛も無く歩いていると、花畑に見知った姿を見つけた。
「類!お前も来ていたのか?」
その姿に声をかけると、何かの作業の為か座り込んでいた少年が立ち上がったので近付く。
此方を視認したのか、笑みを浮かべると口を開いく。
「つかさくん」
「またオレ達に内緒で作業しているのか?一人で抱え込むんじゃないぞ」
「はやく形にしてしまいたかったから」
少年に近付きその先を見ると、何やら大きな機械が足元に存在していた。
タイミング良く雲に遮られていた月明かりがその機械を照らし出す。
くらむ
DOODLE🌟🎈オレ/僕専用の。
ワンライ『オレ/僕にしか分からない』(2023/04/26) ぐっ、と背を伸ばし固まった筋肉を伸ばす。
今日の課題としていた演出の方向性も決まり、あとはワンダーランズ×ショウタイムの四人で作り上げていくだけの段階まで持っていくことが出来た。
簡易図面を机へと運び終えると既にソファに座っていた司が手招きする。
キシ、と二人分の体重を受け止めたソファが音をあげるのを聞きながら、肘置きに体を寄りかからせた司へと背を向け体重を預けた。
彼は定期的にこうして自分を腕の中に閉じ込める。
最初は恥ずかしさもあり抵抗していたこともあったが、なんだかんだ彼から届く体温の温かさが癖になってしまい、今では大人しく腕の中に収まるようになった。
ソファでは狭いだろうからマットレスでも用意しようかと提案をしたが、どうやら彼はソファという狭い空間での触れ合いが好きらしい。
1527今日の課題としていた演出の方向性も決まり、あとはワンダーランズ×ショウタイムの四人で作り上げていくだけの段階まで持っていくことが出来た。
簡易図面を机へと運び終えると既にソファに座っていた司が手招きする。
キシ、と二人分の体重を受け止めたソファが音をあげるのを聞きながら、肘置きに体を寄りかからせた司へと背を向け体重を預けた。
彼は定期的にこうして自分を腕の中に閉じ込める。
最初は恥ずかしさもあり抵抗していたこともあったが、なんだかんだ彼から届く体温の温かさが癖になってしまい、今では大人しく腕の中に収まるようになった。
ソファでは狭いだろうからマットレスでも用意しようかと提案をしたが、どうやら彼はソファという狭い空間での触れ合いが好きらしい。
〆鯖-simesaba
DONEえあすけぶにてリクエスト頂いた左右どっちゲームの🌟🎈です。実はそのゲームに対しての知識がなくてですね…調べたんですけどなんか違うものが出来てしまった感があります。すみません…😢😢でも楽しかったです…☺️ありがとうございました!! 2くらむ
DOODLE🌟🎈君のために、手を伸ばす
ワンライ『サイン』(2023/04/19) それは、本当に微かな違和感。
稽古をしている時はいつも通りに見えるというのに、休憩中にふと視界に入った彼は何かが違うように見えた。
司は役作りの為なら限界まで挑もうとする…それが、無茶だと止めてしまいたくなるような事だとしても。
彼の良い所で有るその挑戦的な姿勢は、一歩間違えれば二度と体を使えなくてしまうかもしれない危険性を孕んだ行動でもある。
それを失念する程愚かな人間ではないと理解しているが、念には念を入れて置いた方が良いのかもしれない。
「司くん、この後少し時間を貰ってもいいかい」
「ん?ああ、構わないぞ」
女性陣には少し残る旨を伝えると、鳳家の送迎車に乗って二人は去っていった。
その様子を見届け更衣室に戻ると、扉を閉める。
2109稽古をしている時はいつも通りに見えるというのに、休憩中にふと視界に入った彼は何かが違うように見えた。
司は役作りの為なら限界まで挑もうとする…それが、無茶だと止めてしまいたくなるような事だとしても。
彼の良い所で有るその挑戦的な姿勢は、一歩間違えれば二度と体を使えなくてしまうかもしれない危険性を孕んだ行動でもある。
それを失念する程愚かな人間ではないと理解しているが、念には念を入れて置いた方が良いのかもしれない。
「司くん、この後少し時間を貰ってもいいかい」
「ん?ああ、構わないぞ」
女性陣には少し残る旨を伝えると、鳳家の送迎車に乗って二人は去っていった。
その様子を見届け更衣室に戻ると、扉を閉める。
くらむ
DOODLE🌟🎈夢から醒めて
ワンライ『実感』(2023/04/12) ピピピ。
目覚ましにセットしたアラームの音に起こされ、ソファから体を起こし体を伸ばすと欠伸が漏れる。
ガレージのシャッターを開くと、外には清々しいほどの青空が広がっていた。
何となく、その至って普通な青空に気持ちが引き上げられ行動を起こす。
制服に着替え母屋に顔を出すと、母は笑いながら朝食を作り出した。
いつもは時間ギリギリまでのんびりしているので、この時間に類が顔を出すのは希少なのだ。
取りに来るように言われ、二人分の目玉焼きをテーブルまで運ぶ。
「いただきます」
手を合わせて挨拶すると、早速中央へと箸を運ぶ。
少し力を入れただけで溢れ出すトロトロの黄身は美味しさを際立てるが、何より見ていて楽しい。
4571目覚ましにセットしたアラームの音に起こされ、ソファから体を起こし体を伸ばすと欠伸が漏れる。
ガレージのシャッターを開くと、外には清々しいほどの青空が広がっていた。
何となく、その至って普通な青空に気持ちが引き上げられ行動を起こす。
制服に着替え母屋に顔を出すと、母は笑いながら朝食を作り出した。
いつもは時間ギリギリまでのんびりしているので、この時間に類が顔を出すのは希少なのだ。
取りに来るように言われ、二人分の目玉焼きをテーブルまで運ぶ。
「いただきます」
手を合わせて挨拶すると、早速中央へと箸を運ぶ。
少し力を入れただけで溢れ出すトロトロの黄身は美味しさを際立てるが、何より見ていて楽しい。
くらむ
DOODLE🌟🎈「本当に、よかった」
ワンライ『変わらないもの』(2023/04/05) 夕食後の家族との団欒も解散となり、自室で明日の準備をしているとスクールバッグから台本が出てきた。
『ピーターパン』と背表紙に書かれたその台本は、今日の稽古の時にワンダーランズ×ショウタイムの皆と共有する為に持ち込んだものだった。
「ピーターパン」と己の事を呼ぶ声を思い出す。
突然始まった台本を皆で囲んでの読み合わせは、当たり前だが先日とは違うキャラの一面が見えて新鮮で楽しかった。
棚へと台本を戻すと、隣にしまっていた台本が目に入る。
今年の正月に行った季節限定のショーは、落ち込んでいた獅子舞ロボに沢山活躍してもらうために様々な地へと赴いた。
様々な立地での経験もそうだが、何よりも行く先々であった様々な出会いも大きな経験になった。
3332『ピーターパン』と背表紙に書かれたその台本は、今日の稽古の時にワンダーランズ×ショウタイムの皆と共有する為に持ち込んだものだった。
「ピーターパン」と己の事を呼ぶ声を思い出す。
突然始まった台本を皆で囲んでの読み合わせは、当たり前だが先日とは違うキャラの一面が見えて新鮮で楽しかった。
棚へと台本を戻すと、隣にしまっていた台本が目に入る。
今年の正月に行った季節限定のショーは、落ち込んでいた獅子舞ロボに沢山活躍してもらうために様々な地へと赴いた。
様々な立地での経験もそうだが、何よりも行く先々であった様々な出会いも大きな経験になった。
くらむ
DOODLE🌟🎈貴方の手で象って
ワンライ『コーディネート』(2023/03/30) カチ、カチ、時計が時を刻む静かな空間の中、天馬司は頭を抱えていた。
悩ましげに視線が投げられた先には、様々なロゴがプリントされた袋が鎮座しており解放される時を今か今かと待ち続けている。
明日は類が、台本の最終確認のために家に来ることになっている。
最終確認を行う時は、司の部屋、類のガレージで交互に行なっていたため、いつもの流れで了承してしまった。
類が来る前にこの袋たちをどこかへ隠したい気持ちと、類の前で袋を解放したい気持ちがせめぎ合い、時間だけが過ぎていく。
ふと、時計に目を向けると、ベッドで横になり夢の世界へと旅立っているはずの時間を過ぎていることに気が付き溜息が漏れる。
「先送りにする理由は、無いな」
2416悩ましげに視線が投げられた先には、様々なロゴがプリントされた袋が鎮座しており解放される時を今か今かと待ち続けている。
明日は類が、台本の最終確認のために家に来ることになっている。
最終確認を行う時は、司の部屋、類のガレージで交互に行なっていたため、いつもの流れで了承してしまった。
類が来る前にこの袋たちをどこかへ隠したい気持ちと、類の前で袋を解放したい気持ちがせめぎ合い、時間だけが過ぎていく。
ふと、時計に目を向けると、ベッドで横になり夢の世界へと旅立っているはずの時間を過ぎていることに気が付き溜息が漏れる。
「先送りにする理由は、無いな」
ほに@🌟🎈
DOODLE口説きあいっこしてる🌟🎈らぶらぶ付き合ってる
ほとんど🌟←🎈の口説きターンしかないです
「───きみの瞳って、赤色がきらきらして綺麗だよね。太陽みたいだ」
うっとりと細められた月光の視線が、オレの眼を覗きこむ。目のきわ、涙袋を親指でするりとなでられてくすぐったい。
ショーに使う機材の打合せで訪れた類の部屋。さきほどまで白熱していたショーバカたちの会話は一段落して、いまはふたり、ソファの上で寄り添って愛を囁きあっている。
今は類のターン。オレはただ目の前のとろけた瞳をじっと見つめて、紡がれる睦言に酔いしれていればいい。
いつからか類の提案で始まったこの「口説きあいっこ」は、みずからの恋心にすらどこか冷静で、人前ではかたくなに恋人関係を明かそうとしない類が思いのままオレへの好意を伝えるための免罪符になっているらしい。
1776うっとりと細められた月光の視線が、オレの眼を覗きこむ。目のきわ、涙袋を親指でするりとなでられてくすぐったい。
ショーに使う機材の打合せで訪れた類の部屋。さきほどまで白熱していたショーバカたちの会話は一段落して、いまはふたり、ソファの上で寄り添って愛を囁きあっている。
今は類のターン。オレはただ目の前のとろけた瞳をじっと見つめて、紡がれる睦言に酔いしれていればいい。
いつからか類の提案で始まったこの「口説きあいっこ」は、みずからの恋心にすらどこか冷静で、人前ではかたくなに恋人関係を明かそうとしない類が思いのままオレへの好意を伝えるための免罪符になっているらしい。
くらむ
DOODLE🌟🎈掴んだ手は、離さない
ワンライ『春の嵐』(2023/03/22)『明日は全国的に春の嵐となるでしょう』
司と約束したデート前日の夜、テレビから聞こえてきた声は良くない知らせを発していた。
春の嵐…メイストームデーとなるであろう明日は、不要不急の外出は控えるべきだろう…怪我をしてしまう可能性が高い場に私情で体を晒す訳にはいかない。
折角久しぶりに諸々の休みが重なり時間が出来たというのに…沈み始めている気持ちに気付かないふりをする様に、ガレージへと戻る。
早いうちに連絡を取らないといけないと分かっているはずなのに、約束を無かったことにしたくない我儘な感情がコールボタンを押す気力を減らし続けていた。
いっその事知らなかった振りでもしてしまおうか…そう考えてしまった己に自己嫌悪を抱き端末をソファへと投げ出すと、端末が振動を始めた。
2585司と約束したデート前日の夜、テレビから聞こえてきた声は良くない知らせを発していた。
春の嵐…メイストームデーとなるであろう明日は、不要不急の外出は控えるべきだろう…怪我をしてしまう可能性が高い場に私情で体を晒す訳にはいかない。
折角久しぶりに諸々の休みが重なり時間が出来たというのに…沈み始めている気持ちに気付かないふりをする様に、ガレージへと戻る。
早いうちに連絡を取らないといけないと分かっているはずなのに、約束を無かったことにしたくない我儘な感情がコールボタンを押す気力を減らし続けていた。
いっその事知らなかった振りでもしてしまおうか…そう考えてしまった己に自己嫌悪を抱き端末をソファへと投げ出すと、端末が振動を始めた。
くらむ
DOODLE🌟🎈僕達に有って、僕たちに無いもの
ワンライ『ごっこ遊び』(2023/03/15) 秒針が時を刻む音だけが響く類のガレージにて。
久し振りに諸々の休みが重なった二人は、どちらからともなく共に時間を過ごすことを選んだ。特に何をするでもなく、ソファで身を寄せあい寛ぐのは存外心地が良かった。
流れに身を任せ脱力していると、頭に温かい感触が届く。
視線だけ動かすと、類が司の頭を撫でていた。
「司くん、僕の事を…兄と、読んでみてくれないかい」
「なんだ、何かの練習か?…………『兄さん』」
確かに弟役の練習はいつかしてみたいとは感じているが…。
突然の要求に意図が見えないまま言葉を返す。
「…………うん、すまない。何でもないから元に戻っていいよ」
「む?何かの練習ではないのか」
「…その…ね、司くんを、弟のように甘やかしたいと…思ってしまって」
1852久し振りに諸々の休みが重なった二人は、どちらからともなく共に時間を過ごすことを選んだ。特に何をするでもなく、ソファで身を寄せあい寛ぐのは存外心地が良かった。
流れに身を任せ脱力していると、頭に温かい感触が届く。
視線だけ動かすと、類が司の頭を撫でていた。
「司くん、僕の事を…兄と、読んでみてくれないかい」
「なんだ、何かの練習か?…………『兄さん』」
確かに弟役の練習はいつかしてみたいとは感じているが…。
突然の要求に意図が見えないまま言葉を返す。
「…………うん、すまない。何でもないから元に戻っていいよ」
「む?何かの練習ではないのか」
「…その…ね、司くんを、弟のように甘やかしたいと…思ってしまって」