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TRAININGむざこく30本ノック④10日目
ボットちゃんの話(紗呼ver.)
ボットちゃんの話(紗呼ver.) 起動して数時間。動けるようになるまで数分かかるほど、私の中には莫大な情報が詰め込まれている。それは依頼主である「黒死牟」が他の研究員にすら知らせることなく、己の知りうる情報をすべて私の中に詰め込んだからである。
その中には「黒死牟」に関するものは履歴書程度の情報しか残っていない。下手すれば家族構成すら曖昧にしか残されていないのだが、ある人物に関する情報だけが恐ろしいまでに入力されている。
その情報を抱えたまま、私は初めて行く道程を迷うことなく歩く。子供の姿の機体ゆえ、歩幅が小さく歩く時間がどうしてもかかってしまうが、疲れることもないので小走りに目的地へと向かう。
鍵は預かっている。オートロックを解除し、呼び鈴を鳴らすことなく部屋に入った。
4589その中には「黒死牟」に関するものは履歴書程度の情報しか残っていない。下手すれば家族構成すら曖昧にしか残されていないのだが、ある人物に関する情報だけが恐ろしいまでに入力されている。
その情報を抱えたまま、私は初めて行く道程を迷うことなく歩く。子供の姿の機体ゆえ、歩幅が小さく歩く時間がどうしてもかかってしまうが、疲れることもないので小走りに目的地へと向かう。
鍵は預かっている。オートロックを解除し、呼び鈴を鳴らすことなく部屋に入った。
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TRAININGむざこく30本ノック④9日目
スワッピング
※注意※
過去の30本ノックで鬼の無惨様×秘書は未遂ですが、議員×鬼の黒死牟はがっつりとヤッてしまった話があります。その設定を引き続き使っております。 2679
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TRAININGむざこく30本ノック④8日目
不意打ちのキス
不意打ちのキス「えっ!?」
零余子は我が目を疑った。
職場だと言うのに、無惨が突然、秘書である黒死牟の腕を引っ張り、唇と唇を重ねる……そう、キスをしたのだ。
「……そんなことをしてもダメです」
「そこを何とか」
媚びるように笑って、無惨はもう一度キスをする。
零余子は脳内の時計を巻き戻した。
先日、ディーラーに新車の試乗に行き、どうしても新車に買い替えたいと、これまた職場でする話かよ、という話題で二人は揉めていた。
「駄目です。今の車、いくらしたと思っているのですか?」
「綺麗に乗っているので下取りに出せば良い値段になるだろう」
「無理です。外車の中古市場は飽和状態で売っても買い叩かれるのです。別にマイナーチェンジしかしてないのですから今のままで良いでしょう」
1378零余子は我が目を疑った。
職場だと言うのに、無惨が突然、秘書である黒死牟の腕を引っ張り、唇と唇を重ねる……そう、キスをしたのだ。
「……そんなことをしてもダメです」
「そこを何とか」
媚びるように笑って、無惨はもう一度キスをする。
零余子は脳内の時計を巻き戻した。
先日、ディーラーに新車の試乗に行き、どうしても新車に買い替えたいと、これまた職場でする話かよ、という話題で二人は揉めていた。
「駄目です。今の車、いくらしたと思っているのですか?」
「綺麗に乗っているので下取りに出せば良い値段になるだろう」
「無理です。外車の中古市場は飽和状態で売っても買い叩かれるのです。別にマイナーチェンジしかしてないのですから今のままで良いでしょう」
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TRAININGむざこく30本ノック④7日目
黒死牟の鼻血を舐めてキスする無惨様
黒死牟の鼻血を舐めてキスする無惨様「青い彼岸花?」
「ソウダ、フシノミョウヤク……ドコニアル」
片言の日本語で何度も「アオイヒガンバナ」と尋ねてくる。
自分以外にも探している者がいるのかと無惨はそっと瞼を閉じ、小さな溜息をこぼした。
「本当に存在するなら、私が教えて欲しいくらいだ」
「ウソダ、オマエガモッテイル!」
スーツの襟を掴み、激しく揺さぶってくる。おいおい、高かったのだから、乱暴に扱うなよ……と思いながら、無惨は相手を睨みつける。目出し帽を被っているので顔は解らないが、目元に妙に懐かしい面影がある。
「持っていないし、大体あれは不死の妙薬なんて可愛らしいものではない。そんなに欲しいなら他を当たれ」
男が奥歯を噛み締める音が聞こえる。それほどまでに不死の妙薬を求める理由は何だろう。
1936「ソウダ、フシノミョウヤク……ドコニアル」
片言の日本語で何度も「アオイヒガンバナ」と尋ねてくる。
自分以外にも探している者がいるのかと無惨はそっと瞼を閉じ、小さな溜息をこぼした。
「本当に存在するなら、私が教えて欲しいくらいだ」
「ウソダ、オマエガモッテイル!」
スーツの襟を掴み、激しく揺さぶってくる。おいおい、高かったのだから、乱暴に扱うなよ……と思いながら、無惨は相手を睨みつける。目出し帽を被っているので顔は解らないが、目元に妙に懐かしい面影がある。
「持っていないし、大体あれは不死の妙薬なんて可愛らしいものではない。そんなに欲しいなら他を当たれ」
男が奥歯を噛み締める音が聞こえる。それほどまでに不死の妙薬を求める理由は何だろう。
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TRAININGむざこく30本ノック④6日目
拘束プレイな夜
拘束プレイな夜 誘拐されるのは、いつぶりだろうか。
御存知の通り、代々政治家を輩出する名門の生まれであり、清濁一気呑みするようなご先祖たちが雪達磨のように莫大な財を築き続けたので、自分の代ともなると幼少期から「歩く身代金」状態である。富や名誉があるということは良いことばかりではなく、幾度となく危険な目に遭わされた。その上、類い稀な美貌を持っているが為に何回かに1回は猥褻目的での誘拐もあり、自分の身を守れるのは自分しかいないと武術を習得し、何度誘拐されても、すべて無傷で帰ってきていた。
そんな無惨の健気な努力のおかげで鬼舞辻家の警備体制がザル過ぎても改善されることはなく、誘拐は無惨が自分で何とかすると危機感のない環境で育ってしまった。
1573御存知の通り、代々政治家を輩出する名門の生まれであり、清濁一気呑みするようなご先祖たちが雪達磨のように莫大な財を築き続けたので、自分の代ともなると幼少期から「歩く身代金」状態である。富や名誉があるということは良いことばかりではなく、幾度となく危険な目に遭わされた。その上、類い稀な美貌を持っているが為に何回かに1回は猥褻目的での誘拐もあり、自分の身を守れるのは自分しかいないと武術を習得し、何度誘拐されても、すべて無傷で帰ってきていた。
そんな無惨の健気な努力のおかげで鬼舞辻家の警備体制がザル過ぎても改善されることはなく、誘拐は無惨が自分で何とかすると危機感のない環境で育ってしまった。
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TRAININGむざこく30本ノック④5日目
秘書のかっこいいアクションシーンがある話
秘書のかっこいいアクションシーンがある話キブツジムザンハアズカッタ
カエシテホシクバ3オクエンヨウイシロ
何とも言えない趣のあるレトロな脅迫状を見て、あの無惨が誘拐されるわけなんてないない! と普段なら皆で笑うところなのだが、目の前にはズタボロになったスーツ姿で童磨に手当されている黒死牟がいる。これはドッキリではない……と全員が真っ青な顔で脅迫状を見つめていた。
どうやら、車で移動中に横に並んだ車から出てきた目出し帽の男が襲撃。二人とも応戦するも黒死牟が負傷し、無惨は連れ攫われ、高級外車は大破……という悲惨な結果となった。
あの無惨が攫われ、あの黒死牟が傷を負う。そんな相手に敵うわけがないと全員が怯えている中で、黒死牟だけが悔しそうに唇を噛み締めている。
2005カエシテホシクバ3オクエンヨウイシロ
何とも言えない趣のあるレトロな脅迫状を見て、あの無惨が誘拐されるわけなんてないない! と普段なら皆で笑うところなのだが、目の前にはズタボロになったスーツ姿で童磨に手当されている黒死牟がいる。これはドッキリではない……と全員が真っ青な顔で脅迫状を見つめていた。
どうやら、車で移動中に横に並んだ車から出てきた目出し帽の男が襲撃。二人とも応戦するも黒死牟が負傷し、無惨は連れ攫われ、高級外車は大破……という悲惨な結果となった。
あの無惨が攫われ、あの黒死牟が傷を負う。そんな相手に敵うわけがないと全員が怯えている中で、黒死牟だけが悔しそうに唇を噛み締めている。
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TRAININGむざこく30本ノック④4日目
外でしてみたい無惨様(何を…?何でもOK)
外でしてみたい無惨様(何を…?何でもOK) 色々取り寄せた資料を見ながら、無惨はあれやこれやを頭で繰り広げ、ぶつぶつと何か呪文のように唱えている。
黒死牟はこういったことに全く興味を示さないので、無惨が「外でしたい」と言い出した時に「あぁ、そうですか」と素っ気無い返事しか出来ず、無惨の機嫌を損ねてしまった。
そこからは二人睦まじく相談するという過程は除外され、無惨が資料を用意し、必要な小道具を購入するという、単独での選択が始まっていた。
「どうしても屋外が良いのですか?」
「あぁ、見せびらかしたいだろう」
発想がやや悪趣味だと思うが、主導権が彼にある以上、黒死牟に拒否権はない。
「これなんて、どうだ? お前に似合うと思うが」
「そうですか。お任せします」
1730黒死牟はこういったことに全く興味を示さないので、無惨が「外でしたい」と言い出した時に「あぁ、そうですか」と素っ気無い返事しか出来ず、無惨の機嫌を損ねてしまった。
そこからは二人睦まじく相談するという過程は除外され、無惨が資料を用意し、必要な小道具を購入するという、単独での選択が始まっていた。
「どうしても屋外が良いのですか?」
「あぁ、見せびらかしたいだろう」
発想がやや悪趣味だと思うが、主導権が彼にある以上、黒死牟に拒否権はない。
「これなんて、どうだ? お前に似合うと思うが」
「そうですか。お任せします」
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TRAININGむざこく30本ノック④2日目
職場で手ックスするむざこく
職場で手ックスするむざこく ソファで資料を読んでいる無惨が、ポンポンとソファを叩いた。
「何ですか?」
「前に立っていられると気が散る。それに質問したい時に不便だから、横に座れ」
「御意」
何も考えず無惨の右隣に座る。もう一部用意していた資料を黒死牟も読み始めると、突然、膝の上に置いていた左手に無惨が右手を添えてきた。
「何か御用で?」
「別に」
無惨に手を握られることなど、今更珍しいことではない。利き手ではないので使えなくても特に不便とは思わないので、黒死牟は気にせず資料を読んでいた。
相手にしないでおこうと思っていたが、無惨は黒死牟の手の甲を人差し指で擦って遊び始めた。指の形をなぞってみたり、指の間を撫でてみたり、と遠慮なく黒死牟の手を触っている。
1447「何ですか?」
「前に立っていられると気が散る。それに質問したい時に不便だから、横に座れ」
「御意」
何も考えず無惨の右隣に座る。もう一部用意していた資料を黒死牟も読み始めると、突然、膝の上に置いていた左手に無惨が右手を添えてきた。
「何か御用で?」
「別に」
無惨に手を握られることなど、今更珍しいことではない。利き手ではないので使えなくても特に不便とは思わないので、黒死牟は気にせず資料を読んでいた。
相手にしないでおこうと思っていたが、無惨は黒死牟の手の甲を人差し指で擦って遊び始めた。指の形をなぞってみたり、指の間を撫でてみたり、と遠慮なく黒死牟の手を触っている。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦最終日
ラストダンスを踊るビジパ
ラストダンスを踊るビジパ 静かな夜だった。
最近、無限城の中で板張りの広間を作り、アーチ型の天井に合わせ輸入したばかりの華やかなシャンデリアを設置し、窓はステンドグラス、柱には唐草模様の細工が施されている。
壁紙も輸入した最高級の物を使い、政府肝煎りの迎賓館よりも豪華なダンスホールがこの地下深い無限城には作られているのだ。
無惨はそこでひとり、手に入れたばかりの蓄音機で音楽を流す。
手回しのゼンマイ式で西洋の音楽を流す。ワルツという曲調を好むようで、機嫌の良い時は流した音楽に合わせて歌っている姿を黒死牟は何度も見かけていた。
掠れたレコードの音と軋むゼンマイの音。
本当に静かな夜だった。
「黒死牟」
無惨に呼ばれ、足元に跪く。
1562最近、無限城の中で板張りの広間を作り、アーチ型の天井に合わせ輸入したばかりの華やかなシャンデリアを設置し、窓はステンドグラス、柱には唐草模様の細工が施されている。
壁紙も輸入した最高級の物を使い、政府肝煎りの迎賓館よりも豪華なダンスホールがこの地下深い無限城には作られているのだ。
無惨はそこでひとり、手に入れたばかりの蓄音機で音楽を流す。
手回しのゼンマイ式で西洋の音楽を流す。ワルツという曲調を好むようで、機嫌の良い時は流した音楽に合わせて歌っている姿を黒死牟は何度も見かけていた。
掠れたレコードの音と軋むゼンマイの音。
本当に静かな夜だった。
「黒死牟」
無惨に呼ばれ、足元に跪く。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
黒死牟の髪を結ってあげる無惨様
黒死牟の髪を結ってあげる無惨様「黒死牟、黒死牟」
「ここに……」
無惨に呼ばれ部屋に向かうと、無惨は芸妓姿で化粧をしている最中だった。
「ご無礼を」
「良い、私が呼んだのだ」
玉虫色の笹紅を引き、鏡の前でその仕上がりを確かめている。そんな後ろ姿をぼんやりと見ていると、無惨は鏡越しに黒死牟を睨んだ。
「何をしている。お前もさっさと女になれ。一緒に座敷に行くぞ」
「畏まりました……」
逆らうことは出来ず、不得手だが女の姿になった。無惨よりやや小さい体格となったので、無惨の着物を借りることにする。その中でも今日無惨が纏っている着物より少々地味な着物を選ぶ。
化粧も多少は慣れた。と言っても、白粉を叩いて、紅を引くくらい。無惨の後ろにいるだけなので、その程度で良いと言われている。
1821「ここに……」
無惨に呼ばれ部屋に向かうと、無惨は芸妓姿で化粧をしている最中だった。
「ご無礼を」
「良い、私が呼んだのだ」
玉虫色の笹紅を引き、鏡の前でその仕上がりを確かめている。そんな後ろ姿をぼんやりと見ていると、無惨は鏡越しに黒死牟を睨んだ。
「何をしている。お前もさっさと女になれ。一緒に座敷に行くぞ」
「畏まりました……」
逆らうことは出来ず、不得手だが女の姿になった。無惨よりやや小さい体格となったので、無惨の着物を借りることにする。その中でも今日無惨が纏っている着物より少々地味な着物を選ぶ。
化粧も多少は慣れた。と言っても、白粉を叩いて、紅を引くくらい。無惨の後ろにいるだけなので、その程度で良いと言われている。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
俊國様に叱られる猗窩座が羨ましい黒死牟
俊國様に叱られる猗窩座が羨ましい黒死牟 日の出が数時間後に迫った頃、無惨が猗窩座に下弦の鬼の援軍に行くよう命じた。
そのことは黒死牟の脳にも届いており、柱を含めた鬼狩り数名など上弦の鬼なれば楽勝だろうと黒死牟は特段気にせず、業務連絡として聞き流していた。
実際、炎柱を葬り、日没後に無惨の元に報告に行くのだが、柱一人を殺したくらいで浮かれるなと無惨に叱責される結果となった。
「猗窩座、猗窩座」
低く静かな声からは確かな怒りが滲み出ている。その迫力たるや、視界を猗窩座と共有し、その場にはいない黒死牟ですら全身が震えるほどの凄みであった。
指一本触れることなく猗窩座の体に衝撃を与える無惨の恐ろしさ、そして必死に姿勢を保ち、込み上げる血を吐きながらも無言で耐えた猗窩座も見事である。その場を立ち去った後、黒死牟は敢えて猗窩座に声は掛けず、そっと視界を閉じた。
2133そのことは黒死牟の脳にも届いており、柱を含めた鬼狩り数名など上弦の鬼なれば楽勝だろうと黒死牟は特段気にせず、業務連絡として聞き流していた。
実際、炎柱を葬り、日没後に無惨の元に報告に行くのだが、柱一人を殺したくらいで浮かれるなと無惨に叱責される結果となった。
「猗窩座、猗窩座」
低く静かな声からは確かな怒りが滲み出ている。その迫力たるや、視界を猗窩座と共有し、その場にはいない黒死牟ですら全身が震えるほどの凄みであった。
指一本触れることなく猗窩座の体に衝撃を与える無惨の恐ろしさ、そして必死に姿勢を保ち、込み上げる血を吐きながらも無言で耐えた猗窩座も見事である。その場を立ち去った後、黒死牟は敢えて猗窩座に声は掛けず、そっと視界を閉じた。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
社畜無惨様×居酒屋の店員巌勝
社畜無惨様×居酒屋の店員巌勝 過労死が他人事ではないと思い始めたのは、ここ1~2年のことだ。
こんなはずではなかった。お決まりの台詞を思い浮かべながら、毎日何とか終電に間に合うように仕事を切り上げることを考えている。
大学卒業後、第一志望の外資系大手証券会社に就職した。資産運用業務に配属されるまでは自分の目標通りだった。
必死に働いて自身の資産を形成し、富裕層の人脈を作り、得た知識やコネクションを使って30歳までにリタイアして、自分も悠々自適の投資家生活を送ることが夢だった。しかし、そうはいかない。
仕事の合間に語学の勉強は必須である。入社前からTOEICで高得点を叩き出していたが、英語は出来て当たり前。中国語や他の言語習得も求められ、入社時に証券業務に関する資格は全て取ることが必須であった。それに加えて独学で公認会計士の試験にも合格した。
2661こんなはずではなかった。お決まりの台詞を思い浮かべながら、毎日何とか終電に間に合うように仕事を切り上げることを考えている。
大学卒業後、第一志望の外資系大手証券会社に就職した。資産運用業務に配属されるまでは自分の目標通りだった。
必死に働いて自身の資産を形成し、富裕層の人脈を作り、得た知識やコネクションを使って30歳までにリタイアして、自分も悠々自適の投資家生活を送ることが夢だった。しかし、そうはいかない。
仕事の合間に語学の勉強は必須である。入社前からTOEICで高得点を叩き出していたが、英語は出来て当たり前。中国語や他の言語習得も求められ、入社時に証券業務に関する資格は全て取ることが必須であった。それに加えて独学で公認会計士の試験にも合格した。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
俊國くんとみちか♀さんのおねショタ
俊國くんとみちか♀さんのおねショタ あ、私、逮捕される。
みちかの脳裏を過ったのは、自分が児童に対し猥褻な行為をして逮捕されるショッキングな見出しの週刊誌記事だった。
それもそうだろう。自分は今、裸の児童と共にベッドで寝ているのだから。
勿論、自分も裸で。
この児童は誰か。
勿論、見知らぬ子供ではない。
この子は自分が受け持っている人気子役の俊國だ。
ンマー! 寝顔も可愛いわ! と感動していたが、問題は俊國が全裸で、しかも自分も全裸で、ひとつのベッドで寝ているのだ。
え、なんで!? と、みちかは何度も自分の体と俊國を交互に見る。
まさか、本当にこの幼気な美少年に猥褻な行為をしたのでは……と真っ青になっていると俊國が目を覚ました。
3054みちかの脳裏を過ったのは、自分が児童に対し猥褻な行為をして逮捕されるショッキングな見出しの週刊誌記事だった。
それもそうだろう。自分は今、裸の児童と共にベッドで寝ているのだから。
勿論、自分も裸で。
この児童は誰か。
勿論、見知らぬ子供ではない。
この子は自分が受け持っている人気子役の俊國だ。
ンマー! 寝顔も可愛いわ! と感動していたが、問題は俊國が全裸で、しかも自分も全裸で、ひとつのベッドで寝ているのだ。
え、なんで!? と、みちかは何度も自分の体と俊國を交互に見る。
まさか、本当にこの幼気な美少年に猥褻な行為をしたのでは……と真っ青になっていると俊國が目を覚ました。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
七夕
七夕 7月7日、雨。
年に1度しか会えないのに、自分たちが会う時は毎年雨だった。
窓ガラスを叩く雨をぼんやりと眺めながら、それは、まるで誰かの涙に思えて、愛しい彼との逢瀬を責められている気がしていた。
「いいかげん、このシステムをなくせないものか……」
無惨はベッドの上で唇を尖らせる。
彼は鷲座の一等星アルタイルを守護星に持つ、彦星の転生者である。
そして、そんな彼の腕の中で甘えているのは巌勝。彦星と対になる、琴座のベガを守護星に持つ織姫の転生者……であったら良かったのだが、彼はどの星座の守護も持たない、ただの一般人である。
本来、無惨には妻である「織姫」がいた。二人の仲人役の白鳥座デネブの守護を受けた鵲もいたのだが、事もあろうに無惨は巌勝に一目惚れをしたのだ。
2663年に1度しか会えないのに、自分たちが会う時は毎年雨だった。
窓ガラスを叩く雨をぼんやりと眺めながら、それは、まるで誰かの涙に思えて、愛しい彼との逢瀬を責められている気がしていた。
「いいかげん、このシステムをなくせないものか……」
無惨はベッドの上で唇を尖らせる。
彼は鷲座の一等星アルタイルを守護星に持つ、彦星の転生者である。
そして、そんな彼の腕の中で甘えているのは巌勝。彦星と対になる、琴座のベガを守護星に持つ織姫の転生者……であったら良かったのだが、彼はどの星座の守護も持たない、ただの一般人である。
本来、無惨には妻である「織姫」がいた。二人の仲人役の白鳥座デネブの守護を受けた鵲もいたのだが、事もあろうに無惨は巌勝に一目惚れをしたのだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
まだ付き合ってないむざこくでセックスしないと出られない部屋
まだ付き合ってないむざこくでセックスしないと出られない部屋「無惨様、無惨様!」
先に目覚めた巌勝は意識のない無惨を揺すり起こした。
「継国……?」
がばっと起き上がり、無惨は巌勝の腕を掴んだ。
「ここは?」
「解りません……どこにも出入り口がなくて……」
安全を確保する為に部屋中見て回ったが、簡素なワンルームマンションのような部屋で、ご丁寧にシャワーブースと洗面台、トイレまで設置されているのに窓と出入り口だけが存在しないのだ。
扉は全てスライド式でドアノブが存在せず、無惨と巌勝はスーツ姿のままだが、ベルトやネクタイは外されている。首吊りなどの自殺を防ぐ為だと勘付いた無惨は舌打ちする。
しかも部屋の隅々に監視カメラも設置されており、スマホや護身用のピストルも全て回収されていた。
3306先に目覚めた巌勝は意識のない無惨を揺すり起こした。
「継国……?」
がばっと起き上がり、無惨は巌勝の腕を掴んだ。
「ここは?」
「解りません……どこにも出入り口がなくて……」
安全を確保する為に部屋中見て回ったが、簡素なワンルームマンションのような部屋で、ご丁寧にシャワーブースと洗面台、トイレまで設置されているのに窓と出入り口だけが存在しないのだ。
扉は全てスライド式でドアノブが存在せず、無惨と巌勝はスーツ姿のままだが、ベルトやネクタイは外されている。首吊りなどの自殺を防ぐ為だと勘付いた無惨は舌打ちする。
しかも部屋の隅々に監視カメラも設置されており、スマホや護身用のピストルも全て回収されていた。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
お互いの浴衣(または襦袢)姿にドキッとするむざこく
お互いの浴衣(または襦袢)姿にドキッとするむざこく これは未だ付き合っていない頃の無惨と黒死牟の話。
地方への応援演説の帰り、台風により公共交通機関が全てストップしてしまった。黒死牟は1本早い便で帰った方が良いと何度も無惨に言っていたが、ギリギリまで候補者の演説に同行し、有権者と笑顔で握手していた。
ぽつりぽつりと降り出した雨は一気に暴風雨に変わり、そのまま高速道路は一部土砂崩れにより通行止め、電車も新幹線も止まり、本日中の復旧は絶望的だと言う。タクシーもなかなか捕まらない状態で、タクシー待ちの列にいる間に見つけた旅館は、1室だけ空いている状態だった。
「同じ部屋でも構わんだろう?」
「はい」
無惨に言われ断る理由はないが、黒死牟はちょっとだけドキドキしていた。
3620地方への応援演説の帰り、台風により公共交通機関が全てストップしてしまった。黒死牟は1本早い便で帰った方が良いと何度も無惨に言っていたが、ギリギリまで候補者の演説に同行し、有権者と笑顔で握手していた。
ぽつりぽつりと降り出した雨は一気に暴風雨に変わり、そのまま高速道路は一部土砂崩れにより通行止め、電車も新幹線も止まり、本日中の復旧は絶望的だと言う。タクシーもなかなか捕まらない状態で、タクシー待ちの列にいる間に見つけた旅館は、1室だけ空いている状態だった。
「同じ部屋でも構わんだろう?」
「はい」
無惨に言われ断る理由はないが、黒死牟はちょっとだけドキドキしていた。
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
明治〜大正あたりのいいとこのお坊っちゃん月彦✕女中のみちかさん♀
明治〜大正あたりのいいとこのお坊っちゃん月彦✕女中のみちかさん♀ 今日も良い天気だ。
洗いたての白いシーツを物干し竿に掛け、皺を伸ばしていると軽やかな足音が聞こえた。
「みちかさん」
「……若旦那様……」
洗濯を干す、この僅かな時間、この家の一人息子である月彦と会える貴重な時間であった。
すらりとした長身の美男子で、旧制高等学校の制服である詰襟姿がとても凛々しく、みちかは名前を呼ばれるだけでも恥ずかしくて顔を真っ赤にして俯いていた。
毎朝、登校するこの時間にみちかが洗濯を干していることに気付いた月彦は、必ずここを通ってから家を出ているのだ。
「みちかさん、今日も有難う」
にっこりと微笑む笑顔は爽やかな朝の太陽のようで、みちかの顔は益々赤くなる。
「行ってきます」
「行ってらっしゃいませ」
3904洗いたての白いシーツを物干し竿に掛け、皺を伸ばしていると軽やかな足音が聞こえた。
「みちかさん」
「……若旦那様……」
洗濯を干す、この僅かな時間、この家の一人息子である月彦と会える貴重な時間であった。
すらりとした長身の美男子で、旧制高等学校の制服である詰襟姿がとても凛々しく、みちかは名前を呼ばれるだけでも恥ずかしくて顔を真っ赤にして俯いていた。
毎朝、登校するこの時間にみちかが洗濯を干していることに気付いた月彦は、必ずここを通ってから家を出ているのだ。
「みちかさん、今日も有難う」
にっこりと微笑む笑顔は爽やかな朝の太陽のようで、みちかの顔は益々赤くなる。
「行ってきます」
「行ってらっしゃいませ」
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TRAININGむざこく30本ノック③延長戦
転生後記憶なし無惨様✕記憶あり黒死牟
転生後記憶なし無惨様✕記憶あり黒死牟 終業時刻のチャイムが鳴る。巌勝は退勤の打刻を済ませ、パソコンの電源を落とした。
「お疲れ」
巌勝の声掛けに全員が「お疲れ様でした」と挨拶する。ただひとり、社長の月彦を除いては。
「社長、キリの良いところで……」
「あぁ、解っている。先に帰ってくれ」
「畏まりました。お先に失礼します」
巌勝は頭を下げる。貴重な週末の定時。ハメを外して遊びたいと皆が浮き足立っているのに、ボスが一番働き者なので困る……と誰もが帰りにくそうにしているので、巌勝がこう言って事務所を出てくれると他のスタッフも続いて出やすいのだ。
土日が休みの為、本当はもう少し一緒にいたかったのだが……と巌勝は思うが、月彦の側近として他のスタッフへの気配りをするのは自分の役目だと思っていた。
2824「お疲れ」
巌勝の声掛けに全員が「お疲れ様でした」と挨拶する。ただひとり、社長の月彦を除いては。
「社長、キリの良いところで……」
「あぁ、解っている。先に帰ってくれ」
「畏まりました。お先に失礼します」
巌勝は頭を下げる。貴重な週末の定時。ハメを外して遊びたいと皆が浮き足立っているのに、ボスが一番働き者なので困る……と誰もが帰りにくそうにしているので、巌勝がこう言って事務所を出てくれると他のスタッフも続いて出やすいのだ。
土日が休みの為、本当はもう少し一緒にいたかったのだが……と巌勝は思うが、月彦の側近として他のスタッフへの気配りをするのは自分の役目だと思っていた。
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TRAININGむざこく30本ノック③29日目
ちょるさんとこの不良な学生パロ二人のむざこく
ちょるさんとこの不良な学生パロ二人のむざこく「おー、随分と派手にやらかしたなぁ……」
この場には不似合いな呑気な声。飄々とした雰囲気で校舎裏に現れた男に巌勝は身構えた。
先に手を出したのは地面に倒れている3年生たちである。1年の途中で転校してきた自分に対し、不愉快な絡み方をしてきたので拳で解らせただけだ、と説明しようかと思ったが、その男はその3年生を踏み、蹴り、軽やかな足取りでこちらにやってきた。
薄暗い校舎裏では顔ははっきりと解らない。しかし、口許に笑みを浮かべていることは解った。
「お前も吸うか?」
懐から煙草を取り出し、こちらに渡してくる。
会釈して受け取り、巌勝は煙草を咥えた。箱の中に入っていた使い捨てライターを拝借し、煙草を付けて、煙を深く吸い込んだ。
4494この場には不似合いな呑気な声。飄々とした雰囲気で校舎裏に現れた男に巌勝は身構えた。
先に手を出したのは地面に倒れている3年生たちである。1年の途中で転校してきた自分に対し、不愉快な絡み方をしてきたので拳で解らせただけだ、と説明しようかと思ったが、その男はその3年生を踏み、蹴り、軽やかな足取りでこちらにやってきた。
薄暗い校舎裏では顔ははっきりと解らない。しかし、口許に笑みを浮かべていることは解った。
「お前も吸うか?」
懐から煙草を取り出し、こちらに渡してくる。
会釈して受け取り、巌勝は煙草を咥えた。箱の中に入っていた使い捨てライターを拝借し、煙草を付けて、煙を深く吸い込んだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③28日目
挿入なし、触手とオモチャと前戯だけで黒死牟さんをイかせようとする無惨様。
ねちこいめのtkb攻め必須
※タイトルほどエロくないのでR18つけてないです。
挿入なし、触手とオモチャと前戯だけで黒死牟さんをイかせようとする無惨様。ねちこいめのtkb攻め必須 黒死牟は変則的な間隔で正体を失くす時がある。
敵味方見境なく技を繰り出して、辺り一面を血の海に変えていく。こうなると誰も止められない。厄介だと察した十二鬼月は早々に姿を消し、逃げ遅れた雑魚の鬼たちが次々と肉塊へと変えられる。
逃げ遅れるのも仕方無いだろう。獣が吠えるような低い唸り声を上げながら技を繰り出す姿に総毛立ち、足が竦んで動けないのだ。
「いいかげんにしろ」
すらりとした洋装の美形が血みどろの上に立つ。黒死牟の刃の切っ先は細く尖った鼻先でぴたりと止まった。
それは黒死牟の意思で止めた。どれだけ正体を失くしても、鬼舞辻無惨、そう、主にだけは歯向かってはいけないということは解るのだ。
無惨の登場で雑魚たちは「救われた」と思ったが大きな間違いである。黒死牟は器用にも無惨だけを避け攻撃を繰り出す。そして、無惨も「黒死牟にも勝てない鬼が役に立つはずもない」と止めもせず冷ややかに見ている。
2103敵味方見境なく技を繰り出して、辺り一面を血の海に変えていく。こうなると誰も止められない。厄介だと察した十二鬼月は早々に姿を消し、逃げ遅れた雑魚の鬼たちが次々と肉塊へと変えられる。
逃げ遅れるのも仕方無いだろう。獣が吠えるような低い唸り声を上げながら技を繰り出す姿に総毛立ち、足が竦んで動けないのだ。
「いいかげんにしろ」
すらりとした洋装の美形が血みどろの上に立つ。黒死牟の刃の切っ先は細く尖った鼻先でぴたりと止まった。
それは黒死牟の意思で止めた。どれだけ正体を失くしても、鬼舞辻無惨、そう、主にだけは歯向かってはいけないということは解るのだ。
無惨の登場で雑魚たちは「救われた」と思ったが大きな間違いである。黒死牟は器用にも無惨だけを避け攻撃を繰り出す。そして、無惨も「黒死牟にも勝てない鬼が役に立つはずもない」と止めもせず冷ややかに見ている。
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TRAININGむざこく30本ノック③27日目
超やきもち妬きの黒死牟と素直に「お前が一番」と言えない表せない無惨様
超やきもち妬きの黒死牟と素直に「お前が一番」と言えない表せない無惨様 十人に聞けば十人全員が「あんな男、好きになっちゃ駄目だよ」と言うだろう。自分の惚れた相手は、そういう男なのだ。そんなこと、言われなくても解っている、と黒死牟は常に思っていた。
彼のスーツをクリーニングに出す前に、ポケットの中に何か残っていないか確かめると、胸ポケットから華奢なゴールドのフープピアスが出てきた。
浮気をするのは結構だが、こういう行儀の悪い女はやめて欲しい、と黒死牟は心底思っている。無惨が左手薬指に嵌めている指輪が見えないのだろうか。会う時には外しているのかもしれないが。
悪い男に惚れた自分が悪いと思っているが、ピアスをジッパー付きの小さな保存袋に入れた。だが、自分は問い詰めて良い立場の人間ではない。彼と戸籍上では何の結びつきもなく、契約関係があるとすれば、彼は雇用主であり、自分は従業員。それだけだ。
1958彼のスーツをクリーニングに出す前に、ポケットの中に何か残っていないか確かめると、胸ポケットから華奢なゴールドのフープピアスが出てきた。
浮気をするのは結構だが、こういう行儀の悪い女はやめて欲しい、と黒死牟は心底思っている。無惨が左手薬指に嵌めている指輪が見えないのだろうか。会う時には外しているのかもしれないが。
悪い男に惚れた自分が悪いと思っているが、ピアスをジッパー付きの小さな保存袋に入れた。だが、自分は問い詰めて良い立場の人間ではない。彼と戸籍上では何の結びつきもなく、契約関係があるとすれば、彼は雇用主であり、自分は従業員。それだけだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③26日目
むざこくにちょっかいを掛けて楽しむカガヤ様
※カガヤ様は二人の反応を面白がって楽しんでいるだけで本気でNTRする気は無し
【注意!】かが→むざ要素を含みます。
むざこくにちょっかいを掛けて楽しむカガヤ様 ツーッツーッツーッ……。
また無惨に着信拒否された。ここ半月、毎朝4時に電話を掛けていたら、遂に拒否されたのだ。
初めからこうしていれば良いのに、無惨は変に律儀なところがあって、ご丁寧に半月様子を見て、やっと着信拒否にしたのだ。
「ふふっ、可愛いなぁ……」
電源を切るなり何なり出来るのに、何故か毎朝4時に出てしまう。恐らく「掛かってきた電話は取り敢えず出る」という習性があるのだろう。
だったら次は非通知で掛けるか、と思い、頭に184を付けて発信する。
「ヤッホー! 無惨!!」
「おはようございます、耀哉様」
「あれ、巌勝?」
「黒死牟でございます」
無惨のスマホに掛けたはずなのに出たのは黒死牟こと巌勝だった。
3105また無惨に着信拒否された。ここ半月、毎朝4時に電話を掛けていたら、遂に拒否されたのだ。
初めからこうしていれば良いのに、無惨は変に律儀なところがあって、ご丁寧に半月様子を見て、やっと着信拒否にしたのだ。
「ふふっ、可愛いなぁ……」
電源を切るなり何なり出来るのに、何故か毎朝4時に出てしまう。恐らく「掛かってきた電話は取り敢えず出る」という習性があるのだろう。
だったら次は非通知で掛けるか、と思い、頭に184を付けて発信する。
「ヤッホー! 無惨!!」
「おはようございます、耀哉様」
「あれ、巌勝?」
「黒死牟でございます」
無惨のスマホに掛けたはずなのに出たのは黒死牟こと巌勝だった。
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TRAININGむざこく30本ノック③24日目
「主に対して不敬だろうか…」とか思いつつもどうしても欲しがる身体に我慢が出来ず頑張ってアレコレたどたどしく下手なお誘いを掛ける黒死牟になかなかノッてくれない無惨様
やきもきする黒死牟
それを見透かし内心ニヤニヤしながら「可愛い奴め、さて、次はどう出るかな?」と年上の余裕を見せつつ実はアタックしてくれる黒死牟に満更でもない無惨様(略)
「主に対して不敬だろうか…」とか思いつつもどうしても欲しがる身体に我慢が出来ず… 勤務時間、黒死牟が真剣な表情でスマホを向かい合っていると、それは何やら大変なことが起きたのだろう、と誰もが思う。実際、黒死牟にとっては一大事なのだ。
彼が必死で検索している情報。
「彼をその気にさせる方法」
検索バーにそう打ち込んで、すべての検索結果に目を通しているのだ。
そうか、男性は甘える系の仕草に弱いのか……と己が男であることを忘れ、20代の女子たちのクチコミを真剣に見ている。
今日は何故か妙にムラムラする。朝から黒死牟はずっと「その気」なのだが、こういう時に限って無惨は何も仕掛けてこないのだ。
今晩は絶対にセックスしたい。その一心で、確実に無惨に抱いてもらえる方法を考えているのだ。
だが、そもそも、こちらから無惨を誘うなど無礼だろうか……という迷いも未だ払拭出来ずにいる。なので、ストレートに「セックスしませんか?」と誘うには気が引けるので、無惨からの誘いで自然な流れでセックスするよう仕向ける準備をしているのだ。
2379彼が必死で検索している情報。
「彼をその気にさせる方法」
検索バーにそう打ち込んで、すべての検索結果に目を通しているのだ。
そうか、男性は甘える系の仕草に弱いのか……と己が男であることを忘れ、20代の女子たちのクチコミを真剣に見ている。
今日は何故か妙にムラムラする。朝から黒死牟はずっと「その気」なのだが、こういう時に限って無惨は何も仕掛けてこないのだ。
今晩は絶対にセックスしたい。その一心で、確実に無惨に抱いてもらえる方法を考えているのだ。
だが、そもそも、こちらから無惨を誘うなど無礼だろうか……という迷いも未だ払拭出来ずにいる。なので、ストレートに「セックスしませんか?」と誘うには気が引けるので、無惨からの誘いで自然な流れでセックスするよう仕向ける準備をしているのだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③22日目
焼きそば
焼きそば それは休日の昼前の出来事だった。
「今日の昼飯は焼きそばでいいか?」
「え?」
無惨の世界からは縁遠い食べ物の名称が出てきたので、黒死牟はスマホを持ったまま固まってしまった。
「嫌いか?」
「いえ、そうではなく……」
昔、カップ焼きそばの湯切りをする際、誤って麺をすべてシンクに落として以来、カップ焼きそばは絶対に食べないと言っていた無惨なので、カップ焼きそばを提供するつもりはないだろう。そもそも無惨が自宅でインスタント食品を食べているところ見たことがない。あれは仕事中の時間がない時に食べるものだ、と言っていたので、食に対する意識はめちゃくちゃ高いのだ。
そんな無惨が焼きそば……あまりのギャップに黒死牟はぼんやりとしていると「お前は何もしなくて良いから、まぁ、そこに座って見ていろ」とソファに座らされた。
2123「今日の昼飯は焼きそばでいいか?」
「え?」
無惨の世界からは縁遠い食べ物の名称が出てきたので、黒死牟はスマホを持ったまま固まってしまった。
「嫌いか?」
「いえ、そうではなく……」
昔、カップ焼きそばの湯切りをする際、誤って麺をすべてシンクに落として以来、カップ焼きそばは絶対に食べないと言っていた無惨なので、カップ焼きそばを提供するつもりはないだろう。そもそも無惨が自宅でインスタント食品を食べているところ見たことがない。あれは仕事中の時間がない時に食べるものだ、と言っていたので、食に対する意識はめちゃくちゃ高いのだ。
そんな無惨が焼きそば……あまりのギャップに黒死牟はぼんやりとしていると「お前は何もしなくて良いから、まぁ、そこに座って見ていろ」とソファに座らされた。
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TRAININGむざこく30本ノック③21日目
カラダから始まるむざこく
カラダから始まるむざこく どうして俺は上司と一緒にラブホテルにいるのだろうか。
黒死牟は大きなベッドに腰掛け、ずっと悩んでいた。
しかも上司は男、衆議院議員の鬼舞辻無惨である。
酔った無惨を自宅に送り届ける、なんてことは日常茶飯事なのだが、今日はそれほど酔った感じでもない。寧ろ、素面に近いくらい冷静だ。
「晩飯でも食って帰ろう」
そう誘われ、車の鍵を取ろうとしたら止められた。何故か車を出さず、事務所の近くの店に行くことになる。
「今日はお前も飲め」
その為だったようで、その言葉に甘えて二人で飲んだが、二人とも泥酔と呼ぶほど飲んだ記憶はない。
支払いを済ませた無惨が「少し歩こう」と言うので、日付の変わった夜の街を二人で並んで歩いた。週末なので夜遅い時間だが人通りは多い。ただ、陽気な酔っ払いが多いようで、自分たちが並んで歩いていても誰も気付かないようだ。
2367黒死牟は大きなベッドに腰掛け、ずっと悩んでいた。
しかも上司は男、衆議院議員の鬼舞辻無惨である。
酔った無惨を自宅に送り届ける、なんてことは日常茶飯事なのだが、今日はそれほど酔った感じでもない。寧ろ、素面に近いくらい冷静だ。
「晩飯でも食って帰ろう」
そう誘われ、車の鍵を取ろうとしたら止められた。何故か車を出さず、事務所の近くの店に行くことになる。
「今日はお前も飲め」
その為だったようで、その言葉に甘えて二人で飲んだが、二人とも泥酔と呼ぶほど飲んだ記憶はない。
支払いを済ませた無惨が「少し歩こう」と言うので、日付の変わった夜の街を二人で並んで歩いた。週末なので夜遅い時間だが人通りは多い。ただ、陽気な酔っ払いが多いようで、自分たちが並んで歩いていても誰も気付かないようだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③20日目
事後のピロートーク
事後のピロートーク ギシギシとベッドのスプリングが軋む音がする。そこに濡れた粘膜を掻き混ぜる音と湿った肌を打ち合わせる音、そして自分のはしたない喘ぎ声。何度こうした行為を重ねても、絶頂を迎えた時には得たことのない幸福感に満たされ、痙攣する下腹を更に揺さぶるように彼が腰を打ち付けると、ぎゅっと抱き締められ、悩ましげな吐息が耳朶に触れる。余韻を味わうように体を密着させたまま息を整え、ゆっくりと体を離すと、使用済みのラテックスの薄膜をゴミ箱に捨てて、広いベッドの上で並んで横になった。
無惨は「終わった」からと言って、急に煙草を吸ったり、スマホを弄ったり、ひとりで勝手にシャワーを浴びに行くような真似をせず、優しく黒死牟を抱き締めるのだ。
1974無惨は「終わった」からと言って、急に煙草を吸ったり、スマホを弄ったり、ひとりで勝手にシャワーを浴びに行くような真似をせず、優しく黒死牟を抱き締めるのだ。
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TRAININGむざこく30本ノック③17日目
黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション
黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション 何か理由があって髪を伸ばしているわけではない。
長い髪って手入れが大変ですよね、と言われるが、実はそうでもない。短い髪の時は月に一度は散髪に行かないといけなかったが、長い髪は自分で毛先を揃えるくらいでも何とでもなる。女性と違って髪が傷むだの、枝毛がどうだのと気にしたことがないので、手入れもせず、濡れた髪を自然乾燥させることにも抵抗がない。それに短い髪と違って、括っておけば邪魔にならないので意外と便利だし、括っている方が夏場は涼しいのだ。
つまり、ずぼらの集大成がこの髪型だった。
特殊部隊に入った時、長髪であることにネチネチと嫌味を言われたこともある。諜報活動をする時に男性のロングヘアは目立ち易く、相手に特徴を覚えられやすいから不向きだと言われ、尤もだなと思ったが、上官の物言いが気に入らなかったので、小規模な隠密班を編成する際の長に選ばれた時、全員、自分と背格好が近く、長髪のメンバーだけで編成し、危なげもなくミッションを成功させたことがある。だが、自分の長髪にそこまでこだわりがあったわけではなく、単なる反発心だけである。
2382長い髪って手入れが大変ですよね、と言われるが、実はそうでもない。短い髪の時は月に一度は散髪に行かないといけなかったが、長い髪は自分で毛先を揃えるくらいでも何とでもなる。女性と違って髪が傷むだの、枝毛がどうだのと気にしたことがないので、手入れもせず、濡れた髪を自然乾燥させることにも抵抗がない。それに短い髪と違って、括っておけば邪魔にならないので意外と便利だし、括っている方が夏場は涼しいのだ。
つまり、ずぼらの集大成がこの髪型だった。
特殊部隊に入った時、長髪であることにネチネチと嫌味を言われたこともある。諜報活動をする時に男性のロングヘアは目立ち易く、相手に特徴を覚えられやすいから不向きだと言われ、尤もだなと思ったが、上官の物言いが気に入らなかったので、小規模な隠密班を編成する際の長に選ばれた時、全員、自分と背格好が近く、長髪のメンバーだけで編成し、危なげもなくミッションを成功させたことがある。だが、自分の長髪にそこまでこだわりがあったわけではなく、単なる反発心だけである。
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TRAININGむざこく30本ノック③15日目
陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか
「ほら見たか!これで恐れるものなぞ何もないわ!」とかつてないほど昂るのか、「案外大したことないわ、つまらんな」と吐き捨てるのか、「太陽の方がやはりお好きで?」「白昼にも月は出ておるわ馬鹿者」みたいな気楽な会話になるのか
陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか それは初恋の憧れに似ていた。
手の届かない遠い存在という意味か、遠い昔の燦爛とした断片的な記憶のせいか、その強い「憧れ」が根底にあるから黒死牟とは意気投合したのかもしれない。
自分たちにとって太陽とは最も忌むべき存在であり、その反面、強く憧れ、恋い焦がれた存在であった。
今でも朝日を見ると、今際の際を思い出し身構える。しかし、その光を浴びても肌が焼け落ちることはなく、朝が来た、と当たり前の出来事だと思い出すのだ。
「今日も雲ひとつない晴天ですね」
黒死牟が車のドアを開けると、その隙間から日の光が一気に差し込む。こんな時、黒死牟のサングラスが羨ましいと思うのだが、まさかサングラスをしたまま街頭に立ち、演説をするわけにはいかないので日焼け止めクリームを丹念に塗り込む程度の抵抗しか出来ない。
2129手の届かない遠い存在という意味か、遠い昔の燦爛とした断片的な記憶のせいか、その強い「憧れ」が根底にあるから黒死牟とは意気投合したのかもしれない。
自分たちにとって太陽とは最も忌むべき存在であり、その反面、強く憧れ、恋い焦がれた存在であった。
今でも朝日を見ると、今際の際を思い出し身構える。しかし、その光を浴びても肌が焼け落ちることはなく、朝が来た、と当たり前の出来事だと思い出すのだ。
「今日も雲ひとつない晴天ですね」
黒死牟が車のドアを開けると、その隙間から日の光が一気に差し込む。こんな時、黒死牟のサングラスが羨ましいと思うのだが、まさかサングラスをしたまま街頭に立ち、演説をするわけにはいかないので日焼け止めクリームを丹念に塗り込む程度の抵抗しか出来ない。
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TRAININGむざこく30本ノック③14日目
らんま1/2の呪泉郷に落ちるむざこく
らんま1/2の呪泉郷に落ちるむざこく だから嫌いなのだ、確定していない情報は。
「どうやら清の国辺りに、変わった泉がある」
ざっくりした情報である。普段の無惨なら酒の席の話だと聞き流すのだが、その泉で水浴びをすれば不老不死になる、若返る等、様々な伝説があるそうだ。しかし、泉のある藩部辺りはかなりの田舎であり、清の統治下にあるものの政治的に不安定な地域の為、なかなか誰も行きたがらないので真偽不明とのこと。
「だが、日本にも、その泉に似た場所があるようでね……」
男がそう言った瞬間、無惨は身を乗り出した。いつも何をしても眉ひとつ動かさない美貌の芸妓が自分の話に食いついたので、男は気を良くしている。
「その泉に落ちたら、むさ苦しい熊のような男でも、君のような美女になるらしいぞ」
2916「どうやら清の国辺りに、変わった泉がある」
ざっくりした情報である。普段の無惨なら酒の席の話だと聞き流すのだが、その泉で水浴びをすれば不老不死になる、若返る等、様々な伝説があるそうだ。しかし、泉のある藩部辺りはかなりの田舎であり、清の統治下にあるものの政治的に不安定な地域の為、なかなか誰も行きたがらないので真偽不明とのこと。
「だが、日本にも、その泉に似た場所があるようでね……」
男がそう言った瞬間、無惨は身を乗り出した。いつも何をしても眉ひとつ動かさない美貌の芸妓が自分の話に食いついたので、男は気を良くしている。
「その泉に落ちたら、むさ苦しい熊のような男でも、君のような美女になるらしいぞ」
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TRAININGむざこく30本ノック③13日目
零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
「おい、零余子!」
「はい!」
「零余子!」
「はいー!!!!」
多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
3210朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
「おい、零余子!」
「はい!」
「零余子!」
「はいー!!!!」
多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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TRAININGむざこく30本ノック③12日目
無惨様と黒死牟がねるとんで出会う
無惨様と黒死牟がねるとんで出会う 1989年、日本がバブル景気で沸いていた時代、ひとつのテレビ番組を真似た「ねるとんパーティー」というお見合いパーティーが大流行した。
恋人を探すフリーの男女が集まるのだが、全員が全員、それが目的ではない。
中には、この月彦のようにマルチ商法、所謂ねずみ講の勧誘の為に参加した者や、巌勝のように「客寄せパンダ」のアルバイトとしてやってきた者もいるので、玉石混交の中から運命の相手を見つけるのは本当に難しい。その上、惜しむらくは、そういった「マジの参加」ではない人物の方が容姿も良く、異性の食いつきが良いのだ。
パーティーはまず自己紹介タイムから始まる。
「鬼舞辻月彦です。職業は会社経営をしています」
嘘ではない。実際、いくつかのネットワークビジネスで、元締めに近いところにいて、下っ端から相当な金を巻き上げている。愛車はBMWの3シリーズ、オーダーメイドのダブルのスーツに腕には金色のロレックスが輝いている。
3482恋人を探すフリーの男女が集まるのだが、全員が全員、それが目的ではない。
中には、この月彦のようにマルチ商法、所謂ねずみ講の勧誘の為に参加した者や、巌勝のように「客寄せパンダ」のアルバイトとしてやってきた者もいるので、玉石混交の中から運命の相手を見つけるのは本当に難しい。その上、惜しむらくは、そういった「マジの参加」ではない人物の方が容姿も良く、異性の食いつきが良いのだ。
パーティーはまず自己紹介タイムから始まる。
「鬼舞辻月彦です。職業は会社経営をしています」
嘘ではない。実際、いくつかのネットワークビジネスで、元締めに近いところにいて、下っ端から相当な金を巻き上げている。愛車はBMWの3シリーズ、オーダーメイドのダブルのスーツに腕には金色のロレックスが輝いている。
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TRAININGむざこく30本ノック③9日目
マフィアの抗争に巻き込まれる議員と秘書
マフィアの抗争に巻き込まれる議員と秘書 マフィアのボスが亡くなった。その報せは我が国の政治家の元にも届いた。
そのボスはアジア全域に幅を利かせるほどの権力を持ち、国家主席に匹敵するほどの地位に上り詰めた為、我が国の政治家も浅からぬ付き合いがあった。無惨に関しては父親の代から懇意にしていた相手であり、その国を訪れた時はボスの屋敷に招待されていた。表に出せる交際から、裏での武器の調達や不透明な金の流れ等、不都合もかなり知られた相手である。
次のボスとも顔を繋がなくてはいけない。と様々なことを考えたが、個人的に線香の1本でもあげにいってやりたいという想いがあった。
何故かそのボスは子供の頃から無惨を見ては「男にしておくのが惜しい」「女に生まれていたら嫁に迎えた」と何度も言っていて、実際、武器を調達した時に黒死牟が「相場よりゼロが2つは少ないです……」とドン引きしたくらい優遇してくれていた。
4036そのボスはアジア全域に幅を利かせるほどの権力を持ち、国家主席に匹敵するほどの地位に上り詰めた為、我が国の政治家も浅からぬ付き合いがあった。無惨に関しては父親の代から懇意にしていた相手であり、その国を訪れた時はボスの屋敷に招待されていた。表に出せる交際から、裏での武器の調達や不透明な金の流れ等、不都合もかなり知られた相手である。
次のボスとも顔を繋がなくてはいけない。と様々なことを考えたが、個人的に線香の1本でもあげにいってやりたいという想いがあった。
何故かそのボスは子供の頃から無惨を見ては「男にしておくのが惜しい」「女に生まれていたら嫁に迎えた」と何度も言っていて、実際、武器を調達した時に黒死牟が「相場よりゼロが2つは少ないです……」とドン引きしたくらい優遇してくれていた。
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TRAININGむざこく30本ノック③6日目
吸血鬼パロディ
大好きなインタビュー・ウィズ・ヴァンパイアから、設定をいっぱいパクってきたよw
吸血鬼パロディ 幼き日より自分の隣には常に「死」が纏わりついていた。
それは姿も匂いも音もなく近付いてきて、身近な人を次々と奪っていく。
祖父母を、両親を、兄弟を、立て続けに流行り病で亡くし、天涯孤独の身でありながら、家族の遺した財産で、住まいを移し、牧場の経営を始めた。経営が安定し始め、妻を迎え、穏やかで裕福な生活を送って、やっと「死」から逃げられたと思ったが、今回は身重の妻を「死」に奪われた。それは自分が仕事の為に首都に向かった、たった数日、家を空けた時のことであった。
こんな田舎町では珍しい猟奇的な殺人事件であった。当時、家にいた使用人も皆殺しにされた上、妻は腹を切られ、胎盤ごと子供が抉り出されていた。
3012それは姿も匂いも音もなく近付いてきて、身近な人を次々と奪っていく。
祖父母を、両親を、兄弟を、立て続けに流行り病で亡くし、天涯孤独の身でありながら、家族の遺した財産で、住まいを移し、牧場の経営を始めた。経営が安定し始め、妻を迎え、穏やかで裕福な生活を送って、やっと「死」から逃げられたと思ったが、今回は身重の妻を「死」に奪われた。それは自分が仕事の為に首都に向かった、たった数日、家を空けた時のことであった。
こんな田舎町では珍しい猟奇的な殺人事件であった。当時、家にいた使用人も皆殺しにされた上、妻は腹を切られ、胎盤ごと子供が抉り出されていた。
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TRAININGむざこく30本ノック③5日目
アイドル無惨様×リーマン巌勝
アイドル無惨様×リーマン巌勝「頭を垂れて蹲え、平伏せよ」
「無惨様ぁー!!!!!!」
今日も無惨の前には「鬼」と呼ばれるファンがひれ伏している。類い稀なる美しい容姿は男女問わず大人気の為、皆が大きなうちわに「罵って」「踏みつけて」「餌にして」と書いて無惨に向けて振っている。どうやら、それらがファンサービスらしく、「上弦会議」と呼ばれる握手会では無惨にクリスチャン・ルブタンの靴で踏まれることを望むファンが後を絶たず、無惨も容赦なく踏みつけにする為、ファンは「最後に何も言い残すことはない、私を鬼にしてくれてありがとう」と魂を抜かれた状態で、スタッフに引きずられながら帰っていくのだ。
この継国巌勝も、そのファンのひとりだ。
高校時代に偶然、友人に誘われて武道館ライブに行ったのだが、そこから無惨の大ファンになり、大学、そして社会人になっても「無惨最推し」と書いた法被を着てライブに行っているのだ。
3181「無惨様ぁー!!!!!!」
今日も無惨の前には「鬼」と呼ばれるファンがひれ伏している。類い稀なる美しい容姿は男女問わず大人気の為、皆が大きなうちわに「罵って」「踏みつけて」「餌にして」と書いて無惨に向けて振っている。どうやら、それらがファンサービスらしく、「上弦会議」と呼ばれる握手会では無惨にクリスチャン・ルブタンの靴で踏まれることを望むファンが後を絶たず、無惨も容赦なく踏みつけにする為、ファンは「最後に何も言い残すことはない、私を鬼にしてくれてありがとう」と魂を抜かれた状態で、スタッフに引きずられながら帰っていくのだ。
この継国巌勝も、そのファンのひとりだ。
高校時代に偶然、友人に誘われて武道館ライブに行ったのだが、そこから無惨の大ファンになり、大学、そして社会人になっても「無惨最推し」と書いた法被を着てライブに行っているのだ。
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TRAININGむざこく30本ノック②30日目
※注意※
モブ女と浮気する無惨様です。
議員に秋波を送るホステスに向かって止せば良いのにマウントを取るような事を言ってしまう秘書 馬鹿いってんじゃないよ お前と俺は
ケンカもしたけどひとつ屋根の下暮らして来たんだぜ
馬鹿いってんじゃないよ お前の事だけは
一日たりとも 忘れた事など無かった俺だぜ
本当に「馬鹿いってんじゃないよ」である。
付き合い始めて3年目。これまでも、ちょこちょこ怪しい動きはあったが、恐らく今、正に「浮気に発展する瞬間」を自分は見届けている状態なのだ。
付き合いで来た銀座の高級クラブ。「付き合いで」と言っているが大嘘である。常連だ。何度もクレジットカードの明細で名前を見ているし、交際費で落とせと領収証を渡されている。
たまたま「付き合いで」連れてこられたのは黒死牟の方である。普段、黒死牟の目を搔い潜って来ているのに、今日に限って「お供致します」と黒死牟は着いてきたのだ。
2664ケンカもしたけどひとつ屋根の下暮らして来たんだぜ
馬鹿いってんじゃないよ お前の事だけは
一日たりとも 忘れた事など無かった俺だぜ
本当に「馬鹿いってんじゃないよ」である。
付き合い始めて3年目。これまでも、ちょこちょこ怪しい動きはあったが、恐らく今、正に「浮気に発展する瞬間」を自分は見届けている状態なのだ。
付き合いで来た銀座の高級クラブ。「付き合いで」と言っているが大嘘である。常連だ。何度もクレジットカードの明細で名前を見ているし、交際費で落とせと領収証を渡されている。
たまたま「付き合いで」連れてこられたのは黒死牟の方である。普段、黒死牟の目を搔い潜って来ているのに、今日に限って「お供致します」と黒死牟は着いてきたのだ。
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TRAININGむざこく30本ノック②29日目
大阪を舞台の食べ歩きになりました。
現パログルメ系 それは二人が交際し始めて一年も経っていない頃だった。
京都の県議に応援を依頼され、黒死牟は初めて無惨と共に京都入りすることになる。東京から京都に戻る時、無惨は大抵新幹線を使うが、無惨は気紛れに「飛行機で帰りたい」と言い出した。
「畏まりました」
黒死牟は羽田空港から関西空港行きの航空券を手配しようとするが、マウスを握る手に触れ、ニッコリと笑う。
「違う、伊丹空港だ」
「伊丹ですか?」
確かに京都に向かうなら伊丹空港からの方が近い。どちらにしても新幹線の方が楽なのになぁ……と黒死牟はやや不満げにしている。
その上、ついでにブラブラするから予定を一切入れるな、と言う。
「1日オフですか!?」
「たまには良いだろう。調整しろ」
4921京都の県議に応援を依頼され、黒死牟は初めて無惨と共に京都入りすることになる。東京から京都に戻る時、無惨は大抵新幹線を使うが、無惨は気紛れに「飛行機で帰りたい」と言い出した。
「畏まりました」
黒死牟は羽田空港から関西空港行きの航空券を手配しようとするが、マウスを握る手に触れ、ニッコリと笑う。
「違う、伊丹空港だ」
「伊丹ですか?」
確かに京都に向かうなら伊丹空港からの方が近い。どちらにしても新幹線の方が楽なのになぁ……と黒死牟はやや不満げにしている。
その上、ついでにブラブラするから予定を一切入れるな、と言う。
「1日オフですか!?」
「たまには良いだろう。調整しろ」
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TRAININGむざこく30本ノック②23日目
黒死牟に芸妓の擬態(現代軸で女装でもオッケーです!)を要求する無惨様 己のスケジュールを完璧に管理する無惨だが、たまにダブルブッキングしてしまうこともあるのだ。次から次へと予定を詰め込んでしまう性急な性格に加え、現代のように電話ひとつで変更が出来るような便利な時代ではない。
人との付き合いが主である仕事柄、突然頼まれて断れないという場面も多いのだ。
そのダブルブッキングは突然訪れた。
「商談で自分のいる座敷に行くことになった」
顳顬を押さえながら無惨は苛立った様子で言う。
貿易商の集まりで見覚えのある社長がいるなと思ったら、芸妓をしている時の御贔屓さんだと思い出した。海外なら青い彼岸花があるのではないか、と宮内庁や政府に出入りしている貿易商とは必ず繋がりを持っている。時々、それが月彦としての付き合いか、芸妓として座敷で会ったのか解らなくなるくらい、多くの人間と馴染みになっているのだ。
3333人との付き合いが主である仕事柄、突然頼まれて断れないという場面も多いのだ。
そのダブルブッキングは突然訪れた。
「商談で自分のいる座敷に行くことになった」
顳顬を押さえながら無惨は苛立った様子で言う。
貿易商の集まりで見覚えのある社長がいるなと思ったら、芸妓をしている時の御贔屓さんだと思い出した。海外なら青い彼岸花があるのではないか、と宮内庁や政府に出入りしている貿易商とは必ず繋がりを持っている。時々、それが月彦としての付き合いか、芸妓として座敷で会ったのか解らなくなるくらい、多くの人間と馴染みになっているのだ。
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TRAININGむざこく30本ノック②21日目
心臓を掴む どうか、これ以上、私の心に入ってこないでくれ。
そう思うようになったのは、いつの頃からだっただろうか。
人との距離の取り方が解らない。それは自分の生い立ちに問題があった。しかし、それは社会に出てから気付いたことで、その環境で育っている時に、それが問題であるとは思いもしなかった。
その歪な家庭環境で育ったが故に、他人と接すると、その不可解な言動に心を乱された。
どうして、この人は自分にこんな親切にしてくれるのだろうか?
幼い自分にとって、それは最大の謎だった。
誰の利益になることもしていない、誰の役にも立っていない幼い自分に対し、誰もが我が事のように喜怒哀楽を表現してくれる。
その心の機微に触れる度に吐き気がした。
5023そう思うようになったのは、いつの頃からだっただろうか。
人との距離の取り方が解らない。それは自分の生い立ちに問題があった。しかし、それは社会に出てから気付いたことで、その環境で育っている時に、それが問題であるとは思いもしなかった。
その歪な家庭環境で育ったが故に、他人と接すると、その不可解な言動に心を乱された。
どうして、この人は自分にこんな親切にしてくれるのだろうか?
幼い自分にとって、それは最大の謎だった。
誰の利益になることもしていない、誰の役にも立っていない幼い自分に対し、誰もが我が事のように喜怒哀楽を表現してくれる。
その心の機微に触れる度に吐き気がした。
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TRAININGむざこく30本ノック②17日目
特殊部隊在籍中の、冷徹な巌勝と無惨の出会い それは衆議院の安全保障委員会の委員に初めて専任された時だった。
「私が、ですか?」
議員になったばかりだというのに、とある紛争地域への視察を命じられた。
そもそも、安全保障委員会の業務にそんなものはあったか、それも委員長や理事、所属している派閥の長から言われるなら未だしも、専任したとされる議長から直々に言われるとは何事かと不審に思った。
「鬼舞辻君なら語学も堪能だし、武術もなかなかの腕前らしいね」
思い出した。大学時代に友人に頼まれ剣道の試合に出た。先鋒だったのだが、その時、一本勝ちした相手が議長の息子だった。そう言えば父も現役時代、議長と仲が悪かったので、「鬼舞辻の倅を泣かせてこい」とでも言われたのだろう。オリンピック有力候補とも言われていたようで、周囲はかなり微妙な空気に包まれていた。
3781「私が、ですか?」
議員になったばかりだというのに、とある紛争地域への視察を命じられた。
そもそも、安全保障委員会の業務にそんなものはあったか、それも委員長や理事、所属している派閥の長から言われるなら未だしも、専任したとされる議長から直々に言われるとは何事かと不審に思った。
「鬼舞辻君なら語学も堪能だし、武術もなかなかの腕前らしいね」
思い出した。大学時代に友人に頼まれ剣道の試合に出た。先鋒だったのだが、その時、一本勝ちした相手が議長の息子だった。そう言えば父も現役時代、議長と仲が悪かったので、「鬼舞辻の倅を泣かせてこい」とでも言われたのだろう。オリンピック有力候補とも言われていたようで、周囲はかなり微妙な空気に包まれていた。
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TRAININGむざこく30本ノック②10日目
>紗呼さんの好きな選曲で、サザンの歌をモチーフにしたお話しとかどうでしょうか?
メロディ 地平線に沈む夕日があまりにも綺麗で、ふたりとも言葉が見つからず、無言で見つめていた。
いや、違う。
横で巌勝のすすり泣く声が聞こえる。
だが、自分たちの答えはこれしかなかったのだ。
それは一年前の夏だった。
子供が通う幼稚園の保護者で集まり、河川敷の公園でバーベキューをすることになった。
「るなちゃんの一番の仲良しの子と一緒のグループでバーベキューなんです」
妻の麗が嬉しそうに語る。その母親と麗も仲が良いらしく、予定を空けるように言ってきた。
「仲良しって、そいつは男だろう? るな、あまり仲良くしてはいけないよ」
「まぁ、月彦さんったら、もうそんな心配をしているの?」
「だって、るなは可愛いから……」
4466いや、違う。
横で巌勝のすすり泣く声が聞こえる。
だが、自分たちの答えはこれしかなかったのだ。
それは一年前の夏だった。
子供が通う幼稚園の保護者で集まり、河川敷の公園でバーベキューをすることになった。
「るなちゃんの一番の仲良しの子と一緒のグループでバーベキューなんです」
妻の麗が嬉しそうに語る。その母親と麗も仲が良いらしく、予定を空けるように言ってきた。
「仲良しって、そいつは男だろう? るな、あまり仲良くしてはいけないよ」
「まぁ、月彦さんったら、もうそんな心配をしているの?」
「だって、るなは可愛いから……」