はるもん🌸
MOURNING藍忘機を泣かせ隊藍忘機の涙再びイキの良いロバはいないかと聞かれ、金凌は即座に答えた。
***
「林檎ちゃんを蘭陵のやつに?だめだだめだ!林檎ちゃんの面倒は一生俺が見るって決めてるんだから!譲れないぞ」
夜狩りが終わり、一泊してから帰ろうという事になった。もう亥の刻も近い時間だったが、宿の食事処は席が満杯で活気づいている。
少し遅めの夕食をとりながら、彼らは今日の夜狩りについて学んだことを情報共有し、非常に有意義な時間を過ごしていた。
「違う!譲れと言ってるわけじゃない。雌ロバに子を産ませたい知り合いがいるんだ。お前んとこのロバは雄だろ」
そろそろ寝ようかという頃、金凌が思い出したように林檎について話し始めたのである。
「交尾させろって?まぁ相性が良いなら別にかわまないんだが…」
4167***
「林檎ちゃんを蘭陵のやつに?だめだだめだ!林檎ちゃんの面倒は一生俺が見るって決めてるんだから!譲れないぞ」
夜狩りが終わり、一泊してから帰ろうという事になった。もう亥の刻も近い時間だったが、宿の食事処は席が満杯で活気づいている。
少し遅めの夕食をとりながら、彼らは今日の夜狩りについて学んだことを情報共有し、非常に有意義な時間を過ごしていた。
「違う!譲れと言ってるわけじゃない。雌ロバに子を産ませたい知り合いがいるんだ。お前んとこのロバは雄だろ」
そろそろ寝ようかという頃、金凌が思い出したように林檎について話し始めたのである。
「交尾させろって?まぁ相性が良いなら別にかわまないんだが…」
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MOURNINGやんちゃして叱られる金凌。巻き添えを食らう藍思追。そしてガミガミ叔父さん藍啓仁。
ラストは姑蘇弁藍忘機をお楽しみください。
【君を隠したかった】忘羨金凌と藍思追は正座をしていた。
すでに金凌は江澄にしこたま叱られ、目を赤く腫らして背中を丸くしてうつむいている。
共に叱られてはいるものの、藍思追はさほど悪い事はしてなかった。しかし金凌が雲深不知処でおかしな試みを静観していた為、こうして金凌と共に藍先生からの説教を受けている。
「また猫などを馬鹿げた札で忘機に変化させようとしたら、今度は姑蘇のやり方で罰する。それが宋主だとしても、同じだ。心に刻みなさい」
「はい…」
金凌はもう顔を上げる事ができないほど落ち込んでいた。金凌は午前中、高額な符を購入した。さっそく金凌は符を猫に貼り、変化するかどうかを試したのだ。
金凌が雲深不知処を訪れると、藍思追はあらかじめ文をもらっていた。藍思追が金凌を迎えに行くと、金凌は摩訶不思議な符を自慢し始めたのだ。この符で動物が人間に変化し、従順な手下になると。
3875すでに金凌は江澄にしこたま叱られ、目を赤く腫らして背中を丸くしてうつむいている。
共に叱られてはいるものの、藍思追はさほど悪い事はしてなかった。しかし金凌が雲深不知処でおかしな試みを静観していた為、こうして金凌と共に藍先生からの説教を受けている。
「また猫などを馬鹿げた札で忘機に変化させようとしたら、今度は姑蘇のやり方で罰する。それが宋主だとしても、同じだ。心に刻みなさい」
「はい…」
金凌はもう顔を上げる事ができないほど落ち込んでいた。金凌は午前中、高額な符を購入した。さっそく金凌は符を猫に貼り、変化するかどうかを試したのだ。
金凌が雲深不知処を訪れると、藍思追はあらかじめ文をもらっていた。藍思追が金凌を迎えに行くと、金凌は摩訶不思議な符を自慢し始めたのだ。この符で動物が人間に変化し、従順な手下になると。
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MOURNINGアニそし最終話終了直後の世界線。藍忘機と仲直りをしたいと思っていた魏無羨。白い包みが目に入る。中身を開いて驚いたが、これが藍忘機の趣味ならと意を決して着てみることにした。
チャイナドレス天天***********
アニそし最終話終了直後の世界線
チャイナドレスを着た魏無羨と藍忘機のとあるお話。
生ぬるいですがどうぞお楽しみください。
***********
アニそし最終話終了直後の世界線
チャイナドレスを着た魏無羨と藍忘機のとあるお話。
生ぬるいですがどうぞお楽しみください。
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「あぁいいさ!俺は頑固ものの相手ばっかしてきたからな、そっちがその気なら俺は全然かまわないけど!」
両腕を組んで魏無羨はぷいと藍忘機とは反対の方を向いて頬を膨らませた。魏無羨の大きな声にロバは耳をパタパタと動かす。魏無羨がちらりと藍忘機の様子を伺うと、やはりまったく表情は動いておらず、涼しい顔をしている。
* * *
ゆったりと何日もかけて徒歩で移動し、色んな景色や食べ物を楽しみながらのんびりと姑蘇へ帰っていた。もうすぐ姑蘇へ到着するという所で、魏無羨が林檎ちゃんから降りて藍忘機の進む道を阻める。
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MOURNINGAU忘羨前世の夢を見た魏嬰。藍湛は優しく魏嬰の背中をさすり、落ち着かせた。
―――――――――――――
魏嬰の誕生日を祝うお話です。+オフィスラブ。
誰も死んでない世界←ここ重要
IT社長の藍湛×優秀秘書の魏嬰「‥‥!」
魏嬰は目を覚まし、勢いよく起き上がる。全力で駆け抜けたようにハァハァと息が上がる。隣で眠っていた藍湛が不自然な呼吸音に気づき、体を起こした。魏嬰の様子がおかしい。落ち着かせるように優しく魏嬰を抱き寄せた。
「どうした?」
「は‥‥っは‥‥あれ、ここは‥‥?」
「ここは私と君の寝室だ。何か…悲しい夢でも見たのか?」
「俺のせいで…大切な人が…江家の人たちがたくさん亡くなったんだ…それで、俺は色んな奴から恨まれるようになって…」
魏嬰の涙を指で拭ってやり、抱き寄せた背中をさする。
「なぁ、今はいつだ?みんなは生きてるのか?」
「2021年10月31日。君の誕生日だ」
「…そっか、…そうだった‥‥」
「誰にも恨まれていない。江家は君を大切にしている。そして今日は私達の家族、友人を招いて祝うと決めた。これは覚えている?」
4588魏嬰は目を覚まし、勢いよく起き上がる。全力で駆け抜けたようにハァハァと息が上がる。隣で眠っていた藍湛が不自然な呼吸音に気づき、体を起こした。魏嬰の様子がおかしい。落ち着かせるように優しく魏嬰を抱き寄せた。
「どうした?」
「は‥‥っは‥‥あれ、ここは‥‥?」
「ここは私と君の寝室だ。何か…悲しい夢でも見たのか?」
「俺のせいで…大切な人が…江家の人たちがたくさん亡くなったんだ…それで、俺は色んな奴から恨まれるようになって…」
魏嬰の涙を指で拭ってやり、抱き寄せた背中をさする。
「なぁ、今はいつだ?みんなは生きてるのか?」
「2021年10月31日。君の誕生日だ」
「…そっか、…そうだった‥‥」
「誰にも恨まれていない。江家は君を大切にしている。そして今日は私達の家族、友人を招いて祝うと決めた。これは覚えている?」
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MOURNING※含光君があのまま夷陵老祖と逃避行してたらif →https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18107439の、続きです。
含光君があのまま夷陵老祖と逃避行してたらif 【番外編】「藍湛、俺が死んだらちゃんと金を燃やしてくれよ?それも、大金だ。約束だぞ」
「魏嬰、そんなことは言っては駄目だ」
断崖絶壁の山で、細い道を慎重に歩いていた。ひゅぅぅぅと冷たい風が頬をなでる。この山では不思議な力が働き、修士の力が制限される。
場所によっては霊力は強く抑えられ、御剣もできない。谷底へ落ちればぐしゃりと体は即座に潰れてしまうだろう。道は細く、体はぐらぐらと揺れる。しかし進まなければならない。
「藍湛、落ちたら一貫の終わりだ。もし足を滑らせて一緒に落ちる事になったら…。死ぬ前に口づけをしてくれ…」
魏無羨がウルウルと目に涙を溜めて訴えた。
「わかった。しかし、君は私が守る」
「藍湛…」
「魏嬰…」
「遊んでいないでさっさと来んか!」
5346「魏嬰、そんなことは言っては駄目だ」
断崖絶壁の山で、細い道を慎重に歩いていた。ひゅぅぅぅと冷たい風が頬をなでる。この山では不思議な力が働き、修士の力が制限される。
場所によっては霊力は強く抑えられ、御剣もできない。谷底へ落ちればぐしゃりと体は即座に潰れてしまうだろう。道は細く、体はぐらぐらと揺れる。しかし進まなければならない。
「藍湛、落ちたら一貫の終わりだ。もし足を滑らせて一緒に落ちる事になったら…。死ぬ前に口づけをしてくれ…」
魏無羨がウルウルと目に涙を溜めて訴えた。
「わかった。しかし、君は私が守る」
「藍湛…」
「魏嬰…」
「遊んでいないでさっさと来んか!」
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MOURNING洞穴で魏無羨と阿苑を隠し、守っていた藍忘機。いつまでもこの三人で慎ましく幸せに生きていこうと思っていた―――――。*******
隠れて藍湛と魏嬰が仲良ししてるの、書くの好きなんです・・・・性懲りもなくまた同じパターン書いたな?と思わず、ソッと見逃してやってください・・・。
藍忘機、夷陵老祖を隠す肌を優しく撫でられる感覚がした。
「師…姉…?」
魏無羨は薄く目を開く。橙色の光が目に入り、しぱしぱと瞬いた。火の光のようだ。体を起こし、ぼう…と前を見る。岩がたくさん見えた。パチパチと焚火の音が聞こえる。
「ここ、は」
「気づいたか」
「藍湛…!なぜお前が…」
魏無羨は一体何があったのかと周囲を見回す。ピチョン…と冷たい水が頬に落ちた。どこかの洞穴のようだ。
藍忘機に額を触られ、魏無羨はバッとその手をほどいた。
「失せろ。お前、今の状況をわかっているのか」
できるだけ低い声で、警戒をしながら魏無羨は言った。
自分は大罪を起こした夷陵老祖。金家の夫婦を死に追いやってしまったのだ…。あの群衆の中に藍忘機はいた。藍忘機と自分は敵対する間柄のはずなのだ。陳情を口に充て、攻撃の態勢に入る。
4772「師…姉…?」
魏無羨は薄く目を開く。橙色の光が目に入り、しぱしぱと瞬いた。火の光のようだ。体を起こし、ぼう…と前を見る。岩がたくさん見えた。パチパチと焚火の音が聞こえる。
「ここ、は」
「気づいたか」
「藍湛…!なぜお前が…」
魏無羨は一体何があったのかと周囲を見回す。ピチョン…と冷たい水が頬に落ちた。どこかの洞穴のようだ。
藍忘機に額を触られ、魏無羨はバッとその手をほどいた。
「失せろ。お前、今の状況をわかっているのか」
できるだけ低い声で、警戒をしながら魏無羨は言った。
自分は大罪を起こした夷陵老祖。金家の夫婦を死に追いやってしまったのだ…。あの群衆の中に藍忘機はいた。藍忘機と自分は敵対する間柄のはずなのだ。陳情を口に充て、攻撃の態勢に入る。
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MOURNING含光君の誕生祝をしたいと言い始めた藍思追。藍景儀も参戦し、二人で何を贈ろうか頭を悩ませながら歩いていた。目の前には当の藍忘機が魏無羨と共に先頭で歩いている。聞こえないよう声を抑えてしゃべっていた。一緒に夜狩りに来ていた金凌も加わり、話し合うことになったのだが―――――。藍忘機の誕生日祝いをしよう夜狩りの帰り、藍景儀と藍思追が自分をのけ者にしてヒソヒソと話し合っているのが気に食わなかった。
金凌は二人の間に体を押し込み、声を小さくして聞く。
「お前ら何話してるんだ?」
「含光君の誕生日祝いについての会議です」
「何が一番喜ぶか考えてんの」
「お前らバカか?」
藍景儀がなんだと!と金凌に歯をむき出す。
「ちょっとちょっと、あまり大きな声を出さないで。魏先輩と含光君に聞こえます」
今回は指導する弟子が大勢いた。魏無羨は特に不要だと言ったのだが、藍忘機は心配してついてきていたのだ。
藍思追の顔を見て、二人は少し声を落とす。
「あの含光君が喜ぶものなんか、ひとつしか無いだろ」
「魏先輩を含光君に渡すってか?あの人はもう含光君のものなんだぞ。今更どうやって魏先輩を贈るっていうんだ」
2124金凌は二人の間に体を押し込み、声を小さくして聞く。
「お前ら何話してるんだ?」
「含光君の誕生日祝いについての会議です」
「何が一番喜ぶか考えてんの」
「お前らバカか?」
藍景儀がなんだと!と金凌に歯をむき出す。
「ちょっとちょっと、あまり大きな声を出さないで。魏先輩と含光君に聞こえます」
今回は指導する弟子が大勢いた。魏無羨は特に不要だと言ったのだが、藍忘機は心配してついてきていたのだ。
藍思追の顔を見て、二人は少し声を落とす。
「あの含光君が喜ぶものなんか、ひとつしか無いだろ」
「魏先輩を含光君に渡すってか?あの人はもう含光君のものなんだぞ。今更どうやって魏先輩を贈るっていうんだ」
はるもん🌸
MOURNING弟子達をつれて読狩りの指導に出ていた魏無羨。やっと姑蘇へ戻ってきた彼を藍忘機は見つめていた。すぐにでも話したかったが、魏無羨は何やら弟子達に何かを指導しているようだった。
魏無羨を見ていると、喜怒哀楽がふつふつ湧き出てくる。これまで自分が嘘のように溶けていくのを感じた。
しばらく眺めていると、藍忘機にの視線に気づいたのか急いで彼は来てくれた。
喜怒哀楽はない方が生きやすい楽しい事があればその分落ち込んだ時の落差が激しい。
常に心を静かに保つには、無駄な事は考えず、むやみに物事を口にしない事が原則。
これが、含光君が生きてきた中で学んだ教訓である。
回廊で藍忘機は足を止めた。
遠目から、一点を見つめる。夜狩から帰ったばかりなのか、多少汚れた衣服の弟子達と魏無羨がいた。先頭にいた魏無羨は後ろを振り向き、子ども達に先に着替えて身を綺麗にしてから指定した部屋に来るようにと指示をする。
皆が去ったのを確認した彼はくるりと身を翻し、藍忘機の所へ向かって走り、飛んだ。スタッ、と華麗にちょうど藍忘機の目の前に着地した彼は、ツイと人差し指で含光君のあごをなぞる。
「そんなに熱い視線を投げられると、いたずらしたくなるな」
1193常に心を静かに保つには、無駄な事は考えず、むやみに物事を口にしない事が原則。
これが、含光君が生きてきた中で学んだ教訓である。
回廊で藍忘機は足を止めた。
遠目から、一点を見つめる。夜狩から帰ったばかりなのか、多少汚れた衣服の弟子達と魏無羨がいた。先頭にいた魏無羨は後ろを振り向き、子ども達に先に着替えて身を綺麗にしてから指定した部屋に来るようにと指示をする。
皆が去ったのを確認した彼はくるりと身を翻し、藍忘機の所へ向かって走り、飛んだ。スタッ、と華麗にちょうど藍忘機の目の前に着地した彼は、ツイと人差し指で含光君のあごをなぞる。
「そんなに熱い視線を投げられると、いたずらしたくなるな」
はるもん🌸
MOURNING今日も家訓をやぶって藍忘機に口づけをしている場所を発見してしまった藍啓仁。当初は同様で血を吐くほどだったが、もう見慣れて今はため息しか出ない。刹那、今は亡き江楓眠の言葉を思い出す。魏無羨はそういう人間なのだと。そんなことは藍啓仁には関係がない事だ。今日も彼は彼の正義のために説教をする――――――――。かわいい子には旅をさせろかわいい子には旅をさせろ。若い頃、国外から来た客人にそんなことわざがあると教わった。
弟子は皆可愛く思う。その中でも、藍忘機には才能を感じ、早くから様々な夜狩に向かわせた。
その結果、どうなったか。
丹精込めて育て上げ、特に気に入っていた弟子は得たいの知れない人間なのか魔なのかよくわからない奴に惑わされてしまった。未だに二人の仲をよくは思っていない。いつか藍忘機が魏無羨に飽きてくれればいいのにとさえ思っている。
しかしそんな日は来ないだろう事はわかっていた。
藍忘機の執着心は父親にソックリなのだ。
そしてもう一つ、藍啓仁は理解している事がある。表向きは魏無羨が藍忘機を惑わしたように見えるが、実際は違う。
魏無羨は昔から美しい女性が好きだったという噂はかねがね聞いていた。
847弟子は皆可愛く思う。その中でも、藍忘機には才能を感じ、早くから様々な夜狩に向かわせた。
その結果、どうなったか。
丹精込めて育て上げ、特に気に入っていた弟子は得たいの知れない人間なのか魔なのかよくわからない奴に惑わされてしまった。未だに二人の仲をよくは思っていない。いつか藍忘機が魏無羨に飽きてくれればいいのにとさえ思っている。
しかしそんな日は来ないだろう事はわかっていた。
藍忘機の執着心は父親にソックリなのだ。
そしてもう一つ、藍啓仁は理解している事がある。表向きは魏無羨が藍忘機を惑わしたように見えるが、実際は違う。
魏無羨は昔から美しい女性が好きだったという噂はかねがね聞いていた。
はるもん🌸
MOURNING幸せな日々が続いている今。藍忘機はゆったりと流れる時間の中で幸せをかみしめていた。長く焦がれていた相手が手元にいる。それも気持ちよさそうに。これ以上の幸せはなかった――――――。幸福「藍湛、今日はえらくご機嫌だな」
あたりはすっかり暗い。しかし眠るにはまだ早い時間帯だ。
藍忘機はサラサラと彼の髪を手ですいていた。魏無羨は寝台に座る藍忘機の胸に頬をあて、目を閉じて夫の好きなようにさせている。
顔をあげてみると、珍しく口元を弧にする藍忘機がいた。これは相当、何かいいことがあったのではと魏無羨は声をかけた。藍忘機は首をかしげる。
「機嫌が良いように、見えるか?」
「ああ。今夜は特に。今すごく気分が良いんだろう?」
「そう見えるなら、そうなのだろう」
確かに気分は良かったのだ。
「もう昔のように」
「昔のように?」
「昔のように、君の顔を思い出して眠らずに済む」
きゅ、と魏無羨は口を引き結ぶ。そしてめったに恥ずかしがらない彼の顔が赤くなった。
559あたりはすっかり暗い。しかし眠るにはまだ早い時間帯だ。
藍忘機はサラサラと彼の髪を手ですいていた。魏無羨は寝台に座る藍忘機の胸に頬をあて、目を閉じて夫の好きなようにさせている。
顔をあげてみると、珍しく口元を弧にする藍忘機がいた。これは相当、何かいいことがあったのではと魏無羨は声をかけた。藍忘機は首をかしげる。
「機嫌が良いように、見えるか?」
「ああ。今夜は特に。今すごく気分が良いんだろう?」
「そう見えるなら、そうなのだろう」
確かに気分は良かったのだ。
「もう昔のように」
「昔のように?」
「昔のように、君の顔を思い出して眠らずに済む」
きゅ、と魏無羨は口を引き結ぶ。そしてめったに恥ずかしがらない彼の顔が赤くなった。
はるもん🌸
MOURNING「今、誰かが私を呼ぶ声がした。魏嬰、君か?」月夜を見上げ、藍忘機は遠い昔に見たかわいらしい笑顔を思い出していた。そんな独り言をつぶやいたことがあった。魏無羨がいなかった時間があまりにも長すぎた。
そのせいか、今ある幸せが、まるで嘘のように感じる瞬間があるのだ――――――――。
あなたがここにいる『魏嬰、なぜ君が死ななければいけなかったのだ…』
背中の痛みよりも、胸の痛みがこたえた。冷泉でどれだけつかろうとも、癒える事はない。
兄が「時がたてば忘れ行くだろう」と言いに来てくれた事がある。
されど、その日は来なかった。
師弟が大きくなっていく様を感じ取るたび、時間の経過を感じる。
かつて子供だった彼がはしゃいでいた姑蘇の山道を歩いては魏無羨の笑い声を思い出す。なぜ一緒に遊びに出かけなかったのだろうと後悔しても、もう遅い。
彼はあんなにも自分を気にかけてくれていたのに。愛しさは増すばかりだった。会いたくて、愛しくて、つらかった。
「――――――ッ」
藍忘機は息を少しみだしつつ目を開けた。
体にずしりとした重みを感じる。魏無羨だ。むにゃむにゃと自分の髪の毛を口に入れて何か言っている。力加減を忘れてつい、強く抱きしめてしまった。
702背中の痛みよりも、胸の痛みがこたえた。冷泉でどれだけつかろうとも、癒える事はない。
兄が「時がたてば忘れ行くだろう」と言いに来てくれた事がある。
されど、その日は来なかった。
師弟が大きくなっていく様を感じ取るたび、時間の経過を感じる。
かつて子供だった彼がはしゃいでいた姑蘇の山道を歩いては魏無羨の笑い声を思い出す。なぜ一緒に遊びに出かけなかったのだろうと後悔しても、もう遅い。
彼はあんなにも自分を気にかけてくれていたのに。愛しさは増すばかりだった。会いたくて、愛しくて、つらかった。
「――――――ッ」
藍忘機は息を少しみだしつつ目を開けた。
体にずしりとした重みを感じる。魏無羨だ。むにゃむにゃと自分の髪の毛を口に入れて何か言っている。力加減を忘れてつい、強く抱きしめてしまった。
はるもん🌸
MOURNING酒を飲んでは記憶が飛ぶ。魏無羨は誰かと酒を飲むのが好きだ。藍忘機は沢蕪君から術を教わる事にした――――。あなたのために魏無羨は目を見張った。
なんと琴を練習するために設けられた部屋で、藍思追と藍景儀が堂々と天子笑を膝に乗せ「飲むの楽しみだな」「ふふ、そうだね」などと談笑しているのだ。
魏無羨を見つけた藍景儀が手を振って呼びかける。
「魏先輩!先輩も一緒にどうですか?」
酒の席を断るはずのない酒豪の彼は目をぱちくりさせ、左右に誰もいない事を確かめて部屋に入る。
「お前ら…いいのか?」
視線は酒壺に釘付けだ。
「藍先生の許可はもらってるから大丈夫なんだ」
藍啓仁の頭がおかしくなったのか、いや、正常になったのだろうかと魏無羨は考える。
「コレにはワケがあるんです」
藍思追が事情を話した。
20歳を超えた藍景儀と藍思追は所用で沢蕪君の付き添いとして清談会への出席する機会が多くなっている。そして同時に蘭陵金氏の老人達に無理やり酒を勧められる機会も多くなった。酒を断ると、酔っぱらった彼らは問答無用で剣を抜いてくる事があるのだ。
1318なんと琴を練習するために設けられた部屋で、藍思追と藍景儀が堂々と天子笑を膝に乗せ「飲むの楽しみだな」「ふふ、そうだね」などと談笑しているのだ。
魏無羨を見つけた藍景儀が手を振って呼びかける。
「魏先輩!先輩も一緒にどうですか?」
酒の席を断るはずのない酒豪の彼は目をぱちくりさせ、左右に誰もいない事を確かめて部屋に入る。
「お前ら…いいのか?」
視線は酒壺に釘付けだ。
「藍先生の許可はもらってるから大丈夫なんだ」
藍啓仁の頭がおかしくなったのか、いや、正常になったのだろうかと魏無羨は考える。
「コレにはワケがあるんです」
藍思追が事情を話した。
20歳を超えた藍景儀と藍思追は所用で沢蕪君の付き添いとして清談会への出席する機会が多くなっている。そして同時に蘭陵金氏の老人達に無理やり酒を勧められる機会も多くなった。酒を断ると、酔っぱらった彼らは問答無用で剣を抜いてくる事があるのだ。
はるもん🌸
MOURNING※ハッピーエンドしか書きません※「藍湛、藍忘機!なんで俺より先に死ぬんだよ…!」
冷えた体を抱きしめ、魏無羨は涙が枯れるほど泣いた。
それから数日後、固くなった遺体から離れようとしない彼の為に、藍啓仁は琴を置いた。魂を呼ぶ旋律だ。
ごめんもありがとうも、今だけは「藍湛、藍忘機!なんで俺より先に死ぬんだよ…!」
冷えた体を抱きしめ、魏無羨は涙が枯れるほど泣いた。
それから数日後、固くなった遺体から離れようとしない彼の為に、藍啓仁は琴を置いた。魂を呼ぶ旋律だ。
「藍先生…?」
食事をしようとしない魏無羨の体はやせ細り、衰弱していた。
「魏嬰、忘機の声を伝える」
「え…」
魏無羨は空を仰いだ。どこにも藍忘機の声は聞こえない。姿さえも見えない。
「ど、どこにいるんだ?藍湛はどこに…!」
「見えないだけだ。すぐそばにいる」
藍啓仁は二音の音を奏でた。すぐに数音の音が返ってくる。
「食べて、養生をするように」
夫らしい言葉を聞いて、魏無羨はボロ、と涙が出る。
「ごめん、藍湛。俺、ちゃんと食べるよ」
1373冷えた体を抱きしめ、魏無羨は涙が枯れるほど泣いた。
それから数日後、固くなった遺体から離れようとしない彼の為に、藍啓仁は琴を置いた。魂を呼ぶ旋律だ。
「藍先生…?」
食事をしようとしない魏無羨の体はやせ細り、衰弱していた。
「魏嬰、忘機の声を伝える」
「え…」
魏無羨は空を仰いだ。どこにも藍忘機の声は聞こえない。姿さえも見えない。
「ど、どこにいるんだ?藍湛はどこに…!」
「見えないだけだ。すぐそばにいる」
藍啓仁は二音の音を奏でた。すぐに数音の音が返ってくる。
「食べて、養生をするように」
夫らしい言葉を聞いて、魏無羨はボロ、と涙が出る。
「ごめん、藍湛。俺、ちゃんと食べるよ」
はるもん🌸
MOURNING含光君は他人にも自分にも厳しい。そんな含光君にも笑いのツボが存在した。 今日も修行に励む二人の弟子は雑談をしていた。含光君は笑ったことがあるのかと。ぜったいないだろうと言い合っていたら、含光君の道侶、魏無羨が割り込んできた――――――。藍忘機の笑うツボ今日は外で琴を練習する日だ。空に向かって衝撃波を連打する。数回打つだけで藍思追と藍景儀はヘトヘトになってしまった。休憩の合間に、二人は藍啓仁の目を盗んで雑談をしていた。
含光君が笑うところなんて見た事ない。そんな話を二人の弟子達が話すものだから、なんとなくついてきていた魏無羨も間に割り込んで言った。
「藍湛はけっこう笑うぞ」
「嘘だ。いつも厳しいお顔をされているじゃないですか」
藍景儀の反論に魏無羨は「じゃあ見てろよ」と言って、琴を弾いている藍忘機に駈け寄った。
「藍湛、藍湛、こっち向いて」
琴に手を置き、音を止めた藍忘機は静かに魏無羨の方を向く。
「なんだ?」
魏無羨がにぱっと笑って言った。魏無羨が来てからというもの、藍忘機の表情は幾分か優しくなっていることに弟子達は気づいていた。しかしそれはほほ笑みからは程遠いものだ。ぜったいに藍忘機を笑わせる事などできはしない。わかりきってはいたが、目を離せずに弟子達は魏無羨を見守る。
643含光君が笑うところなんて見た事ない。そんな話を二人の弟子達が話すものだから、なんとなくついてきていた魏無羨も間に割り込んで言った。
「藍湛はけっこう笑うぞ」
「嘘だ。いつも厳しいお顔をされているじゃないですか」
藍景儀の反論に魏無羨は「じゃあ見てろよ」と言って、琴を弾いている藍忘機に駈け寄った。
「藍湛、藍湛、こっち向いて」
琴に手を置き、音を止めた藍忘機は静かに魏無羨の方を向く。
「なんだ?」
魏無羨がにぱっと笑って言った。魏無羨が来てからというもの、藍忘機の表情は幾分か優しくなっていることに弟子達は気づいていた。しかしそれはほほ笑みからは程遠いものだ。ぜったいに藍忘機を笑わせる事などできはしない。わかりきってはいたが、目を離せずに弟子達は魏無羨を見守る。
はるもん🌸
MOURNING※捏造設定おセッセしまくると相手に霊力が溜まるという設定ですが健全です
天賦の才――この体は弱い。そう、思っていた。
* * *
夜狩りの指導の際、魏無羨は琴を使って攻撃をするように指示をする機会がある。
実のところ魏無羨は藍家の琴が放つ攻撃の威力というのをいまいち把握していない。琴で衝撃波を放つ時の基本を知れば子供たちに何かいい助言をしてやれるかもしれないと魏無羨は考えた。
特にやることもなかったというのが一番の理由なのだが、琴の練習に付き合わせてほしいと藍啓仁に願い出てみた。自分の考えを伝えると、思っていたよりも簡単に同行の許可を得ることができた。「遊びではないぞ」と一言忠告は受けたが、理由があるのであればむやみに藍啓仁は魏無羨を邪険にはしない。
岩の上に琴を置いてポロロンと音を鳴らしてみる。美しい音色が響き、魏先輩は琴も弾けるんですね、などと褒められた。ふふんと魏無羨は鼻を高くするものの、皆のように重力を使った攻撃波を打つことができないので少し肩を落とす。
1945* * *
夜狩りの指導の際、魏無羨は琴を使って攻撃をするように指示をする機会がある。
実のところ魏無羨は藍家の琴が放つ攻撃の威力というのをいまいち把握していない。琴で衝撃波を放つ時の基本を知れば子供たちに何かいい助言をしてやれるかもしれないと魏無羨は考えた。
特にやることもなかったというのが一番の理由なのだが、琴の練習に付き合わせてほしいと藍啓仁に願い出てみた。自分の考えを伝えると、思っていたよりも簡単に同行の許可を得ることができた。「遊びではないぞ」と一言忠告は受けたが、理由があるのであればむやみに藍啓仁は魏無羨を邪険にはしない。
岩の上に琴を置いてポロロンと音を鳴らしてみる。美しい音色が響き、魏先輩は琴も弾けるんですね、などと褒められた。ふふんと魏無羨は鼻を高くするものの、皆のように重力を使った攻撃波を打つことができないので少し肩を落とす。
はるもん🌸
MOURNINGまだ魏無羨は弟子たちを引きつれたまま帰ってこない。泊まり込みになると聞いてはいた。魏無羨が不在になってから二日目の午後、気づけば魏無羨の事ばかり考えている。なかなか家業に集中できずにいる自分に気づき、冷泉で少し頭を冷やそうと考えた。冷泉に体を落とし、心が落ち着いてもやはり頭に魏無羨がよぎる。あの笑顔を思いだすと、自然と胸がじんわりとあたたまる。愛しい。そう思った時、一つの旋律が藍忘機に流れた―――藍忘機の鼻歌「…~♪」
魏無羨は耳を疑った。
(まさか藍湛の…鼻歌?!)
いてもたってもいられなくなった。彼は急いで服を脱ぎ、ザブンと冷泉に入る。
* * *
今回の夜狩りの監督は大変だった。新参者の姑蘇の弟子が複数いて、それぞれ腰を抜かしそうになったり手が震えるものがいたりしたのだ。
「俺が14歳だったころはもっと男らしかったぞ」などとぼやきながら静室に戻ろうとしていたその時、
曲がり角でばったりと藍思追と遭遇した。
「魏先輩」
「思追、どこにいくんだ?さっき帰ってきたばっかなんだからヘトヘトだろう。なんだその本の量」
「夜狩りでの魏先輩を見ていたら、まだまだだなと思いまして」
「それで、その量の本を今から読むのか?やめろやめろ。勉強なんて寝てからやれ」
1843魏無羨は耳を疑った。
(まさか藍湛の…鼻歌?!)
いてもたってもいられなくなった。彼は急いで服を脱ぎ、ザブンと冷泉に入る。
* * *
今回の夜狩りの監督は大変だった。新参者の姑蘇の弟子が複数いて、それぞれ腰を抜かしそうになったり手が震えるものがいたりしたのだ。
「俺が14歳だったころはもっと男らしかったぞ」などとぼやきながら静室に戻ろうとしていたその時、
曲がり角でばったりと藍思追と遭遇した。
「魏先輩」
「思追、どこにいくんだ?さっき帰ってきたばっかなんだからヘトヘトだろう。なんだその本の量」
「夜狩りでの魏先輩を見ていたら、まだまだだなと思いまして」
「それで、その量の本を今から読むのか?やめろやめろ。勉強なんて寝てからやれ」
はるもん🌸
MOURNING魏無羨がニヤニヤしながら嗅がせてきたのは、いつしか見た事のある見た目がおかしい香炉。眠る前から怪しい展開になるだろうことはわかっていたが、まさかこの時の夢を見るとは思わず、数回ほど藍忘機は目を瞬かせた。香炉 初めての口づけ―――これは、夢か。
魏無羨が目隠しをしたまま笛を吹いている。自分はそれを眩しそうに見ていた。どうせ気づかれない、気づかれてもこれは夢。そう思い、藍忘機は昔と同じように木の上にいる魏無羨の元へと足を運ばせた。いつしかの夜狩りの帰りに、見知らぬ夫婦が木陰で深い口づけをしているのを見かけた。
好きなもの同士なら、ああやって愛し合うのかと学んだ。
そして魏無羨と同じ事がしたいという欲を感じた。
魏無羨に初めて口づけをしかけた時、あの夫婦のそれを真似た。目を隠しをしたまま的(マト)に矢を放った時の魏無羨は本当に美しく見えた。あれは私のもだと印をつけたくなるほどに。
笛の音が聞こえた瞬間、霊獣を狩る事よりも魏無羨の傍にいたいという欲求が強まった。そっと遠くから眺めるつもりだったが、風を感じて気持ち良さそうにしている無防備な彼を目前に我慢をする事ができなかった。もうすでに自分たちは道侶。今襲わなくても毎晩これでもかと愛し合っている。しかしこの瞬間、藍忘機はあの時の劣情がまざまざと蘇り、気づけば彼の手首を抑えて口づけていた。それも無理やり。
1378魏無羨が目隠しをしたまま笛を吹いている。自分はそれを眩しそうに見ていた。どうせ気づかれない、気づかれてもこれは夢。そう思い、藍忘機は昔と同じように木の上にいる魏無羨の元へと足を運ばせた。いつしかの夜狩りの帰りに、見知らぬ夫婦が木陰で深い口づけをしているのを見かけた。
好きなもの同士なら、ああやって愛し合うのかと学んだ。
そして魏無羨と同じ事がしたいという欲を感じた。
魏無羨に初めて口づけをしかけた時、あの夫婦のそれを真似た。目を隠しをしたまま的(マト)に矢を放った時の魏無羨は本当に美しく見えた。あれは私のもだと印をつけたくなるほどに。
笛の音が聞こえた瞬間、霊獣を狩る事よりも魏無羨の傍にいたいという欲求が強まった。そっと遠くから眺めるつもりだったが、風を感じて気持ち良さそうにしている無防備な彼を目前に我慢をする事ができなかった。もうすでに自分たちは道侶。今襲わなくても毎晩これでもかと愛し合っている。しかしこの瞬間、藍忘機はあの時の劣情がまざまざと蘇り、気づけば彼の手首を抑えて口づけていた。それも無理やり。
はるもん🌸
MOURNING金丹の核を生み出す秘術が藍家にあるif「生まれ生まれて死に死に死んでいゆく。そうやって人は転生していくんだ。俺が万が一死んでも、それは天命って事で受け入れるよ」
含光君×夷陵老祖「姑蘇へ帰ろう。そうすれば、君の体の…」
藍忘機が最後まで言い終わる前に、魏無羨は言う。
「生まれ生まれて死に死に死んでいゆく。そうやって人は転生していくんだ。俺が万が一死んでも、それは天命って事で受け入れるよ」
邪に侵された者の末路は死。藍忘機は魏無羨が魔に魅入られないよう、親切にも姑蘇で清心音を奏でると毎日言いに来てくれるのだ。はじめのうちは金丹を無くした情けない自分を知られたくなくて突き放していた。しかしこうして頻繁に藍忘機が来てくれる事から、だんだんと彼に心を許すようになっていった
「藍湛、俺さ、金丹が無いんだ」
「…?」
藍忘機になら、もうすべて言ってもいいと思った。話し終わったあと、藍忘機は目を閉じ、きつく眉を寄せていた。
1146藍忘機が最後まで言い終わる前に、魏無羨は言う。
「生まれ生まれて死に死に死んでいゆく。そうやって人は転生していくんだ。俺が万が一死んでも、それは天命って事で受け入れるよ」
邪に侵された者の末路は死。藍忘機は魏無羨が魔に魅入られないよう、親切にも姑蘇で清心音を奏でると毎日言いに来てくれるのだ。はじめのうちは金丹を無くした情けない自分を知られたくなくて突き放していた。しかしこうして頻繁に藍忘機が来てくれる事から、だんだんと彼に心を許すようになっていった
「藍湛、俺さ、金丹が無いんだ」
「…?」
藍忘機になら、もうすべて言ってもいいと思った。話し終わったあと、藍忘機は目を閉じ、きつく眉を寄せていた。
はるもん🌸
MOURNING散歩してたら運命の相手を発見した魏嬰とその運命の相手、藍湛との恋の始まりのお話。※魏嬰が犬克服してます注意
転生後の彼ら 天気の良い昼下がり。まだ朝早くではあるが、今日も夷陵の公園には人が集まる。ある人はコーヒーを片手に森林のような木々を眺めて歩き、またある人は柔らかい芝生の上にシートを敷いて寝そべっている。実に気持ち良さそうだ。
夷陵の公園は広い。端から端まで歩くと1時間はかかる広さだ。ペットのお散歩にはもってこい。そこに髪を高く結った、活発そうな美青年が歩いている。そして彼と共に歩いてるのは真っ白なチワワ。道行く人、犬、鳥などに見境なくキャンキャンと吠えている。
「こら~、江澄、そこの犬が怯えてるだろ。吠えるのヤメロって」
江澄の頭を撫でてなだめてやる。すると、まだグルル…とは唸るものの、大人しくなった。
「そうそう。良い子にしてな」
4280夷陵の公園は広い。端から端まで歩くと1時間はかかる広さだ。ペットのお散歩にはもってこい。そこに髪を高く結った、活発そうな美青年が歩いている。そして彼と共に歩いてるのは真っ白なチワワ。道行く人、犬、鳥などに見境なくキャンキャンと吠えている。
「こら~、江澄、そこの犬が怯えてるだろ。吠えるのヤメロって」
江澄の頭を撫でてなだめてやる。すると、まだグルル…とは唸るものの、大人しくなった。
「そうそう。良い子にしてな」
はるもん🌸
MOURNING金凌が生き埋めになって助かった直後、江澄につかまった魏嬰がもし逃げるのに藍湛を利用してたらif 実は俺、含光君と親しい仲なんだ「俺は莫玄羽だ。魏無羨なんかじゃないし、それに藍湛ととっても親しい仲だ。お前がもし俺を殺せば藍湛が黙ってないぞ。藍家と江家の戦争が始まるかもな?」
江澄はまるきり無視は出来なかった。なぜなら莫玄羽…魏無羨に対する藍忘機の態度に、異様なものを感じ取っていたからだ。
「いいだろう。証明できるなら、その話信じてやってもいい」
すぐに江家の門弟を使い藍忘機を呼び寄せた。経緯を説明し、状況を理解した藍忘機は頷いた。
「藍の二の若様が嘘をつけない事は承知している。さて藍忘機、本当にその男と恋仲なのか。答えろ!」
江澄の荒々しい怒声に、魏無羨はあきらめとも似た笑いを浮かべる。
「…恋仲ではない」
江澄は勝ち誇ったように魏無羨を見る。魏無羨もわかっていた。藍忘機が嘘をつけない事くらい。
1009江澄はまるきり無視は出来なかった。なぜなら莫玄羽…魏無羨に対する藍忘機の態度に、異様なものを感じ取っていたからだ。
「いいだろう。証明できるなら、その話信じてやってもいい」
すぐに江家の門弟を使い藍忘機を呼び寄せた。経緯を説明し、状況を理解した藍忘機は頷いた。
「藍の二の若様が嘘をつけない事は承知している。さて藍忘機、本当にその男と恋仲なのか。答えろ!」
江澄の荒々しい怒声に、魏無羨はあきらめとも似た笑いを浮かべる。
「…恋仲ではない」
江澄は勝ち誇ったように魏無羨を見る。魏無羨もわかっていた。藍忘機が嘘をつけない事くらい。
はるもん🌸
MOURNING忘羨中学生パロ。私立岐山中学校。語学、数学、体育の他に妖魔退治の授業を行っている学校だよ。藍忘機の片思いここは私立岐山温中学校。偏差値平均90以上のとてもレベルの高い中学校だよ。校長先生に大金を渡せば入学できちゃうのでたまに変なやつもいるけど、だいたいはとってもかしこい子たちが在籍しているんだ。
おや?3年1組のクラスの前で額に抹額を巻いた少年がいるよ?
少し見てみようか。
「魏嬰…」
彼の名前は藍湛。やんちゃで元気な魏嬰に片思いをしているよ。お昼を一緒に食べようと、教室の前で待っているみたいだね。今日の藍湛は積極的だ!
* * *
教室に入ってきた藍湛を見て魏嬰がびっくりしているよ。
「魏嬰」
「あ、藍湛!今からごはんか?」
「うん」
「どうした?いつもの仲間は?」
藍湛は姑蘇藍氏のリーダー的存在。いつも周りには彼を慕う後輩がいるのに、今日の藍湛は一人きり。
1203おや?3年1組のクラスの前で額に抹額を巻いた少年がいるよ?
少し見てみようか。
「魏嬰…」
彼の名前は藍湛。やんちゃで元気な魏嬰に片思いをしているよ。お昼を一緒に食べようと、教室の前で待っているみたいだね。今日の藍湛は積極的だ!
* * *
教室に入ってきた藍湛を見て魏嬰がびっくりしているよ。
「魏嬰」
「あ、藍湛!今からごはんか?」
「うん」
「どうした?いつもの仲間は?」
藍湛は姑蘇藍氏のリーダー的存在。いつも周りには彼を慕う後輩がいるのに、今日の藍湛は一人きり。
あんとろ
DONE魏嬰が毒きのこに犯されちゃう話pixiv「きのこは食べちゃだめ」番外編
魔道祖師オンライン交流会6
白兎お32022/7/2展示
キノコの気持ち 俺様はキノコ!毒キノコ!人間の孔が大好物だ!
ふふっ。俺様はなんて幸運なんだろう!
この日、俺はこの世のものとは思えない素晴らしい孔、宿主に出逢った。よく使い込まれているのか、そいつの尻は大変柔らかく居心地が良い。あまりに居心地がいいので、感謝を込めて内壁を撫でまわしてやると、媚肉が蠢いて歓迎してくれた。これはいい反応だ。なんて感度のいい孔なんだ!俺は感動して胞子を飛ばした。
「ああっ!なんか入ってきた!おくにしみてっ、ひあっ……あ、だめっ。なんか、あぁ、ゾクゾクしちゃ……っ!」
俺の胞子は催淫効果のある液体で、体内に撒かれると射精中枢が大いに反応し精巣を刺激する。染み渡れば忽ち俺の虜になっちまう。俺はすっかりぐずぐずにふやけた媚肉を刺激して、沢山擦ってやった。どうやら俺を手助けしてくれる奴がいるようで、俺が動かなくともそつは勝手に粋った。
2102ふふっ。俺様はなんて幸運なんだろう!
この日、俺はこの世のものとは思えない素晴らしい孔、宿主に出逢った。よく使い込まれているのか、そいつの尻は大変柔らかく居心地が良い。あまりに居心地がいいので、感謝を込めて内壁を撫でまわしてやると、媚肉が蠢いて歓迎してくれた。これはいい反応だ。なんて感度のいい孔なんだ!俺は感動して胞子を飛ばした。
「ああっ!なんか入ってきた!おくにしみてっ、ひあっ……あ、だめっ。なんか、あぁ、ゾクゾクしちゃ……っ!」
俺の胞子は催淫効果のある液体で、体内に撒かれると射精中枢が大いに反応し精巣を刺激する。染み渡れば忽ち俺の虜になっちまう。俺はすっかりぐずぐずにふやけた媚肉を刺激して、沢山擦ってやった。どうやら俺を手助けしてくれる奴がいるようで、俺が動かなくともそつは勝手に粋った。
あんとろ
DONEはやて丸さんのイラストを勝手にお借りして、短いですが文章を添えさせて頂きました。 しんみりほっこり有難うございます💕2022/1/14(7/4移設)
君が居ないと寂しい「あ~寒い」
両手を擦り合わせ、口元に持って行くとはあ~と息を吹きかける。ほんのり温まった手を揉みながら空を見た。
白い粉雪が降りてくるのに、また息を吐く。水蒸気となって霧散する様子に、身を震わせた。
「雪か」
どおりで寒い訳だ。
「早く帰らないと」
藍湛が心配する。今日は一人で麓の彩衣鎮へと下りて来ていた。本当は二人で出かける予定であったが、仙督に急な仕事が入ってしまい流れてしまった。藍湛は心底すまなそうな表情でいたが、俺は笑って言った。
「いいよ。気にするな、また日を改めて一緒に行こう」
手を振って藍湛を見送った。
「さて」
一人になってしまったなと思い、今日一日何をして過ごそうかと思案する。久々の二人の時間に、一人での過ごし方は考えていなかった。
1439両手を擦り合わせ、口元に持って行くとはあ~と息を吹きかける。ほんのり温まった手を揉みながら空を見た。
白い粉雪が降りてくるのに、また息を吐く。水蒸気となって霧散する様子に、身を震わせた。
「雪か」
どおりで寒い訳だ。
「早く帰らないと」
藍湛が心配する。今日は一人で麓の彩衣鎮へと下りて来ていた。本当は二人で出かける予定であったが、仙督に急な仕事が入ってしまい流れてしまった。藍湛は心底すまなそうな表情でいたが、俺は笑って言った。
「いいよ。気にするな、また日を改めて一緒に行こう」
手を振って藍湛を見送った。
「さて」
一人になってしまったなと思い、今日一日何をして過ごそうかと思案する。久々の二人の時間に、一人での過ごし方は考えていなかった。
西村ルル
PROGRESS⚠️魏無羨女体化注意⚠️pixivで公開中の『藍忘機少年はそれを我慢できない 前編~問題児の秘密~』https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17621574の後編の進行状況です。
ここから先がなかなか進みません😭 1405
西村ルル
CAN’T MAKE⚠️藍忘機女体化注意⚠️ちょっとマニア向き?なバンドAU。
わかる人にしかわからん専門用語だらけですみません。
いつか書きたいけどいまは書けない😂
清楚なお嬢様バンギャ藍忘機♀(ふたなり)×コテコテV系バンドのヴォーカル魏無羨♂(童貞)
※バンギャ=V系バンドファンの女性。
※繋がり=バンドマンと個人的に繋がってる人。
※狙いギャ=繋がりたくてバンドマンを狙う人。 1848
enbi1024
DONEpixivから転載。MDZS交流会5でネップリにしていたものです。魏嬰の誕生日の話。「お前に呪いをくれてやる」と同一軸です。
散々な一日 バタバタと誰かが走る音がする。緊急事態だろうか。寝そべりながら書を眺めていた魏無羨は、あまりの慌ただしさに身を起こしながら気を引き締めた。「廊下は走るべからず」の家規に則って、藍氏の者はよほどのことでも走らない。それがこんなにも音を立てて走っているのだから、きっととんでもないことが起こっているのだろう。こちらに向かってきているであろう弟子の姿を想像しながら、魏無羨は険しい顔つきで扉を引いた。
そこには確かに姑蘇藍氏の校服を纏った人物がいたけれど、今はいるはずのない人物が立っていた。
「藍湛」
仙門百家で行われる夜狩に監督役として参加するため、藍忘機は明日まで不在のはずだ。どうしてと思い、それほどの緊急事態なのかと息を飲む。普段、夫夫で睦み合う時以外は髪一つ乱すことがないのに、今は息が乱れているし抹額も心なしか曲がっている。どれだけの邪祟が現れたらこんなにも取り乱した様相になるのだろう。何を言われても驚かないという覚悟をもって藍忘機からの言葉を待つ。
3565そこには確かに姑蘇藍氏の校服を纏った人物がいたけれど、今はいるはずのない人物が立っていた。
「藍湛」
仙門百家で行われる夜狩に監督役として参加するため、藍忘機は明日まで不在のはずだ。どうしてと思い、それほどの緊急事態なのかと息を飲む。普段、夫夫で睦み合う時以外は髪一つ乱すことがないのに、今は息が乱れているし抹額も心なしか曲がっている。どれだけの邪祟が現れたらこんなにも取り乱した様相になるのだろう。何を言われても驚かないという覚悟をもって藍忘機からの言葉を待つ。
enbi1024
DONEpixivから転載。本人と江澄だけが知っている魏嬰の生まれた日の話。忘羨ベースの江澄視点。
お前に呪いをくれてやる「明日は道侶殿の誕生日だろう? 道侶思いの貴殿のことだから、当日に祝いたいに違いないと思ったんだが。違うのか?」
色の白い肌がいつにも増して白くなっていく。江澄の目の前にいる男は、初対面の人間でも一目で顔色が悪いとわかるほどにみるみる青ざめていった。いつも余裕綽々な顔をしている人物のらしくない姿に、ほんの少し胸がスッとする。精々慌てふためいて、右往左往すればいい。道侶になったことに浮かれているからこんなことになるのだ。
これは八つ当たりだ。人の気も知らないで幸せな毎日を過ごしているくせに、肝心なところをひた隠しにしようとしている愚か者への、ほんのささやかな嫌がらせ。
(精々肩身の狭い思いをするんだな)
8825色の白い肌がいつにも増して白くなっていく。江澄の目の前にいる男は、初対面の人間でも一目で顔色が悪いとわかるほどにみるみる青ざめていった。いつも余裕綽々な顔をしている人物のらしくない姿に、ほんの少し胸がスッとする。精々慌てふためいて、右往左往すればいい。道侶になったことに浮かれているからこんなことになるのだ。
これは八つ当たりだ。人の気も知らないで幸せな毎日を過ごしているくせに、肝心なところをひた隠しにしようとしている愚か者への、ほんのささやかな嫌がらせ。
(精々肩身の狭い思いをするんだな)
CocoKujyaku
DONE7/3 MDZS交流会6 黒兎 展示小説少年の頃の魏無羨の話を江澄から聞き出した金凌は、仲のいい藍思追と藍景儀に話ていた。
双傑二人の過去話を捏造錬成しました。
お前たち、今日は魚だ! 『お前たち、今日は魚だ!』
「魏無羨ッ!」
ギラギラと、憎く思うほど太陽が照りつける中、雲夢江氏の江晩吟は剣を片手に水中へと飛び込んだ。
時は少し遡る——。
江氏の宗主、江澄の父親で魏無羨の義父である江楓眠から、川で水鬼の被害が増えているため、討伐を頼まれた。訓練ばかりで、夏の暑さにも辟易していたところに、久しぶりの夜狩とあって江澄たちは大喜びで件の川へと意気揚々向かったのだった。
実際、周辺へ聞き込みをすれば、被害が出始めてから今までで一年以上も時が経っていた。最初は月に一人あるかないか。だが、ここ数ヶ月で被害の数は増し、ついには渡り船が被害に合った。これがきっかけとなり、江氏へ話が持ち込まれたようだ。
3341「魏無羨ッ!」
ギラギラと、憎く思うほど太陽が照りつける中、雲夢江氏の江晩吟は剣を片手に水中へと飛び込んだ。
時は少し遡る——。
江氏の宗主、江澄の父親で魏無羨の義父である江楓眠から、川で水鬼の被害が増えているため、討伐を頼まれた。訓練ばかりで、夏の暑さにも辟易していたところに、久しぶりの夜狩とあって江澄たちは大喜びで件の川へと意気揚々向かったのだった。
実際、周辺へ聞き込みをすれば、被害が出始めてから今までで一年以上も時が経っていた。最初は月に一人あるかないか。だが、ここ数ヶ月で被害の数は増し、ついには渡り船が被害に合った。これがきっかけとなり、江氏へ話が持ち込まれたようだ。
春之助
MOURNING魏嬰が猫のように死に際に姿を消すお話し私の2021年11月22日のメモ帳に残ってたお話なんだけど、続きがなくて誰か知らない??これ壁打ちしてたとかあるのかな……、あまりにも記憶が無い、、
猫ってすごくすごく可愛いよね魏嬰が猫のように死に際に姿を消すお話し
魏嬰のコロコロ変わる表情にいつしか笑い皺が増えた。髪は綺麗な白銀を宿し、赤と黒の若々しさは無くなった。人を揶揄う言動は変わらないのに、声は落ち着き、目には慈愛を含んでいた。共に過ごしてもう何十年も経っているのだと愛しい月日に思いを馳せた。
彼の変わっていく新しい姿に毎日のように愛しさが増していく。しかし、その新しい姿は次第に寿命を感じさせていった。 歳を重ねてもお酒好きは変わらなかったが、飲む量は格段に減っていた。天天と言った行為も彼の負担が大きかったから徐々に減りいつしか無くなった。食事も姑蘇の食事をよく食べるようになり、私が用意する事は減っていった。魏嬰は自分でやらなきゃ身体が鈍るのだと、私に世話を妬かせる事を拒否するようになった。
4651魏嬰のコロコロ変わる表情にいつしか笑い皺が増えた。髪は綺麗な白銀を宿し、赤と黒の若々しさは無くなった。人を揶揄う言動は変わらないのに、声は落ち着き、目には慈愛を含んでいた。共に過ごしてもう何十年も経っているのだと愛しい月日に思いを馳せた。
彼の変わっていく新しい姿に毎日のように愛しさが増していく。しかし、その新しい姿は次第に寿命を感じさせていった。 歳を重ねてもお酒好きは変わらなかったが、飲む量は格段に減っていた。天天と言った行為も彼の負担が大きかったから徐々に減りいつしか無くなった。食事も姑蘇の食事をよく食べるようになり、私が用意する事は減っていった。魏嬰は自分でやらなきゃ身体が鈍るのだと、私に世話を妬かせる事を拒否するようになった。
mahir_619
DONE以前のワンライで上げたもの再掲です。1話から。厄災の陳情
死んだほうがましだ――
CQL莫家荘の魏嬰は言葉どおりにそう思っていたと思うんですよね。
パスは面倒なので外しました!ごゆっくりどうぞ。 6
mahir_619
DONE藍先生と家規と魏嬰とちょっとだけ藍湛。吹き替え陳情令の家規を聞いていて、真相を知ってから藍先生も思うところがあったんじゃないかなぁ、と思っています。
cql設定は家規のみですが、雲深不知処に帰ってきて最初の春くらいのイメージです。
パスは面倒なので外しました!
後日でも読めるようにしますのでごゆっくりどうぞ。 12