ファンシティのその道は別の目的で探し歩いていた。最初はそんなに真剣に相談するつもりはなかったのだ。偶然、何となく、以前も通ったことがあるな、と思うと、突然聞きに行きたくなってしまった。
だって、全然、気づいてくれないんだもの。
夕暮れ時、レナはある建物の中に、一人足を踏み入れた。
「恋愛としてはかなりいい線行っています。でも油断は禁物ですよ」
目の前の水晶玉に映る自分は逆さになっている。店じまい前に駆け込んだこともあり、息切れと不安で我ながらひどい顔だ。結果がひとまず予想より良かったので、レナは胸を撫で下ろした。それなのに。
「油断……。はい、気をつけます」
礼を言って席を立ち、振り返った先で、相性を占った当人が立っているとは、夢にも思わないではないか。
3117