Recent Search

    ことざき

    @KotozakiKaname

    GW:TのK暁に今は夢中。
    Xと支部に生息しています。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 42

    ことざき

    DONEこぼれ落ちてゆくもの。K暁。薄暗い。

    診断メーカー【あなたに書いて欲しい物語(ID:801664)】さんの【「ぱちりと目が合った」で始まり、「君は否定も肯定もしなかった」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字程度)でお願いします。】から。
    忘れじの行く末に ぱちりと目が合った。それで分かった。これは夢なのだと。
     僕が右手を伸ばすと、彼もまた右手を差しだしてきた。重ねた指先は突きぬけなかった。筋張ってゴツゴツとした手の甲、かさついた皮膚の感触。やや低い、じんわりとした体温。握りこめば、同じだけの力で握りかえされた。
     彼がいる。今ここに、僕の目の前に。確かな身体を持って。夢でもかまわない。だって、彼がここにいるのだ。
     心臓を鋭い痛みが貫いた。喉が締めつけられ、押し戻された空気で顔中が熱くなった。気づいた時には、目の前のすべてが歪んでいた。
     波立つ水面のように揺らめく視界では、彼の姿を脳裏に焼きつけられない。しゃくりあげながら顔を拭おうとした僕より早く、彼の手の平が頬をおおった。そのまま親指の腹で目元をこすられる。とても優しい仕草なのに、硬いささくれが皮膚に刺さって痛い。思わず息を呑むと、覚えのある苦い香りが鼻先を掠めた。
    759

    ことざき

    DONE祠を壊した人に対するけけおじさんの反応を想像しようとして、どうしても思い浮かばず、捏ねくりまわしているうちにできた話。

    偕老同穴
    『生きてともに老い、死して墓を同じくすること。夫婦仲睦まじいこと』
    偕老同穴の契り リビングで華やかな旋律が鳴っていた。
     暁人はニンジンに包丁を入れかけていた手を止め、背後を振り返った。視線の先、二人で使うにはやや手狭なダイニングテーブルの上で、暁人のスマートフォンが細かな振動を繰り返している。暁人お気に入りのこのメロディは、パートナーであるKKだけのものだ。
     今朝、朝食の席で彼から聞いた話では、怪異調査には一晩中かかるだろうとのことだったが、予想外に早く終わったのだろうか。暁人は包丁をまな板の上に置き、ざっと手を洗うと、キッチンと地続きのリビングへ早足で向かった。
     ともに暮らしはじめた当初から口を酸っぱくして言い聞かせてきた甲斐あって、KKはここ最近、ようやく予定変更の連絡をちょくちょく入れるようになってきていた。この着信も、そのためのものかもしれない。彼と一緒にご飯を食べられるのであれば、少しくらい夕飯が遅くなってもまったく構わないし、たとえ夕飯には間に合わなくとも、一緒に眠れるならやはり嬉しい。
    4803