共感覚双子誕生日話。
【共感覚】
あれはカガリが4歳の誕生日を迎えた日の事だ。
『おとうさまー! どうしてわたしにはおとうとがいないの!?』
あの日の私は、今まで感じていなかった違和感を覚えた。
『いきなりどうしたのだ、カガリ。それに何故弟なのだ?』
父が不思議そうな顔をして、乳母のマーナと顔を見合せる。
突然言われた言葉に困惑する2人に、カガリは力強く答える。
『だってみたんだ! ちゃいろいかみで、目がムラサキでキレイだった!』
具体的な特徴を伝えると、困惑していた父の顔色がサッと青くなった。
『どこで見たんだ?』
真剣な眼差しで聞いてくる父に、カガリは言葉を詰まらせた。
『えーと……ユメで……みた……』
2024