命火拝領〈3〉「な、なにがあったんですか……!?」
気持ちを正しもう一度試練を受けようという覚悟の元戻ってきたロンドとリシャールは、エントランスに足を踏み入れた瞬間驚きの声を上げた。
元々内乱の傷跡が残っていたその場所はさらに荒れ、なぜかヨルンがボロボロになった状態で階段に座り項垂れていた。しかも謎なことにもっと上段に陣取り同じく階段に腰を下ろしているタトゥロックもボロボロであり、ふてくされているのかそっぽを向いている。
まるで大喧嘩の後のような光景に目を白黒させていると、「あぁ、戻ってきたか」とバルジェロが声をかけてきた。
「どうしちまったんだよ。まさか魔物か?」
「魔物……か。魔物であればよかったんだがな」
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