年越し クリスマスが終わると、世間は一気にお正月一色になる。スーパーにはおせちの具材が並び、デパートにも門松やしめ縄が並んでいる。大晦日が近づき、世間が休日に入ると、店は人で溢れる。僕たちは早めに年末の買い物を済ませて、家でのんびりしていた。
「今日は年越しだから、年越し蕎麦を食べようか」
僕が言うと、ルチアーノは興味無さそうに答えた。
「僕は要らないよ」
「せっかくだから食べようよ。カレー味にするからさ」
「要らないって。そもそも、どうして年越しが蕎麦なのか知ってるのかよ」
言われてみれば、確かにそうだ。僕たちは、意味を知らないまま年越しに蕎麦を食べている。
「あんまり気にしたことなかったな。どうして蕎麦なんだろう」
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