【曦澄】クリスマスの話【腐向け】十二月二十四日の夕方。
「できた」と、目を輝かせてリビングのソファーで空に掲げる。
教えてくれた家政夫に「できました!」と、キッチンに向かうとそちらもケーキが完成した頃合いだった。
「おお、よくできとりますなぁ」
網目は、江晩吟の性格を表す様にきっちりと密度が高く仕上がっている。
留めの所をチェックすると、肩をぽんぽんと優しくたたいた。
「がんばりましたな」
「うん!!あ、いや、はい!!」
「かしこまらんでもよろしいですよ。江の坊ちゃん」
褒められた事がうれしくて、気安く頷いてしまう。
するとクスクスと笑われてしまった。
「坊ちゃんたちのケーキは、冷蔵庫に入れてありますからな」
「はい。悠瞬さんは、これからデートですか?」
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