ドロワ
Jeff
DOODLEお題:「ダイエット」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/05/26
Dungeon「お前が」
ヒュンケルは、自分の声量に驚いて俯いた。
ぽそぽそと続ける。
「お前が……言ってくれたから」
ラーハルトは頭を抱えて突っ伏したまま、「何をだ」と言い返す。
「俺の、頬骨がきれいだって」
そうだ、確かに言った。
戦後にひと回り細くなってしまった相棒は、彫刻めいた美を纏っている。
痩せた腕を切なそうに見ている元戦士に、慰め半分、情欲半分で。
青白い頬に触れ、甘く囁いてみたのだった。
まさかその一言が、ヒュンケルの歪んだ美意識に着火してしまうとは。うかつだった。
「だから、その。お前もやはり、ああいうのが好みなんだろうなと」
当人はもじもじと顔を赤らめる。
「?」
「もう少しだけ痩せたら、近づけるかと思ったんだ」
1968ヒュンケルは、自分の声量に驚いて俯いた。
ぽそぽそと続ける。
「お前が……言ってくれたから」
ラーハルトは頭を抱えて突っ伏したまま、「何をだ」と言い返す。
「俺の、頬骨がきれいだって」
そうだ、確かに言った。
戦後にひと回り細くなってしまった相棒は、彫刻めいた美を纏っている。
痩せた腕を切なそうに見ている元戦士に、慰め半分、情欲半分で。
青白い頬に触れ、甘く囁いてみたのだった。
まさかその一言が、ヒュンケルの歪んだ美意識に着火してしまうとは。うかつだった。
「だから、その。お前もやはり、ああいうのが好みなんだろうなと」
当人はもじもじと顔を赤らめる。
「?」
「もう少しだけ痩せたら、近づけるかと思ったんだ」
POI9562400
DONE #菅受ワンドロワンライお題「準備」です
味噌ラーメン食べながら書きました
ツッコミどころ多いけどご愛嬌ということで…
味噌ラーメン前夜 子どもというのはしばしば突拍子もないことを言う。そこには彼らなりの道理やこだわりがあるのだと、よく耳を傾けてみればそれが分かることもある。
「俺が明日の試合勝ったら北海道に来て」という及川の発言も、おそらくそういう類のものだろう。こいつは時々呆れてしまうくらい幼稚なところがある、人のこと言えないが。
俺は突っぱねずにフンフン、どうした?と傾聴の姿勢をとったが、よくよく聞いてもそれは「北海道で待ち合わせてラーメンを食べたい」という依然としてわけのわからない主張だった。
「負けたらナシなわけ?」
「だってそしたら次の日も試合だもん」
「あ、そうかお前」
「そう、今中国。急だけどスケジュール空いてさ、せっかくだから」
1145「俺が明日の試合勝ったら北海道に来て」という及川の発言も、おそらくそういう類のものだろう。こいつは時々呆れてしまうくらい幼稚なところがある、人のこと言えないが。
俺は突っぱねずにフンフン、どうした?と傾聴の姿勢をとったが、よくよく聞いてもそれは「北海道で待ち合わせてラーメンを食べたい」という依然としてわけのわからない主張だった。
「負けたらナシなわけ?」
「だってそしたら次の日も試合だもん」
「あ、そうかお前」
「そう、今中国。急だけどスケジュール空いてさ、せっかくだから」
Touno_hiragi12
DONEリオヌヴィワンドロワンライ第8回『スキップ』『写真』で書きました〜。最初の方スキップ(skip)から連想したUNOやってます。UNO大好きちょっと下ネタ入ってるのでポイピクで失礼しますわね! 1h 2825
ひとねむり
DONE竹くくワンドロワンライさんのお題「予行練習」竹谷くんのプロポーズ大作戦
ワンライのくせに2時間くらいかけちゃったからボツッたけど、やっぱり竹くくは結婚して欲しい
予行練習 色々と考えてはいたのだ。一応。ちゃんと。たくさん。
あ、プロポーズしないと、って思ったのは、確か、1ヶ月くらい前だった。おはようって挨拶から始まる一日とか、お互い眠気を残しながら朝ごはん食べて、時には食べなくて、出勤前のささやかな会話からなんとなく体調を推し図って、仕事中でも夕飯の買い出しのこととか何でもない話で連絡を取り合って、家に帰ってただいま、おかえりと言ったり、言われ合ったりして、寝るまでの間、家事をしながら話したり、お互い好きなことをしてたり、思い思いに過ごして、色んな隙間でちゅーしたり、セックスしたりして、おやすみ、で終わる一日が、あんまりにも日常になった頃、思った。あ、プロポーズ、ちゃんとしないとって。
4941あ、プロポーズしないと、って思ったのは、確か、1ヶ月くらい前だった。おはようって挨拶から始まる一日とか、お互い眠気を残しながら朝ごはん食べて、時には食べなくて、出勤前のささやかな会話からなんとなく体調を推し図って、仕事中でも夕飯の買い出しのこととか何でもない話で連絡を取り合って、家に帰ってただいま、おかえりと言ったり、言われ合ったりして、寝るまでの間、家事をしながら話したり、お互い好きなことをしてたり、思い思いに過ごして、色んな隙間でちゅーしたり、セックスしたりして、おやすみ、で終わる一日が、あんまりにも日常になった頃、思った。あ、プロポーズ、ちゃんとしないとって。
さめしば
MOURNINGひとつ前の投稿(ワンドロワンライ)→ https://poipiku.com/3976714/10255067.html のifネタらくがきおそらくテレビ通話使用。(近くに山田がいないか確認するため) 2
_xJohnDoex_
CAN’T MAKE #鬼目ゲタ父ワンドロワンライ(@Onime1d1w)
お題:子守唄/あなたのせい/ゲーム
子守唄を膝枕で唄って貰える権利を賭けて真剣にゲームしてた倅たちに謎に責めらるたった今所用から帰って来た父
さめしば
DONE灼カバワンドロワンライのお題「こどもの日」で書いたSS5月5日の井浦慶の話。⚠️捏造要素あり
「じゃあ今から十五分の休憩に入ります! 皆さん、水分はしっかり取ってくださいねー」
はあーい! 整列した子どもたちの声が、体育館の天井に高く響いた。
きょうは五月五日、こどもの日。都内のとある大型スポーツ施設では、小学生を対象としたスポーツフェスティバルが開催されていた。さまざまな競技団体が集うこの日、カバディ協会に割り当てられたのはここ、第二体育館の午前のプログラムだ。「こどもカバディ体験教室」と題し、競技未経験の子どもたちにカバディの楽しさを知ってもらう——これが本日のねらいである。その折り返しとなる休憩時間、運営スタッフとして参加中の井浦慶は、持参したペットボトル片手に休息を取っていた。立ったまま体育館の壁に背を預け、小さな溜め息を吐く。——わかっちゃいたけど、子どもの相手ってのはなかなか骨が折れるモンだな。スポーツドリンクを喉に流し込みながら、目の前の喧騒を眺めつつ思った。体力の有り余っているらしい男子数人が、休憩の間も惜しむようにマット上でじゃれ合っていた。狭いコート内で行われる鬼ごっこがいたく気に入ったと見える。悪くない光景だと、井浦は素直にそう思った。すると、井浦のところにまっすぐ近付いてくる男がひとり——同じくスタッフの一員として参加中の、山田駿だ。
3639はあーい! 整列した子どもたちの声が、体育館の天井に高く響いた。
きょうは五月五日、こどもの日。都内のとある大型スポーツ施設では、小学生を対象としたスポーツフェスティバルが開催されていた。さまざまな競技団体が集うこの日、カバディ協会に割り当てられたのはここ、第二体育館の午前のプログラムだ。「こどもカバディ体験教室」と題し、競技未経験の子どもたちにカバディの楽しさを知ってもらう——これが本日のねらいである。その折り返しとなる休憩時間、運営スタッフとして参加中の井浦慶は、持参したペットボトル片手に休息を取っていた。立ったまま体育館の壁に背を預け、小さな溜め息を吐く。——わかっちゃいたけど、子どもの相手ってのはなかなか骨が折れるモンだな。スポーツドリンクを喉に流し込みながら、目の前の喧騒を眺めつつ思った。体力の有り余っているらしい男子数人が、休憩の間も惜しむようにマット上でじゃれ合っていた。狭いコート内で行われる鬼ごっこがいたく気に入ったと見える。悪くない光景だと、井浦は素直にそう思った。すると、井浦のところにまっすぐ近付いてくる男がひとり——同じくスタッフの一員として参加中の、山田駿だ。
Jeff
DOODLEお題:「なんだこれ」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/05/19
Passenger 電車が減速するひとときが、何とも言えず好きだ。
と、ラーハルトは思う。
どうせ大した事故じゃない。
線路わきで未知の救難信号を傍受したとか、つむじ風に煽られた世界樹がごっそり毒の花粉を飛ばしたとか。
『永遠の若さを手に ○○化粧品』
『欠陥品アウトレット 全品半額』
『洗濯革命 ナノ分子の強力浄化』
『歴史ある舞台○○ ついに終演』
賑やかな看板が、緩慢に通り過ぎていく。
線の塊だった高速の車窓が、徐々に収束し、像を結ぶ。
踏切のむこうで俯く会社員。薄汚れたベランダにはためくシーツ。
売春宿のネオンと、歯医者の自撮りポスター。
どこまでも続く四角張った世界と、その奥にあるくたびれた営み。
ささいな日常が、不意打ちのように視界に飛び込んでくる。
1803と、ラーハルトは思う。
どうせ大した事故じゃない。
線路わきで未知の救難信号を傍受したとか、つむじ風に煽られた世界樹がごっそり毒の花粉を飛ばしたとか。
『永遠の若さを手に ○○化粧品』
『欠陥品アウトレット 全品半額』
『洗濯革命 ナノ分子の強力浄化』
『歴史ある舞台○○ ついに終演』
賑やかな看板が、緩慢に通り過ぎていく。
線の塊だった高速の車窓が、徐々に収束し、像を結ぶ。
踏切のむこうで俯く会社員。薄汚れたベランダにはためくシーツ。
売春宿のネオンと、歯医者の自撮りポスター。
どこまでも続く四角張った世界と、その奥にあるくたびれた営み。
ささいな日常が、不意打ちのように視界に飛び込んでくる。
ほしのかりん
DONE【トウ悠】 君の瞳で乾杯はカフェデートで あ~ん しちゃうお話
(全年齢⭕)
ほのぼの
拙作『両想いになるまでのあれやこれや(前後編)』の少しあとのお話です
トウ悠版ワンドロワンライ
2024.4月のお題『瞳』で書いたSSです
⚠️
小説書き及び二次創作🔰初心者
ラビ🍵未読多数
設定等間違ってても優しくしてください🙇♀️ 9
AshWednesday025
DONEワンドロワンライのお題『ごめんね』だけお借りしました。#WVワンドロワンライごめんね
原作後、孤児院を拠点にプラント技師として動いているVさんとW。
仕事の遠征から帰った翌日、ご都合主義の謎なプラント現象でおかしくなってしまう(セイテキに)Vさんのお話。
支部で書いている原作後のお話の設定のような感じです。
18↑? yes/no 8
nainaisokoniha
DONEフラバの二次です。捏造・設定大無視・作中レベルの絞首表現有り。
第1回ワンドロワンライ企画への参加文章です。
万に一つも 暗闇にいる。クリニックから帰った後、何をしたかはっきり覚えていない。ここはわが家なのか。自分はまだスーツを着ていて、何かが不安で、膝を立てて地べたに座っている。今日も疲れた。ここ最近は精神的に疲弊しきって、情緒が乱れているからだ。日常の中のほんの僅かな時間でも、先生が言っていたフラッシュバックが起きただけで、夜も眠れた気がしなくなる。心臓の位置が常に上にあがっているような不快感がずっと続いている。あいつが。そうだ、あの男が、俺の頭の中にこびりついているからこんな事に。対面したこともないあの男の歩幅が、足音が、息遣いが。
乾いた、コロコロと何かが転がる音。今この瞬間明確に聞こえた、しかし自分の口からなのか脳内の音なのか分からない飴の音。聞きたくもない響きに両耳を塞ぐ。今自分の口は開いていて、不自然な息をしているから、自分の口からの音では無い。そんな分かりきったことは認識出来る。しかし、耳を塞いでなお脳内に響く飴の音が大きくなって、同時に鎖の音が聞こえて、何が起こっているか分からない。無力感が恐怖と共に体内を渦巻いて生きている心地がしない。
3632乾いた、コロコロと何かが転がる音。今この瞬間明確に聞こえた、しかし自分の口からなのか脳内の音なのか分からない飴の音。聞きたくもない響きに両耳を塞ぐ。今自分の口は開いていて、不自然な息をしているから、自分の口からの音では無い。そんな分かりきったことは認識出来る。しかし、耳を塞いでなお脳内に響く飴の音が大きくなって、同時に鎖の音が聞こえて、何が起こっているか分からない。無力感が恐怖と共に体内を渦巻いて生きている心地がしない。
ruka
DONE第160回🔥❄️ワンドロワンライ「薬」「祝賀」 転生if
🔥さん、誕生日おめでとうございます🎁
とても短いです。
present君はまるで薬箱のよう。
そんな歌を思い出したよ、今日君が出迎えてくれた時に。
疲れてても君の笑顔をみると、明日もまた頑張ろうと思うんだ。
笑顔だけじゃない、怒った顔でも、感動しているときも、何かに夢中なときも、そして泣き顔も。
どんな君も、俺にはとても大切なんだ。
君という存在を
君という魂を
守るために生まれてきた、そんなことを思うほどに。
君がいるから、今、俺は俺でいられる。
君が愛を教えてくれた。
そう思う。
この世界でたった一人、君のことを心の底から愛してる。
何度生まれ変わっても
どんなことがあったとしても
あの夜の出逢いからずっと……君は俺の特別だ。
ふふっ。
君、顔が真っ赤になってる。
桃の花のような髪も
優しい月のような瞳も
728そんな歌を思い出したよ、今日君が出迎えてくれた時に。
疲れてても君の笑顔をみると、明日もまた頑張ろうと思うんだ。
笑顔だけじゃない、怒った顔でも、感動しているときも、何かに夢中なときも、そして泣き顔も。
どんな君も、俺にはとても大切なんだ。
君という存在を
君という魂を
守るために生まれてきた、そんなことを思うほどに。
君がいるから、今、俺は俺でいられる。
君が愛を教えてくれた。
そう思う。
この世界でたった一人、君のことを心の底から愛してる。
何度生まれ変わっても
どんなことがあったとしても
あの夜の出逢いからずっと……君は俺の特別だ。
ふふっ。
君、顔が真っ赤になってる。
桃の花のような髪も
優しい月のような瞳も
toaru_otaku_
DONEこは斑ワンドロワンライ、いつも開催ありがとうございます!お題「こども」お借りしました
いつか僕らは屋根より高く 青空を、気持ちが良さそうに鯉のぼりが泳いでいる。布が空気をはらんで、風に翻ると音をたてて、勢い良くその尾が青を往く。
雲一つない快晴である。遮るもののない青空はさぞ泳ぎやすかろう。平屋の民家、その庭先に鯉のぼりはあった。風にはためくのぼりに、視線は吸い寄せられた。
行事としては知っているが、こはくにとっては見慣れない風景である。男児が健康に生きながらえていることを隠さねばならなかった家だ。縁遠いものであった。
ロケバスの中から見えたその光景は、夜になってもどういうわけか頭から消えなかった。スマホの検索画面に「鯉のぼり」と入力して、その由来などを調べてみてもピンと来なかった。
(真鯉、緋鯉、青鯉……揃って家族を表す……)
1575雲一つない快晴である。遮るもののない青空はさぞ泳ぎやすかろう。平屋の民家、その庭先に鯉のぼりはあった。風にはためくのぼりに、視線は吸い寄せられた。
行事としては知っているが、こはくにとっては見慣れない風景である。男児が健康に生きながらえていることを隠さねばならなかった家だ。縁遠いものであった。
ロケバスの中から見えたその光景は、夜になってもどういうわけか頭から消えなかった。スマホの検索画面に「鯉のぼり」と入力して、その由来などを調べてみてもピンと来なかった。
(真鯉、緋鯉、青鯉……揃って家族を表す……)
梨 末
DONE剣伊。お題「さくら」「愛しい人」
制限時間+二時間。季節遅れの花見をする二人。
#剣伊ワンドロワンライ
遅咲きの花に手を添えて ――ひらり、ふわり。
小さい薄桃色の花びらが、風に拐われて空を舞う。
揺れるまま、流れるままに空中をたゆたっていたそれはやがて終わりを迎え、とある場所に辿り着いた。
辿り着いたのはとある年若い青年、触れたかどうかも解らない優しさで花びらは彼の頬に着地した。
落ちてきた花びらは小さくも存在を訴えていたが、当の本人は反応を示さない。満開の桜の樹の下で横になっている青年は眠っているのか、両目を閉じたまま、静かに胸を上下させていた。
麗らかな日差しの元、穏やかな風に桜の木々がさらさらと揺れる音に紛れて、彼の微かな呼吸音だけが聞こえている。それ以外がほぼ何もない空間で、くすりと鈴を転がしたような小さな笑い声が響く。
2760小さい薄桃色の花びらが、風に拐われて空を舞う。
揺れるまま、流れるままに空中をたゆたっていたそれはやがて終わりを迎え、とある場所に辿り着いた。
辿り着いたのはとある年若い青年、触れたかどうかも解らない優しさで花びらは彼の頬に着地した。
落ちてきた花びらは小さくも存在を訴えていたが、当の本人は反応を示さない。満開の桜の樹の下で横になっている青年は眠っているのか、両目を閉じたまま、静かに胸を上下させていた。
麗らかな日差しの元、穏やかな風に桜の木々がさらさらと揺れる音に紛れて、彼の微かな呼吸音だけが聞こえている。それ以外がほぼ何もない空間で、くすりと鈴を転がしたような小さな笑い声が響く。
odgr
SPOILERチェズルク版ワンドロワンライ第38回提出作品です。お題は『ニュース』で。暮らドメバレ、毎朝の習慣になっているトップニュースチェック中のルにチェが朝ごはん作ってくれる話です。シークレット・ニュース 誰もいない朝のリビングで、シンクに少しだけ水を流す。コーヒーメーカーの給水タンクに新鮮な水を満たし、カプセルホルダーとともにセットしてスイッチを押す。
このカプセル式のコーヒーメーカーも、チェズレイが贈ってくれたものだった。クリスマスまでウィリアムズ邸へ厄介になるにあたり、プレゼントがてら新しいコーヒーメーカーを持参するとチェズレイが言い出した時には本格的なエスプレッソマシンが来てしまうのではないかと身構えていたが、実際に届いたのはコンパクトサイズのカプセル式メーカーだった。美味しいエスプレッソも魅力的だったが、各種ブレンドやフラットホワイト、ラテ・マキアートやココアまで、毎日たくさんのカプセルの中から好きな味を選べる楽しさと手入れの簡便さを理由に選んでくれたのだということは、ルークもすぐに気が付いた。
3556このカプセル式のコーヒーメーカーも、チェズレイが贈ってくれたものだった。クリスマスまでウィリアムズ邸へ厄介になるにあたり、プレゼントがてら新しいコーヒーメーカーを持参するとチェズレイが言い出した時には本格的なエスプレッソマシンが来てしまうのではないかと身構えていたが、実際に届いたのはコンパクトサイズのカプセル式メーカーだった。美味しいエスプレッソも魅力的だったが、各種ブレンドやフラットホワイト、ラテ・マキアートやココアまで、毎日たくさんのカプセルの中から好きな味を選べる楽しさと手入れの簡便さを理由に選んでくれたのだということは、ルークもすぐに気が付いた。
kisaragi_03_11
DONE遅ればせながらレイマシュワンドロワンライの作品です。"初恋"、"本音"、"手紙"。
その"なまえ"はーーー初恋だった。
無条件に僕を認めてくれる人がいるなんて。
でも男同士で、本当のこと言えるわけが無い。
ずっと抱えてきたこの想い、みんなにはお見通しで「相談しろ」って怒られた。
消灯後に抜け出して夜空を眺めながら苦しくて悲しくて辛くて、泣いた日もあったけど。
嬉しくても涙が出るんだって初めて知った。
ーーーーーー今日はレインくんの卒業式。
学校で会えるのはこれで最後。
レインくんは神覚者だから、今までよりも忙しくなる。
皆もそれでいいのかって心配してくれたけど、僕は決めたんだ。
僕の意志の強さに「もう、仕方ないな」と困ったように笑いながら協力してくれた。
最初で最後の恋文。
好きです。
これが今の僕に出来る精一杯の告白。
1233無条件に僕を認めてくれる人がいるなんて。
でも男同士で、本当のこと言えるわけが無い。
ずっと抱えてきたこの想い、みんなにはお見通しで「相談しろ」って怒られた。
消灯後に抜け出して夜空を眺めながら苦しくて悲しくて辛くて、泣いた日もあったけど。
嬉しくても涙が出るんだって初めて知った。
ーーーーーー今日はレインくんの卒業式。
学校で会えるのはこれで最後。
レインくんは神覚者だから、今までよりも忙しくなる。
皆もそれでいいのかって心配してくれたけど、僕は決めたんだ。
僕の意志の強さに「もう、仕方ないな」と困ったように笑いながら協力してくれた。
最初で最後の恋文。
好きです。
これが今の僕に出来る精一杯の告白。
odgr
SPOILERチェズルク版ワンドロワンライ第38回提出作品です。お題は台詞お題の「逃がしませんよ」で。暮らドメバレ、チェとルで某スタイリッシュな軟体動物たちでインクを塗り合うシューティングアクションで遊ぶ話です。今回はチェズルクっていうかチェ+ルというか……チェはハイ〇ラントの面白さに気づいたら大変なことになると思う。
「やばっ」
現実でルークが発した声に、画面の中の小さな悲鳴が重なる。
まっすぐに飛んできた弾丸に貫かれ、携帯ゲーム機に映っていたキャラクターが弾け飛び、明るいパープルのインクがステージに四散した。
「フフフ……。逃がしませんよ、ボス」
リビングのテレビの画面では、楽しそうに笑うチェズレイが操るキャラクターが大型の狙撃銃を構えている。スナイパー役のチェズレイが睨みを効かせている間に、テーマパークを模したステージがチェズレイのチームカラーにどんどん塗り替えられていく。スタート地点である自陣に戻され、ルークは焦りと感嘆とを長い溜息に変えて唸った。
夕食後、ルークがリビングで一息ついていた時、そわそわとした様子のチェズレイにゲームに誘われた。一週間ほど前にルークがチェズレイの前でやってみせたゲームをルークの不在時に練習したので、一緒にやって欲しいという。海生軟体動物と人型を自由に切り替えられるキャラクターを駆使して広大なステージ中を駆け回り、カラフルなインクを射出する様々な種類の武器を用いて、ステージのフロアをチームカラーで侵食しあい陣取り合戦をするその対戦アクションゲームを気に入ったようで、仲間たちと同時プレイが出来るように携帯ゲーム機本体とソフトまで買ってきたという気合いの入れようだった。携帯ハードの方は既にルークの自宅のWi-Fiにも接続してあり、インターネットを介した同時プレイの準備も万端だった。
2905現実でルークが発した声に、画面の中の小さな悲鳴が重なる。
まっすぐに飛んできた弾丸に貫かれ、携帯ゲーム機に映っていたキャラクターが弾け飛び、明るいパープルのインクがステージに四散した。
「フフフ……。逃がしませんよ、ボス」
リビングのテレビの画面では、楽しそうに笑うチェズレイが操るキャラクターが大型の狙撃銃を構えている。スナイパー役のチェズレイが睨みを効かせている間に、テーマパークを模したステージがチェズレイのチームカラーにどんどん塗り替えられていく。スタート地点である自陣に戻され、ルークは焦りと感嘆とを長い溜息に変えて唸った。
夕食後、ルークがリビングで一息ついていた時、そわそわとした様子のチェズレイにゲームに誘われた。一週間ほど前にルークがチェズレイの前でやってみせたゲームをルークの不在時に練習したので、一緒にやって欲しいという。海生軟体動物と人型を自由に切り替えられるキャラクターを駆使して広大なステージ中を駆け回り、カラフルなインクを射出する様々な種類の武器を用いて、ステージのフロアをチームカラーで侵食しあい陣取り合戦をするその対戦アクションゲームを気に入ったようで、仲間たちと同時プレイが出来るように携帯ゲーム機本体とソフトまで買ってきたという気合いの入れようだった。携帯ハードの方は既にルークの自宅のWi-Fiにも接続してあり、インターネットを介した同時プレイの準備も万端だった。
ruka
DONE158回🔥❄️ワンドロワンライ「味見」 1時間強です。
転生した二人、大学生同士です。
いつも企画運営ありがとうございます。
また前作までの作品にスタンプありがとうございました。嬉しいです。
Squisito「杏寿郎、ちょっと味見してくれ」
渡された小皿に乗っていた大学芋を食べる。
「うまいっ!今日も美味しいぞ、猗窩座」
とても美味しく、思いのまま答えると猗窩座は
「そうか」
とだけ答えるが、月のような瞳が彼がホッとしたのを俺に知らしめた。
猗窩座は俺がいる時に作った料理に対して、俺に味を見るように言ってくる。
そうでなければ、俺が食べる時に少し不安そうに見てくる、俺の反応を伺うのだ。
そのことに気がついたのは付き合い始めて直ぐの事だった。
俺と猗窩座が再会したのは大学でのこと。
教育学部に進んだ俺は偶然彼と図書館で出会った。
少しだけ日が差し込む席に座り、静かにレポートを書いていた猗窩座がとても綺麗で眼が離せなかった。
2220渡された小皿に乗っていた大学芋を食べる。
「うまいっ!今日も美味しいぞ、猗窩座」
とても美味しく、思いのまま答えると猗窩座は
「そうか」
とだけ答えるが、月のような瞳が彼がホッとしたのを俺に知らしめた。
猗窩座は俺がいる時に作った料理に対して、俺に味を見るように言ってくる。
そうでなければ、俺が食べる時に少し不安そうに見てくる、俺の反応を伺うのだ。
そのことに気がついたのは付き合い始めて直ぐの事だった。
俺と猗窩座が再会したのは大学でのこと。
教育学部に進んだ俺は偶然彼と図書館で出会った。
少しだけ日が差し込む席に座り、静かにレポートを書いていた猗窩座がとても綺麗で眼が離せなかった。
Jeff
DOODLEお題:「高嶺の花」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/04/28
出待ちの陸せん騎💐
Etoile ヒュンケルは頬杖をつき、あらためて目の前の男をじっと見た。
ベンガーナ中心街をやや外れた、洒落た一角のカフェにて。
初夏の風を楽しむ余裕もないのか、ラーハルトは呆然と掌を見つめたままだ。
「そろそろじゃないか」
ヒュンケルが声をかけると、ああ、と蚊の鳴くような声で答える。いつもの鉄面皮はどこへやら、頬の産毛が数えられそうなくらい幼く見える。
久しぶりだ、相棒のこんな姿は。
ヒュンケルはほくそ笑んで、冷たいライム水を一口含んだ。
彼の相棒、世界一の戦士ラーハルトは。
意外なことに、惚れっぽい。
数年前なら、魔界まで踏み抜く大喧嘩に発展していただろう。実際何度か揉めて、罪もない山岳が半分消し飛んだりもした。
2438ベンガーナ中心街をやや外れた、洒落た一角のカフェにて。
初夏の風を楽しむ余裕もないのか、ラーハルトは呆然と掌を見つめたままだ。
「そろそろじゃないか」
ヒュンケルが声をかけると、ああ、と蚊の鳴くような声で答える。いつもの鉄面皮はどこへやら、頬の産毛が数えられそうなくらい幼く見える。
久しぶりだ、相棒のこんな姿は。
ヒュンケルはほくそ笑んで、冷たいライム水を一口含んだ。
彼の相棒、世界一の戦士ラーハルトは。
意外なことに、惚れっぽい。
数年前なら、魔界まで踏み抜く大喧嘩に発展していただろう。実際何度か揉めて、罪もない山岳が半分消し飛んだりもした。
飛鳥(Gemini 10)
DONE安赤ワンドロワンライ第108回 お題「杯」そしかい後。まだ付き合っていないけどお互いの想いはわかっている安赤の、花見酒。ネタバレというほどではありませんが、数行だけ今年の映画『100万ドルの五稜星』に触れています。 1349
kurokami_oichii
DONE #isrn版ワンドロワンライ お題「陽気」春に外でのんびりしてるisrn
タンポポの綿毛を見つけたからrnに吹いてやろ〜としたら、風向きで自分に飛んできたisgさん
- - - - - - - - - - - - - - - -
4/21追記:閲覧ありがとうございます。加筆修正したものを1枚目に追加しました 2
haiiro
DONEまとめ過去作「交流会7」曦澄漫画&イラスト
目に付いたものをザクっと放り込みました
漫画は
生誕日や曦澄ワンドロワンライ用に
描くことが多いです
画力まだまだですが
戦闘能力高そうな身体&えちちぃ場面を描けるようになるのが目標です
よろしくお願いします! 163
HajimeJime_prsk
PAST一筋縄ではいかない類との信頼関係に奮起する司の話。・司類ワンドロワンライに投稿した過去作を追記修正。お題は「コンビニ」「ゲーム」。
・ユニスト後~ワンハロ6話あたりの時間軸。
・司→→→→→類(ブロマンス)
・作中での司の行動はテーマに沿うための捏造なため、真実性は無し。苦手な方はご注意を。
アンコール 陽が傾いた夕方、司はフェニックスワンダーランドの近くに建つコンビニに向かった。悠々とした足取りで自動ドアを潜り、菓子コーナーで目的のものを見つけて少し悩んだ後、しっかりと手に取ってレジへと進む。カウンターにしっかりと置いたのはプラスチックケースに入ったラムネだ。司はそれを自分用ではなく、ユニットメンバーへ渡すためのプレゼントとして選んでいる。
『ワンダーランズ×ショウタイム』が結成されてから数日。司は座長としてメンバーの特徴を把握しようと自己紹介を提案した。名前はもちろん、通っている学校や好物、苦手なものといった少々深い内容まで披露するそれは、乗り気でない寧々を除き賛成された。
司の大声から始まり、えむの快活な紹介、寧々のシンプルな回答、類の芝居じみた語りと、実に個性的な自己紹介がなされた。そうして仲間のことを詳しく知った司は、さらに親交を深める方法としてそれぞれの好物を渡すことを思いついた。
4228『ワンダーランズ×ショウタイム』が結成されてから数日。司は座長としてメンバーの特徴を把握しようと自己紹介を提案した。名前はもちろん、通っている学校や好物、苦手なものといった少々深い内容まで披露するそれは、乗り気でない寧々を除き賛成された。
司の大声から始まり、えむの快活な紹介、寧々のシンプルな回答、類の芝居じみた語りと、実に個性的な自己紹介がなされた。そうして仲間のことを詳しく知った司は、さらに親交を深める方法としてそれぞれの好物を渡すことを思いついた。
takusan189
DONE花三ワンドロワンライに参加のため書きましたがまさかのアカウントがバンされたようで。機会を失いましたので、こちらにひっそりとあげておきます……ぬるいですがR18
pass:花三の背番号
追記
あんな様のご好意でシェアして頂きました🙏花三ワンライ参加できた嬉しい!😭
Xくんは今触っちゃダメだと言われているので、この場を借りて、本当にありがとうございます!!!! 9
Jeff
DOODLEお題:「修羅場」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/04/14
Deadline それは、ある晩突然やってきた。
否、既にそこにあったのに、あえて目を逸らしていたのだ。
「それで?」
ラーハルトは冷静を保ちつつ、机に突っ伏した相棒を見下ろした。
「助けて欲しい」
と、ヒュンケルはかすれ声で返す。
見事な銀髪はこんな時にも艶めいているが、てっぺんに紙屑が絡まっていた。
「いつからだ」
重々しく問うと、罪深き男はおもむろに視線を上げた。
徹夜明けの頬に謎の文字が転写されている。インクが乾かぬまま寝入ったのだろう。
「……三日」
「本当は?」
「一週間」
「正直に言え」
「一か月、くらいだ」
「締め切りは、一か月前?」
こくり、と頷くヒュンケル。
「誤解しないでくれ、ラーハルト。これは単純なミスだ。姫の提示する原稿提出期限にはかなりの余裕がある。一か月くらい超過して丁度いい。いつもなら問題ないんだ。だが、複数の記事を請け負っていたことをすっかり忘れていて」
1874否、既にそこにあったのに、あえて目を逸らしていたのだ。
「それで?」
ラーハルトは冷静を保ちつつ、机に突っ伏した相棒を見下ろした。
「助けて欲しい」
と、ヒュンケルはかすれ声で返す。
見事な銀髪はこんな時にも艶めいているが、てっぺんに紙屑が絡まっていた。
「いつからだ」
重々しく問うと、罪深き男はおもむろに視線を上げた。
徹夜明けの頬に謎の文字が転写されている。インクが乾かぬまま寝入ったのだろう。
「……三日」
「本当は?」
「一週間」
「正直に言え」
「一か月、くらいだ」
「締め切りは、一か月前?」
こくり、と頷くヒュンケル。
「誤解しないでくれ、ラーハルト。これは単純なミスだ。姫の提示する原稿提出期限にはかなりの余裕がある。一か月くらい超過して丁度いい。いつもなら問題ないんだ。だが、複数の記事を請け負っていたことをすっかり忘れていて」
ruka
DONE🔥❄️ワンドロワンライ「唇」「らしくない」
教師×生徒
時間は45分くらい。短めです。
Honey何故だか、目が離せなかった。
いつもと変わらぬはずなのに、ほんの少しきらりとしているような、艶やかに見えたせいか。
「杏寿郎、おはよう!」
「先生をつけなさい。それからおはようございますだろう?」
といつも通りだったのだ。
目に入るまでは。
彼の、猗窩座の唇が。
その瞬間に胸がどくっと脈打った。
見てはならないのに、目が離せないような不可思議な感覚は何故だか気恥ずかしいような気もして。
有り体にいえば、欲を感じてしまったのだ。
前世では宿敵である鬼、今は自分の生徒となった猗窩座に。
「杏寿郎?」
「……」
「おーい、どうかしたのか?」
「っ!……いや、なんでもない。
ちょっとしなければならないことを思い出しただけだ」
「そうか。じゃあ俺は行く。
1161いつもと変わらぬはずなのに、ほんの少しきらりとしているような、艶やかに見えたせいか。
「杏寿郎、おはよう!」
「先生をつけなさい。それからおはようございますだろう?」
といつも通りだったのだ。
目に入るまでは。
彼の、猗窩座の唇が。
その瞬間に胸がどくっと脈打った。
見てはならないのに、目が離せないような不可思議な感覚は何故だか気恥ずかしいような気もして。
有り体にいえば、欲を感じてしまったのだ。
前世では宿敵である鬼、今は自分の生徒となった猗窩座に。
「杏寿郎?」
「……」
「おーい、どうかしたのか?」
「っ!……いや、なんでもない。
ちょっとしなければならないことを思い出しただけだ」
「そうか。じゃあ俺は行く。